Black Lives Matterについて話しましょう

皆さん、こんにちは!COJコーチのななみんです。
今回、皆さんに大切なお話がありまして、初めてスタッフブログを書かせて頂いています。

アメリカの黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警察官に殺害された事件を切っ掛けに、世界中で人種差別問題に対して #BlackLivesMatter(黒人の命は大切)抗議が行われているニュース、ご存知でしょうか?遠い国の問題、日本にいる私たちには関係無い、と思っていませんか?

実は、日本で暮らす人にも関係しています。特に、COJのコミュニティ・オーガナイジング(以下CO)に触れてきた私たちにとても関係しています。

【Black Lives MatterとCOJの繫がり】

COといえば、アメリカの公民権運動で活用されたことが知られています。COの教材を開発したマーシャル・ガンツ博士も黒人差別を闘う市民と肩を並べて活動していました。

COJワークショップに参加された方なら、キング牧師とモントゴメリー・バス・ボイコットのお話、覚えているはずです。

1950年〜60年代アメリカでは、肌の色が理由で黒人の乗客は白人の乗客にバスの席を譲らなければならない、そして白人の乗客の言うことを従わなければ黒人の方は暴力を受けていました。こういった人種差別に立ち向かったモントゴメリー市の黒人コミュニティが、それぞれの力を合わせてバスのボイコット戦略を計画した話しは、COにより社会変革を表す題材として、COJワークショップで紹介しています。

公民権運動の結果、実現できたCivil Rights Act(公民権法)は人種に基づく差別以外にも、性別などあらゆる差別をなくしていく基礎をつくり、有色人種だけでなく、女性の権利、LGBTQの権利を進展させる基礎となりました。

しかし、現在のアメリカはその頃から人種差別は変わっていません。今は、肌の色でバスは隔離されませんが、肌の色で「犯罪者」だと怪しまれてジョージ・フロイドさんの様に殺されてしまいます。

モントゴメリー・バス・ボイコットより約70年が経った今でも、黒人の方々の命に関わる暴力的な人種差別はアメリカ社会に根付いている、とても深い問題です。詳しくは、私と同じCOJコーチのharuさんが書いたnoteをご覧下さい。(1)

【私たちと Black Lives Matter の繫がり】

少し自分の話しをさせて頂きます。

実は、#BlackLivesMatter が発足したのは2013年頃。私はアメリカで大学生をしていました。当時の私はナイーブで、周りの学生が #BlackLivesMatter の運動に参加していたところを、外から見守るだけで、自分から声を上げたりしませんでした。きっと、人種差別は悪いのは知っていたけど、「日本人の私が声を上げて何が変わるんだろう?」と思っていました。

2017年12月、COJフルワークショップに参加しました。その2日間で私はCOのパワーを肌で感じてエンパワされました。COをもっと知りたい、ナラティブを意識して声を上げたい、自分の活動にも取り入れて周りをエンパワたい。そうして、今の自分がここに立っています。

きっと、この投稿を読んで下さっている皆さんも、そんな想いがあってCOを活用しているのでは?COが切っ掛けで皆さんもエンパワされているのでは?

COに直接触れていなくても、COの影響を受けて日本社会を変えようとしている全国各地の労働組合、性暴力・性的同意活動、LGBTQムーブメントにエンパワされているのでは?

COにエンパワされた私たちだからこそ、そのCOが深く関わるアメリカの人種差別問題を理解して、#BlackLivesMatter ムーブメントと一緒に声を上げないといけないと思います。

今の私は「日本人の私が声を上げて何が変わるんだろう?」ではなくて、「日本人の私がアフリカ系アメリカ人の社会運動のパワーで立っているから声を上げる」に変えました。

【私たちが日本からできること】

① 全ては知ることから始まる

まず、知識を身につけるところから始めましょう。黒人差別や #BlackLivesMatter が自分/日本とどのように関わっていますか?自分の中に潜在する差別意識はありませんか?疑問に思うことはネット等で探しましょう。出発点として、これまでの #BlackLivesMatter に関する資料のまとめがあります。(2)

② 広げる/対話する

次に、SNSで情報拡散をしましょう。COJワークショップの仲間にこのブログ投稿をシェアしたり、黒人の方々の声(当事者の声)を拡大したり、#BlackLivesMatter を支援する団体やSNSのシェアなどで、周りの人へ認知度を上げましょう。

また、もう一歩踏み出せる方には、是非SNSに一回シェアするだけではなく、身近な方と直接対話をしましょう。対話の中で、答えが分らない疑問が上がれば、①に戻ってまた知識を身につけて対話を続けましょう。

③ 参加する

最後に、#BlackLivesMatter 活動を支援する署名活動や募金活動があります。金銭的に余裕のある方は、是非寄付にご協力お願い致します。寄付が難しい場合は、YouTubeビデオ視聴で簡単に募金ができる方法もあります。詳しくは、(2)資料の「What can we do to help? | 私たちにできること」を参照。

また、6月14日(日)14:45には、東京都の代々木イベントプラザにて、Black Lives Matter Tokyo主催「ブラック・ライヴズ・マター平和な行進」があります。COVID-19の影響で参加するのが難しい方は多いと思いますが、こういった参加方法もあります。マスク着用、ソーシャルディスタンスを保ちながら、平和的なマーチが行われる予定です。(3)

(1) 「#BlackLivesMatter について、日本のあなたに知ってほしいこと。」|note
https://note.com/justasweetpea/n/n04dd8790e130

(2)「#BlackLivesMatterって何?」|Google Docまとめ:クラウドソーシングで集めた資料
https://docs.google.com/document/d/1uq2KmBMZ0oE87cxiWh3Eny5Fqwz4dAlBQ66iDcd6p2E/edit 

(3)「ブラック・ライヴズ・マター平和な行進」ブラック・ライブズ・マター東京
https://www.instagram.com/p/CBIP6IvhxSD/?utm_source=ig_web_copy_link

(COJコーチ ななみん)

2020年度活動報告①

みなさんこんにちは。事務局長の安谷屋です。

2020年3月に第13回COJ主催ワークショップ中止の判断をしてから2か月以上が経ちました。新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大は、想像したことのない規模で生活や行動の変化をもたらしています。みなさんはどのように心身の健康を保っていらっしゃいますか?

この状況下、COJではワークショップのオンライン化にチャレンジしています。まず3月に「ストーリー・オブ・セルフ(私の物語)」についてのワークショップを実施しました(開催レポート)。

続いて4、5月に、パタゴニア日本支社が活動を支援している団体を対象としたワークショップを、4月26日、5月9日・10日にそれぞれ実施しました。通常のワークショップで模造紙と付箋紙(ポストイット)を使って行うワークは、みんなが書き込めるオンライン上のシートを活用し、9:00~19:30というスケジュールは9:30~17:30程度に収めました。5月9日・10日は2日間続けてでしたので、集中力が持つのかなど不安も大きかったです。

しかし、3月、4月と部分的に実施し、2日間続けての開催にこぎつけることができ、「コロナ禍だからこそコミュニティ・オーガナイジングが必要」との声に、今後もさらに応えていけるのではないか、という手応えを関わったスタッフは持てたと思います。また参加者のみなさんも、2日間集中して講義を聞き、ワークに参加してくださり、それぞれの活動に生かせる部分を見つけていたようでした。

この2日間は6月6日に続きますので、その後詳細な活動レポートを掲載する予定ですのでお楽しみに!

(COJ事務局長 安谷屋)

「生活と自治」5月号にCOJの活動紹介が掲載されました

「ロードマップその先の明日へ」連載⑪
若者のチャレンジが応援される社会へ
 手法と勇気を届けたい

というタイトルで、⽣活クラブ連合会が発⾏する “協同組合による⽣活者の新聞”、月刊紙『⽣活と⾃治』にCOJの活動を紹介していただきました。
本文をお書きくださった編集長の元木知子さんは、2019年5月に女性政治リーダー養成講座を取材した際、コミュニティ・オーガナイジングを知り、「今日の社会に必要な視点。紹介したい」と取材してくださいました。

2020年2月に松澤が明治学院大学で話した様子と、COJの事務所で安谷屋も一緒に取材を受け、コミュニティ・オーガナイジングの活用事例、コミュニティ・オーガナイジングのリーダーシップとは何か、その先にCOJがどんな社会を目指すのかが、5ページを使って紹介されています。

私は「今いいこと言えた!」と思ってもだいたいそれを繰り返すことができないので、このように取材していただき文章にしていただけると、いつでも振り返ることができてありがたいです。

「おかしいと思うことをSNSなどで発信すると、今はたたかれたり、つぶされたりしてしまいます。おかしいと思ったら、自分たちでどうにかできるんだとみんなが思える社会がいい。」「チャレンジが応援される、そんな社会がいいですよね。」

(事務局長 安谷屋)

2020年3月14日第1回オンラインCOJ主催ストーリー・オブ・セルフワークショップ開催レポート

2020年3月14日、オンライン会議ツール「Zoom」を利用して、COJ主催で「ストーリー・オブ・セルフ」ワークショップを開催しました。
当初予定されていた2日間のフルワークショップを、コロナウイルス感染拡大防止の対応として開催中止としたことを受け、急遽企画を調整し、開催に至りました。当日は、各地でリーダーシップを発揮してアクションを取ろうとしている10名の方々に参加いただきました。

COJとしても初となるオンラインワークショップ。参加者の方々との接続確認を入念に行い、安定したオンライン環境で進行することができました。
今回は、コミュニティオーガナイジングにおけるリーダーシップの1要素、「ストーリーテリング」を題材としてワークショップを実施しました。ひとりひとりが自分の過去の体験を振り返り、単なる経歴紹介ではなく、ストーリー性(困難・選択・結果)を踏まえて語ることで、他者と価値観を共有することにチャレンジしました。

短い時間の中で伝えたいことをまとめ上げる難しさや、初対面の人たちを相手に自分のことを語る緊張感。低くないハードルだったと思いますが、全参加者が自分のストーリーを発表することができました。なるべくひとりひとりが自分の顔をビデオで映し、他の人が話している時に頷いていたのが印象的でした。

終了後の感想として、
「自分が今の活動をしているのはなぜなのか、自分自身が知らなかったことに驚いた」
「みんなのストーリーを聞くことで、バックグラウンドを知ることができ、一人一人を応援したい気持ちになれた」
といった言葉が出てきました。それぞれの参加者の中で自己理解のきっかけになったこと、またオンラインという環境でありながら参加者相互の共感が生まれていたことをうれしく思います。

今回のワークショップを通じて、参加者の方々には「ストーリーを語ることの重要性」「それを語るための『型』」を理解していただくことができたと思います。その学びがご自身の活動に存分に生かされることを期待しています。
また、COJとしても「オンラインでのワークショップ提供」という新しい可能性に出会うことができました。新型ウイルスの感染拡大に伴う緊急措置でしたが、可能性を信じ、挑戦することでピンチの中にチャンスを見いだせることを実感できました。今回のワークショップを振り返り、より高い価値を幅広く提供していくために、今後も様々な取り組みにチャレンジしていきます。

レポート:関口真司(サブヘッドコーチ)

朝日新聞(3月7日朝刊)に共同創設者 鎌田のインタビューが掲載されました

オピニオン&フォーラム「男性仕様の政治、改め」
ロビーイングは効果大

「女性は政治に関心がない」という声を聞くけれど、それは本当か。古代ギリシャ・ローマの昔から政治は男性主導。男性向けに作られてきた政治の「壁」が、女性の参入を妨げていないか。

という投げかけとともに、鎌田を含む3人(東京大学准教授・前田健太郎さん、米ワシントン・アンド・リー大学教授・ロビン・ルブランさん)のインタビューが掲載されています。聞き手は、COJのワークショップ参加者でもある高重治香さん。
有料会員向け記事ですが、ぜひお読みください。

鎌田は、2016年から取り組んだ性犯罪の厳罰化を求める刑法改正に伴う活動の経験を基に、男性議員、女性議員それぞれの特徴や強みに着目したロビーイングについて語っています。その中で、政治はチームで動くもの。男性議員はネットワークが強く党内外を調整する力があるように見えた。女性議員は数が少ないためか「個」で動く印象から、女性議員が増える必要を痛感したとあります。そして最後をこう結んでいます。

男性であれ女性であれ、政治家は「国民の関心」を気にします。市民一人ひとりがともに動くことは、想像以上に大きな変化の力を生みます。

(事務局長 安谷屋)

【第1回オンライン】COJ主催「ストーリー・オブ・セルフ」ワークショップ

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「ストーリー・オブ・セルフ」ワークショップ
2020年3月14日(土)13:30~16:30
※12:45~13:20までに接続確認を必ず行ってください
※13:20集合(接続確認を終えた状態で)
※全日程通しての参加が必須です
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<開催趣旨>

新型コロナウィルスの影響により、3月14、15日に開催予定でした「第13回COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」の中止が決定しました。しかし、今の世情のようなまさに「不確かな状況下」では、同じ思いの同志がストーリーを語り、チーム・戦略を立てアクションをする、そういうリーダーシップが必要だと痛感してもいます。

そこで、オンラインワークショップを実施いたします!学べる内容は、コミュニティ・オーガナイジングの要素の1つであるストーリーの共有について、なぜ自分が行動を起こしたか、自身のストーリーを語って聞き手の共感を呼ぶ手法(ストーリー・オブ・セルフ)です。

・一斉休校要請で春休みが前倒しになった子どもたちの環境に対して改善のアクションをしたい

・新型コロナウィルスの影響でイベント等の中止が相次ぎ深刻な状況を改善するために誰かとつながりたい

例えばこんな風に思うとき、ひとりで動き始めるのは勇気がいりますよね。そんなときに思いを語り誰かが共感してくれたら、大きな力になります。その共感を呼ぶ方法を今こそみなさんと一緒に学びたいと考えての開催です。

<コミュニティ・オーガナイジングとは?>

市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになります。そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます。

<内容>
本講座では、コミュニティ・オーガナイジングの要素の1つであるストーリーの共有について、なぜ自分が行動を起こしたか、自身のストーリーを語って聞き手の共感を呼ぶ手法(ストーリー・オブ・セルフ)を学びます。
・導入講義「オーガナイジングとは何か?」
・「ストーリー・オブ・セルフ」を語る
※【講義→少人数での演習→振り返り】を通じて、ストーリーを語る練習をします

<申し込みに際しての留意点>

・全日程への参加が必要です
・事前課題のファイルやその他ご案内のURL等を受け取れるメールアドレスの入力をお願いします
・イベント詳細内の免責事項を必ずお読みいただきご了承の上でお申し込みください

第13回COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ中止のお知らせ

2020年3月14日、15日に予定しておりました、コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップの開催中止を決定いたしました。

新型コロナウィルス感染拡大防止の観点からです。
今の世情のようなまさに「不確かな状況下」では、同じ思いの同志がストーリーを語り、チーム・戦略を立てアクションをする、そういうリーダーシップが必要なので、「急を要する」イベントと捉え、実施方法も探りました。
しかし、「同志の対話」をベースとするワークショップにおいて、初対面の人同士がマスクで顔を覆って、濃厚接触に当たらない距離を保ってチーム毎に戦略を立てることは難しく、お互いの信頼感が大切な場であることから、中止の判断に至りました。

お忙しい中スケジュールを調整いただき、コミュニティ・オーガナイジングを学ぶことをたのしみにしてくださった中で大変残念ですが、心身ともに落ち着いて学びにコミットできる場を改めて作りたいと思います。

【今後について】
・COJ主催のワークショップ次回は、2020年度上半期を予定していますが会場確保の都合上、未確定です。決定したらホームページ等でご案内いたします
・2020年9月19日、20日:co×関西主催のコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ@滋賀県大津市内
 ※すぐに申し込みたい場合はemail hidden; JavaScript is required">安谷屋までご連絡ください。

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コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ 
1日目:2020年3月14日(土) 9:00〜19:30
2日目:2020年3月15日(日) 9:00〜19:00
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<開催趣旨>

コミュニティ・オーガナイジングを用いて、自分の暮らす地域や社会に変化を起こしたい人を対象として、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」を東京で開催いたします。なお、これまでの参加者は次のような取り組みをしています。

・性暴力の被害者も加害者もうまない社会の実現のための大学生によるアクション

・孤独に子育てをするママを減らす産前産後ケア施設の開設のためのママたちのアクション

・新成人が成人式開催時期を夏から冬に変えるアクション

 

<コミュニティ・オーガナイジングとは?>

市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになります。そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます。

 

<スケジュール>
1日目
・オーガナイジングとは何か?
・コーチング
・ストーリー・オブ・セルフ
・関係構築
・チーム構築
・ストーリー・オブ・アス
2日目
・戦略Ⅰ
・戦略Ⅱ
・アクション
・ストーリー・オブ・ナウ&リンキング
※すべてのパートが【講義→演習→振返り】で構成されています。
※1日目の夜に懇親会を予定しています(参加費4000円程度、当日集金。WS参加費とは別)。

<申し込み際しての留意点>

・2日間全日程への参加が必要です
・事前課題のファイルや事前アンケートのURL等を受け取れるメールアドレスの入力をお願いします
・昼食はお弁当を用意します。アレルギー等特別な理由で一般的なお弁当が召し上がれない方はご相談ください
・休憩時間につまめるお菓子と飲み物を用意します
・キャンパス内に喫煙所はありますが会場から離れている場合もありますのでご注意ください

2019年12月14日COJ主催パブリック・ナラティブ・ワークショップ開催レポート

2019年12月14日、東京都にて、株式会社レアリゼに会場提供いただき、COJ主催の「パブリック・ナラティブ・ワークショップ  」を開催いたしました。これまで、多くの団体でパブリック・ナラティブ・ワークショップを提供してきましたが、COJ主催として開催したのは、今回が初めてでした。

参加者は、NPOや企業等で様々な活動に取り組まれていて、周りを巻き込む語り方を学ぶためにワークショップに集まりました。参加者の中には、ご自身の活動を広げようとしても、なかなかイベント参加者が増えなくて困っている方もいました。今回は、8名の参加者が集まり、こじんまりした雰囲気でありながら、学びに対する熱い気持が感じられました。

ワークショップ午前中はストーリー・オブ・セルフから始め、初対面のメンバーがそれぞれの想いを語り合いました。参加者は一人ひとりコーチングを受けながら、自分が今の活動をなぜ始めたのか、 ストーリーを組み立てました。グループ全員前のめりになりながらテーブルを囲み、お互いのストーリーを聞いていくなか、少しずつ緊張感が溶けていきました。

昼食とエナジャイザーで元気を充電した後、関係構築のワークに取り組みました。実際、私たちはどういう場でナラティブを活かせるのだろう?ここでは、1対1のペアになり、お互いの「価値観」を共有して「資源」を交換する練習をしました。どういう質問を聞くと相手の価値観が引き出せるのだろう、と最初は苦戦する場面もありましたが、今度自分の活動に仲間を誘う時に実践してみよう、と話す参加者もいました。

ワークショップ後半、ストーリー・オブ・アスとストーリー・オブ・ナウに取り組み、最後は参加者全員がパブリック・ナラティブを発表しました。

特に、ストーリー・オブ・アスを語る時、出会って間もないメンバーが一体感を感じたストーリーを作るのは難しい、と声が上がっていました。間違えているかも、と不安を持つ参加者もいましたが、その時はコーチと参加者全員が支え合えました。

限られた演習時間の中、戸惑いながらでも皆さんチャレンジし続けた成果は、最後のパブリック・ナラティブの発表で実感しました。午前中に語られたストーリー・オブ・セルフが1日通して磨き上げられ、感情がこもって勇気がもらえるナラティブに生まれ変わっていました。そして、会場は参加者が語るストーリーのパワーで溢れていました。

ワークショップを終えた参加者から上がった感想:

「自分が大切にしている想いを改めて考える機会でした。その想いを大切にしたい。」

「ワークショップの前は人前で話すのはそれほど好きではなかったが、これから楽しみになった。」

「学びを持ち帰って、自分の活動にパブリック・ナラティブを取り入れたい。」

今回参加された皆さんは、それぞれの大切な想いをナラティブにして、ご自身の活動の輪を広げられることを期待しています。そして、COJとしても、今後新しい主催ワークショップにチャレンジし続けて行きたいと思います。

レポート:河野七海(本ワークショップコーチ)
会場提供:株式会社レアリゼ

岡田衣津子

ワークショップに参加した動機は?

2年ほど前に読んだ『市民自治の育て方』という本の中に、コミュニティ・オーガナイジングのことが書かれており、その時から関心を持っていました。行政職員として、地域コミュニティの活性化支援をしていますが、現状の課題を解決するために、住民自身のリーダーシップということをもっと光を当てて捉えなおしてみたいと思っていました。また、そのためにはどんな手法があるのか、調べていました。そんな折に、私の知り合いがホームページの文献を読み、「パブリック・ナラティブ」のことを紹介してくれました。

ワークショップに参加した感想は?

一番印象に残ったことは、「感情のこもった言葉は、相手の心に響く」ということです。なぜそうなのかはわかりませんが、自分の語った言葉を聞いた他の参加者の方に、「心が揺さぶられました」という感想をいただき、とても嬉しかったです。現在の自分の価値観を、感情をこめて語るためには、なぜ今自分がこのような活動をするに至ったかを、過去にさかのぼって、過去の自分と対峙することが必要でした。忘れかけていたようなことが、実はキーポイントになっていて、自分でも驚きました。これは自分一人ではできないことでした。スタッフの方々にコーチングとして、いろいろな問いかけをしてくださったおかげで、安全に過去の自分と出会うことが出来たと思います。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

私の場合は、たいていそのワークショップの手法や技術を学ぼうという心構えで参加することが多く、それが学ぶことができれば満足感を得られるのですが、終わってみると、手法や技術を学んだというよりは、自分の中にすでにある物語をもっと大切にして、相手に伝えていきたいという思いになっていました。コーチングをしてくださったスタッフのみなさんが、参加者の話をとても肯定的に受けとめ、さらに磨きをかけるようにたくさんの問いかけをしてくださったことが、とてもよかったと思います。「あなたは何を伝えたいのですか?」というシンプルですがパワフルな問いかけは、私にはとても効果的でした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

現在、地域コミュニティの活性化支援の活動に取り組んでいます。地域コミュニティには、さまざまな問題や課題があり、それらが複雑に絡み合っていて、何をどう解決したらいいかもわかりません。地域コミュニティの現状に対し問題意識を持つ仲間と共に、対話の場を構築したいと思っています。まず、仲間を集めるために、今私が考えていることを相手の心に届く言葉で表現する、伝えることをしていきたいと思います。また、集まった仲間の語る言葉にも、しっかりと耳を傾け、そこに込められた思いを受けとめたいと思います。民主主義の基本原理は、自分の思いをしっかり伝えることと、相手を尊重して丁寧に聞くこと、につきます。これを体現できる私でありたいと思います。

【年末年始のご挨拶】

みなさんこんにちは。2019年の年の瀬、いかがお過ごしでしょうか?COJ事務局長の安谷屋です。
簡単ですが、年末年始のご挨拶を申し上げます。

2019年は、NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)が設立5周年を迎え、6年目に入った1年でした。
団体設立当初から参画いただいている方、ワークショップ毎に加わる新しいメンバー、新旧さまざま関わり方も一人ひとりのペース、多様なみなさんと多様な関わりによって私たちの活動は続いています。そのつながりすべてに感謝申し上げます。
今年はCOJとして初めて「マンスリーサポーター(月額寄付会員)」の募集をしました。「 最初の100人を集めるキャンペーン」へのご協力、ほんとうにありがとうございました。
コミュニティ・オーガナイジング(CO)を一人でも多くの方が知り活用し人任せではなく自分と仲間とで社会を変える、そのための活動がサポーターのみなさんのご協力でさらに広がります。
2019年は2月に 福島県福島市、 東京都千代田区、8月に 大阪府大阪市、 東京都文京区、12月に福岡県久留米市にて、2日間のコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを開催しました。
長野県、岡山県、鳥取県、沖縄県などの地域、Ready&、ピースボート、パリテ・アカデミー、慶應義塾大学、クライメート・リアリティ・プロジェクト、子ども食堂などのコミュニティでも、ニーズに応じたCOのプログラムを実施しました。

2月福島市
3月ピースボート
第11回COJ主催
慶應リーダーシップ基礎
8月大阪市
第12回COJ主催
慶應ヨット部インカレ優勝!
クライメート・リアリティ・プロジェクト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、気候変動問題に取り組む国際環境NGO、 350.orgと、来年の刑法性犯罪改正に向けて活動を進めるの 一般社団法人Springへの実践伴走を実施継続中です。

さらに7月には久留米市にて、 NPO法人coco change主催による「 スノーフレーク祭」が開催され、全国各地からCOでつながったメンバーが集まりました。
2020年も、2月11日に CO×関西メンバーによる「 CO実践報告会」が計画されていたり、3月には 第13回COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを予定していたりします。
来年もまた、たくさんのみなさんとご一緒できることをたのしみにしております。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

(事務局長 安谷屋)