朝日新聞EduA(11月15日公開)に事務局長 安谷屋のインタビューが掲載されました

『コミュニティ・オーガナイジング』を身につける育てたい子どものリーダーシップ 重要なのは資質ではなかった

取材をし記事にしてくださったのは「ちゃぶ台返し女子アクション」の活動でコミュニティ・オーガナイジング(以下CO)と出会い、関心を抱いたという阿部綾奈さん。COを「朝日新聞EduA」という「学齢期の子どもを持つ保護者のみなさんと、学習や教育に関する様々な迷いや悩みを共有し、よりよい選択を共に考えるメディア」でも紹介するはできないかというところからのスタートでした。

コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)では、高校生が主催ワークショップに参加したり、コーチ・講師経験者が高校生向けのプログラムを提供したりすることはあっても、中学生以下の子どもたちと一緒にCOを学ぶ場を作った経験はありません。でも、「子どものうちに」「より若い年齢で」COを学ぶと良いよね、という意見は割といつもスタッフ間にあるので、この取材をきっかけに中学生以下に広がると良いなという思いもあります。良かったら読んでみてください。

(事務局長 安谷屋)

2019年度活動報告⑤

みなさんこんにちは。副代表理事の松澤です。
2019年度は、こちらのスタッフブログでNPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下COJ)の活動実施報告をしています。今回はその5回目です。

【ストーリーの力で日本一を実現!】

11月4日、慶應義塾體育會ヨット部が第84回全日本学生ヨット選手権大会(以下全日本インカレ)で創部史上初となる総合優勝を果たしました!
ヨット部の皆さん、おめでとうございます!

全日本インカレ優勝時:笑顔の部員たち(ヨット部築島さん提供)

COJはヨット部4年生の築島幹さん、曽我駿亮さんより「チーム一丸となって日本一になりたい」という依頼を受け、9月21日にストーリー・オブ・セルフ研修を行いました。二人は慶應義塾大学リーダーシップ基礎講座のTA(Teaching Assistant)です。COJからは、日本一を目指すチームに会いたい、目標達成に関わりたい4名が参加。講師を松澤、コーチを福士、笠井(貴)、河野が担当しました。大学側からは築島さん、曽我さんと、同じくリーダーシップ基礎講座TAでラグビー部出身の栗原さんが担い、計7名のコーチチームで42名の参加者のストーリーのコーチングを行いました。
その経緯や研修の様子については、築島さんが書いた開催レポートをご覧ください。

研修の様子:自分の原動力を得た体験を語る部員に真剣に耳を傾ける

築島さんと曽我さんは、開始前から研修をどう生かしていくかのイメージを持ち、事前に部員一人ひとりと対話する時間を持ったり、研修終了後もメンバー間で他己分析を行うなど、部全体の熱量を上げるためにできることを考え、他の部員を巻き込みながら実現していきました。

曽我さん「遠征先の宿舎で、部員全員のストーリーオブセルフを廊下に貼り出しました。二週間に及ぶ長期遠征の影響で、チームの雰囲気も少し疲れムードが出ていたのですが、自然と多くの部員が集まり熱心に感想を交換していました。この時をキッカケに、チームの勢いや活気が戻ったように感じ印象的でした。一緒に長い時間を過ごしていても、なぜ頑張っているのか、日本一になりたいのかを知らない人もいましたが、知れたことでお互いを信じる気持ちが増しました。」

築島さん「部にはレースに出るメンバーと、そのメンバーをサポートするサポートメンバーがいます。サポートがモチベーションを保つのはなかなか大変なのですが、ストーリーに関する取り組みをした後、眼の色が変わりました。どうしたらよりよくサポートが出来るか、”こういう風に思ったんだけど、こうしていいかな?”など意見が積極的に出るようになり、サポートメンバー同士の助け合いも以前よりもスムーズになりました。」

遠征先の宿舎:張り出した一人ひとりのストーリーに見入る(築島さん提供)

レース後の反響

レース後、今回の快挙に興味をもたれたA’s Photosさんがヨット部を取材され、まとめています(記事はこちら)。ご自身もヨット経験者で、所属するちゃぶ台返し女子アクションはコミュニティ・オーガナイジングを課題解決の手法の1つとして使っているということもあり、部がどんな風にCOを活かしたのか、チームが、チームメンバーがどのように変化したのか等、その様子が浮かぶように伝えてくださっています。
A’s Photosさん、素敵な記事をありがとうございます!

今回ヨット部の皆さんは、「不確実な未来に向かって、メンバーで同じ目的を掲げ、達成のための道筋を作って歩むこと」、「ストーリーを語り合うことで個々のモチベーションを知り、互いの理解や信頼を高めること」を体現されました。自分たちがすべてをやって見せるのではなく、「他の部員のリーダーシップを伸ばす」ことにコミットした2人と、最後の一瞬までやりきった部員の皆さんの頑張りに心を打たれました。

全日本インカレ後:優勝旗を掲げ満面の笑みの曽我さん(左)と築島さん(築島さん提供)

(COJ副代表理事 松澤)

株式会社レアリゼの真田氏と鎌田が対談しました(レアリゼホームページ掲載)

「(レアリゼ真田社長×COJ鎌田対談)ハーバード・ケネディスクールで学んだコミュニティ・オーガナイジングで日本の社会問題を解決する」

株式会社レアリゼの代表取締役社長真田茂人さんと共同創設者の鎌田が対談をしました。

真田さんは「世の中の矛盾を解決し、すべての人が幸せに暮らせる世の中」を目指してリーダー育成をされていて、当団体設立時からCOJの活動を様々な形で応援してくださっています(12月14日に行うパブリック・ナラティブ・ワークショップはレアリゼさんに会場をご提供いただき開催します)。

そんな真田さんからお声をかけていただき、アメリカに拠点を移して研究中の鎌田との対談が実現したことを嬉しく思います。

ぜひご一読ください。以下、本文からの抜粋です。

(本文より抜粋)
真田:コミュニティオーガナイジング、およびCOJさんの面白いところは、問題を抱えている当事者がリーダーシップを発揮するように導くとことですね。従来の発想なら、問題を抱えている大変な人を前にすると、自分がその人を助けてあげようと思います。つまり「してあげる人としてもらう人」という発想になりがちですよね。そうではなくて、問題を抱えた本人たちが自ら立ち上がり動いていく。それをCOJが支援する。自助と共助を連動させているのはすごいことですよね。

鎌田:他者のリーダーシップを助けていきたい。たくさんのリーダーを生み出していきたい。そして、そのリーダーが自分でチームを作り、自分で作ったチームのメンバーが、さらにリーダーになっていく。そうやって連鎖的に広げていくことで運動を大きくしていくという考え方です。社会運動を紐解くと、だいたいみな、スノーフレークした感じで広がっていきます

真田:「他者のリーダーシップを引き出すリーダーシップ」や「スノーフレーク・リーダーシップ」はNPOや市民活動にとどまらず、企業においても必要ですね。

(副代表理事 松澤)

COJ主催パブリック・ナラティブ・ワークショップ

---------------------------
パブリック・ナラティブ・ワークショップ 
2019年12月14日(土) 10:00-18:00
----------------------------

何か夢中になって取り組んでいることありませんか?そんな中、どうしても一人では乗り越えられないこともあると思います。スポーツにはチームメイト、職場には同僚、ボランティア活動には協賛者、仲間の存在は欠かせないです。でも、周りに声掛けても仲間が集まらなかったり、呼び掛け方に悩むことありますよね。

私たちはそれぞれ大切に思う「気持ち」があるからこそ、アクションを取るのだと考えています。その「気持ち」が周りに伝えられて共感が生まれると、仲間として一緒に活動してくれるかもしれません。

自分のストーリーを伝えて仲間とのアクションに繋げる、パブリック・ナラティブ・ワークショップを開催します!

ワークショップでは、ストーリーを語り合って仲間と繫がることを練習をします。そして、その学びを皆さんの身近な職場や地域の活動で実践することで、それぞれの活動が広がり、社会を変えることが出来ると思っています。皆さんのご参加をお待ちしています。

<コンテンツ>
・導入講義「オーガナイジングとは何か?」
・「ストーリー・オブ・セルフ」を語る
・他者との関係を構築する
・「ストーリー・オブ・アス」を語る
・セルフ、アス、ナウを結びつけ「パブリック・ナラティブ」を語る
※全てのパートが【講義→演習→振り返り】で構成されています。

<申し込みに際しての留意点>
・開催時間全てへの参加が必要です
・事前アンケートのURL等を受け取れるメールアドレスの入力をお願いします
・昼食はお弁当を用意します。アレルギー等特別な理由で一般的なお弁当が召し上がれない方はご相談ください
・休憩時間につまめるお菓子と飲み物を用意します
・学生は25歳以下限定で当日学生証を確認します

<コミュニティ・オーガナイジングとは?>
市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになります。そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます。

<開催趣旨>
コミュニティ・オーガナイジングを用いて、自分の暮らす地域や社会に変化を起こしたい人を対象として、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」を東京で開催いたします。なお、これまでの参加者は次のような取り組みをしています。

・性暴力の被害者も加害者もうまない社会の実現のための大学生によるアクション
・孤独に子育てをするママを減らす産前産後ケア施設の開設のためのママたちのアクション
・新成人が成人式開催時期を夏から冬に変えるアクション

COJマンスリーサポーター(月額寄付会員)募集キャンペーンのご報告

みなさん、こんにちは。
キャンペーンチームメンバーかつCOJ事務局長のあだにーです。

2019年9月1日~10月4日まで、COJマンスリーサポーター(月額寄付会員)募集キャンペーンを実施しました。
何よりもまず、今回のキャンペーンにご協力くださったみなさんに、深謝いたしますともに目標達成できたことをとてもとてもうれしく思います


【達成した数字】
◎支援者数:114人
◎支援金額:¥163,580
◎達成率:101%
※Syncable外からのお申込みとの合計のため、キャンペーンサイト上の数字とはズレがあります
※単発でのご寄付:支援者数9人、支援金額¥104,000


さて、キャンペーンが10月4日23:59に終了して、数日が過ぎました。目標の100人を超えた瞬間の余韻がまだ残っています。ご協力くださったみなさんのエネルギーの力強さと温かさを感じ、
このエネルギーをどう活用しようかというワクワクが湧いてきて、「ここが出発地点なんだ!」とハッとしました。

私たちはワークショップなどで「オーガナイザーの旅」の話をすることがあります。人が減って住みにくくなってしまった街、思い出の多いこの街を何とかしたい、そう思う人がストーリーを語って同じ思いの人と出会い、仲間を集めチームを作り戦略を立てて実践する。目標達成とともに実践した人たち同士のつながりが強くなっている
そんな話です。この最後の部分を今、実感しています。

このキャンペーンを成功させた私たちなら、新たなチャレンジは可能。
そしてきっとまた成功させられる、そんな希望を持てているのです。

正直なところ、途中、目標達成は難しいのかな、弱気になることもありました。キャンペーン期間残り5日くらいの時点で、サポーターが30人くらいしか集まっていなかったので、チームメンバーからのメッセージでキャンペーンサイトをご覧になったみなさんの中にも、「大丈夫か?」と思った方は少なくなかったと思います。
でも私たちはあきらめませんでした。これまでワークショップやイベントで、ストーリーを語って聞いて「価値観でつながる」ことを体感したり、チームを作って戦略を作り上げて「チャント」をした後の一体感に驚いたり、職場や活動にCOを取り入れて効果を感じたりしたときのみなさんの顔が、勇気をくださったし希望を感じさせてくれたからです。また、みなさんからのメッセージにも励まされました。
私自身も、個別のメッセージをお送りする際は、迷いや怖さもありました。長らくご無沙汰している方にいきなりお願いするってどうなんだろう…。でも「お知らせいただけてうれしいです」「何かできないかなと思っていたので応援します」「よく考えてサポーターにはならないけれど、他にできることはありますか?」。どのお返事にも力づけられました。

このキャンペーンで、私たちはもう一度、つながり直すことができました
これをパワーに変えて、日本に暮らす一人ひとりが、同じ価値観の仲間と共に自分たちのパワーで困難や課題が解決し、さらにその挑戦が応援される社会を、一緒に作っていきましょう!

改めて、みなさんのご協力に感謝いたします。
どうもありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします!

キャンペーンチームメンバー一同(ゆーすけ、ひろ、くぼちゃん、もえ、あだにー)
※キャンペーン終了後もみなさまからのご寄付を受け付けております。
https://syncable.biz/associate/communityorganizing/

(COJ事務局長 安谷屋)

2019年9月21日慶應義塾體育會ヨット部 「ヨット部においてあなたを突き動かす原動力とは?」開催レポート

2019年9月21日(土)、葉山新港及び慶應義塾體育會ヨット部(以下ヨット部と記載)合宿所(神奈川県)にて、ヨット部主催のプロジェクトとして「ヨット部においてあなたを突き動かす原動力とは?」を開催いたしました。ヨット部において外部のNPO法人を招き、組織力を強化する取り組みは初めての事です。今回のプロジェクトに参加するのは、ヨット部に所属する42名の現役慶應体育会生達です。ヨット部は創部初の全日本インカレにおける総合優勝を目指し、年間約200日間の合宿生活を行っています。しかしながら長い合宿生活は日常化し、部員の中でヨット部における自身の原動力を見失う人も見られました。

今回、企画の先駆けとなったのは築島(経済学部4年)、曽我(経済学部4年)が共に慶應義塾大学三田キャンパスで開講されている「リーダーシップ基礎」で学んだ「ストーリー・オブ・セルフ 」をヨット部に取り入れ、日常化した合宿生活から脱却すると同時に、部員間の相互理解のきっかけに繋げたいと考えていました。

一通のメールで、このプロジェクトは始まりました。「ストーリー・オブ・セルフを通してヨット部の全日本優勝に向けて、チームを前進させるために協力してください。」そのような想いに応えて頂いたのは松澤さんを中心としたCOJの皆様でした。普段は週5日の合宿生活を行い、なかなかミーティングや準備に時間を割けない中、約70通のメールを中心に地道に準備を行いました。

12時頃、3時間という非常にタイトなスケジュールの中、講義が始まりました。外部の方をお招きし、ワークショップを開くのは初めての試みでした、多くの部員が目を輝かせ、松澤さんの講義に耳を傾け始めました。

ワークショップの決まり事である、ノーム作りでは神戸(商学部3年)、小森(総合政策学部2年)を中心に先輩後輩の関係を超え活発な意見があり、時折笑いが起こるなど全体が柔らかい雰囲気に包まれました。

「自身の過去の困難について発表をする事に不安がある」と戸惑いを見せる部員もいる様子でしたが、曽我(経済学部4年)によるモデルスピーチを参考にしつつ、自身の原動力について語り始めました。すると、合宿生活をしていても気がつかなかったお互いの価値観や原動力について共有することができ、一人一人のストーリーに深く耳を傾ける部員達の姿が見て取れました。

グループワークが終わり、いよいよ部員全体での発表の時です。石川(商学部4年)、宮本(法学部2年)、佐藤(法学部1年)、小森(総合政策学部2年)が発表にチャレンジしました。普段は仲の良い家族のような関係の部員達ですが、この時ばかりは真剣な眼差しで発表者を見守り、全員が一歩成長することができた瞬間でした。

「自分のことを話すためには勇気が必要だった」「見失っていた原動力についてもう一度考える良い機会になった」「全日本インカレを1ヶ月後に控える今、お互いの原動力を知ることができて、相互理解に繋がった」など様々な学びを得て、大学4年間を体育会のヨット部で活動する意義のヒントを各部員が見つけることができました。

私自身も今回のワークショップを通して、お互いにストーリーを語り合うことで生まれる一体感と各部員がヨット部にかける想いに勇気づけられました。また今回のワークショップをきっかけに、組織として、部員全員で全日本優勝を勝ち取るべく前進させていきたいと思います。本当にありがとうございました。

執筆者 築島(経済学部4年)

 

 

 

 

 

2019年8月31-9月1日、第12回COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを開催しました!

2019年8月31日-9月1日、東洋大学の白山キャンパスにて、第12回目となるコミュニティ・オーガナイジング・ジャパンの主催ワークショップを開催致しました。年齢は高校生から50代まで、移民・ジェンダー・労働・福祉・教育等様々な分野で活動をされている総勢35名の方々に参加頂きました。

「まず2日間のワークショップのルールを決めましょう。どんなルールがあればいいと思いますか。」という講師の問いかけに、初日の朝からから参加者の発言が止まらず、みなさんの熱量にワークショップをサポートする側の講師・コーチ陣も後押しされながらエンジン全開でスタートしました。

初めて聞いたことを 「じゃあ、5分でやってみてください!」とストップウォッチ片手に時間に迫られながらの怒涛のスケジュールでしたが、

「相手について、一歩踏み出して質問してみる」
「自分のことを少し勇気をもって話してみる」
「初めて会った人たちとチームになり、目標を作ってみる」

など、必死に食らいつく一人一人の姿がありました。

一日目の終わりにある参加者が言いました。「始めはちゃんと頭で理解してから行動しようと様子を見ていた。しかし、自分より若い人たちが挑戦する姿をみて途中から気持ちが変わった。おじさん、負けてられない!頭で考えるより、まず挑戦しよう!」と。

だんだん本気度が高まってくる…

以下は2日間を通して、参加者から出た生の声です。

「あなたにとってなぜそれは大切なんですか?突き放して聞こえるが、さらに問うた方がよく話してもらえることを気づいた。」

「もともと、話すのが得意ではなく、事実・情報を論理的に伝えればよいと思っていたが、想い・感情の起伏を伝えることがどれだけパワフルなのかということを感じた。避けてきたが、やらざる負えない状況になった。実際に感情と状況描写入れてやってみると、楽しかった。」

「行動を阻害する感情、信念を変えることはなかなか難しいものだが、このような安全な空間で感情を共有することで、一時的かもしれないが、緩和される可能性を感じた。」

「ともにプランを立てる一分一秒が学び。将来やりたいことを考えるうえで、周りの人たちとどう取り組んでいくか、考える機会になった。」

今回、講師としてこのワークショップに参加し、感じたことが二つあります。まず、「社会を変えたい!」という本気の思いがこの場に存在していたこと。取り組んでいる分野は多種多様ですが、現状に課題を感じ自分が関わることで、少しでも状況を変えたいという思いがあること。そして、ワークショップの内容を提供するのはこちら側だが、学びの質は参加者の熱量によって決まるということです。こんなにも素敵な空間にご一緒させて頂けてとてもうれしかったです。

一歩前に進んだ皆さんとの再会が楽しみです。

集合写真!

レポート: 忠村佳代子(講師)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

tomoyuki okude

ワークショップに参加した動機は?

一般社団法人Springのスタッフとして、刑法性犯罪の改正を実現するために、市民の「声」(OneVoice写真)を集めるキャンペーンの全国アクションをすすめる担当となったことがきっかけです。各都道府県でOneVoiceアクションメンバーのチームが立ち上がった際に伴走していくことになり、それならCOを学んでおくといいよと仲間からすすめられたからです。
「刑法性犯罪を見直したい」という市民の声が大きくなれば、司法や政府は、それを無視できなくなります。また、OneVoice写真がいまも性暴力、性犯罪で苦しんでいる方の元に届くことで、自分を責めなくてもいいんだと思えたり、私も声をあげていいんだと思えたり、そういった力になれるとよいなと思っていたので、そのための理論と方法が学べるなら是非参加したいと思いました。

ワークショップに参加した感想は?

社会に影響を与えるということを目的とした団体・組織で活動していく上で、自己流でやってきた実践に理論が加わり、この方法でやっていけばもっと運動が大きく広がっていきそうだという展望が持てて、よりわくわくさせられました。 ワークショップ参加にあたって、事前に『ケース:モンゴメリー・バスボイコット』というテキストを読みました。そこに書かれていたポラード母さんという方の言葉、「私の足は疲れているが、私の魂は癒されている。」を目にした時に、その思いに共感し、感動し、涙をこらえました。その上でワークショップに参加し、“感情を通して価値観を共有する”ことが最重要だと改めて強く掴むことができました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

一日目冒頭のリナさんのストーリーオブセルフ(自己紹介)を聞いたとき、衝撃をうけました。「あ、ここはこれまでのところとは違うな」と、空気がサッと変わったような感覚があり、このワークショップやコーチ陣の“本物感”というか本気さが伝わってきたおぼえがあります。 自分自身も覚悟を決めて自分のことを話していこうという気持ちにさせてもらえました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

SpringでのOneVoiceキャンペーンでは、特に地方SNSグループの関係構築をどうすすめていったらよいか、思案していたこともあり、そこで“感情の共有”が重要だというヒントをいただき、さっそく実践にうつして改めてその効果を掴みました。その後の動きでは、核となるチームでは“戦略”をより見える化して、役割分担を明確にしつつ、チームのメンバーの一体感をさらに高めていきたいと思っています。
Spring以外での活動でも、相手の原体験に深く迫った上で自分の体験を差し込み“価値の共有”をはかること、“次の約束をとる”ことなどが足りてないと感じたので活用したいと思ったり、職場では部下の悩みや相談にけっこうすぐアドバイスをしてしまっていたので、“コーチング”の活用、アドバイスせず質問で相手に気付きを得てもらうことをしていこうと思ったり、新たに活用したいと思えたものが多く得られ、本当に収穫の多い2日間でした。
ありがとうございました。

加藤悠二

ワークショップに参加した動機は?

職場での研修の一環として参加しました。先輩メンバー3名は全員が過去に受講しており、「とにかく大変だけど! とにかく良いから!! とにかく参加してきて!!!」としか教えてくれず、なにがなにやら… 「インターネット署名を集めるサイト」での「署名を立ち上げた人をサポートする業務」において、「コミュニティ・オーガナイジング」という概念が役に立つのかしらん? 広い意味では署名サイトも「コミュニティ」とは言えそうだけれども、直球で役に立つものなのかしらん ? と、期待と不安、半信半疑、という気持ちで参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

思っていた以上に、直球で、「署名を立ち上げた人をサポートする業務」に役に立つ内容だと思いました。Change.orgに入って半年、「ものすごく大事な問題なのに、なんでこの署名はなかなか賛同者数が伸びないんだろう?」と思うことが少なからずありましたが、署名活動を「賛同する人=コミュニティのメンバーを集める活動」としてとらえることで、コミュニティ・オーガナイジングの手法が導入できると感じました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

関心が全く異なる分野で活動している人たちが、唐突に6人でグループを組まされるところ。今回のグループメンバーは、「社会をよくしたいと思っている」といった意識は共通していますし、お互いの活動内容を聞いたら「ああ、それは素晴らしい! 社会にとって必要な活動ですよね!!」と素直に思える方々でしたが、「それじゃあ一緒に新しい活動を立ち上げましょう!!」とはまずならないくらいに分野が異なる者同士。これまで参加してきたワークショップは「LGBT」「HIV・エイズ」など、共通するテーマを持った者同士が集まるものでしたが、こんなにもテーマがバラバラな者同士でグループを組まされることは、まずありませんでした。
2日間をかけて自分たちの問題意識や活動のゴールをストーリー化し、最終的にはひとつのアクションプランを組み上げるまでに至る… ワークショップの最中は時間に追われて無我夢中でしたが、今振り返ってみると、「バラバラの6人」が、あだにーコーチをはじめとするCOJメンバーの伴走のもと、「ひとつのコミュニティ」になっていく過程をリアルタイムに体験できたのが、あのワークショップの2日間だったのでは? と思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

Change.orgの仕事にももちろん活かせると思っていますが、個人でお引き受けしている、ゲイであることをオープンにしての講演・研修講師活動にも活かしていきたいです。
これまでゲイだとカミングアウトをするときには、「自分がしたいから」また「余計な嘘をつかないでコミュニケーションがとれる方が大事だと思うから」という前向きな気持ちがある一方で、「多様性が当たり前ではない社会があるせいで、『カミングアウトをする』という負担を押し付けられている」と怒り、憤る気持ちもまた、少なからず持ってきました。「カミングアウトして立場を明らかにしないと、知識もうまく伝えることができないのは、講師としての未熟さや、コンテンツの組み立て方が悪いからなのだろうか?」「カミングアウトをすることで同情を引くようなやり口になってしまっているのではないか?」といった、自分自身への疑念もありました。
こうしたマイナスの感情もきちんと引き受け、自分のストーリーとして語ること。そのうえで、「個々の研修でのゴール」「研修を受けた人たちが次に向かうべきゴール」をしっかりと描きだし、参加してくれた方々と共有していくこと。講師として自分が行うべきことが非常に明確になりましたし、また、カミングアウトをすることのストレスも低減させていけるはず! と考えています。

今泉靖徳

ワークショップに参加した動機は?

参加のきっかけはコミュニティ・オーガナイジング・ジャパンの代表理事、室田さんとのご縁です。
2017年にとあるシンポジウムで、私が活動報告をした際の基調講演が室田さんで、その時が初対面でした。その基調講演のタイトルが「地域でのネットワーク構築の必要性」でした。その当時の私は八王子市内の大規模集合住宅の中で、最も高齢化率の高い団地に設置された相談室の室長として、住民主体の地域づくりに取り組んでいる真っ只中だったので、内容は文字数の都合で省略しますが、室田さんのお話は日頃私が思っていることを、まるで代弁して下さっているかのようで、共感するポイントが沢山ありました。
ただ、もっとも共感したのは室田さんが、私と同じ呉服屋の息子で、二人とも店を継がなかったところでした(笑)けどね。
その室田さんのプロフィールの中にいつもあったのが、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン。
なんだろこれ?と気になりホームページを開いたところで、参加は必然になりました。

ワークショップに参加した感想は?

スタッフの皆さんも参加者の皆さんも若いというのが始めの印象でした。日頃は年上の皆さんと接するのが殆どなので、いつもと違う勢いと活気に押された感もありました。
正直に言うと「あれ!?来るところ間違ったかな?」そんなことを思っていました。
とにかく、これから始まる2日間が心配だらけでした。
ワークショップが始まると、その心配が見事に的中したかのようでした。
スタッフの皆さんが作る会場の勢いと活気だけでなく、ハイスピードな展開についてゆくのもやっとでした。
途中から頭で考えていてはついて行けないので、考えることをやめました。その時頭に浮かんだのがブルー・スリーのあの名台詞「Don’t think. feel」(考えるな、感じろ)です。自分でも笑ってしまいますが、これは本当の話です。
その時大切なことに気づきました。それは、頭で考えるとついて行けなくなる理由です。答えは、きっと長年のソーシャルワーカー業務の中でこびりついた物事の捉え方や考え方の癖だと思います。私としてはそこに気付けただけでも十分大きな収穫です。

 

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

とにかく参加者とコーチがここまで一緒に悩み考えるワークショップは初めてでした。
参加者とかコーチとかそういった垣根はまるで感じませんでした。最後には一緒に悩み、困難を乗り越えた仲間になっていた。
その実感は間違いなくありました。
また、感想のところでハイスピードと表現しましたが、その理由は間違いなく項目ごとに厳密に設定された時間制限によるものだと思います。ここまで厳密なワークショップというのも初体験でしたが、「いま行動をおこす=story of  now 」ことが大切なアクションであればそれも必然なのかと思いました。
そして、もっとも強く印象に残ったのは、参加者の皆さんもスタッフの皆さんも目的に違いはあっても何かを変えたいと思っていると感じたことです。
それは、ワークの発表からも十分に伝わってきました。
何しろ、これまで参加してきたワークショップとの違いが、私にとっては今回全て初体験だったので、それだけでも十分参加する価値のあるワークショップだと思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今回のワークショップを通じて、私にとってコミュニティ・オーガナイジングは、「暮らしの全ての場面において活かす」ものであって、単に仕事に活かすとか、地域活動に活かすとか言うような断片的、限定的なものではない。そのようなものになりました。
教材で出てきたモンゴメリーバスボイコット事件も、ガンジーの演説も、彼らが訴えてきたことは、差別や偏見を受けることなく、ただ普通に暮らしたい。
そんな願いだったと解釈しています。
これから、困難が生じた時でも、自分の思いを自分の言葉で語り、周りの仲間と共有すれば、困難を克服することは必ず出来る。
取り急ぎ仕事で活かしますが、様々な困難に直面しても、コミュニティ・オーガナイジングが活かせると思います。

CATEGORY