「コミュニティ・オーガナイジング」トレーニングin京都~社会を変える語り方・関係づくり・チームづくり・戦略・アクション~

立春を間近に控えた1月30、31日の両日にわたって、同志社大学今出川キャンパスの講義室を会場に、NPO法人場とつながりラボhome’s viとダイバーシティズン共催による、「『コミュニティ・オーガナイジング』トレーニングin京都~社会を変える語り方・関係づくり・チームづくり・戦略・アクション~」を開催しました。

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30名の顔ぶれは、労組職員、大学教員、東北大震災被災者支援団体、学生主体の国際人道支援グループなど、じつに多彩で、学生さんの参加が多かったのも印象的でした。また、京都、大阪、滋賀はもとより、遠く四国や九州からこのトレーニングめがけての参加者もありました。みなさん、活動地域や内容はさまざまなれど、ここで得た学びを実地で活かしたいという熱意をもった方たちばかりでした。

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 今回のトレーニングの特徴は、関西圏でコミュニティ・オーガナイジング(以下CO)を広めていこうという明確な意志をもって開催されたものであり、過去にCOのフル・ワークショップ体験済み7名のコーチ・デビューの場でもありました。また、COJコーチ陣と何度も話し合いを重ね、京都流にカスタマイズされたプログラム仕様で臨んだ、実験的な場でもありました。

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結果として、新しいチャレンジはとてもうまくいきました。最初に、場の空気を和らげ、これからのプログラムが円滑に進むよう、ティーチングチームと参加者全員で輪になって自己紹介をしました。その後、講義、演習へと入っていきましたが、それぞれのチームに分かれたコーチングでは、最初は戸惑いがちだった参加者のみなさんも、コーチを受ける前と受けたあとでは語りが変わるさまが、あちこちのグループで見受けられました。そして、そのことにコーチ陣が最も感動する、という場面が何度もありました。

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 また、負けてはいられないと、関係構築しかり、ストーリー・オブ・セルフもアスも、コーチが練習の成果をみせることができたためか、参加者もいい刺激を受け、とても印象に残るナラティブが披露されました。大震災で見た無情な光景を鮮やかに表現し、だからいま私はこの活動をしているのだと、困難・選択・結果をしっかり語ってくれた被災者支援チームのリーダー、いまの教育現場で直面した課題に向き合い、乗り越えた自身の体験とこれからの子どもたちへの夢を語ってくれた現役大学生、そのひとならではのナラティブの原石のようなきらめきに、会場が一体となって聴き入りました。

CO in Kyoto nomacchi 最後の「振り返りと共有」では、「ストーリーを語る大切さがよくわかった。フィードバックによっても深く学べた」「原体験に基づいて活動しているひとばかりで、感動した」「アスばかりをしゃべってきたことに気づいた。これからナウを語れるようにしたい」「COというひとつ大きな武器を手に入れたと思いました」といった、深い気づきと感動に満ちたメッセージが次々と発せられました。

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「まだ消化不良なので、今後消化する会をやってみてもよいのでは?」といった提案も飛び出すなど、参加者のみなさんが、これからそれぞれのフィールドにこの2日間の学びを持ち帰って、一人ひとりが何らかの形で活かしていってくれることを、確信しました。

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まさに、この場こそが希望にあふれ、これからが新しいスタートなのだということを、だれもが感じてくれたのではないでしょうか。

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 新コーチたちは、早速「COワークショップ振り返りラボ」を開催します。この2日間をあの場でのことに終わらせず、これからにつなげてゆくことを、お約束いたします!

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 レポート: 西田那都花(コーチ)

日経Bizアカデミー 「社会起業家インタビュー ~社会問題に挑戦するイノベーターたち~」にCOJ代表の鎌田華乃子へのインタビューが掲載されました。 2016/1/22

日経Bizアカデミー「社会起業家インタビュー ~社会問題に挑戦するイノベーターたち~」にCOJ代表の鎌田華乃子へのインタビューが掲載されました。

内閣府 平成27 年度 子ども・若者育成支援のための地域連携推進事業「青年リーダー研修会」

2016年1月20日(水)〜1月22日(金)、東京都渋谷区国立オリンピック記念青少年総合センターにて内閣府主催「平成27年度 子ども・若者育成支援のための地域連携推進事業『青年リーダー研修会』」が開催されました。本研修会は昨年度より実施され、今年が2年目となります。今年も地域で中心的役割を担っている子ども・若者育成活動を行う10代後半から40代前半までの各種団体の青年指導者45人が都道府県各代表として一同に会し、合宿形式でリーダーシップや企画力の向上のためパブリック・ナラティブを学びました。

DSC_0827 参加者は子どもの自然体験活動を指導するボランティアや山形県の地域おこし協力隊隊員、子どもの放課後居場所つくりに関する活動をするNPOスタッフ等、一言で「子ども・若者育成支援」といってもその活動の内容は多岐に渡ります。最初はその多様性から会場内が一体となるようなパブリック・ナラティブを行うのは無理なのではないかといった不安が一部の参加者から伝わってくることもありましたが、ストーリー・オブ・セルフ、アス、ナウを班に分かれて順に追っていきコーチングを重ねるたびに、私たちは子ども・若者に安心感を持って生き生きと成長して欲しいといったアツい想いがあるのだという共通認識を私たちの中から見出すことができました。最後に行ったパブリック・ナラティブではより参加者一人ひとりの感情に届くような、そしてなによりも会場全体に希望の光が指すようなストーリーが次々に生まれていく瞬間に立ち会うことができました。これは参加者が個々に自分を見つめ直し、心の情景を粒さに描写するために言葉を探し、そして一貫したストーリーとして繋いでいくといった丹念な作業を真摯に行った結果であったと思います。

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参加者からは「時間に追われて言いたいことが言えないようなもどかしさがあったが、逆にそれだからこそ一生懸命考え最終的には言葉を紡ぎだすことができた。」といった感想や、「最初どのようなことを話していいか戸惑ったが、他の参加者のストーリーに感銘を受けて自分もどのように話していきたいか具体的にイメージすることができた。最後は自分なりにうまく話すことができた。」といった感想を聞くことができました。2泊3日という限られた時間内で一つのパブリック・ナラティブを創り上げる難しさを実感しつつも最後は充実感があったと前向きな言葉を聞くことができたのは非常に嬉しい限りです。会場の雰囲気も緊張感がありつつも終始良好で、参加者がそれぞれに学びの多い場となったのではないかと思います。

今回のパブリック・ナラティブ・ワークショップで特徴的だったのは昨年度参加者であった一期生4人がコーチとして各班のファシリテーションを担当したことです。コーチとして班のメンバーに寄り添いコーチングを行ったり、ストーリー・オブ・セルフやアスを壇上で話し共有することで、二期生にとってはより具体的で分かりやすいロールモデルとなったようです。

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冒頭で話したとおり、この青年リーダー研修会は今年が二年目です。一期生、二期生を合わせると100人弱のリーダーがパブリック・ナラティブの手法を学びました。私はこの青年リーダーこそがこの手法を元に日本における子ども・若者育成支援活動のメインストリームとなり一大ムーブメントを巻き起こすことを願ってやみません。今回の参加者の皆さんには都道府県の各所属に戻った後も今回の学びの成果を伝え続けて欲しいと思います。

河野摂

オーガナイザTIPS 『ハーバードで学ぶ「デキるチーム」5つの条件』(フェロー 会沢裕貴)2016年1月のニュースレターより

※このコーナーでは、ワークショップを受講頂いた方、オーガナイザーを志す方にとって活動のヒントとなるような内容をお届けします。今回は書籍の紹介です。
 
ハーバードで学ぶ「デキるチーム」5つの条件
J・リチャード・ハックマン
生産性出版
 
 
「我々は、チームワークが苦手である」
これが、この本の出発点であり、痛快で明確なハックマン博士のメッセージです。
私が最初にタイトルを見た時には、チームでやることを推奨し、その素晴らしさを説くとともにその方法を解説する普通のビジネス書であると思っていましたが、その予想は見事に裏切られました。
この300ページほどの内容は、論文調の文体と各セクションの最後に明示される豊富な参照元から研究と調査結果によって裏打ちされた事実を基に展開されていることが改めてうかがい知れます。
 
さて、ハックマン博士が示すデキるチームの条件とは、
(1)真のチームであること
(2)揺るぎない方針を持つこと
(3)チーム力が高まる構造を持つこと
(4)チーム力が高まる制度を作ること
(5)適切なコーチング体制を持つこと
の5つです。
 
「我々は、チームワークが苦手である」というメッセージの通り、人間の自然な振る舞いに任せていてはこの条件が自然に満たされることはないからこそ、意識的にこの条件を満たすようチーム・リーダーシップを発揮することが重要だとよくわかります。
普段の生活の中でチームで活動されることがある方は、この本の内容に沿ってチームの置かれている状況を分析することでチームの成果を高めるヒントが得られること間違いなしの一冊です
 
余談になりますが、この本の著者・ハックマン博士が、アメリカにおける社会組織心理学の第一人者であることをご存知の方は、そう多くないのではないでしょうか。
私自身、コミュニティ・オーガナイジングを学ばなければ、(恐らく人生の中で一度も)ハックマン博士の名前を目にすることはなかったのではないかと思います。
ハックマン博士は、コミュニティ・オーガナイジングの生みの親・ガンツ博士の指導教官であり、この5条件はコミュニティ・オーガナイジングの理論的骨格となっています。
コミュニティ・オーガナイジングでは何故、共有目的やノームを作るのか、コーチングが組み込まれているのか、そういった観点でこの書籍を読むことで、コミュニティ・オーガナイジングの理解がさらに深まると思います。

COJメンバーからのメッセージ(コーディネーター 杉本篤彦)2016年1月ニュースレターより

新年明けましておめでとうございます。
COJでは、昨年も多くのワークショップが全国各地で開催され、新たなワークショップ受講者やコーチメンバーも増え、また過去のワークショップ受講者の実践も全国各地で広まりつつあります。
一方で、ワークショップ以降、全国各地の現場に戻って、実践にコミュニティ・オーガナイジング(以下、CO)での学びや気付きを取り入れる難しさを感じながら、日々活動されている方も多いのではないでしょうか。私自身、ワークショップ参加者・コーチ・プロジェクト実践者として、少しづつCOでの学びや気付きを得て、手応えを感じながらも、実践に落とし込む難しさを日々感じています。
ワークショップを経て、全国各地・各分野で、自らの想いを語り、共感から仲間を増やし、社会課題解決へ行動を共にする仲間が増えていくことは、実践で直面する様々な困難にも立ち向かう上での勇気を与えてくれます。

COJでは、今年の3月27日に『オーガナイザー・ギャザリング』という企画を開催します。世界的なCOの潮流や、現在日本で行われているオーガナイジングキャンペーンの代表的な事例をご紹介します。またオーガナイザー一人ひとりが得られた実践からの学びや気付きを共有し、オーガナイザー同士が継続的に実践を応援できるような契機にして行きたいと思っております。みなさんのお力添えをいただけたら幸いです。

『市民一人ひとりが、自らの価値観にもとづいて能力を発揮し、そのパワーを結集することで困難や課題が解決され、さらにその挑戦が応援される社会』(COJビジョン)の実現へ。本年も宜しくお願い申し上げます。

実践!コミュニティ・オーガナイジング いわて終了(理事 松澤桂子)2016年1月ニュースレターより

7月から行っているCO実践プログラム※「実践!COいわて」が終了し、12月4日に岩手県一関市で発表会を開催しました。

※ピアコーチング、一対一のコーチング、スキルトレーニングを定期的に行うCOJの実践者応援プログラム。今回は9名が参加し、岩手グループ(5名)と東京・ベトナムグループ(4名)に分かれて実施しました。岩手での取り組みについてはNewsLetter準備号でも紹介しています。

実践者5名がこれまでの実践の道のりと成果、今後の展望について発表し、聴衆から多くの鋭い質問が挙がりました。「私も住民主体の活動を目指しているので、発表を自分の立場に置きかえて、どういかせるかを考えた」、「(実践)することに意味があると感じた。次は自分が取り組む番だと思った」といった感想を聞き、COという“得体の知れないもの”を活動に取り入れることに挑戦し切った実践者の思いや苦労が伝わったと感じました。

実践者の4か月間を振り返るコメントを一部ご紹介します。
「人を巻き込む際のポイントを、実践を通じて学んだ」、
「質問やフィードバックを受けたときに”なぜそういわれたんだろう”と考え直すことで、自分の言葉がどう伝わったのかを振り返ることができた」、
「ワークショップだけではわからなかった”相手が持っているものを引き出す質問”の仕方がわかった」、
「型を一通り学んだので、今後は自分なりに手法をアレンジして活用したい」、
「ナラティブや関係構築はできるようになったので、これからは戦略をもっとうまく活動に織り込めるようにしたい」

今後は今回の5名に加え、岩手県内外から新たな仲間を迎え、実践者同士が支えあい、背中を押しあう活動を続けていきます。

新年のご挨拶(代表理事 鎌田華乃子)2016年1月ニュースレターより

新年あけましておめでとうございます。皆様が心安らかな新年を迎えられていらっしゃいますよう。

昨年、COJは新たな挑戦「コミュニティオーガナイジングを実践を進める」ことに取り組みました。ワークショップの内容や事後のフォローアップを工夫したり、既存の組織にCOを導入したり、実践する個人をコーチングする仕組み作りをしました。その成果が少しずつでており、3月27日(日)にオーガナイザー・ギャザリング(次の記事参照)で皆様と共有させて頂きたいと考えております。

年末にまた違った一つの形で表れました。別途号外で連絡させて頂きましたが、日経ビジネスの「次代を創る100人」にCOJを代表して私が選ばれたことです。大変光栄なことですが、メディアに取り上げられると、どうしても1人の人間にスポットライトを当てがちです。でも、どんな活動も1人の力では成し遂げられません。今回100人に選ばれたのは、まぎれもなく、COJの活動に密に関わってくれた運営メンバーのお陰です。

COへの深い理解と愛でCOJを陰ながら支えてくれている最初からの同志、室田信一さん。
自分のもつ人脈と資源を惜しみなくCOJにいつも投下してくれる、池本修悟さん。
事務局長として法人としての基盤と信用をしっかり支え、メンバーを安心させてくれる、林大介さん。
人がやりたがらない調整や雑務もこなし、チームリーダーも務める山本佑輔さん。
実践応援の方法がわからない不確実な状況に飛び込む勇気をもち、東北での実践応援を成し遂げた松澤桂子さん。
相手にしっかり寄り添いCOの導入を福祉法人等の既存組織で成し遂げた小田川華子さん。
いつも俯瞰した視点でCOJの状態をみて提言し、自らもアジア地域にてCO実践をする依田純子さん。
COの本質を深く洞察し、常にワークショップや教える事の改善を続ける笠井茂樹さん。
広い人脈でCOJの活動を広げてくれ、且つ広報という挑戦に取り組む荒川あゆみさん。

そして昨年末には今までコーチとして活躍してくれた會澤 裕貴さん、中山由里さんが運営メンバーに加わり、杉本篤彦さんがプロジェクトリーダーとして加わってくれています。古川美幸さんは理事としていつも適切な視点を提供してくれています。

そして運営メンバーから広がり、運営ボランティアで関わって下さった方々、ちゃぶ台返し女子アクションのメンバー、COJと共にCOを自分の地域や現場で広げ実践しようとしている方々、評議員や会員の方々、約60名のワークショップコーチの方々、そして約740名のワークショップ参加者、共に歩んで来た皆様の力に他なりません。人々の力を信じるコミュニティオーガナイジングと、社会課題を解決しようと取り組む皆様の勇気が称えられ、今の世の中に必要とされていると認識されたと感じております。

【動画】 慶應義塾大学SFC Open Research Forum 2015 「グローバルリーダー育成教育の最前線」

2015年11月21日に慶應義塾大学SFC Open Research Forum 2015にて代表の鎌田がパネリストとして登壇した「グローバルリーダー育成教育の最前線」の動画が公開されました。コミュニティオーガナイジングとは何か、リーダーシップとは何かについて38分20秒あたりから30分程度で簡潔に説明しておりますので是非ご覧ください。

<登壇者>
慶應義塾大学教授:田村次朗氏
Institution for a Global Society株式会社社長:福原正大氏

※動画はこちらからご覧ください
http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/flv/flv_play_gc_sp.cgi?2015_gc00005+14+1
鎌田のプレゼンテーションは38分20秒からです。

※ORFのHPです
http://orf.sfc.keio.ac.jp/2015/session/g-03/

冬季休業期間のお知らせ

誠に勝手ながら、当法人は下記の期間を冬季休業期間とさせていただきます。
何卒ご理解いただきますようお願い致します。

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■冬季休業期間:
2015年12月28日(月)から2016年1月3日(日)まで
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