第13回COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ

---------------------------
コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ 
1日目:2020年3月14日(土) 9:00〜19:30
2日目:2020年3月15日(日) 9:00〜19:00
----------------------------

<開催趣旨>

コミュニティ・オーガナイジングを用いて、自分の暮らす地域や社会に変化を起こしたい人を対象として、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」を東京で開催いたします。なお、これまでの参加者は次のような取り組みをしています。

・性暴力の被害者も加害者もうまない社会の実現のための大学生によるアクション

・孤独に子育てをするママを減らす産前産後ケア施設の開設のためのママたちのアクション

・新成人が成人式開催時期を夏から冬に変えるアクション

 

<コミュニティ・オーガナイジングとは?>

市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになります。そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます。

 

<スケジュール>
1日目
・オーガナイジングとは何か?
・コーチング
・ストーリー・オブ・セルフ
・関係構築
・チーム構築
・ストーリー・オブ・アス
2日目
・戦略Ⅰ
・戦略Ⅱ
・アクション
・ストーリー・オブ・ナウ&リンキング
※すべてのパートが【講義→演習→振返り】で構成されています。
※1日目の夜に懇親会を予定しています(参加費4000円程度、当日集金。WS参加費とは別)。

<申し込み際しての留意点>

・2日間全日程への参加が必要です
・事前課題のファイルや事前アンケートのURL等を受け取れるメールアドレスの入力をお願いします
・昼食はお弁当を用意します。アレルギー等特別な理由で一般的なお弁当が召し上がれない方はご相談ください
・休憩時間につまめるお菓子と飲み物を用意します
・キャンパス内に喫煙所はありますが会場から離れている場合もありますのでご注意ください

2019年10月2-3日アル・ゴア元米国副大統領設立のThe Climate Reality Project東京トレーニングを担当

2019年10月2-3日に開催された、The Climate Reality Project東京トレーニングにてコミュニティ・オーガナイジング・ジャパンが2つのセッションを担当しました。

The Climate Reality Projectとは、ノーベル賞受賞者であり、元米国副大統領であるアル・ゴア氏が、気候の危機に対して世界中が力を合わせて解決策を創り出すために、社会のあらゆる人々が緊急行動をとるよう立ち上げた団体です。今までに世界13か国で計42回のトレーニングを行っており、今回は日本初開催となる第43回目のThe Climate Reality Projectトレーニングが東京で開催されました。今後、気候変動に対して行動を担うリーダーとなるべく、政府機関、NGO/NPO関係者、企業、学生など約800名が参加しました。

◎気候に関するストーリーを伝える
COJ副代表理事の松澤が「ストーリー・オブ・セルフ」の講義を担当しました。一度に800名に対してワークショップを行うのはCOJとしては初めてです。


自らがリーダーとなり他者に行動を求める際、ただしてほしい行動を伝えるだけではなく、「なぜ私が気候変動問題に取り組むのか?」を伝えることで、聞き手は話し手の大切にしているものを理解し、共感することができ、協力したくなります。

 

経験者が語り方のイメージを見せるモデルでは、学生時代からClimate Youth Japanで気候変動問題に取り組み、コミュニティ・オーガナイジングのワークショップでコーチも経験している黒田琴絵から「なぜ私が気候変動問題に取り組むのか?」についてのストーリーを自身の幼少期に経験したエピソードをもとに語りました。モデルが終わった後、参加者約800名からの拍手が中々鳴りやまず、ストーリーの力を会場が一体となって心で理解した瞬間でした。

そして、いよいよ参加者自身のセルフを作る時間。「なぜ私が気候変動問題に取り組むのか?」を一人一人が考え、語りました。時間が限られた中のワークでしたが、その場にいた800名全員のストーリーが語られ、会場の雰囲気が一気に熱を帯びました。

参加者からは
「お互いの距離が一気に縮まって“仲間”になったのには驚き、ストーリーの力を実感した。」
「自分の原点を思い出した。」
「関心のない人たちの心に訴える伝え方を学べた。すぐにでも活用したい。」
等の声が聞かれました。

 

◎行動の約束のためのネットワーキング
各業界の第一線で活動されている方々のパネルディスカッション、アル・ゴア元米国副大統領による圧巻のプレゼンテーションを終え、参加者が政府機関、NGO/NPO関係者、企業、学生の属性ごとに4部屋に分かれ、自身の明日からの行動について約束を行うセッション。このセッションのファシリテーションはCOJコーチの忠村佳代子、黒田琴絵と、気候変動に取り組むNGO 350.org JapanスタッフでCOワークショップ参加者の荒尾日南子さん、Fridays for Future Kyoto 発起人で京都大学大学院生の塚本悠平さんの4人が担当しました。

既に学んだストーリー・オブ・セルフを生かし、
まずは「なぜ私が気候変動問題に取り組むのか?」をペアになって語り、現在自分の担当業務や活動における明日からの行動の約束を交わしました。
8分ずつの短いペアワークでしたが、政府機関の方や企業の方が少し恥ずかしそうに「それではまず話しますね。」と言いながら、会話をしている様子がとても印象的でした。名刺交換だけでは分からない相手の大切にしている思いを知り、今後の活動を一緒にしていけるようなつながりができたと感じました。

気候変動は私たちが生活を変えない限り、待ってはくれません。
このトレーニングに参加した約800名が、日本のリーダーとなりこれから行動を推進していく上で、ストーリーの力をぜひ活用してほしいです。

忠村佳代子(行動の約束のためのネットワーキングセッションファシリテーター)

 

 

 

 

 

朝日新聞EduA(11月15日公開)に事務局長 安谷屋のインタビューが掲載されました

『コミュニティ・オーガナイジング』を身につける育てたい子どものリーダーシップ 重要なのは資質ではなかった

取材をし記事にしてくださったのは「ちゃぶ台返し女子アクション」の活動でコミュニティ・オーガナイジング(以下CO)と出会い、関心を抱いたという阿部綾奈さん。COを「朝日新聞EduA」という「学齢期の子どもを持つ保護者のみなさんと、学習や教育に関する様々な迷いや悩みを共有し、よりよい選択を共に考えるメディア」でも紹介するはできないかというところからのスタートでした。

コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)では、高校生が主催ワークショップに参加したり、コーチ・講師経験者が高校生向けのプログラムを提供したりすることはあっても、中学生以下の子どもたちと一緒にCOを学ぶ場を作った経験はありません。でも、「子どものうちに」「より若い年齢で」COを学ぶと良いよね、という意見は割といつもスタッフ間にあるので、この取材をきっかけに中学生以下に広がると良いなという思いもあります。良かったら読んでみてください。

(事務局長 安谷屋)

2019年度活動報告⑤

みなさんこんにちは。副代表理事の松澤です。
2019年度は、こちらのスタッフブログでNPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下COJ)の活動実施報告をしています。今回はその5回目です。

【ストーリーの力で日本一を実現!】

11月4日、慶應義塾體育會ヨット部が第84回全日本学生ヨット選手権大会(以下全日本インカレ)で創部史上初となる総合優勝を果たしました!
ヨット部の皆さん、おめでとうございます!

全日本インカレ優勝時:笑顔の部員たち(ヨット部築島さん提供)

COJはヨット部4年生の築島幹さん、曽我駿亮さんより「チーム一丸となって日本一になりたい」という依頼を受け、9月21日にストーリー・オブ・セルフ研修を行いました。二人は慶應義塾大学リーダーシップ基礎講座のTA(Teaching Assistant)です。COJからは、日本一を目指すチームに会いたい、目標達成に関わりたい4名が参加。講師を松澤、コーチを福士、笠井(貴)、河野が担当しました。大学側からは築島さん、曽我さんと、同じくリーダーシップ基礎講座TAでラグビー部出身の栗原さんが担い、計7名のコーチチームで42名の参加者のストーリーのコーチングを行いました。
その経緯や研修の様子については、築島さんが書いた開催レポートをご覧ください。

研修の様子:自分の原動力を得た体験を語る部員に真剣に耳を傾ける

築島さんと曽我さんは、開始前から研修をどう生かしていくかのイメージを持ち、事前に部員一人ひとりと対話する時間を持ったり、研修終了後もメンバー間で他己分析を行うなど、部全体の熱量を上げるためにできることを考え、他の部員を巻き込みながら実現していきました。

曽我さん「遠征先の宿舎で、部員全員のストーリーオブセルフを廊下に貼り出しました。二週間に及ぶ長期遠征の影響で、チームの雰囲気も少し疲れムードが出ていたのですが、自然と多くの部員が集まり熱心に感想を交換していました。この時をキッカケに、チームの勢いや活気が戻ったように感じ印象的でした。一緒に長い時間を過ごしていても、なぜ頑張っているのか、日本一になりたいのかを知らない人もいましたが、知れたことでお互いを信じる気持ちが増しました。」

築島さん「部にはレースに出るメンバーと、そのメンバーをサポートするサポートメンバーがいます。サポートがモチベーションを保つのはなかなか大変なのですが、ストーリーに関する取り組みをした後、眼の色が変わりました。どうしたらよりよくサポートが出来るか、”こういう風に思ったんだけど、こうしていいかな?”など意見が積極的に出るようになり、サポートメンバー同士の助け合いも以前よりもスムーズになりました。」

遠征先の宿舎:張り出した一人ひとりのストーリーに見入る(築島さん提供)

レース後の反響

レース後、今回の快挙に興味をもたれたA’s Photosさんがヨット部を取材され、まとめています(記事はこちら)。ご自身もヨット経験者で、所属するちゃぶ台返し女子アクションはコミュニティ・オーガナイジングを課題解決の手法の1つとして使っているということもあり、部がどんな風にCOを活かしたのか、チームが、チームメンバーがどのように変化したのか等、その様子が浮かぶように伝えてくださっています。
A’s Photosさん、素敵な記事をありがとうございます!

今回ヨット部の皆さんは、「不確実な未来に向かって、メンバーで同じ目的を掲げ、達成のための道筋を作って歩むこと」、「ストーリーを語り合うことで個々のモチベーションを知り、互いの理解や信頼を高めること」を体現されました。自分たちがすべてをやって見せるのではなく、「他の部員のリーダーシップを伸ばす」ことにコミットした2人と、最後の一瞬までやりきった部員の皆さんの頑張りに心を打たれました。

全日本インカレ後:優勝旗を掲げ満面の笑みの曽我さん(左)と築島さん(築島さん提供)

(COJ副代表理事 松澤)

株式会社レアリゼの真田氏と鎌田が対談しました(レアリゼホームページ掲載)

「(レアリゼ真田社長×COJ鎌田対談)ハーバード・ケネディスクールで学んだコミュニティ・オーガナイジングで日本の社会問題を解決する」

株式会社レアリゼの代表取締役社長真田茂人さんと共同創設者の鎌田が対談をしました。

真田さんは「世の中の矛盾を解決し、すべての人が幸せに暮らせる世の中」を目指してリーダー育成をされていて、当団体設立時からCOJの活動を様々な形で応援してくださっています(12月14日に行うパブリック・ナラティブ・ワークショップはレアリゼさんに会場をご提供いただき開催します)。

そんな真田さんからお声をかけていただき、アメリカに拠点を移して研究中の鎌田との対談が実現したことを嬉しく思います。

ぜひご一読ください。以下、本文からの抜粋です。

(本文より抜粋)
真田:コミュニティオーガナイジング、およびCOJさんの面白いところは、問題を抱えている当事者がリーダーシップを発揮するように導くとことですね。従来の発想なら、問題を抱えている大変な人を前にすると、自分がその人を助けてあげようと思います。つまり「してあげる人としてもらう人」という発想になりがちですよね。そうではなくて、問題を抱えた本人たちが自ら立ち上がり動いていく。それをCOJが支援する。自助と共助を連動させているのはすごいことですよね。

鎌田:他者のリーダーシップを助けていきたい。たくさんのリーダーを生み出していきたい。そして、そのリーダーが自分でチームを作り、自分で作ったチームのメンバーが、さらにリーダーになっていく。そうやって連鎖的に広げていくことで運動を大きくしていくという考え方です。社会運動を紐解くと、だいたいみな、スノーフレークした感じで広がっていきます

真田:「他者のリーダーシップを引き出すリーダーシップ」や「スノーフレーク・リーダーシップ」はNPOや市民活動にとどまらず、企業においても必要ですね。

(副代表理事 松澤)

COJ主催パブリック・ナラティブ・ワークショップ

---------------------------
パブリック・ナラティブ・ワークショップ 
2019年12月14日(土) 10:00-18:00
----------------------------

何か夢中になって取り組んでいることありませんか?そんな中、どうしても一人では乗り越えられないこともあると思います。スポーツにはチームメイト、職場には同僚、ボランティア活動には協賛者、仲間の存在は欠かせないです。でも、周りに声掛けても仲間が集まらなかったり、呼び掛け方に悩むことありますよね。

私たちはそれぞれ大切に思う「気持ち」があるからこそ、アクションを取るのだと考えています。その「気持ち」が周りに伝えられて共感が生まれると、仲間として一緒に活動してくれるかもしれません。

自分のストーリーを伝えて仲間とのアクションに繋げる、パブリック・ナラティブ・ワークショップを開催します!

ワークショップでは、ストーリーを語り合って仲間と繫がることを練習をします。そして、その学びを皆さんの身近な職場や地域の活動で実践することで、それぞれの活動が広がり、社会を変えることが出来ると思っています。皆さんのご参加をお待ちしています。

<コンテンツ>
・導入講義「オーガナイジングとは何か?」
・「ストーリー・オブ・セルフ」を語る
・他者との関係を構築する
・「ストーリー・オブ・アス」を語る
・セルフ、アス、ナウを結びつけ「パブリック・ナラティブ」を語る
※全てのパートが【講義→演習→振り返り】で構成されています。

<申し込みに際しての留意点>
・開催時間全てへの参加が必要です
・事前アンケートのURL等を受け取れるメールアドレスの入力をお願いします
・昼食はお弁当を用意します。アレルギー等特別な理由で一般的なお弁当が召し上がれない方はご相談ください
・休憩時間につまめるお菓子と飲み物を用意します
・学生は25歳以下限定で当日学生証を確認します

<コミュニティ・オーガナイジングとは?>
市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになります。そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます。

<開催趣旨>
コミュニティ・オーガナイジングを用いて、自分の暮らす地域や社会に変化を起こしたい人を対象として、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」を東京で開催いたします。なお、これまでの参加者は次のような取り組みをしています。

・性暴力の被害者も加害者もうまない社会の実現のための大学生によるアクション
・孤独に子育てをするママを減らす産前産後ケア施設の開設のためのママたちのアクション
・新成人が成人式開催時期を夏から冬に変えるアクション

COJマンスリーサポーター(月額寄付会員)募集キャンペーンのご報告

みなさん、こんにちは。
キャンペーンチームメンバーかつCOJ事務局長のあだにーです。

2019年9月1日~10月4日まで、COJマンスリーサポーター(月額寄付会員)募集キャンペーンを実施しました。
何よりもまず、今回のキャンペーンにご協力くださったみなさんに、深謝いたしますともに目標達成できたことをとてもとてもうれしく思います


【達成した数字】
◎支援者数:114人
◎支援金額:¥163,580
◎達成率:101%
※Syncable外からのお申込みとの合計のため、キャンペーンサイト上の数字とはズレがあります
※単発でのご寄付:支援者数9人、支援金額¥104,000


さて、キャンペーンが10月4日23:59に終了して、数日が過ぎました。目標の100人を超えた瞬間の余韻がまだ残っています。ご協力くださったみなさんのエネルギーの力強さと温かさを感じ、
このエネルギーをどう活用しようかというワクワクが湧いてきて、「ここが出発地点なんだ!」とハッとしました。

私たちはワークショップなどで「オーガナイザーの旅」の話をすることがあります。人が減って住みにくくなってしまった街、思い出の多いこの街を何とかしたい、そう思う人がストーリーを語って同じ思いの人と出会い、仲間を集めチームを作り戦略を立てて実践する。目標達成とともに実践した人たち同士のつながりが強くなっている
そんな話です。この最後の部分を今、実感しています。

このキャンペーンを成功させた私たちなら、新たなチャレンジは可能。
そしてきっとまた成功させられる、そんな希望を持てているのです。

正直なところ、途中、目標達成は難しいのかな、弱気になることもありました。キャンペーン期間残り5日くらいの時点で、サポーターが30人くらいしか集まっていなかったので、チームメンバーからのメッセージでキャンペーンサイトをご覧になったみなさんの中にも、「大丈夫か?」と思った方は少なくなかったと思います。
でも私たちはあきらめませんでした。これまでワークショップやイベントで、ストーリーを語って聞いて「価値観でつながる」ことを体感したり、チームを作って戦略を作り上げて「チャント」をした後の一体感に驚いたり、職場や活動にCOを取り入れて効果を感じたりしたときのみなさんの顔が、勇気をくださったし希望を感じさせてくれたからです。また、みなさんからのメッセージにも励まされました。
私自身も、個別のメッセージをお送りする際は、迷いや怖さもありました。長らくご無沙汰している方にいきなりお願いするってどうなんだろう…。でも「お知らせいただけてうれしいです」「何かできないかなと思っていたので応援します」「よく考えてサポーターにはならないけれど、他にできることはありますか?」。どのお返事にも力づけられました。

このキャンペーンで、私たちはもう一度、つながり直すことができました
これをパワーに変えて、日本に暮らす一人ひとりが、同じ価値観の仲間と共に自分たちのパワーで困難や課題が解決し、さらにその挑戦が応援される社会を、一緒に作っていきましょう!

改めて、みなさんのご協力に感謝いたします。
どうもありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします!

キャンペーンチームメンバー一同(ゆーすけ、ひろ、くぼちゃん、もえ、あだにー)
※キャンペーン終了後もみなさまからのご寄付を受け付けております。
https://syncable.biz/associate/communityorganizing/

(COJ事務局長 安谷屋)

2019年9月21日慶應義塾體育會ヨット部 「ヨット部においてあなたを突き動かす原動力とは?」開催レポート

2019年9月21日(土)、葉山新港及び慶應義塾體育會ヨット部(以下ヨット部と記載)合宿所(神奈川県)にて、ヨット部主催のプロジェクトとして「ヨット部においてあなたを突き動かす原動力とは?」を開催いたしました。ヨット部において外部のNPO法人を招き、組織力を強化する取り組みは初めての事です。今回のプロジェクトに参加するのは、ヨット部に所属する42名の現役慶應体育会生達です。ヨット部は創部初の全日本インカレにおける総合優勝を目指し、年間約200日間の合宿生活を行っています。しかしながら長い合宿生活は日常化し、部員の中でヨット部における自身の原動力を見失う人も見られました。

今回、企画の先駆けとなったのは築島(経済学部4年)、曽我(経済学部4年)が共に慶應義塾大学三田キャンパスで開講されている「リーダーシップ基礎」で学んだ「ストーリー・オブ・セルフ 」をヨット部に取り入れ、日常化した合宿生活から脱却すると同時に、部員間の相互理解のきっかけに繋げたいと考えていました。

一通のメールで、このプロジェクトは始まりました。「ストーリー・オブ・セルフを通してヨット部の全日本優勝に向けて、チームを前進させるために協力してください。」そのような想いに応えて頂いたのは松澤さんを中心としたCOJの皆様でした。普段は週5日の合宿生活を行い、なかなかミーティングや準備に時間を割けない中、約70通のメールを中心に地道に準備を行いました。

12時頃、3時間という非常にタイトなスケジュールの中、講義が始まりました。外部の方をお招きし、ワークショップを開くのは初めての試みでした、多くの部員が目を輝かせ、松澤さんの講義に耳を傾け始めました。

ワークショップの決まり事である、ノーム作りでは神戸(商学部3年)、小森(総合政策学部2年)を中心に先輩後輩の関係を超え活発な意見があり、時折笑いが起こるなど全体が柔らかい雰囲気に包まれました。

「自身の過去の困難について発表をする事に不安がある」と戸惑いを見せる部員もいる様子でしたが、曽我(経済学部4年)によるモデルスピーチを参考にしつつ、自身の原動力について語り始めました。すると、合宿生活をしていても気がつかなかったお互いの価値観や原動力について共有することができ、一人一人のストーリーに深く耳を傾ける部員達の姿が見て取れました。

グループワークが終わり、いよいよ部員全体での発表の時です。石川(商学部4年)、宮本(法学部2年)、佐藤(法学部1年)、小森(総合政策学部2年)が発表にチャレンジしました。普段は仲の良い家族のような関係の部員達ですが、この時ばかりは真剣な眼差しで発表者を見守り、全員が一歩成長することができた瞬間でした。

「自分のことを話すためには勇気が必要だった」「見失っていた原動力についてもう一度考える良い機会になった」「全日本インカレを1ヶ月後に控える今、お互いの原動力を知ることができて、相互理解に繋がった」など様々な学びを得て、大学4年間を体育会のヨット部で活動する意義のヒントを各部員が見つけることができました。

私自身も今回のワークショップを通して、お互いにストーリーを語り合うことで生まれる一体感と各部員がヨット部にかける想いに勇気づけられました。また今回のワークショップをきっかけに、組織として、部員全員で全日本優勝を勝ち取るべく前進させていきたいと思います。本当にありがとうございました。

執筆者 築島(経済学部4年)

 

 

 

 

 

2019年8月31-9月1日、第12回COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを開催しました!

2019年8月31日-9月1日、東洋大学の白山キャンパスにて、第12回目となるコミュニティ・オーガナイジング・ジャパンの主催ワークショップを開催致しました。年齢は高校生から50代まで、移民・ジェンダー・労働・福祉・教育等様々な分野で活動をされている総勢35名の方々に参加頂きました。

「まず2日間のワークショップのルールを決めましょう。どんなルールがあればいいと思いますか。」という講師の問いかけに、初日の朝からから参加者の発言が止まらず、みなさんの熱量にワークショップをサポートする側の講師・コーチ陣も後押しされながらエンジン全開でスタートしました。

初めて聞いたことを 「じゃあ、5分でやってみてください!」とストップウォッチ片手に時間に迫られながらの怒涛のスケジュールでしたが、

「相手について、一歩踏み出して質問してみる」
「自分のことを少し勇気をもって話してみる」
「初めて会った人たちとチームになり、目標を作ってみる」

など、必死に食らいつく一人一人の姿がありました。

一日目の終わりにある参加者が言いました。「始めはちゃんと頭で理解してから行動しようと様子を見ていた。しかし、自分より若い人たちが挑戦する姿をみて途中から気持ちが変わった。おじさん、負けてられない!頭で考えるより、まず挑戦しよう!」と。

だんだん本気度が高まってくる…

以下は2日間を通して、参加者から出た生の声です。

「あなたにとってなぜそれは大切なんですか?突き放して聞こえるが、さらに問うた方がよく話してもらえることを気づいた。」

「もともと、話すのが得意ではなく、事実・情報を論理的に伝えればよいと思っていたが、想い・感情の起伏を伝えることがどれだけパワフルなのかということを感じた。避けてきたが、やらざる負えない状況になった。実際に感情と状況描写入れてやってみると、楽しかった。」

「行動を阻害する感情、信念を変えることはなかなか難しいものだが、このような安全な空間で感情を共有することで、一時的かもしれないが、緩和される可能性を感じた。」

「ともにプランを立てる一分一秒が学び。将来やりたいことを考えるうえで、周りの人たちとどう取り組んでいくか、考える機会になった。」

今回、講師としてこのワークショップに参加し、感じたことが二つあります。まず、「社会を変えたい!」という本気の思いがこの場に存在していたこと。取り組んでいる分野は多種多様ですが、現状に課題を感じ自分が関わることで、少しでも状況を変えたいという思いがあること。そして、ワークショップの内容を提供するのはこちら側だが、学びの質は参加者の熱量によって決まるということです。こんなにも素敵な空間にご一緒させて頂けてとてもうれしかったです。

一歩前に進んだ皆さんとの再会が楽しみです。

集合写真!

レポート: 忠村佳代子(講師)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

tomoyuki okude

ワークショップに参加した動機は?

一般社団法人Springのスタッフとして、刑法性犯罪の改正を実現するために、市民の「声」(OneVoice写真)を集めるキャンペーンの全国アクションをすすめる担当となったことがきっかけです。各都道府県でOneVoiceアクションメンバーのチームが立ち上がった際に伴走していくことになり、それならCOを学んでおくといいよと仲間からすすめられたからです。
「刑法性犯罪を見直したい」という市民の声が大きくなれば、司法や政府は、それを無視できなくなります。また、OneVoice写真がいまも性暴力、性犯罪で苦しんでいる方の元に届くことで、自分を責めなくてもいいんだと思えたり、私も声をあげていいんだと思えたり、そういった力になれるとよいなと思っていたので、そのための理論と方法が学べるなら是非参加したいと思いました。

ワークショップに参加した感想は?

社会に影響を与えるということを目的とした団体・組織で活動していく上で、自己流でやってきた実践に理論が加わり、この方法でやっていけばもっと運動が大きく広がっていきそうだという展望が持てて、よりわくわくさせられました。 ワークショップ参加にあたって、事前に『ケース:モンゴメリー・バスボイコット』というテキストを読みました。そこに書かれていたポラード母さんという方の言葉、「私の足は疲れているが、私の魂は癒されている。」を目にした時に、その思いに共感し、感動し、涙をこらえました。その上でワークショップに参加し、“感情を通して価値観を共有する”ことが最重要だと改めて強く掴むことができました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

一日目冒頭のリナさんのストーリーオブセルフ(自己紹介)を聞いたとき、衝撃をうけました。「あ、ここはこれまでのところとは違うな」と、空気がサッと変わったような感覚があり、このワークショップやコーチ陣の“本物感”というか本気さが伝わってきたおぼえがあります。 自分自身も覚悟を決めて自分のことを話していこうという気持ちにさせてもらえました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

SpringでのOneVoiceキャンペーンでは、特に地方SNSグループの関係構築をどうすすめていったらよいか、思案していたこともあり、そこで“感情の共有”が重要だというヒントをいただき、さっそく実践にうつして改めてその効果を掴みました。その後の動きでは、核となるチームでは“戦略”をより見える化して、役割分担を明確にしつつ、チームのメンバーの一体感をさらに高めていきたいと思っています。
Spring以外での活動でも、相手の原体験に深く迫った上で自分の体験を差し込み“価値の共有”をはかること、“次の約束をとる”ことなどが足りてないと感じたので活用したいと思ったり、職場では部下の悩みや相談にけっこうすぐアドバイスをしてしまっていたので、“コーチング”の活用、アドバイスせず質問で相手に気付きを得てもらうことをしていこうと思ったり、新たに活用したいと思えたものが多く得られ、本当に収穫の多い2日間でした。
ありがとうございました。

CATEGORY