コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ in 久留米

久留米でコミュニティ・オーガナイジングのフルワークショップを開催します!
久留米ではこれまで、主に久留米市内の方に向けて4回のフルワークショップを開催してきました。
今回初めて公開で募集するワークショップになります。どなたでも参加可能です!

<スケジュール>
2018年10月27日(土)9時~19時30分
    10月28日(日)9時~19時30分

<場所>
古賀病院21内会議室
福岡県久留米市宮ノ陣3-3-8

<想いを変革につなげるトレーニング>
社会をよくしたいと頑張っているけれど、上手くいかない。
あるいは、社会は変えられない、そう諦めていませんか?確かに、1人でできることには限りがあります。でも価値観を共有した人々の力が結集すれば、社会は変えることができます。
地域、社会、企業、学生団体やNPO… 様々な組織やコミュニティの変革は、小さな1人の想いから始まります。

その想いを変革につなげる
「語り方」
「関係づくり」
「チームづくり」
「戦略」「アクション」を2日間のトレーニングで学び、
実践することで「あなたの変えたい」を、
「みんなの変えたい」に
近づけていきます。

<2日間の構成>
1日目
・オーガナイジングとは何か?
・コーチング
・ストーリー・オブ・セルフ
・関係構築
・チーム構築
・ストーリー・オブ・アス
2日目
・戦略Ⅰ
・戦略Ⅱ
・アクション
・ストーリー・オブ・ナウ&リンキング
※すべてのパートが【講義→演習→振返り】で構成されています。

<参加費>
25,000円(2日間の昼食付)
<入金後・決済後のキャンセル規定について>
ご入金後に参加者様のご都合によりャンセルされた場合下記の通りキャンセル料金をいただきます。
なお、返金の際の送金手数料は参加者様負担とさせていただきますので、ご了承ください。
・5日前から:参加費の100%
お申し込みはこちらから 
https://goo.gl/9ypu3R

<定員>
36名

<申込みに際しての留意点>
・2日間全日程への参加が必要です
・昼食はお弁当を用意します。アレルギー等特別な理由で一般的なお弁当が召し上がれない方はご相談ください
・休憩時間につまめるお菓子と飲み物を用意します

<主催>
coco change(ココチェンジ)
問い合わせ:email hidden; JavaScript is required

coco changeは、コミュニティ・オーガナイジング・久留米の運営母体として名称を新たにして設立した団体です。①一人一人が変化になれる ②ここから始める ③個々にも力があるという思いを表現しています。私たち自身も一歩を踏み出し変化となりたいし、立ち上がりたいと思っている人の希望になりたいという思いを込めています。

【第8回オンライン】COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ

 
 

コミュニティ・オーガナイジングとは、仲間と思いを共有し、それぞれが持っている力を合わせて行動することで社会を変えるための方法です。
このワークショップは2日間で、その社会の変え方を理論的・体系的に実践的に学びます。具体的には、講義を聞き、チームに分かれ演習し、振り返りをする、という流れで学んでいきます。

世の中に対して「なにかが変だ」、あるいは「なぜだか生きづらい」そんな気持ちになったことはありませんか?

そして、「でも仕方ないよな」と諦めの気持ちを持ったことは。

「社会を変える」なんて大それたこと自分にはできっこない、「変えたい」とは思うけど、どうしたらそんなことできるのだろうか。
こんな風に思っている方もいるかもしれません。

「仕方がない」から「自分もなにかできるかもしれない」、「仲間となら一緒にできるかもしれない」そんな希望を一緒に感じませんか?

ワークショップに参加し、変えられる!という希望を感じたみなさんと一緒に、より良い社会を作っていきたいです。ご参加お待ちしています。

こちらからお申込みください。

遠藤麻衣

ワークショップに参加した動機は?

CO本(『コミュニティ・オーガナイジング ほしい未来をみんなで創る5つのステップ』)の読書会に参加したことをきっかけに、このワークショップの存在を知りました。しかし、子供が小さいこともあり、週末に丸二日間という日程に当初は自分で自分に許可が出せませんでした。

二度目は夫に子供を任せることはできるようになったものの都合がつかず、すぐにウエイトリストCOJ主催ワークショップの開催を優先的に受け取ることができる登録フォーム)に登録し三度目の正直で参加することができました

ワークショップに参加した感想は?

想い描いていた以上のものを持ち帰れたと感じています。短時間で、全く知らない、活動も違う人々が、お互いを知り共通点を見出し架空とはいえ、ほぼ実現しそうな共通の目標を立てるところまで時間に追われながら成し遂げた経験は、今後の大きな糧になりそうです。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

コーチングとファシリテーションのねらいが違うと思います。よくあるワークショップは、主催者側のゴールを認識しているファシリテータが意図するしないに関わらず、どうしても誘導してしまいます。でも、ここには誘導は全くありません。

それだけではなく、困る・手が止まる暇がないほど、次々とスモールステップが用意され、気がついたらこんな高みまで来ていた!と振り返る感覚です。本当に二日間があっという間でした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

コーチングのスキルを一番活かしたいです。自分のビジネス(相談業)にも、日々の活動(町内会、PTA、所属するコミュニティ)にも、家庭にも、生きていく上で相手と自分の共通点を探り、相手の望みを掘り下げ、アイデアの押し付けではなくその人の望みにその人自身が気づくきっかけを作っていきたいと思いました。

2023年3月4日、5日【第7回オンライン】COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ開催レポート

「チャレンジを称賛する」――”自転車”で行く、2日間のオーガナイジングの旅

2023年3月3日(土)、4日(日)の2日間、オンライン第7回目となる「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」が開催されました。日本全国の様々な地域から参加した35名の皆さんと、24名の運営スタッフが共に、2日間のオーガナイジングの旅に出ました。

毎回早々に席が埋まってしまう本ワークショップ。初日開始時、zoomに続々と入室してくる参加者からは、緊張とともに、開催を心待ちにしてくださっていた熱量が伺えました。開講時にノーム(ワークショップでのお約束)づくりを行う際には、コーチの「皆さんからありますか?」の問いかけに続々と手が上がりました。その内容は、この場の話はこの場に止めることや時間を守ること、互いの発言を尊重することはもちろん、「チャレンジを称賛する」があがるなど、コミュニティ・オーガナイジングの学び方「まずは自転車に乗ってみよう」がさっそく実践されていました。

初日午前中はまず、3人組にコーチが1人つき、質問と言い換えを使って課題解決が滞っている原因を見つけどうアプローチするのか自分自身で見つける「コーチング」が行われます。その後で6人ずつの参加者が6つのチームに分かれ、2人のコーチとともに変化を起こすためのキャンペーンをステップを踏んでつくっていきます。それにはフォローコーチ、時間に沿って綿密にブレイクアウトルームを組んでいくテックチームの存在が欠かせません。

「戦略だけでは人は動かない」――【ストーリー・オブ・セルフ】【関係構築】【チーム構築】

各チームの6人の参加者は、その日が初対面。地域・ジェンダー・世代の多様性はもちろんのこと、背景の多様性、つまり企業で働く人、NPOや労働組合で活動している人、医療・介護・福祉の現場に携わる人、議員、学生などーを持っています。1つの組織に属しているわけでもなければ、各自の関心も環境、ジェンダー、まちづくり、チームビルディング、労働、と異なっています。ワークショップに期待することも、今すぐ活動で使いたいという人から、これを機に何かの活動に参加してみたいという人まで、実にさまざまです。

「こんなに多様なチームで1つのキャンペーンが作れるのだろうか?」と思う参加者もいたかもしれない中、チームでの最初のワークは【ストーリー・オブ・セルフ】。講義したコーチやモデル(見本のストーリーを話す人)、各チームのコーチのストーリー共有に続き、参加者自身が、活動の原動力が何なのか、自分の経験に紐づいた価値観を2分間で話します。考える時間は5分。「まだできていません~」と言いながらもしっかりとまとめて話していた参加者の皆さんのチャレンジにはすごいの一言です。振り返りでも「自転車に乗った気がした」という声がありました。

参加者の事後アンケートでは「ストーリー・オブ・セルフをつくってみて、私ってこんな価値観・想いを持っていたんだと気付きました」などの声が聞かれました。

ストーリー・オブ・セルフを語り「なぜ私が活動するのか」を共有した次のステップは【関係構築】。講義を聞き、見本の動画を見た後に「関係構築される側」「する側」の1対1での対話を行います。互いが「何」に関心を持っているのかとともに、互いが「なぜ」その活動をしているのか(価値観)や互いの資源が共有され、次の具体的な約束を求めるワークです。お互いのストーリーや活動を手掛かりに、丁寧に対話を進めている様子が印象的でした。

事後アンケートでは「初対面でも対話が叶えば、価値観は共有できるし、共通点が全くないように思えても、何か引っ掛かる糸口があるんだなという経験ができました。困難はあるかもしれないけれど、一人ひとりと関係構築を積み重ねていけば、私たちにも変化が起こせるはず、と思うことができました」などの声がありました。

【関係構築】の中で2人で共有した価値観を、6人のチーム全体で共有し、チームの共有目的やチームの一体感を高めていくためのチーム名とチャント(チームの士気を高めるために行うダンスや掛け声)づくり、そして各人の資源や役割を確認していくのが次のステップ【チーム構築】です。価値観に気付いた経験が共有され、各チームが目指したいゴールに向けて誰(同志)と何(活動)をするのかを話し合って決めていきます。

事後アンケートでは「チーム構築は、年齢も性別も居住地も違うメンバーが一つの目標に向かえることに感動と驚きの連続でした」「『人に役割を渡す』ということが人を奮い立たせるのに欠かせないポイントだということを知りました」などの声がありました。

共有目的とチーム名・チャントを全体で発表し、振り返りを行ったのち、第1日が終わりました。振り返りの共有では、「zoomがスムーズだった」「zoomでは離れている感じがしてしまうが、テックが音楽を流してくれたので繋がっている感じが得られた」など、テックチームへの感謝の声が上がりました。全体を見てくれているフィードバックに一体感が高まりました。

「感情・共感こそが人を動かす」――【戦略Ⅰ】【戦略Ⅱ】【パブリック・ナラティブ】

第2日目は【戦略Ⅰ】から始まりました。今すぐに解決したい同志の困難を、絵に描けるくらい鮮明にしていきます。直面する困難にどうすれば変化が起こせるのか、達成したい戦略的ゴールを定めチームで話し合い、まとめていきます。前日に対話を進めてきた各チームでは、自己開示が進み、さらに率直な意見が交わされていました。

その上で、【戦略Ⅱ】として、前日に確認した資源や同志の資源をもとに、どうすれば困難な状況に変化を起こせるまでにパワーを高められるのか、効果的な戦術を話し合い、キャンペーンのタイムラインに落とし込んでいきます。

このステップの最後には、全体で各チームによるキャンペーンの発表が行われました。「あなたもわたしも大切さんたち〜集合ーー!!〜」「人と作物をそだて隊」「キャンプファイヤー」「デコボコまるごと応援団」「ラッシュアワー(RUSH OUR)(忙しい時期を1人でなくみんなでいきたい)」「ありのまま流星群」というチーム名の各チームが「個人(自然を含む)が大切にされる」「多様性を認め合える」「声をあげて行動できるようになる」「誰もがありのままの自分で暮らしやすい」社会に向けての具体的なアクションを生き生きと語りました。

事後アンケートでは、「同志を中心に据えながら展開していく大切さ、戦略だけではなく感情に働きかける大切さを感じた。エピソードは共感や行動を生む大切なツールだと感じた」「最初は、初めて会う方への自己開示に抵抗があったが、自己開示することで、課題感や実現したい社会に対する原動力の解像度を上げることができた。ひとりひとりの歩んできた人生を自分と重ねながら実感することで、他者により興味を持つことができた」との声がありました。経験をベースとしたストーリーへの共感がキャンペーンの自分ごと化に繋がっていくことが伺えました。

第2日目の最後は、キャンペーンに対して具体的なアクションを呼びかける【パブリック・ナラティブ】です。ストーリー・オブ・セルフに加え、ストーリー・オブ・アス(私たち)、ストーリー・オブ・ナウ(緊急性)を盛り込んだストーリーを3分で話します。2日間のワークショップの中で起きたことをアスに含めて語ったモデルは多くの共感を呼び覚まし、アクションを求める「参加してくれる人はzoomの手を挙げるボタンを押してください」との声に、ババババッと反応があり、手を挙げた人で画面が埋め尽くされました。

参加者も、チームで語りコーチングを受けた後、各チームから1人が全体で語りました。共感して涙ぐむストーリー、勇気づけられるストーリー、今すぐアクションに参加したくなるストーリー、みんなが真剣に聞き入る時間となりました。

「ストーリー最強」

第2日目の全体振り返りでは、パブリック・ナラティブを受けてストーリーの大事さに言及し、ストーリーが、それを語る個人も聞く周囲もエンパワーし勇気づけ、つながりや活動に繋がっていくことを体感的に理解したとの声が数多く上がりました。

事後アンケートでは「語りがもっともよかった、という感想が多かったことが印象的でした。やっぱり人は人の語りに惹かれるのだと確認しました」などの声がありました。

また、「私は、ワークショップ終了後1ヶ月以内に、何かのアクションに挑戦するだろう」との問いに、「とてもそう思う」と答えた参加者は、ワークショップ前は60%であったのが、終了後には90%近くに上昇していました。事後アンケートでも、すでに関係構築を実践してみた、ストーリーを語ってみた、プレゼンに使った、コーチングを行い始めたなどの声が聞かれ、ワークショップでの経験が日常での実践に活かされていることが伺えました。皆さんの日常でのチャレンジに「ナイス!」です。

参加者やスタッフが多様なそれぞれの現場に経験を持ち帰り、日常での活動に活かしていくことで間違いなく社会は良くなる。そこに大きな希望を感じ、自分もチャレンジしようと勇気づけられたワークショップでした。

レポート:小谷 幸(コーチ)

コミュニティ・オーガナイジング・ミニワークショップ@旭川/北見

北海道労連(以下道労連)主催で、3月16日(木)に旭川市、17日(金)に北見市で、パブリック・ナラティブ/ストーリー・オブ・セルフのミニワークショップを開催しました。それぞれについて報告します。

3月16日旭川

木曜日の19時~21時という開催でしたが、旭川勤労者福祉会館中会議室に、仕事を終えた、保育士さんや病院、労働組合、弁護士事務所等に勤務されているみなさんが10名集まりました。

道労連と旭川労連(以下旭労連)の共催だったのですが、旭川での開催に中心的にご協力くださった方は、2018年4月に札幌で開催した2日間のコミュニティ・オーガナイジング(以下CO)ワークショップに参加された方でした。

今回は、同じく保育士をしている仲間2人と一緒に参加されました。ワークショップが終わってから、「私は保育の仕事は子どもも保護者とも“アス感”の連続性が信頼関係だと思っている」と思いを共有してくださいました。“アス感”とは、一緒に大変な仕事を乗り越えたり、同じ目標達成に向かって努力しゴール達成できた喜びを共有できた仲間同士が持つ一体感のことです。その一体感には「子どもを第一に考える」とか「子育てをする人を孤独にしない」など大事な思いも共有できていることが多いと思います。

その感覚を「パブリック・ナラティブ/ストーリー・オブ・セルフ」を学ぶことで、仲間にも持ってもらえたら、毎日の保育の現場で、子どもたち、保護者そして保育士さん同士の信頼が高め合えるのではないかと思います。

2時間のワークショップの感想シートには、

・こんなにセルフを語って共感してもらえたことの喜びがあふれました。でも“気持ちが勝った”ときに語るのが一番と聞き、そのときが本当に“つながる”タイミングだなと思いました!楽しかったです!!

・小さい頃の選択の経験が自分の「価値観」とつながると思うと、すごく納得したし、単純に「すごい!」と思いました。いつも当たり前になっていることも、少しずつ考えようと思えるいいきっかけになりました

などのフィードバックが共有されました。共催者の道労連・出口さんによると、旭労連は組織のパワーが少し下がっている状態のため「今回ストーリー・オブ・セルフを作り、共有し合えたことで、それぞれが改めて大事にしている思いを確認できたことが、組織としての活動にもプラスではないか」とおっしゃっていて、私もそういう力になるといいなと思います。

3月17日北見

金曜日の19時、北見市民会館1号室には、参加予定数の半分に満たない集まり具合で、共催者の道労連・出口さんは少々焦り気味でした。金曜日ということもあるのでしょうか、高校の先生、病院や介護など医療介護の現場職員の方々など、最終的には16名が参加されましたが、到着時間にはばらつきがありました。

北見開催の中心となったのは、2022年12月に全国労働組合総連合主催で行った2日間のCOワークショップ参加者で、12月に参加した後、教えている高校生とともにストーリー・オブ・セルフを作ることにチャレンジもしている方でした。

16日の旭川もそうでしたが、自分が学んで、それを仲間やコミュニティに広めたいとして、COを学ぶ場を作ってくださることはとてもうれしいです。これは、COを実践するときに大事にする「自分でも参加したくなる場を作れているか?」「誰かを誘いたくなる内容か?」のような視点にも通じ、「良い!」「誰かにシェアしたい!」そう思っている人が作る場の持つエネルギーには、人を引き付ける力があるなと感じます。

途中から参加された方は全体像を理解し辛かったようですが、2時間を終えての振り返りでは、

・コロナ禍で対面の研修自体なくなっていたので、このような場に参加できたことが何よりうれしいし力づけられた

・具体的に描写することで自分の気持ちが明らかになるし、他者にも伝わることがよくわかった

などのフィードバックがありました。COJとしても対面でのワークショップはほとんどをオンラインに切り替えていたので、対面での開催、そこで人と会い対話し、思いを共有し合うことの大切さを痛感しました。

最後に

別のレポートで開催報告予定の、札幌の病院でSOGIの取り組みを進めたい人たち向けのワークショップに合わせて、上記2つのミニワークショップも企画されました。

2018年札幌開催の2日間ワークショップでコーチをした伊藤さん(「ケンタ」と呼んでいます)、参加者だった更科さん(「ひかちゃんと呼んでいます)が、COJ主催ワークショップのコーチをしたり、講師養成のプロセスを経て講義を担当できるようになったり、何よりそれぞれがCOキャンペーンを経験してきました。

ケンタが16日の旭川で、17日の北見はひかちゃんがコーチとして参加し、モデルとしてストーリー・オブ・セルフを語りました。準備期間を長く取れなかった今回のワークショップでしたが、北海道のCOコミュニティが育っている手応えがあったので、不安なく開催できたと感じています。

「コミュニティ・オーガナイジングってこういうことか!」な実感をまた一つ増やすことができました。関係者のみなさんに心より感謝です。

COJ職員:安谷屋貴子

中町直太

ワークショップに参加した動機は?

私は企業に対するブランディングのコンサルティングをしておりますが、もともと、社会運動のメカニズムを企業のブランディング/コミュニケーション活動に応用することに興味を持っていました。

また、同じ志のもとに、熱量の高いコミュニティを形成し、その輪を拡げていくことで組織全体を変革していく手法は、社会課題解決だけでなく、企業文化変革にも応用できるのではないかと考えており、今回のワークショップを受講しました。

ワークショップに参加した感想は?

事前に書籍『コミュニティ・オーガナイジング ほしい未来をみんなで創る5つのステップ』は読んでいたのですが、やはり実際に手を動かし、他の人たちと話しながら体験すると、知識の定着度が違います

また、コミュニティ・オーガナイジングのステップに沿って体験していくことで、どのプロセスではどんなことが重要なのか、難しいのはどんなところなのかを疑似体験できたのは大きかったと思います。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

参加者のみなさんの熱量が非常に高いと思いました。

みなさんそれぞれが、自分が解決したい社会課題をテーマとして持っており、日々の活動に直接役立てようという動機で参加されていました。

さまざまな分野の方とお話しすることができて、非常に勉強になりました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

前述した通り、コミュニティ・オーガナイジングを企業のコミュニケーション活動や、企業文化変革に応用していくことができればと思っています。

またそれだけでなく、自らの志をもとに、仲間をつくりながら実現に向けて行動していく方法論は、これからの時代を生き抜いていく上での必須のスキルといっても過言でないと思います。

そういう意味ではこれからの人生において、コミュニティ・オーガナイジングに、たびたび立ち返ることになっていくのではないかという気もしています。

松田 唯

ワークショップに参加した動機は?

『コミュニティ・オーガナイジングーほしい未来をみんなで創る5つのステップ』の本に出会い、読み終わってすぐCOJのHPを検索。タイミング良くワークショップの開催の案内を発見しました。

出産・育児を通して、「仕方ない」のままで終わらせたくないと考えることが増えました。家庭において、仕事において、制度において、楽しくて幸せなはずの子育てにしんどさを覚えることも多かったからかもしれません。

コロナ禍においてさらに、変えたいと思うなら声を上げないといけない、様々な課題に対して自分にできることは何だろう?と感じていたこともあり、「ほしい未来をみんなで創る」というCOを体感してみたく、ワークショップへの参加を決めました。本を読みながら、私にも、私たちにも、社会を変えられる方法がある!もっと詳しく聞いてみたい!と思ったためです。

ワークショップに参加した感想は?

初対面でも価値観を共有できること、「感情が動く」を実感できたことが一番の学びだったように思います。

ワークショップ参加前、私は過去の経験から、自分のストーリーを語ること、関係構築していくことにとても苦手意識がありました。

初対面のメンバーでグループを作り、実際に自分のストーリーを語り合い、共有する価値観から共有目的、具体的な活動・戦略を練っていく演習の中で、これまで「対話をする」ことに真剣に向き合えたことがどれだけあっただろうと考えました。

“カテゴリーのとしてのチーム”ではなし得ないことがある、何かを変えたいと思った時のチーム構築のステップに触れることができました。

短い時間だった為、難しい局面もやはりありましたが、それでも参加者それぞれが現実に変えたい何かがあるからこその意欲があって作り上げれたワークショップだったと感じています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

とても心理的安全性が高いワークショップでした!

自分のストーリーを語るのは、やはり初対面では普通ハードルが高いと思います。

ですが、コーチ自身がどうしてCOに参加しているかについてストーリーを語ってくださったことを含め、ワークショップ参加者それぞれが本気で変えたい何かがあるからこそ、自分の弱さ・脆さを曝け出しながらも「伝えたい!」が溢れていて、聞き手も真剣に受け止める、ジャッジのない2日間はとても居心地がよかったです。

不思議な連帯感が初めから存在していたように感じたのは、コーチ・運営の皆さまの雰囲気づくりのおかげだと思っています。

また、しっかりしたテキストを事前に送っていただいたので、これを2日間かけて読むのかな…?と思っていたところ、殆ど使用しませんでした!(笑)

勿論、ポイントを押さえてスライドで理論も説明してくださいましたが、演習がメインでまさに「自転車に乗ってみよう!」な時間が過ごせたことは、頭でっかちな自分にとっては大変有り難い時間でした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

チーム演習で、有り難いことに私が実際に参加している活動に近い内容で戦略を考える機会をいただきました。

そのため参加前は今のメンバー、今の活動で、私たちの「変えたいこと」ってなんだろう?と1人悶々と考えていたのですが、終わってからは、まず自分がやっていくべきことは「対話をする」に尽きるなと思っています。

ストーリー・オブ・セルフを作り上げながら、自分の本音はどこにあるのか、まだまだ蓋をしている部分もあることに気づくこともできました。

関係構築の中で、価値観の交換やお互いの資源を把握することも重要だと学べました。

同志と一緒に未来を変えていくために、戦略を練って結果を出していくことに目が向きがちでしたが、自分自身のこと、同志のことをもっと知ることが要なんじゃないか、知らずして本当に「ほしい未来」は描けないんじゃないかと今は感じています。

髙橋里奈

ワークショップに参加した動機は?

在学中に、フリースクールや孤児院、外国にルーツをもつ子供向けの学習支援活動に参加していました。さまざまなバックグラウンドを抱え、時に自分の想いを表明することを我慢しながら生活している様子を目にし、心苦しい気持ちでした。

私は、高校時代から子供にまつわる政策提言に憧れがあり【こども庁】への入省を目指していましたが、在学中に【こども家庭庁】と名称変更があり、【家庭的な場】で暮らす子供も多い現状で、【家庭】と断定された表現に違和感を抱きました。目標が頓挫し、暗闇に落とされた気分でした…。

そんな時にコミュニティ・オーガナイジング(CO)本に出会い、自分の想いを他者と共有する手段、そして社会に変化を起こせる可能性をもつ手段があるのだと知りました!COと出会い、私の心が救われました。

COについて研究し、子供の声を社会に届けていきたい、自分の想いを社会に届けたいと思うようになり、春からこの想いを尊重して下さる大学院に進学することも決まりました。ワークショップを通し、COに想いを寄せる皆さんと出会いたい、春からの研究土台を見出したいと考え、参加を決めました!

ワークショップに参加した感想は?

講義→演習の形でワークショップが設計されていたので、コミュニティ・オーガナイジングの手法を1つずつ丁寧に学ぶことができました。講義で消化しきれなかった部分を演習時にコーチに質問でき、活動内容が分かった状態で演習に臨めたのは個人的にやりやすかったです!

今回のワークショップで特に印象的であったのが【ストーリー・オブ・セルフ】です。自分のモヤモヤした想いを言語化するというのは、話す勇気もいることであり、難しいと捉えていました。ワークショップでは、コーチが見本を見せて下さって、どのようにナラティブを構成し、語っていくのかをイメージした状態で活動に臨めたため、取り掛かりやすかったです!さらに講義で【ストーリー・オブ・セルフ】の役割を学んでいるため、これまで言い出しづらかった経験も安心して話すことができました。

語り手・聞き手として【ストーリー・オブ・セルフ】にどのように臨めばいいのか演習を通して、ゆっくり自分の中に落とし込むことができました。実際に演習でやってみることで、実践時のイメージもつかみやすく、学び甲斐が大きかったです!

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

コーチと参加者の距離が近く、質問しやすい環境が有難かったです!コーチも含め、みんなで学び合う、みんなで学びを共有し合うといった雰囲気でのワークショップが初めてであったので、居心地もよく、緊張しすぎることもなく安心して参加することができました。

また、ワークショップ冒頭でのノーム決めも特色として印象的でした。主催者側で規則を決めるだけでなく、参加者の意向も汲んで、ワークショップの方針を決める時間を設けて下さったおかげで、それぞれの理想とするワークショップ像が築けた状態で活動に臨め、満足感も大きかったです。

私がこれまで参加してきた他のワークショップでは自分の意見を話す時間が少なく物足りなく感じていたので、「話す時間を均等にする」というノームを挙げさせていただき、全体の場でも、グループの場でも均等に各々発言し、意見を共有し合うことができたので、参加意義が他のワークショップ以上に高く、充実した時間を過ごすことができました!

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

4月から大学院でコミュニティ・オーガナイジングを介した授業開発をしたいと考えています。

私が調べた中で、子供向けに実践された例がなかったので、子供にコミュニティ・オーガナイジングという手法を知ってもらうきっかけを研究を通して創りあげたいと考えています。

NPO法人とも協力しながら、子供向けのワークショップの開講も目標に据えています。今回のワークショップを通して、いろいろな方とつながることができたので、皆さんにも助けていただきながら、目標を体現していきたいと考えています。

三科宏輔

ワークショップに参加した動機は?

僕は、漠然と今後の社会における“食糧の確保”に関しての不安と危機感を抱いています。昨今、下記のような情報を目にします。

★100人分の食を2人の農家さんが作っています。

★農業従事者の平均年齢は67歳です。49歳以下は10%、そのうち20代はわずか1%です。

★日本の食糧自給率は37%(カロリーベース)。そのうち99.8%が慣行農法(輸入が関わる)であり、実質的な自給率は0.2%と考えられます。要するに1000人に2人しか食が行き渡りません。

しかし、今の僕にできることは、野菜を作ることに挑戦することしかありませんでした。どのような行動をすれば、”誰もが社会に左右されず食糧を確保できる状態”を実現することができるのだろうか…と悩んでいました。

僕に見えている社会の課題感や実現したい社会の状態を整理するとともに、次なる行動のヒントを得ることを期待し、参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

『理想な社会の実現のための手法』以前の大切な視点に気づくことができました。

それは、“過去→今→未来の捉え方”という視点です。

ワークショップ内で何度も、自己開示をする機会がありました。最初は、初めてお会いする方に対して、自分が苦しんだ経験を話すことに抵抗がありました。しかし、コーチの方やメンバーの方の話から、“過去の経験に紐づく価値観が今の自分の行動にもつながっている”ことを話を聞きながら実感することができました。

”過去の価値観が今を形成しており、今の連鎖が未来を築く.”

過去と向き合い自己開示し、深掘りし、今の自分を捉えていくと、少しずつ理想的な社会の解像度が上がっていくような感覚でした。気づいたら自己開示することに気持ちよさを感じながら僕も話していました。

どのように社会を実現していくか、それ以前に…

今、感じている価値観や感性にきちんと問いを投げかけ、今を大切に生きていく。その連鎖でより良い未来を作り出せたらいいな。と思いから、今できることを全うする人生を歩んでいきます!

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

今までの僕の研修を受けるスタンスとして、“今抱える自分の課題を解決するため”という動機で参加していました。

COJの参加動機も上記と変わりませんでしたが、時間を重ねるごとに、ひとりひとりの自己開示を通した価値観を知ることができたので、同じ受講生に対しても興味を持って話を聞くことができました。気づいたら、自分の課題を解決したい!という感情よりも、この人が抱える社会の違和感や興味・価値観をもっと知りたい!に変わっていました

僕のチームでは、“怒濤の子育て期をみんなで楽しく乗り越える”をテーマにプロジェクト立案まで議論しました。僕は男性で独身のため普段では考えない視点でしたが、メンバーの実感値のある言葉から、母への感謝の気持ちが増し、研修終了後、はじめてLINEで感謝の気持ちを伝えることができました。

普段考えない視点を得ることで有難さが増し、足るを知ることができ、僕の心をホッとさせるような豊かさにつながりました。小さなアクションではありますが、知るだけではなく、行動しよう!と思える雰囲気もCOJならではなのかも知れません。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

“誰もが社会に左右されず食糧の確保ができる状態”を目指して…

僕はまだ、どうすれば実現することができるかわかりません。理想的社会の状態を実現するために必要なスキルが今あるわけではありません。

ただ、“なぜ僕がその状態を目指し、行動しているのか。”についてはCOJを通して、より深掘りできたように思います。

今後も僕にできることは、“野菜を作り続けること”しかありません。急激にスキルや技術が上昇することは期待できないでしょう。しかし、僕の原動力を深掘りし、思いを言い続けることは、僕にしかできないことです。その先に実現したい社会に近づけるヒントを得られることを信じてCOJで学んだ“思考力”や“社会を変えていきたいという姿勢”を今後の活動に活かしていきたいです。

“自分の見えている世界を変えたいのなら、自分が動かない限り変わらない”

今の自分を全うしたその先に、より良い社会が創造されることを信じて生きていきます。

2022年11月(公財)石川県国際交流協会「外国人コミュニティ・リーダー研修 ストーリー・オブ・セルフ/関係構築」研修開催レポート(石川県)

(公財)石川県国際交流協会(IFIE)では、R3年度に引き続き、県内在住の外国人住民に、地域のことを知り、関係づくりを行い、地域づくりに参加してもらう「外国人コミュニティ・リーダー研修」を行いました。

この研修は、県内2地域で開催され、コミュニティ・オーガナイジングの講座以外にも、市役所の役割を知る、地域を知る、災害に備える、法律や税金の仕組みを知る、参加者全員で意見交換を行う、など、開催地域の希望に合わせてさまざまな内容の講座を行っています。石川県が過去4年間行っている、文化庁の支援を受けた「石川県における地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業」の一部になります。

 

開催日

 

テーマ

 

参加者

 

2022年11月13日

 

ストーリー・オブ・セルフ

 

白山市、羽咋市、宝達志水町在住の外国人住民、日本語サポーター、自治体職員など22名

 

2022年11月26日

 

関係構築

 

同18名

2日間の講座では、2か所で行われている研修の参加者に同時に参加してもらいました。金沢市の会場に講師に来ていただき、一部参加者がオンラインで参加するハイブリッド式で実施しました。

参加者の外国人住民は、すでに日本に長く暮らし、地域で子育てを行ったり、働いたりしている方が多く、支援を受けるだけでなく、公的なサービスや介護などの支援を提供する側で働き、地域を支える役割を果たしている方も参加されていました。また、在住期間も長いため、日本での生活経験も豊かで、同じ国出身の人の相談役になったり、SNSなどを通して情報を発信したり、日本で暮らす外国人住民のネットワークの中心的な役割を果たしている方もいらっしゃいました。

今回の「外国人コミュニティ・リーダー研修」も、地域に長く住んでいる外国人住民に、地域と外国人住民のネットワークのハブ的な役割を果たしてもらおうと開催されたものです。外国人リーダーの方が、地域で協力者を求めたり、考えを伝えたりする際に、コミュニティ・オーガナイジングの手法が役立つと考え、昨年に引き続き講座をお願いしました。

多くの参加者にとって、コミュニティ・オーガナイジングの講座では何をするのか、何を学べるのか、受講前は想像しにくいものだったようです。同じ「リーダー研修」で扱う、災害への備えや行政書士の話は、具体的な知識や情報を取り扱うので、昨年の研修でも印象に残った参加者が多かったようです。

しかし、今回、受講された外国人リーダーの方の様子を拝見すると、皆さん地域で暮らす外国人住民の苦労や思いを積極的に伝えようとしてくださいました。ストーリー・オブ・セルフでは、自分がまだ日本語を話せないときに、親身になって支援してくれた、今は亡き支援者の方のことを涙ながらに語ってくれる人もいました。関係構築では、「あなたがそんな人だって全然知らなかった」といった感想や、ペアワークを重ねるごとに「そんな話さっき言ってなかった」と話が深まっていく様子も見られました。

コミュニティ・オーガナイジングの2回の講座が終わってから、さらにCOJのワークショップに参加したいという声も、外国人、日本人問わず、複数の方から上がっていました。

地域の日本語教室や国際交流協会では、外国人住民、日本人住民が対等な立場で活動を行う姿も普通になりましたが、お互いがどんな思いで活動に参加し、相手にどんなことを期待しているのかまでは、毎週会って活動を共にしていても、互いに知らない場合もあるようです。

「外国人リーダー研修」を終えた人が、コミュニティ・オーガナイジングの講座での経験を、たとえ無意識であってもそれを基盤にして、地域の人に語りかけ、つながりを持ち、それを広げていく活動に生かしてくれることを祈っています。

(公財)石川県国際交流協会 専任講師 今井

ゆにきゃんコーチ養成講座 コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ開催レポート

2022年12月17日、18日の2日間でオンラインによる「全労連(全国労働組合総連合)ゆにきゃんコーチ養成講座 コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」が開催されました。
※全労連が2020年11月から取り組んでいるコミュニティ・オーガナイジングを学ぶ「UnionCamp(通称:ゆにきゃん)」のコーチ養成を目的として取り組まれました。

これまでの労働組合の「お作法」にとらわれず、希望を持てる労働運動を進めたい

今回のワークショップの開催に向けて、8月よりコアチームを立ち上げ、「これまでの労働組合の『お作法』にとらわれず、希望を持てる労働運動を進めたい」という思いを共有し、準備を進めてきました。その中で、誰に参加してほしいか、どんな変化を作りたいかなどを話し合いながら参加者リクルートを進めました。

そんな中で「労働組合の活動に女性の参加が少ないよね」「いつも女性の参加増やそうって言うけど、言葉だけになってるよね」「女性参加者が少ないとチームで安心して発言できないよね」という思いも出し合い、参加者の半数以上を女性にすることを目標にし、どうすればそれができるのかなど具体的に話し合った結果、参加者は女性17人、男性16人となりました。

合言葉は「チャレンジを応援しあおう!」

全国的に急激に寒くなり、大雪も心配される中、ワークショップが始まりました。北海道から沖縄まで全国の仲間がオンラインでつながり、初めはみなさん緊張してソワソワしている様子でした。参加者のみなさんが2日間、学びを深められて安心して参加するにはどんなノーム(グラウンドルール)が必要ですか?と問いかけると「オンラインなのでリアクションをしよう!」「分からないことはちゃんと聞こう!聞きやすい雰囲気にしよう!」「否定から入らない!」など、次々と出てきました。開始直後から早速お互いのチャレンジを応援し、受け入れ合う雰囲気になりました。

1日目初めの講義は「コーチング」。3人1組に分かれての演習では、失敗してもいいんだよ、自転車に乗ってみよう!とたくさんのチャレンジであふれました。

2日間を一緒に走り抜ける6人のチームに分かれてからは、自分自身の活動の原点を「ストーリー・オブ・セルフ」で語り、チーム内でペアに分かれ「関係構築」しました。「普段の活動内容や場所が違っても、根っこにある思いは同じだったんだ」「自分のことを話すのが苦手だったけど、たくさん質問されたことで一気に距離が近づいた」「とっても難しいけど安心してチャレンジできた」という声も聞こえてきました。

1日目の夕方にはチームの中で仲間意識と笑顔があふれてきた

1日目の最後は「リーダーシップチーム構築」でチーム全員が価値観でつながり、誰とどんな活動をしたいのかを話し合い、魅力的な共有目的を作りました。チームで活動するためのノームや役割、チーム名とチャントを決めました。

1日目を終えての全体での振り返りでは「価値観を共有することでチームが一つになっていく実感を持てた」「何歳になっても学ぶ権利はある。演習がうまくいかなくてもコーチやチームメンバーが支えてくれたのでチャレンジできた」「普段の組合活動の中でいかに質問していないか、気持ちを聞けていないかを実感した」という感想が出され、画面上でみんなが「うんうん」と頷く姿が印象的でした。

同志の資源って何だろう?同志の力を引き出せてる?

2日目は「戦略Ⅰ」から始まりました。キーワードは「同志」。同志の絞り込みでは労働組合の役員目線での想像ではなく、困難に直面している現場の当事者目線を意識してみよう!ということが講義の中でもコーチからも何度もくり返されました。

当事者の持つ資源を合わせ、パワーを生み出すことが大事で、普段の活動とも比較し難しさを感じながらも、同志が立ち上がり課題を解決するための「戦略的ゴール」を決めました。そして、どうすればそのゴールが達成できるのか「変革の仮説」を立て「オーガナイジング・センテンス」を作って、チーム同士のコーチングも行いました。

各チームで決めた戦略的ゴール達成するためにどんな戦術が必要なのか。「戦略Ⅱ」の講義では参加者からたくさんのアイデアが出されました。

「戦略的ゴールを達成する助けになってますか?」「同志の資源を使ってみよう!楽しくワクワクする戦術、誘いたくなる戦術の視点で!」との質問に、次々といろんなアイデアが出され、キャンペーンタイムラインを作成し各チームから発表がありました。

思いがあふれ、希望を感じることができた「パブリック・ナラティブ」

あっという間に2日間の集大成となる「リンキング」(ストーリー・オブ・セルフとアスとナウをつなげる)の演習になりました。チームで作ったキャンペーンの戦術に誘いかけるためのストーリーを学びました。

なぜ、私たちは今この行動をしなければならないのか、なぜ私は立ち上がろうと思ったのか、1日目に学んだストーリー・オブ・セルフも取り入れ、35人の参加者全員がチームに分かれ最後のチャレンジをしました。

演習のあと、全体で各チームから1人ずつ発表があり、ストーリーに込められた思いや希望に心を動かされ、参加者もコーチも講師も涙を流しながら気持ちを共有することができました。

具体的なアクションやその背景にある思い、そして変えるための道筋を語ることで参加者からも「私も参加します」「そのアクションなら私にも出来るのでやります」と次々に心が動かされ、行動へ移る瞬間がたくさんありました。

価値観でつながる実感が湧き、楽しくわくわくする活動をしたい!

2日間のワークショップを通じて、困難をたくさん見てきた労働組合の人たちだからこそ、1人ひとりが大事にされ、働く人たちの命を守るために活動をしていることに共感が広がり、現場の力を生かす運動に変えていく希望が広がったと感じています。2日間のワークショップを通しての参加者からの振り返りでは次のような声が寄せられました。

  • 初めは自分自身の話をすることに苦手意識があったがチームに受け入れられ安心して話せる場があった。価値観でつながる実感が湧き、自分のことを話したいと思えた
  • 自分自身の中の、弱い立場の人を守りたい、1人ひとりが尊重される社会にしたいという気持ちに改めて気づくことができた
  • 現場にいる1人ひとりの力を引き出し、楽しくわくわくする活動をするために明日からも頑張る!
  • 普段寄り添っているつもりで実は現場に課題を押し付けていることに気づけた2日間だった
  • ナラティブをいかし現場の声を発信する工夫を早速したい、組織内の会議でも2日間学んだことをいかしていく!
  • 何歳になっても学ぶ権利はある、成長し続ける権利はある。この2日間で学んだことを必ずいかし変えていこうと思った

このワークショップをともに経験した仲間がつながって、これまでの労働組合の「お作法」にとらわれず、困難に直面する当事者が声をあげ、立ち上がる、希望を持てる労働組合運動を進めていきたいという思いを共有し、ワークショップは終了しました。

私自身もこの2日間一緒に走り抜けたチームメンバーと、早速その日の夜からアクションをしています。今後は2日間という短い時間で作ったキャンペーンを見直しながら具体的な変化を作っていこうと思っています。もちろん担当チーム以外のキャンペーンにも心が動かされアクションする際には力になりたい!背中を押そう!と思いました。このワークショップは型を学ぶ場でしたが実際に走り出そうとするキャンペーンがいくつも生まれました。ワークショップが終わっても、自転車の補助輪のようにコーチとしてみなさんのキャンペーンの力になろうと思っています。

越智太一(コーチ)

CATEGORY