佐藤 幸恵

ワークショップに参加した動機は?

コミュニティ・オーガナイジング(以下CO)実践経験のある代表理事と、今回のワークショップ(以下WS)でコーチを行う所属団体の理事仲間に強く勧められ、参加しました。半年ほど前、あるプロジェクトチームの一員となった私は「このメンバーと一緒に夢を叶えよう!」という希望に満ち溢れていました。しかし、どうも上手くいきません。物事が決まらず、プロジェクトが進まないのです。「みんなで、仲良く、一生懸命に」ミーティングを重ねているはずなのに、どうして結果が出ないんだろう?私は、感情を高ぶらせて泣きながら「自分がいかにその夢を実現させたいか」だけを延々と語り、有意義な話し合いもできぬまま時間だけが過ぎていきました。上手くいかない理由は何?足りない物は何?チームって何?全く答えが見えない日々の中、このWSの開催を知りました。幼い子どもたちを家族に託して丸2日間、他県に行く事はとても勇気がいりましたが「もう、こうなったら可能性のあるものには何でも参加してやろう!」という気持ちで、申し込みメールを送りました。

ワークショップに参加した感想は?

COは、昔から日本でも一般市民によって実践されていた(北九州での婦人会による公害問題に対する活動など)と知り、イメージが変わりました。成功した運動には共通するポイントがあり、COではそれが体系化されていることで、自分の得意なこと(ストーリーを語ること、関係構築)、不得意なこと(戦略を立てること、自分の活動に誘うこと、タイムキープ)がよく分かりました。また、チーム演習で思い切り試行錯誤を味わった事が、とても大きな収穫でした。私たちのチームは「同志とは、課題に直面する当事者であり、最後まで一緒に完走できる者」という認識が不十分だったため、2日目の演習にして、同志から設定し直すという展開になりました。正直「嘘でしょ!?締め切りに間に合うの?」という戸惑いと不安と焦りが頭をよぎりました。それは私が現実に直面している「一生懸命進んだと思ったのに全く進んでいない」というチームの状況にとてもよく似ていました。それでも結果的に、戦略を立てて発表まで漕ぎつける事ができました。これまで「時間さえかければ何でもできる」「型にはめられるのは不自由」だと思い込んでいました。実は逆で、時間の制限や決まった型があるからこそ物事が進んだのだと感じました。「途中でつまづいても、引き返してその原因を探り、軌道修正することで目的を達成できる」。演習で経験したことを通して「現実のプロジェクトにも、もう一度トライしてみよう」という気持ちになれました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

丸2日間、講義と演習を繰り返す内容は、まさに幼い頃の自転車の練習のようでした。「型を習う」という例えの通り、講義で学んだ知識をすぐに演習で実践し、COを「感覚」として自分の中に落とし込んでいくようでした。普段、研修を受けただけで満足してしまい、その後の活動に反映しづらいタイプの私にはとても合っていたと思います。また、名刺交換で終わってしまいがちな他団体の皆さんと2日間じっくり交流できたのも良かったです。自分の活動が上手くいかない時、他団体さんの活動が順風満帆に見えて羨ましく感じていました。しかし実際には、皆さんそれぞれの課題に直面していて「悩んでいるのは私だけじゃなかった」と気付き、お互いに励まし合うことで勇気が湧きました。これだけ多くの参加者数と濃い内容でありながら、時間管理が徹底されており、ズレがほとんどなかったのも印象的でした。タイムスケジュール、タスク、締め切りを参加者に明確に伝えることが当日の運営はもちろん事前・事後のメール連絡まで徹底されており、とても勉強になりました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

WSを終えた今も、プロジェクトの課題は変わらず私の目の前にあります。正直なところ気持ちの面では、WS参加の前より今のほうが辛いと言ってもいいかもしれません。そもそも誰のための、何のためのチームで、その目的をメンバー内で共有できていたのか等、これまで曖昧にしてきた課題が露呈したからです。しかしそれは、自分がやるべき事、進むべき道が見えてきた証拠だというかすかな希望もあります。COは悩みを勝手に解決してくれる魔法ではなく、「目的と用法を正しく理解し、自分の手で使ってこそ意味のある道具」のようなものだと思います。軍隊の行進のように同じ者が、同じ歩幅で歩む、それが「まとまりのあるチーム」だと思っていました。「目標が達成できないのは知識が足りないから、経験が足りないから、資格を持たないから。それらを全て身につけて完璧にならなければいけない」とも思っていました。しかしスイミーたちのように、姿は違っても、それぞれが持つ力を合わせ、進む方向を一致させれば、目標を達成できる。私たちの団体メンバーは年齢も、性格も、経験も、生活スタイルもバラバラです。しかし、その多様性こそ私たちの資源だったことを思い出すことができました。心を一つにして泳ぎ、目的を達成したスイミーたちのように、私も仲間と一緒に前進していきたいです。

加藤 志津佳

ワークショップに参加した動機は?

数年前に当時の仕事を通して、コニュニティー・オーガナイジング・ジャパンについて知る機会があり、「どんなことをやっているんだろう?」と、ホームページを拝見させていただきました。【市民の力で、社会は変わる。】という言葉が目に飛び込んだ瞬間、「これは、今の私に必要なことだ!」と直感しました。ただ、それと同時に「参加したとしてついていけるのか」という不安も感じ、「参加したい!でも…」を何度か繰り返していましたが、今回、福島県内でのワークショップ(以下WS)開催とあり、また、地域や社会の課題に取り組む方々を下支えする活動を行うために勉強中の私にとって、「この機会を逃したら絶対に後悔する」と強く思ったので、不安でしたが勇気を振り絞って参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

当日の朝、凄く緊張した状態でしたが、自己紹介の際、同じように不安や緊張を感じている方がいらっしゃると知り、少し気持ちが和らぎました。そこから、本格的なワークに入っていきましたが、限られた時間の中で最大限に頭と心を回転させることの連続で、いつの間にか緊張や不安は吹っ飛んでしまいました。私にとって怒涛の二日間でしたが、チームのみんなに助けられ、支え合いながら乗り切ることができました。ある参加者の方が、ふりかえりの時間、私の発言から気づきを得たと話してくださいました。それを聞いて「こんな私でも、誰かの役に立つことができる」と感じると同時に、その方から頑張る力と勇気をいただきました。それは『誰もが誰かの力になれる』ということを、言葉ではなく、身をもって感じた瞬間でした。今後の活動で迷った時、弱気になった時、思い出して自分を鼓舞できる学びを得られたWS。参加できて本当によかったです。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

必ず時間を守ることです。休憩や教室移動の際に、着席や集合のカウントダウンがあり、二日間、誰一人遅れることがありませんでした。ここまで時間厳守を徹底したWSには参加したことがありませんでした。『時間は有限』ということを社会人になって改めて知らしめられ、身が引き締まりました。また、講義とワークの繰り返しでは、学んだことを直ぐに試せて、自分に足りないこと・必要なことを即座に知れ、補うには何が必要かを考え更に試すことができたので、より学びを深められるWSだと思いました。終了後、もっと学びたいと思う気持ちの方が強かったのですが、そう思えたWSも他にはないと思いました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

私は自分の考えを言葉で相手に伝えることが、あまり得意ではありません。社会や地域の課題だと感じていることがあり、その解決に「自分がどう役立ちたいか、何故それが必要なのか」を伝えることができなくて、自分が考えていることは必要なことではないのかもしれないと思い悩むこともありました。今回学ばせていただいたコミュニティ・オーガナイジングで「共感を得ること、想いを共有すること」を、実践を通して体感させていただきました。「心だけ」「技だけ」ではなく、私が実現したいことを目指すために、「心と技」を両輪として、心を込めて言葉に想いを乗せて伝え続けようと思います。そしてこれからも、コミュニティ・オーガナイジングを学び続けたいと思います。

井上 雄大

ワークショップに参加した動機は?

同じチームで働いているチーフから勧められたことが最初のきっかけです。実際に何かことを起こすときに、他者を巻き込み協働することで活動に広がりがでて、進みたい方向により大きな一歩を踏み出せると思うので、コミュニティ・オーガナイジングではそういったことも学べるのではないかと期待し、参加致しました。

ワークショップに参加した感想は?

コーチングの手法を学んだ時に感じたことなのですが、「アドバイスせずに質問する」という方法は自分にはすごくしっくりきました。課題を感じている人自身が考えてたどり着くというプロセスを重視するために、考えを促す(もしくは整理する)ための質問を投げかける。僕自身、話を聞いているときに安易にアドバイスする癖があったため、あくまで相手が当事者として感じることを引き出す役割に徹するというのは、新たな気づきとなりました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

実践編が充実していたことです。インプットだけではなく、例えばコーチングを実際に使ってペアの方に話を聞いてみることや、4つのCを使って相手を誘ってみる(※イベントなどに人を誘う実践演習。4つのCは誘うときのポイントを表していて、次の4つの文字の頭文字からきている:Connection、Context、Commitment、Catapult)など、一度学んだことを使ってみることで、疑問点が新たに出てきたり、学んだことがしっくりきたりと、より深い学びに達することができたと思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

普段の活動では起業家の伴走をしているので、起業家のやりたいことを壁打ち相手として整理し、誰を巻き込むかを一緒に考えていく立場として、コミュニティオーガナイジングのパブリックナラティブの手法は活きてくると思いました。コーチングの手法は、仕事に限らずコミュニケーションの中で使える場面が多くあるように感じます。

また、どういう社会を目指していきたいか(=どんな課題を解決したいか)、それを誰とどうやって解決するのかを考えることは、個人の人生のキャリアを積み上げていくうえでも重要な考えだと思ったので、折に触れてテキストを読み返し、自分の歩み道を決めていく際にも活かしたいと思います。

和泉 克軌

ワークショップに参加した動機は?

きっかけは、知り合いの先輩からのご紹介でした。「コミュニティ・オーガナイジング」という言葉自体初耳でしたが、社会課題を解決することに関心があったことや他者との関係性を構築し、他者の力を引き出すといったリーダーシップを学べることに魅力を感じました。また、今自分が所属している団体の職員さんが過去に参加して「すごいよかった」といった感想を聞けたことや「参加した方がいいよ」と勧めていただいたからです。

ワークショップに参加した感想は?

率直な感想でいうと、終わった直後は疲労感と満足感が入り混じって混沌としていました(笑)。コミュニティ・オーガナイジングに対して基礎知識が全くなかったので、ワークショップでの時間全てが学びの連続で周りの参加者についていくのに必死でした。ただ、自分の力不足を感じる部分が多々あったのは事実ですが、その中でも今まで学んだことの復習になったことやうっすら理解していたことをちゃんと言語化することもできました。参加する前との変化でいうと、想いの言語化の重要性を再確認できたことが大きかったです。自分の想いをしっかり言語化し、他者に伝えることの重要性と難しさと同時に、伝えるアプローチのためのノウハウを学べたことで、このワークショップを終えてから自分がどう動いていけばいいのかといった次のアクションへの道筋が見えました。2日間を通して本当に充実した時間を過ごすことができました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

まずは、徹底した時間管理と濃密なプログラム構成だと思います。各プログラムが講義→演習→共有と振り返りのサイクルで構成されていて、インプットとアウトプット、フィードバックの時間が確保されていたのでしっかりと学びにつなげることができました。また、その都度タイムキーパーによる徹底した時間管理がされていたため、間延びする時間がなく、無駄のない時間を過ごすことができました。最初はあまりに厳格すぎて少しストレスを感じた面もありましたが、終わってみれば2日間という限られた期間の中でたくさんの学びを得ることができたのは、徹底した時間管理による自分自身への負荷があってこそではないかと思います。そして、チーム毎のメンターの存在もこのワークショップにおいて重要な役割だと感じました。メンターは事前に研修を受けているので、各ワークのサポートや、自分と向き合ってくれる存在になってくれて非常に心強かったです。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今回のワークショップで学んだことは、あくまで理論やノウハウの部分でした。そのため、しっかりと自分の中で落とし込んでから実践につなげることがとても重要だと思います。自分自身のインターンという今の立場から活かせる部分は多かったので、まずは日々の活動に少しずつ還元していくことを意識したいです。また、将来的に地域で解決したい社会課題があるので、チームを作っていく過程から今回のワークショップで学んだことをしっかり実践していきたいです。自分の場合、他者に想いを伝える部分や周りの共感を得て仲間になってもらう部分がまだまだ弱いことが分かったので、自分自身と向き合いながら丁寧に形にしていけたらと思います。これからチームを作って、行動しようとしている人にとってかなり効果的かつ力になるワークショップだと思ったので、自分と同じような立場やどう動けばいいか困っている人がいたらぜひ参加を勧めたいと思います。

遠藤 まめた

ワークショップに参加した動機は?

普段、市民運動をどうやって盛り上げるかを考える仕事をしているのですが、職場の先輩が「参加してよかっよ!」と勧めていので口コミで参加しまし自分自身がワンマン気質なところがあり、市民運動の経験を積めば積むほど「自分ひとりでやっほうが早い」病に冒されているようだっので、どうやっらみんなを巻き込んだムーブメントができるのか知りくて参加しまし

ワークショップに参加した感想は?

「自分でやっほうが早いワンマン病」に冒されている脳みそでは、ソーシャルアクションとは目的地まで自分が考え最強プランに沿って最短経路で突っ走るめのものであり(こうして文字化すると嫌なやつっぽい・・)、人を巻き込むめのイベントをわざわざセッティングしり、人手が必要となるようなことをわざわざ計画するという発想自体がなかなか生まれないのですが、人を巻き込むめにどうしらいいかを考えるのも、自分ひとりでは得られない気づきを得られり、うねりを生み出す有効な手段なのだと理解できまし。あと、人にものを頼むのは頼まれ側もうれしくなるものなんだなと気づきまし

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

時間に追われていこと(笑)。他は、動画を使っり、実際に他の人を勧誘してみるワークがあっのが理解しやすかっです。動画は良いコーチングと微妙なコーチングなど、比較可能なのがよかっです。他の人を勧誘してみるワークも、頭で考えるよりも実際に行うことは難しいものだと気づかせてくれまし

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

COワークショップに参加し後からは、あえて他の人に仕事を振るようにと意識を変えることができています。今自分が求めている人はAという仕事ができる人かもしれないけれど、BやCという仕事ができる人がいる場合に、その方向から同じ目的を達成する道筋を立てられるのではないかと思うようになりまし自分でやるのが早い病はそう簡単にはなくならないかもしれませんが、他の人に仕事を振ってみて初めて気づいことも多いので、めげずに続けようと思います。

コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップinオカヤマ を開催しました!

2018年12月15日~16日、岡山県青年館にて、岡山市では5年度連続5回目となる「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップinオカヤマ」を開催しました。

岡山市では「ESDに関するユネスコ世界会議」の開催を目前に控えた2014年6月に「ESD・市民協働推進センター」が開設され、現在まで岡山市民と岡山市(行政)による協働を推進するための様々な取組が実施されています。「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」は「協働による課題解決を促進するスキーム」における最初の段階「市民活動団体のリーダー育成」に位置づけられており、参加したリーダーたちが様々な組織に問題提起・協働提案を行い、合意形成や戦略立案を経て、事業を実施することを目指しています。想いの強さと専門性の高さに反比例するように他者の理解や参加が得にくくなるというジレンマを抱えていたNPOにとってコミュニティ・オーガナイジング(以下、CO)は行政や企業等との協働を実現するうえで非常に実践的・効果的なスキルであり、過去4回のCO参加者たちが学んだ技術を生かして協働事業の実施に至った例も多く生まれました。

今回のワークショップは岡山県内外から17名にご参加いただきました。5回目ともなるとNPO法人に所属されている方は全体の半数以下となり、残りは労働組合、行政職員、社会福祉協議会、企業など、出身と所属に偏りのない構成となりました。そのような背景もあって主催者としては参加者間での合意形成に苦労することを想像していたのですが、開会直後の「ノーム(2日間安心して学び挑戦するための約束事)づくり」では10を超える提案がなされ、いずれも全体から好意的に受け入れられるなど、主催者の懸念に反して開始直後から積極的に挑戦しようという雰囲気と参加者同士の一体感を強く感じたことが印象に残っています。

その後の演習もおおいに盛り上がり、全グループが限られた時間の中で共通する価値観を見いだし、魅力的なプロジェクトを作り上げることができました。参加者を対象としたアンケートからは「共通する価値観を見い出すことの難しさと同時に見つけられた時の希望の大きさを実感できた。」「今後は価値観を明らかにする過程を楽しむことができそう。」など、バラバラな立場、経験を持つ参加者であったからこその感想が多く見られました。また、岡山市では恒例となっている「参加前の期待値を100点とした場合の参加後の満足度」の平均も「100点」(最低80点、最高200点)となり、過去4回と同様に参加者が非常に高い満足感を得ていたことが確認できました。

今後、岡山市では過去5回のワークショップ参加者を中心として、これからの市民活動リーダーに役立てていただける研修を企画・運営するコミュニティを結成する予定であり、2019年度はNPOの事業継承の手段として「ストーリー・オブ・セルフ」を活用し、雇用環境やノウハウだけでなく、リーダーの「志」を体系的に継承するための支援を展開したいと考えています。そのほかにもCOを学んだ人たちがCOへの理解を深めながら実践を重ねていくことができるような研修を軸として、岡山市におけるリーダーシップのスノーフレークを少しずつ広く、強固にしていきたいと思っています。5年間、COJの皆様とともに蒔き続けた種がどのような形で発芽し、実を結ぶのか(結ばないのか!?)、私自身も非常に楽しみにしています。これまでに岡山市で開催されたワークショップに参加・協力してくださった方々はもちろん、COの実践や普及に取り組む人たちによいご報告ができるようにひきつづきがんばりますので、これからの岡山市での展開にぜひご注目ください。

おかやまNPO・ボランティアサイト「つながる協働ひろば」リンク

レポート:高平亮(ESD・市民協働推進センター長・本ワークショップ講師・コーチ)

風岡 宗人

ワークショップに参加した動機は?

学生時代から環境NGO等でのボランティアや専従スタッフ経験を通し、社会の持続可能性について考えてきました。環境NGOでは自治体(市区町村)への政策提言や人材育成に携わってきましたが、ずっと違和感も持ち続けてもいました。その違和感は、「地域社会」という抽象的な対象にアプローチするだけでいいのかな、というものでした。人や経済を動かす制度やシステムを変革するという視点ではなく、地域社会を構成する一人ひとりが主役の市民として生き生きと生きていける場をつくることが、社会の持続可能性を高める基盤、ドライビングフォースになるという確信を持つようになりました。いろんな経緯があって、京都市北区のある小学校区で活動をはじめました。地域コミュニティに共通する課題として、地域活動の担い手の高齢化、固定化があります。活動の輪を多様化するために地域活動のサポーターを発掘したり育てたり、2年ほど活動してきましたが、思うように活動が広がり深まらない状況が続く中で、「コミュニティ・オーガナイジング(CO)」という言葉にピンときた、というのが最初の動機でしょうか。といってもそれがどんなものなのか、実際にワークショップに参加してみるまでよくわからないまま、当日を迎えたというのが正直なところです。

ワークショップに参加した感想は?

元来自分のことを語ること、情熱を持って語りかけることに苦手意識をもっていました。それにワークショップが始まってしばらくはCOでなぜ「自分のことを語ること(ストーリー・オブ・セルフ)」が大切なのか、よく理解できないでいました。しかし、COの対象が「取り組もうとしている問題」ではなく「同志」にあるという理解、「セルフ」から「ナウ」そして「アス」に自分の視野が広がっていくにつれて、「あーこういうことだったんだ」と納得するものがありました。最後の発表会で光栄にも指名していただいて全員の前でストーリー・オブ・ナラティブを披露できたのもとてもいい思い出になりました。ワークショップが終わって数日は脳内でドーパミンが出続けていた感じでした。今でもストーリー・オブ・セルフは得意にはなれていませんが、今後支援を得るためのストーリーを描くとき、共感を広げるための要素として、あえて自分自身を冷静・客観的に見つめることは意識的にできるようになったと思っています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

最も印象的だったのはタイムキープの厳格さ。全体会での講師の皆さんも時間どおり。グループワークでもいきなり難しいテーマを提示されて「3分で考えて2分で発表」など、最初は「えっっ!そんなの無理、なんて強引な」と思いつつ、プログラムはどんどん進んでいきますから不平を言っている暇もなく、怒涛のように2日間が過ぎていった感じです。でももっと大変なのはグループワークを回す側のスタッフの皆さんだったと思います。いろんな背景やニーズも持つ受講者一人ひとりに寄り添って、なんとか理解しようと努め、的確なコメントを返す、という鮮やかなスキルにも感心しました。1年かけて議論に議論を重ねてプログラムをつくりあげる、というやり方も、他ではあまり聞かないし、そんなモチベーションをつくり出す手法自体がCOを体現しているだろうな、と思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

地域コミュニティにおける活動の主人公はあくまで地域に暮らす当事者の皆さん。しかし日常の忙しさに追われ、現状が当たり前になってしまうと見るべきものが見えてきません。私はよそ者として、そんな見えないものを見せる働きかけをしていきたいと考えています。そのためには頭でっかちだとか、極端だとか思われても、それが自分の存在意義だと開き直って人と関わっていければいいな。しかしそんな状況をつくる前提として主人公としての私を受け入れてくれる同志、仲間を増やしていく必要があります。そのためにいつもCOの理念や手法を参考にしていきたいし、その同志たちにもCOについて伝えていけるようになりたいと思います。そのためには場数を踏むこと、これしかありません。時として凹むこともありますが、自分と同志を信じて地道に活動を続けていきます。

石井 祐理子

ワークショップに参加した動機は?

知人から紹介していただきました。「これを私に?えーっと、どんなスタンスで参加すればいいのかしら?研修の内容についていけるかな?ってか、二日間朝から夕方までって、体力持つかなぁ」と、コミュニティ活動実践者とは遠いところに立ってる大学教員の私の頭は、不安と疑問ばかりがぐるぐる回っていました。

とはいえ、せっかくお誘いいただいたからと申し込んだものの、「えっ!宿題があるの?!ますます不安が…」と、当日の朝まで後悔していました。

ワークショップに参加した感想は?

「二日間、慌ただしかった」という感想です。講義もワークも休み時間も時間に追われている感じがして、「自分がどんなスタンスで参加すればいいの?」なんてこと悩んでいる暇もございませんでした。そのおかげで全ての研修プログラムに集中できたように思います。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

私がこれまで体験したワークショップと比較すると、

①複数のスタッフがチームを組み、一つのグループを最後までコーチする

②ワークの時間が短時間で区切られ、ワークの途中といえども一定の成果を求められる

が違っていたかなと感じました。

今回のワークショップになかなか馴染めなかった自分は、「ワークショップとはこういうもと」の自分の頭の方が凝り固まっていたからだ、ということに気づかせていただきました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

地域の課題を解決するための手法を学べたことは大きな収穫です。

その第一歩となる「自分の思いを相手に伝える」ことから地道に取り組んでいます。授業で、会議で、自分の思いを伝えて共感してもらえるよう「ストーリー」や「ナウ」を語れるようにと心がけています。今後この手法をさらに活かせる機会を見逃さず、前向きに取り組んでいきたいと考えています。

高橋 幸信

ワークショップに参加した動機は?

参加した直接のきっかけは、大阪の労働組合の友人から誘われたことです。WSに参加し、実践に活かしていく中で、労働組合の仲間や若い皆さんが楽しさを実感し、生き生きと運動を進めておられます。このWSが魅力で組合加入した人もいるそうです。自分の組合でもそんな実践をしていきたいとの思いから、WSに参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

正直、メニューをこなしていくことに手一杯で疲労感はハンパなかったです(笑)。でも、こういう方法を学び、実践していくことができれば、社会は変えていくことができるのでは!と見通しをつかむことができました。運動を前に進めていく上で、理論学習は大切ですが、運動論や組織論、リーダーをどう育てていくのかという発想が欠けていたことに気づかされました。いろんなフィールドで、社会をより良くしていこうとしている新しい仲間に出会えたことも、貴重な財産です。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

それぞれの講義と実践のテーマ・獲得目標が明確にされていて、その目標達成できるように、たくさんのスタッフがアドバイスしていただけるという体制は、あまり経験したことがありません。講義を受けて、感想を出し合う式の分散会に留まらず、参加者にどうなってほしいのか、そのねらいを明確に持って運営をされていることが他のWSと異なっていると思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

先日組合の定期大会を開催するにあたり、執行部で話し合って休憩時間を増やし、お菓子やコーヒーを提供して、参加者同士がリラックスして交流されていました。ちょっとしたことですが、今回のWSで学んだことの1つです。WSの具体化という点では、近日中にミニWS「府民と府職員のコラボで考える~京都府政 わたしの1丁目1番地」を開催します。シンポジウムを受けて、それぞれにどう感じたか?今後どのように実践していきたいか全体として交流します。WSを運動の中に取り入れる上で、若い仲間を中心に、COJのWSに派遣して、組織の中にリーダーを育成していけたらと考えています。

第11回COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ

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コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ 
1日目:2019年2月23日(土) 9:00〜19:30
2日目:2019年2月24日(日) 9:00〜19:30
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<開催趣旨>

コミュニティ・オーガナイジングを用いて、自分の暮らす地域や社会に変化を起こしたい人を対象として、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」を東京で開催いたします。なお、これまでの参加者は次のような取り組みをしています。

・性暴力の被害者も加害者もうまない社会の実現のための大学生によるアクション

・孤独に子育てをするママを減らす産前産後ケア施設の開設のためのママたちのアクション

・新成人が成人式開催時期を夏から冬に変えるアクション

 

<コミュニティ・オーガナイジングとは?>

市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになります。そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます。

 

<スケジュール>
1日目
・オーガナイジングとは何か?
・コーチング
・ストーリー・オブ・セルフ
・関係構築
・チーム構築
・ストーリー・オブ・アス
2日目
・戦略Ⅰ
・戦略Ⅱ
・アクション
・ストーリー・オブ・ナウ&リンキング
※すべのパートが【講義→演習→振返り】で構成されています。
※1日目の夜に懇親会を予定しています(参加費4000円程度、当日集金。WS参加費とは別)。

<申し込み際しての留意点>

・2日間全日程への参加が必要です
・1日目の夜に懇親会を予定しています(参加は任意です)
・セキュリティ上、集合から解散時刻までビル外に出ることができません
・昼食はお弁当を用意します。アレルギー等特別な理由で一般的なお弁当が召し上がれない方はご相談ください
・会場およびビル内には喫煙場所がありません。会場に入ってから19時半の解散時刻まで喫煙のためにビル外に出ることはできません
・ビル内に飲み物の自動販売機があります
・休憩時間につまめるお菓子と飲み物を用意します

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