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2020年6月慶應義塾大学リーダーシップ基礎 パブリック・ナラティブ講座レポート

2020年6月22日と6月29日の2週間にわたり、オンライン上で「2020年度パブリックナラティブ」が開催されました。慶應義塾大学グルーバルインスティチュート寄付講座『リーダーシップ基礎』の授業の一つとして行われる本講座は、今年で5度目の開催となりました。新型コロナウイルスの影響で、今回の講座は史上初のオンライン開催となりました。
「リーダーシップ基礎」の授業の受講生は、リーダーシップを体系的に学びたいという熱意を持った慶應義塾大学の様々な学部に所属する学生たち。事前に行われた選考に見事通過した約150名の学生たちは、春学期の毎週月曜日に様々な外部講師からの講義を受講しリーダーシップを学んできました。そしてこの授業が、リーダーシップを発揮するためのアウトプットの場として提供されました。

1日目の授業風景

この授業は、昨年の受講生が学生TAとして運営に関わっています。
今回は初のオンライン開催ということもあり、授業の打ち合わせも事前の研修もオンラインで行い、COJ側もTAたちも探り探りで進めていきました。また、今までは3回にわたっての講義でしたが、新型コロナウイルスの影響で大学のカリキュラムが変更となり、2回という制約の中で同じ内容を網羅しなくてはなりませんでした

そんな厳しい制約下で開催されたオンライン講義ですが、授業が始まるとオンラインということを忘れさせるほどに活発な受講生の様子が伺えました。

初回の授業では、”ストーリーオブセルフ”についての講義が行われました。
”ストーリーオブセルフ”は、今まで授業外では関わりのなかったメンバーに対して自分自身のことを赤裸々に語らなくてはならず、ハードルが高いワークでした。
ですが、オンラインだからこそ皆の様子が一度に見てとれ、温かい様子で話を聞いている受講生がたくさんおり、発表者も安心して自分の話ができているように見受けられました。

1日目のグループワークの様子

モデルスピーチをしたTAの霊山さんが自分の苗字に関するコンプレックスを話したことで、他の受講生も安心して全体でスピーチができる雰囲気になりました

また、2回目の授業では”ストーリーオブアス”と”パブリックナラティブ”を行いました。
受講生からは「セルフ・アス・ナウを繋げるの難しい!」という声も上がりましたが、全体の前で発表をした生徒からは非常に興味深い”パブリックナラティブ”を聞くことができました。
 
とある受講生が、知的障害を持つ友人を登校拒否から救い出した話をしてくれました
そして、その子がサッカーの分野で成功した話を通じて、環境に合わないで個性を発揮できない人を救うべきだと訴えかけました。
その”パブリックナラティブ”を聞いて、オンラインにもかかわらず、COJの忠村さんが涙を流す場面も。
2日目の忠村さんが感動した場面
今回はオンライン開催ということで、オンライン上でずっと関係性を築かなくてはならならず、不安だった受講生も授業が終わる頃には「回数を重ねるごとに班員の話し方の調子もわかってきて、自然とオフラインで喋っているように話すことができました」と笑みを浮かべていました。
 

これらの授業を通して、受講生たちは「出会ってたった数ヶ月の仲間でも、こんなに共感できるとは思わなかった」「オンラインで初対面の人と、こうやって深く分かり合えたことで自信がついた」など頼もしい感想を話してくれました。

オンラインで、自分を打ち明け他人を理解するという難度の高いワークを乗り越えた受講生たちならば、これからどんな困難が待ち受けていても自らの思いを周囲に波及し力強いリーダーシップを発揮してくれることでしょう。

レポート:吉田ひかる(慶應義塾大学経済学部経済学科4年・リーダーシップ基礎TA)

開催概要

開催日時
2020年6月22日、29日
開催場所
オンライン開催(zoom)
MAP
主催
慶應義塾大学