松田 唯

ワークショップに参加した動機は?

『コミュニティ・オーガナイジングーほしい未来をみんなで創る5つのステップ』の本に出会い、読み終わってすぐCOJのHPを検索。タイミング良くワークショップの開催の案内を発見しました。

出産・育児を通して、「仕方ない」のままで終わらせたくないと考えることが増えました。家庭において、仕事において、制度において、楽しくて幸せなはずの子育てにしんどさを覚えることも多かったからかもしれません。

コロナ禍においてさらに、変えたいと思うなら声を上げないといけない、様々な課題に対して自分にできることは何だろう?と感じていたこともあり、「ほしい未来をみんなで創る」というCOを体感してみたく、ワークショップへの参加を決めました。本を読みながら、私にも、私たちにも、社会を変えられる方法がある!もっと詳しく聞いてみたい!と思ったためです。

ワークショップに参加した感想は?

初対面でも価値観を共有できること、「感情が動く」を実感できたことが一番の学びだったように思います。

ワークショップ参加前、私は過去の経験から、自分のストーリーを語ること、関係構築していくことにとても苦手意識がありました。

初対面のメンバーでグループを作り、実際に自分のストーリーを語り合い、共有する価値観から共有目的、具体的な活動・戦略を練っていく演習の中で、これまで「対話をする」ことに真剣に向き合えたことがどれだけあっただろうと考えました。

“カテゴリーのとしてのチーム”ではなし得ないことがある、何かを変えたいと思った時のチーム構築のステップに触れることができました。

短い時間だった為、難しい局面もやはりありましたが、それでも参加者それぞれが現実に変えたい何かがあるからこその意欲があって作り上げれたワークショップだったと感じています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

とても心理的安全性が高いワークショップでした!

自分のストーリーを語るのは、やはり初対面では普通ハードルが高いと思います。

ですが、コーチ自身がどうしてCOに参加しているかについてストーリーを語ってくださったことを含め、ワークショップ参加者それぞれが本気で変えたい何かがあるからこそ、自分の弱さ・脆さを曝け出しながらも「伝えたい!」が溢れていて、聞き手も真剣に受け止める、ジャッジのない2日間はとても居心地がよかったです。

不思議な連帯感が初めから存在していたように感じたのは、コーチ・運営の皆さまの雰囲気づくりのおかげだと思っています。

また、しっかりしたテキストを事前に送っていただいたので、これを2日間かけて読むのかな…?と思っていたところ、殆ど使用しませんでした!(笑)

勿論、ポイントを押さえてスライドで理論も説明してくださいましたが、演習がメインでまさに「自転車に乗ってみよう!」な時間が過ごせたことは、頭でっかちな自分にとっては大変有り難い時間でした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

チーム演習で、有り難いことに私が実際に参加している活動に近い内容で戦略を考える機会をいただきました。

そのため参加前は今のメンバー、今の活動で、私たちの「変えたいこと」ってなんだろう?と1人悶々と考えていたのですが、終わってからは、まず自分がやっていくべきことは「対話をする」に尽きるなと思っています。

ストーリー・オブ・セルフを作り上げながら、自分の本音はどこにあるのか、まだまだ蓋をしている部分もあることに気づくこともできました。

関係構築の中で、価値観の交換やお互いの資源を把握することも重要だと学べました。

同志と一緒に未来を変えていくために、戦略を練って結果を出していくことに目が向きがちでしたが、自分自身のこと、同志のことをもっと知ることが要なんじゃないか、知らずして本当に「ほしい未来」は描けないんじゃないかと今は感じています。

髙橋里奈

ワークショップに参加した動機は?

在学中に、フリースクールや孤児院、外国にルーツをもつ子供向けの学習支援活動に参加していました。さまざまなバックグラウンドを抱え、時に自分の想いを表明することを我慢しながら生活している様子を目にし、心苦しい気持ちでした。

私は、高校時代から子供にまつわる政策提言に憧れがあり【こども庁】への入省を目指していましたが、在学中に【こども家庭庁】と名称変更があり、【家庭的な場】で暮らす子供も多い現状で、【家庭】と断定された表現に違和感を抱きました。目標が頓挫し、暗闇に落とされた気分でした…。

そんな時にコミュニティ・オーガナイジング(CO)本に出会い、自分の想いを他者と共有する手段、そして社会に変化を起こせる可能性をもつ手段があるのだと知りました!COと出会い、私の心が救われました。

COについて研究し、子供の声を社会に届けていきたい、自分の想いを社会に届けたいと思うようになり、春からこの想いを尊重して下さる大学院に進学することも決まりました。ワークショップを通し、COに想いを寄せる皆さんと出会いたい、春からの研究土台を見出したいと考え、参加を決めました!

ワークショップに参加した感想は?

講義→演習の形でワークショップが設計されていたので、コミュニティ・オーガナイジングの手法を1つずつ丁寧に学ぶことができました。講義で消化しきれなかった部分を演習時にコーチに質問でき、活動内容が分かった状態で演習に臨めたのは個人的にやりやすかったです!

今回のワークショップで特に印象的であったのが【ストーリー・オブ・セルフ】です。自分のモヤモヤした想いを言語化するというのは、話す勇気もいることであり、難しいと捉えていました。ワークショップでは、コーチが見本を見せて下さって、どのようにナラティブを構成し、語っていくのかをイメージした状態で活動に臨めたため、取り掛かりやすかったです!さらに講義で【ストーリー・オブ・セルフ】の役割を学んでいるため、これまで言い出しづらかった経験も安心して話すことができました。

語り手・聞き手として【ストーリー・オブ・セルフ】にどのように臨めばいいのか演習を通して、ゆっくり自分の中に落とし込むことができました。実際に演習でやってみることで、実践時のイメージもつかみやすく、学び甲斐が大きかったです!

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

コーチと参加者の距離が近く、質問しやすい環境が有難かったです!コーチも含め、みんなで学び合う、みんなで学びを共有し合うといった雰囲気でのワークショップが初めてであったので、居心地もよく、緊張しすぎることもなく安心して参加することができました。

また、ワークショップ冒頭でのノーム決めも特色として印象的でした。主催者側で規則を決めるだけでなく、参加者の意向も汲んで、ワークショップの方針を決める時間を設けて下さったおかげで、それぞれの理想とするワークショップ像が築けた状態で活動に臨め、満足感も大きかったです。

私がこれまで参加してきた他のワークショップでは自分の意見を話す時間が少なく物足りなく感じていたので、「話す時間を均等にする」というノームを挙げさせていただき、全体の場でも、グループの場でも均等に各々発言し、意見を共有し合うことができたので、参加意義が他のワークショップ以上に高く、充実した時間を過ごすことができました!

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

4月から大学院でコミュニティ・オーガナイジングを介した授業開発をしたいと考えています。

私が調べた中で、子供向けに実践された例がなかったので、子供にコミュニティ・オーガナイジングという手法を知ってもらうきっかけを研究を通して創りあげたいと考えています。

NPO法人とも協力しながら、子供向けのワークショップの開講も目標に据えています。今回のワークショップを通して、いろいろな方とつながることができたので、皆さんにも助けていただきながら、目標を体現していきたいと考えています。

三科宏輔

ワークショップに参加した動機は?

僕は、漠然と今後の社会における“食糧の確保”に関しての不安と危機感を抱いています。昨今、下記のような情報を目にします。

★100人分の食を2人の農家さんが作っています。

★農業従事者の平均年齢は67歳です。49歳以下は10%、そのうち20代はわずか1%です。

★日本の食糧自給率は37%(カロリーベース)。そのうち99.8%が慣行農法(輸入が関わる)であり、実質的な自給率は0.2%と考えられます。要するに1000人に2人しか食が行き渡りません。

しかし、今の僕にできることは、野菜を作ることに挑戦することしかありませんでした。どのような行動をすれば、”誰もが社会に左右されず食糧を確保できる状態”を実現することができるのだろうか…と悩んでいました。

僕に見えている社会の課題感や実現したい社会の状態を整理するとともに、次なる行動のヒントを得ることを期待し、参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

『理想な社会の実現のための手法』以前の大切な視点に気づくことができました。

それは、“過去→今→未来の捉え方”という視点です。

ワークショップ内で何度も、自己開示をする機会がありました。最初は、初めてお会いする方に対して、自分が苦しんだ経験を話すことに抵抗がありました。しかし、コーチの方やメンバーの方の話から、“過去の経験に紐づく価値観が今の自分の行動にもつながっている”ことを話を聞きながら実感することができました。

”過去の価値観が今を形成しており、今の連鎖が未来を築く.”

過去と向き合い自己開示し、深掘りし、今の自分を捉えていくと、少しずつ理想的な社会の解像度が上がっていくような感覚でした。気づいたら自己開示することに気持ちよさを感じながら僕も話していました。

どのように社会を実現していくか、それ以前に…

今、感じている価値観や感性にきちんと問いを投げかけ、今を大切に生きていく。その連鎖でより良い未来を作り出せたらいいな。と思いから、今できることを全うする人生を歩んでいきます!

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

今までの僕の研修を受けるスタンスとして、“今抱える自分の課題を解決するため”という動機で参加していました。

COJの参加動機も上記と変わりませんでしたが、時間を重ねるごとに、ひとりひとりの自己開示を通した価値観を知ることができたので、同じ受講生に対しても興味を持って話を聞くことができました。気づいたら、自分の課題を解決したい!という感情よりも、この人が抱える社会の違和感や興味・価値観をもっと知りたい!に変わっていました

僕のチームでは、“怒濤の子育て期をみんなで楽しく乗り越える”をテーマにプロジェクト立案まで議論しました。僕は男性で独身のため普段では考えない視点でしたが、メンバーの実感値のある言葉から、母への感謝の気持ちが増し、研修終了後、はじめてLINEで感謝の気持ちを伝えることができました。

普段考えない視点を得ることで有難さが増し、足るを知ることができ、僕の心をホッとさせるような豊かさにつながりました。小さなアクションではありますが、知るだけではなく、行動しよう!と思える雰囲気もCOJならではなのかも知れません。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

“誰もが社会に左右されず食糧の確保ができる状態”を目指して…

僕はまだ、どうすれば実現することができるかわかりません。理想的社会の状態を実現するために必要なスキルが今あるわけではありません。

ただ、“なぜ僕がその状態を目指し、行動しているのか。”についてはCOJを通して、より深掘りできたように思います。

今後も僕にできることは、“野菜を作り続けること”しかありません。急激にスキルや技術が上昇することは期待できないでしょう。しかし、僕の原動力を深掘りし、思いを言い続けることは、僕にしかできないことです。その先に実現したい社会に近づけるヒントを得られることを信じてCOJで学んだ“思考力”や“社会を変えていきたいという姿勢”を今後の活動に活かしていきたいです。

“自分の見えている世界を変えたいのなら、自分が動かない限り変わらない”

今の自分を全うしたその先に、より良い社会が創造されることを信じて生きていきます。

2022年11月(公財)石川県国際交流協会「外国人コミュニティ・リーダー研修 ストーリー・オブ・セルフ/関係構築」研修開催レポート(石川県)

(公財)石川県国際交流協会(IFIE)では、R3年度に引き続き、県内在住の外国人住民に、地域のことを知り、関係づくりを行い、地域づくりに参加してもらう「外国人コミュニティ・リーダー研修」を行いました。

この研修は、県内2地域で開催され、コミュニティ・オーガナイジングの講座以外にも、市役所の役割を知る、地域を知る、災害に備える、法律や税金の仕組みを知る、参加者全員で意見交換を行う、など、開催地域の希望に合わせてさまざまな内容の講座を行っています。石川県が過去4年間行っている、文化庁の支援を受けた「石川県における地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業」の一部になります。

 

開催日

 

テーマ

 

参加者

 

2022年11月13日

 

ストーリー・オブ・セルフ

 

白山市、羽咋市、宝達志水町在住の外国人住民、日本語サポーター、自治体職員など22名

 

2022年11月26日

 

関係構築

 

同18名

2日間の講座では、2か所で行われている研修の参加者に同時に参加してもらいました。金沢市の会場に講師に来ていただき、一部参加者がオンラインで参加するハイブリッド式で実施しました。

参加者の外国人住民は、すでに日本に長く暮らし、地域で子育てを行ったり、働いたりしている方が多く、支援を受けるだけでなく、公的なサービスや介護などの支援を提供する側で働き、地域を支える役割を果たしている方も参加されていました。また、在住期間も長いため、日本での生活経験も豊かで、同じ国出身の人の相談役になったり、SNSなどを通して情報を発信したり、日本で暮らす外国人住民のネットワークの中心的な役割を果たしている方もいらっしゃいました。

今回の「外国人コミュニティ・リーダー研修」も、地域に長く住んでいる外国人住民に、地域と外国人住民のネットワークのハブ的な役割を果たしてもらおうと開催されたものです。外国人リーダーの方が、地域で協力者を求めたり、考えを伝えたりする際に、コミュニティ・オーガナイジングの手法が役立つと考え、昨年に引き続き講座をお願いしました。

多くの参加者にとって、コミュニティ・オーガナイジングの講座では何をするのか、何を学べるのか、受講前は想像しにくいものだったようです。同じ「リーダー研修」で扱う、災害への備えや行政書士の話は、具体的な知識や情報を取り扱うので、昨年の研修でも印象に残った参加者が多かったようです。

しかし、今回、受講された外国人リーダーの方の様子を拝見すると、皆さん地域で暮らす外国人住民の苦労や思いを積極的に伝えようとしてくださいました。ストーリー・オブ・セルフでは、自分がまだ日本語を話せないときに、親身になって支援してくれた、今は亡き支援者の方のことを涙ながらに語ってくれる人もいました。関係構築では、「あなたがそんな人だって全然知らなかった」といった感想や、ペアワークを重ねるごとに「そんな話さっき言ってなかった」と話が深まっていく様子も見られました。

コミュニティ・オーガナイジングの2回の講座が終わってから、さらにCOJのワークショップに参加したいという声も、外国人、日本人問わず、複数の方から上がっていました。

地域の日本語教室や国際交流協会では、外国人住民、日本人住民が対等な立場で活動を行う姿も普通になりましたが、お互いがどんな思いで活動に参加し、相手にどんなことを期待しているのかまでは、毎週会って活動を共にしていても、互いに知らない場合もあるようです。

「外国人リーダー研修」を終えた人が、コミュニティ・オーガナイジングの講座での経験を、たとえ無意識であってもそれを基盤にして、地域の人に語りかけ、つながりを持ち、それを広げていく活動に生かしてくれることを祈っています。

(公財)石川県国際交流協会 専任講師 今井

ゆにきゃんコーチ養成講座 コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ開催レポート

2022年12月17日、18日の2日間でオンラインによる「全労連(全国労働組合総連合)ゆにきゃんコーチ養成講座 コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」が開催されました。
※全労連が2020年11月から取り組んでいるコミュニティ・オーガナイジングを学ぶ「UnionCamp(通称:ゆにきゃん)」のコーチ養成を目的として取り組まれました。

これまでの労働組合の「お作法」にとらわれず、希望を持てる労働運動を進めたい

今回のワークショップの開催に向けて、8月よりコアチームを立ち上げ、「これまでの労働組合の『お作法』にとらわれず、希望を持てる労働運動を進めたい」という思いを共有し、準備を進めてきました。その中で、誰に参加してほしいか、どんな変化を作りたいかなどを話し合いながら参加者リクルートを進めました。

そんな中で「労働組合の活動に女性の参加が少ないよね」「いつも女性の参加増やそうって言うけど、言葉だけになってるよね」「女性参加者が少ないとチームで安心して発言できないよね」という思いも出し合い、参加者の半数以上を女性にすることを目標にし、どうすればそれができるのかなど具体的に話し合った結果、参加者は女性17人、男性16人となりました。

合言葉は「チャレンジを応援しあおう!」

全国的に急激に寒くなり、大雪も心配される中、ワークショップが始まりました。北海道から沖縄まで全国の仲間がオンラインでつながり、初めはみなさん緊張してソワソワしている様子でした。参加者のみなさんが2日間、学びを深められて安心して参加するにはどんなノーム(グラウンドルール)が必要ですか?と問いかけると「オンラインなのでリアクションをしよう!」「分からないことはちゃんと聞こう!聞きやすい雰囲気にしよう!」「否定から入らない!」など、次々と出てきました。開始直後から早速お互いのチャレンジを応援し、受け入れ合う雰囲気になりました。

1日目初めの講義は「コーチング」。3人1組に分かれての演習では、失敗してもいいんだよ、自転車に乗ってみよう!とたくさんのチャレンジであふれました。

2日間を一緒に走り抜ける6人のチームに分かれてからは、自分自身の活動の原点を「ストーリー・オブ・セルフ」で語り、チーム内でペアに分かれ「関係構築」しました。「普段の活動内容や場所が違っても、根っこにある思いは同じだったんだ」「自分のことを話すのが苦手だったけど、たくさん質問されたことで一気に距離が近づいた」「とっても難しいけど安心してチャレンジできた」という声も聞こえてきました。

1日目の夕方にはチームの中で仲間意識と笑顔があふれてきた

1日目の最後は「リーダーシップチーム構築」でチーム全員が価値観でつながり、誰とどんな活動をしたいのかを話し合い、魅力的な共有目的を作りました。チームで活動するためのノームや役割、チーム名とチャントを決めました。

1日目を終えての全体での振り返りでは「価値観を共有することでチームが一つになっていく実感を持てた」「何歳になっても学ぶ権利はある。演習がうまくいかなくてもコーチやチームメンバーが支えてくれたのでチャレンジできた」「普段の組合活動の中でいかに質問していないか、気持ちを聞けていないかを実感した」という感想が出され、画面上でみんなが「うんうん」と頷く姿が印象的でした。

同志の資源って何だろう?同志の力を引き出せてる?

2日目は「戦略Ⅰ」から始まりました。キーワードは「同志」。同志の絞り込みでは労働組合の役員目線での想像ではなく、困難に直面している現場の当事者目線を意識してみよう!ということが講義の中でもコーチからも何度もくり返されました。

当事者の持つ資源を合わせ、パワーを生み出すことが大事で、普段の活動とも比較し難しさを感じながらも、同志が立ち上がり課題を解決するための「戦略的ゴール」を決めました。そして、どうすればそのゴールが達成できるのか「変革の仮説」を立て「オーガナイジング・センテンス」を作って、チーム同士のコーチングも行いました。

各チームで決めた戦略的ゴール達成するためにどんな戦術が必要なのか。「戦略Ⅱ」の講義では参加者からたくさんのアイデアが出されました。

「戦略的ゴールを達成する助けになってますか?」「同志の資源を使ってみよう!楽しくワクワクする戦術、誘いたくなる戦術の視点で!」との質問に、次々といろんなアイデアが出され、キャンペーンタイムラインを作成し各チームから発表がありました。

思いがあふれ、希望を感じることができた「パブリック・ナラティブ」

あっという間に2日間の集大成となる「リンキング」(ストーリー・オブ・セルフとアスとナウをつなげる)の演習になりました。チームで作ったキャンペーンの戦術に誘いかけるためのストーリーを学びました。

なぜ、私たちは今この行動をしなければならないのか、なぜ私は立ち上がろうと思ったのか、1日目に学んだストーリー・オブ・セルフも取り入れ、35人の参加者全員がチームに分かれ最後のチャレンジをしました。

演習のあと、全体で各チームから1人ずつ発表があり、ストーリーに込められた思いや希望に心を動かされ、参加者もコーチも講師も涙を流しながら気持ちを共有することができました。

具体的なアクションやその背景にある思い、そして変えるための道筋を語ることで参加者からも「私も参加します」「そのアクションなら私にも出来るのでやります」と次々に心が動かされ、行動へ移る瞬間がたくさんありました。

価値観でつながる実感が湧き、楽しくわくわくする活動をしたい!

2日間のワークショップを通じて、困難をたくさん見てきた労働組合の人たちだからこそ、1人ひとりが大事にされ、働く人たちの命を守るために活動をしていることに共感が広がり、現場の力を生かす運動に変えていく希望が広がったと感じています。2日間のワークショップを通しての参加者からの振り返りでは次のような声が寄せられました。

  • 初めは自分自身の話をすることに苦手意識があったがチームに受け入れられ安心して話せる場があった。価値観でつながる実感が湧き、自分のことを話したいと思えた
  • 自分自身の中の、弱い立場の人を守りたい、1人ひとりが尊重される社会にしたいという気持ちに改めて気づくことができた
  • 現場にいる1人ひとりの力を引き出し、楽しくわくわくする活動をするために明日からも頑張る!
  • 普段寄り添っているつもりで実は現場に課題を押し付けていることに気づけた2日間だった
  • ナラティブをいかし現場の声を発信する工夫を早速したい、組織内の会議でも2日間学んだことをいかしていく!
  • 何歳になっても学ぶ権利はある、成長し続ける権利はある。この2日間で学んだことを必ずいかし変えていこうと思った

このワークショップをともに経験した仲間がつながって、これまでの労働組合の「お作法」にとらわれず、困難に直面する当事者が声をあげ、立ち上がる、希望を持てる労働組合運動を進めていきたいという思いを共有し、ワークショップは終了しました。

私自身もこの2日間一緒に走り抜けたチームメンバーと、早速その日の夜からアクションをしています。今後は2日間という短い時間で作ったキャンペーンを見直しながら具体的な変化を作っていこうと思っています。もちろん担当チーム以外のキャンペーンにも心が動かされアクションする際には力になりたい!背中を押そう!と思いました。このワークショップは型を学ぶ場でしたが実際に走り出そうとするキャンペーンがいくつも生まれました。ワークショップが終わっても、自転車の補助輪のようにコーチとしてみなさんのキャンペーンの力になろうと思っています。

越智太一(コーチ)

※満員御礼!【第7回オンライン】COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ

 

 

コミュニティ・オーガナイジングとは、仲間と思いを共有し、それぞれが持っている力を合わせて行動することで社会を変えるための方法です。
このワークショップは2日間で、その社会の変え方を理論的・体系的に実践的に学びます。具体的には、講義を聞き、チームに分かれ演習し、振り返りをする、という流れで学んでいきます。

世の中に対して「なにかが変だ」、あるいは「なぜだか生きづらい」そんな気持ちになったことはありませんか?

そして、「でも仕方ないよな」と諦めの気持ちを持ったことは。

「社会を変える」なんて大それたこと自分にはできっこない、「変えたい」とは思うけど、どうしたらそんなことできるのだろうか。
こんな風に思っている方もいるかもしれません。

「仕方がない」から「自分もなにかできるかもしれない」、「仲間となら一緒にできるかもしれない」そんな希望を一緒に感じませんか?

ワークショップに参加し、変えられる!という希望を感じたみなさんと一緒に、より良い社会を作っていきたいです。ご参加お待ちしています。

【申込】

こちらからお申込みください。

長岡美恵

ワークショップに参加した動機は?

様々な社会課題の解決には、企業活動、市民活動のほか、特に制度・ルールなどから変革が必要な場合は、政府に動いていただく必要があります。これらどのレイヤーでの活動においても、一人の問題意識を発信していくだけでは実際に世の中を動かせる力にならず、いかに多くの方の共感や賛同を得て、ムーブメントにできるかがカギだと思っています。

またそうした社会に向けた大きな動きに限らず、一つの組織の中で新たな活動を始めるにあたっては、同様に周囲のメンバーの共感・賛同が必要だと思います。

実際の行動計画も重要ですが、まずは自分の課題意識として、「感情的な」働きかけというものをどうすれば良いかを学びたく、参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

大枠の感想としては、

  • テキストがしっかりしている(ちゃんと読み込めば(笑)勉強になるはず)
  • ワークでは多くの初めましてのメンバーが、チームビルディングするところから合意形成を図るまでのシミュレーションを体験できるのと、上記の通りテキストがしっかりしているので、自分自身が主体となって行う時でも、設計するところからできるスキルが身につく
  • 時間がないのが苦しいが、丸二日かけて、さらにこれだけ時間がタイトということは、学びの量もかなり大きいということです。

以上のような意味で、とても充実した、意義の高いワークショップだと思います。

ただ、もし目的意識があまりないとしたら、精神的にも時間的にもハードな内容なのではないでしょうか。個人的には、学ぶモチベーションや目的はある程度明確だったので、ただひたすらに学べてよかった、今後の活動に活かせるはず、としっかり思えました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

仮にシミュレーション的であったとしても、丸二日間かけて、一つのチームでチームビルディングから結論まで持っていくという形態のワークショップは初めて経験しました。

また、他のワークショップとの違いということではないですが、

①チームビルディング

②周囲を巻き込む

実行できる活動計画を作る

という大きな流れがある中で、私は①②を主に目的に受講したのですが、③がとても重要だと思いました。市民活動や公共政策的な活動というのは、エネルギーは局所的・一時的には出やすいものの、言いっぱなし・やりっぱなし・変化なし、ということになりがちのようにも感じますので、③があることで、しっかりと最後までやり切る・やり切れるようにする知恵になるのが、秀逸だと思いました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今回は、ちょうど自分の中でのホットトピックである、「女性の経済的自立」、特に103万・130万の壁ということを取り上げさせていただきました。女性を守るつもりで昭和に始めた扶養控除の仕組みが、令和の今では女性の経済的自立を妨げ、またジェンダーバイアスの固定化につながる原因の一つになっているのでは、ということを考えていましたが、ちょうどチームのテーマにも選んでいただき、個人的には大変学びと実りのある議論を皆様とできました。

ぜひこれを糧に、この問題もそうですが、他に新しい課題が出てきたときにも、今回のCOの学びを活かして、よりよい社会づくりに貢献して参りたいと思っています。

事務局・コーチの皆様にも、多大なるサポートを頂き、今回のWSに参加する機会をいただだけましたこと、誠にありがとうございました。

相澤花佳

ワークショップに参加した動機は?

社内研修の一環として薦められたことがきっかけでした。ストアのアクティビズム責任者としてチームをリードする際に、行動する為のツール・様々な視点から体系的に考えられるスキルを学べるワークショップがあるとお声がけいただきました。

また、パタゴニア以外で環境問題や社会課題に取り組む方たちと一緒にワークショップに参加することで、市民団体への理解やこうしたいと考える社会像や未来について知り、自分の考えやパタゴニアの役割を再確認し、理解を深めることができるのではないか、という視点からも参加を勧められたことがきっかけでした。そして、パタゴニアだけではなく社会の一員としても、生きていく時の何かひとつのヒントになればと。

私自身、もともと人とのコミュニケーションや対話について興味があり、学びを深めたいと思っていた矢先のお誘いでしたので、コミュニティオーガナイジングのHPを拝見してすぐに参加を決めました。

ワークショップに参加した感想は?

2日間のワークショップは本当にあっという間でした。実践がメインで、限られた時間で自分の考えをまとめる難しさも感じ、相手の心を動かすには『自己開示』も大切なポイントであることを学び、チャレンジと振り返りを繰り返しながら理解を深めていきました。

グループワークでは、関心のある社会問題は似ているけれど、年齢も経歴も違う人たちが集まり課題に取り組めたことは、私にとってすごく貴重な体験でした。頭を抱えながらも1つの目標に向かってお互いをフォローし合いながら課題に取り組み、最終的なゴール設定まで明確に進められたことはとても達成感があります。オンラインではなく、オフラインでやっていたら更にチームの団結力と達成感が大きくなるんだろうなと感じました。

多種多様な価値観を持つ人たちがいて、その中で共感を生み行動に繋げることは簡単なことではないと思っていたけれど、このワークショップに参加したことで『いろんな価値観があるからこそ、共感が生まれた時にはすごいパワーになるんだ』と意識が変わりました

本当に参加できて嬉しく思います!ありがとうございました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

たくさんのワークショップを受けたことはありませんが、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンのスタッフさんのチーム力がとても素晴らしいと感じました。

そしてこの2日間、グループワークで私たち参加者をリードしてくださったコーチお二人のタイムマネジメント力も素晴らしかったですし、的確なフィードバックや伝え方もたくさん学ばせて頂きました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今回のワークショップで、「自分自身を振り返る」「内省する」大切さを学んだので、2日間ではまとめられなかった自分の大切にしたい価値観について改めて考えたいと思います。

そして一緒に働く仲間とそれぞれの価値観について話し合う機会を作り、共有することでチーム力を更に高めていきたいです。そうすることで、今後ストアアクティビズムを進めていく時により大きな変化が生まれるんじゃないかなと思います。

2022年9月18日、19日【第6回オンライン】COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ開催レポート

レポート:佐野はるか(テクニカルサポートスタッフ)

2022年9月18日、19日の2日間、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン主催のフルワークショップをオンラインにて開催しました。

今回も、日本全国様々な地域から(1名海外からも)、労働、環境、ジェンダーなど様々な分野に関心がある36名が参加し、24名の運営スタッフと共に、台風14号が九州を縦断する中、2日間を駆け抜けました。

私たちコミュニティ・オーガナイジング・ジャパンは、課題に直面する人々自身が、自身のスキルや経験をパワーに変えて、共に変化を起こしていくことを大切にしています。

本ワークショップでは、コミュニティで変化を起こすための5つのリーダーシップを中心に学び、実践できるように練習します。

リーダーシップ 単元名
ストーリーの共有 パブリックナラティブ
関係に基づいたコミットメント 関係構築
明確な組織構造 チーム構築
創造的な戦略 戦略
測定でき、目標のある行動 (アクション)

 

 

ありのままの自分でいられる安心の場

私が2日間を通して感じたことは、みなさんが「ありのままを受け入れ合う」ことを大事にしているということでした。

1日目の終わりの振り返りでは、疲れたことや、横文字についていけなかったことを素直に共有する方や、「うまく話せなかったことがあったが、自分の意見に「いいですね」と共感してもらえて安心を感じられた」と言う方がいました。それを聞いた参加者が、画面越しに頷く姿が印象的でした。

2日目のパブリック・ナラティブのモデルでは、2日間を通してその場にいる全員がありのままのお互いを受け入れている描写をつないだ、「私たち」のストーリーが語られ、聞きながら涙ぐむ方もいました。

2日目の最後の振り返りでは、「属性が違っても共感が生み出せると知って希望が持てた」「共感から始まるつながりは強い」という声や、「関係構築をすることで、失敗しても受け止めてもらえる安心感が生まれる」「安心の場づくりに貢献できたことが嬉しかった」という声がありました。

また、各チームが2日間で作り上げた戦略にも、「誰もが一人ひとり、いくつになっても大切にされ、意見が尊重される社会」や「一人ひとりが自分で望む生き方をいつでも選び、自信を持ってチャレンジできる社会」を作るという共有目的が見られ、「ありのまま」を尊重し合う価値観が全体に共有されているように感じました。

 

明日から実践できる学び

2日間の振り返りをした際には、多くの参加者が、これからどのようにコミュニティ・オーガナイジングを実践するかを、具体的に思い描くことができていました。

<参加者が実践したいと発表したこと>

  • 「ストーリー・オブ・セルフ(自分の活動に対する想いや原動力についての語り)をよりよいものにして、同僚と価値観をシェアしたい」
  • 「コーチングを試して相手が奥底に持っているものを引き出したい」
  • 「自分が立ち上げたNPOの中で、メンバーと共にパブリック・ナラティブを作り直したい」
  • 「自分の団体で現在進めているクラウドファンディングのキャンペーンに活かしたい」
  • 「今回作ったチームとの関係を大事にし、描いたキャンペーンを何らかの形で実現していきたい」

 

ワークショップのその後~

コーチや講師も皆、過去のワークショップの参加者でした。

私たち自身もチャレンジを歓迎し合い、さらなる学びや挑戦したいことを共有し合って、参加者の皆さんと一緒に2日間のワークショップを作ることができました。

コミュニティ・オーガナイジングの輪が広がっていくような、大きな希望を感じる2日間でした。

Haniwaインクルージョン!(←運営スタッフのチーム名です!写真は、運営チームみんなでワークショップに向けて気合を入れている様子です。)

シルバーマン恵子

ワークショップに参加した動機は?

1年ほど前にコミュニティ・オーガナイジングの本(『コミュニティ・オーガナイジング 欲しい未来をみんなで創る5つのステップ』)を読みました。小学生でもできるのか!と感激したのと同時に、自分にはできるだろうか?と実際にやる時には、様々な種類の難しさやチャレンジもあるのではないか?と感じたのを覚えています。

どこかのタイミングで実践を学べたらと願っていたところ、ワークショップが開催されることを知りました。現時点で、あるいは近い将来にオーガナイジングを考えている具体的なことはないのですが、必要になった時に、すぐに行動に移せるように学びたいと参加しました。

学び実践しているNVC(非暴力コミュニケーション)が目指している世界観「全ての人のニーズが大切にされること」や、私の様々な活動の核にある「一人一人が力を持っていてその力を使うことで世界は変わっていく」という信念と共通の基盤を感じたことも大きな要素です。

ワークショップに参加した感想は?

本や資料で読んだ内容が、身体に入った、という感覚があります。ひとりひとりとの関係性の大切さ、関わりを育むことがオーガナイジングの根底にあるのだと感じています。そのことの「人間らしさ」のようなものに安心できる感覚があります。

参加前に、どのように具体的な戦略を練っていくのか?という好奇心があったのですが、同じ目的や志を持つ仲間が集まり、人生体験を持ちよると、様々なタイプの創造性が生まれて、1人では想像し得ない可能性にアクセスできるのだなと、未知のものを生み出していくことへのワクワクした感覚も体験しました。コミュニティ・オーガナイジングは、アクションの塊ではなくて、関わる人たちの学び、気づき、成長と共にあるのだなと感じています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

コロナ前は、ヒーリングやボディワークの分野、コロナ以降はNVC(非暴力コミュニケーション)の分野で学び教えてきたのですが、今回のワークショップで一番感じた大きな違いは、たくさんの情報と実践を、とても短い時間でぎゅっと濃縮して「伝授」しようと、細やかな工夫や仕掛けが組み込まれ、それが円滑に進むようにと綿密な準備がされていた(と想像しています)ことです。今までの経験の積み上げがあるのだとは思いますが、この2日間の「体験」自体がコミュニティ・オーガナイジングの実践として作られていることも感じました。

提供される情報を受け取るだけの学びではなく、何度も頭も体も吸収するものの量の多さに爆発しそうになりながらも、試行錯誤しながら実践的にアウトプットすることで自分の中に刻み込んでいくような経験をしました。そして、たくさんのスタッフの方々が、まるごとご自身の経験を場に持ち込み私たちの学びのために、とてもオープンに自己開示して、積極的に関わってくださったことにも感激と、感謝を感じています。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今の時点ですぐにオーガナイズする予定はないのですが、人との関わり方、コミュニティの育み方にすでに学びを生かしています。何をどう活かしているかは、具体的にはとても細かなことなのだと思いますが、まず、常にスノーフレークのイメージでリーダーシップが外に向かって育っていくイメージが私の中にあります。

以前よりも、ひとりひとりが大切にしていることをより細やかに感じ取ろうとし、どのような仕組みを作ったら、その人がその人らしくそこに存在し、楽しみながらみんなと共有したいその人のギフトを提供しやすいか(力を発揮しやすいか)という視点から枠組みを作ったり、関わり方の選択肢を豊かにして明確に提示することで、より多くの人がコミュニティに関わることを可能にしたり、と、将来なんらかのアクションにつなげていくためのベースをじんわりと育んでいます。

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