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佐藤美紀

ワークショップに参加した動機は?

新聞記者から転職して公務員2年目。子育てや仕事、プライベートでやりたい活動など、今後の自分のキャリア、生き方に悩んでいたところ、フェイスブックでCOJを知りました。前職時代から多方面でお世話になってきた方々がCOJをおすすめしているのを見て、「何かいいきっかけになりそう」と参加を決めました。

よくよく調べてみると、コミュニティ・オーガナイジングの目指すところと、自分の「地元を、地元の人が誇りに思う街にしたい」という考えは、重なっている部分があると感じ、ワークショップを楽しみにしていました。

ワークショップに参加した感想は?

価値観を言語化できたことが大きな収穫でした。やったことは大きく二つです。

1.自分自身について深く考え、話した(ストーリー・オブ・セルフ)

2.目的をもって関係を築く経験をした

ストーリー・オブ・セルフでは、自分を今の活動へ突き動かした価値観について、これまでの経験から深く深く、探っていきます。私の場合は「なぜ記者になろうと思ったのか」、「なぜ地域のために貢献したいと思ったのか」について深掘りし、幼少期の環境や経験、そして東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後の活動が、今の価値観である「挑戦する人が応援される社会の実現」を形作っていることを再認識しました。

その社会の実現を目指すには、仲間、コミュニティ・オーガナイジングでいう“同志”の存在は不可欠。その同志と、どのように価値観を共有し、よりよい関係性を築いていくのかーー。自分の価値観をきちんと知ったからこそ、相手に伝える言葉の重みが増して、説得力を持って関係構築に臨めたと思います。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

こんなにも頭をフル回転させたワークショップは初めてでした。まず新鮮だったのが、時間にとっても厳しいこと! よくある「また終わってない人~?じゃああと3分延長しまーす」なんてことはありません。正直、もう少し時間をかけて考えたかった部分はありましたが、時間にきっちりしていることはあらかじめ聞いていたので、全てのセッションに本気で、全集中で臨むことができました。

また、ワークショップに参加してみて、これまでの仕事のミーティングなどを振り返ると、課題に対して解決法やアイディアを出す前に、チームで価値観を共有することが大切で、その構築に時間をかけていくことが必要だったことを痛感しました

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

改めてチーム内での対話、価値観の共有にできるだけ時間を割きたいと思います。特に新しい事業を動かすときは、どうしても数値的な目標や戦略的プロセスを重視してしまいがちでした。一歩踏みとどまって、お互いを知り、自分の価値観やチームの向かうべき目的を共有することを意識していきたいです。

また何より、自分の大好きな地域で活動している方々と出会い、つながれたことは貴重な財産となりました。新たなアクションを起こすきっかけをいただけたことに、感謝します。

コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップinふくしま

2023年9月9日(土)、福島県福島市のチェンバ大町にて、「コミュニティ・オーガナイジング・”ミニ”ワークショップinふくしま」が開催されました。

今回の企画は、2019年2月に同会場で開催された2日間のワークショップに参加したメンバーが中心でした。ワークショップを経験後に、紆余曲折を経ながらも勉強会やお互いのコーチングなどを継続してきたメンバーです。続けてきた中で、「もっと多くの福島の人たちに、コミュニティ・オーガナイジングを知って欲しい」「もう一度、福島で学ぶ機会をつくりたいよね!」という思いから出発し、半年ほどかけて準備をすすめ実現しました。

コロナ禍を経て、久しぶりに対面式でおこなうワークショップに参加したのは23人。福島県内で市民活動に取り組む方、自治体職員、教育関係者など、幅広い分野の方たちがコミュニティ・オーガナイジングに関心を寄せて参加してくれました。(ちなみに、コーチ陣の多くは、県外から福島に想いを寄せ駆けつけてくれました。感謝!)

当日の朝は、会場が開くと同時に参加者が集まり、10分程度で受付が完了。学びに対する前のめりな気持ちが表れているようでした。

今回のワークショップの内容は、①コミュニティ・オーガナイジングとは?、②コーチング、③パブリック・ナラティブとは?/ストーリー・オブ・セルフ、④関係を通してパワーを構築する(関係構築)、⑤リーダーシップチームの構築。参加者は講義を聞き、4チームに分かれて演習にチャレンジしていきました。

朝の主催者あいさつを経て、チェックイン。はじめて顔を合わせる人たちも多くあり緊張した雰囲気がパッと明るくなりました。

講義は「導入:コミュニティ・オーガナイジングとは?」で歴史との関連や体系的にまとめられてきた流れを学び、「コーチング」の講義と演習へ。動画で悪い例、良い例のイメージをつくってグループで実践スタート。頭、心、手、5つのステップを意識してチャレンジした振り返りでは、「 課題が3つの視点のどこなのか、自分でもわからないので、コーチングで質問され、見えるようになった」との声も。

ストーリー・オブ・セルフでは、短時間でつくることに苦戦する参加者がいる一方、自身の体験を織り交ぜて、強い意志が伝わるセルフを披露してくれた方もいました。チャレンジした参加者からは「過去とのつながり、動いていることがわかった。つながったことで納得感を得られた。やりたいこと、やり始めていることに自分自身が信じて良いんだと思った」や、この場はノームがあって、安心して自分のことを話せる。そして、強いストーリーは心に響きますね」という感想がありました。

朝から濃い講義とワークをこなし、遅い昼休憩。参加者同士の交流も賑やかにすすみました。

午後は「関係構築」の講義から。
午前中のセルフを元に、チーム内でペアをつくって共有する価値観、それぞれが持っている関心と資源を探るワークをおこないました。関係構築をすることで「自分にどんな資源があるかわからないと思ったが、ペアの人が気づかせてくれた」や「ワクワクした」と、可能性が広がる感覚を持つことができたようです。

その後、今回の最後の単元となる「チーム構築」へ。限られた時間の中で、チームの共有目的、チーム名、チャントを決めていきます。ここまで来るとチーム内のテンションもあがり、活発な意見が出されてくるのが印象的でした。時間をめいいっぱい使って、チーム名、チャントを決めて発表です。

1日を共にしたチームの発表は、どれも思いや資源が出ている特徴あるプレゼンテーションでした。

 

最後の振り返りは、全員で円をつくって一人ひとり「気づきと学び」を発表しました。

  • 午前中の時から時間が経つのが早い。理解できないこともいっぱいあったし理解できてもしきれない。こういう世界に触れられた経験は大きい。この経験を無駄にしたくない。なんかしていきたい」
  • チームが上手く機能しないのは当事者とやってないからだと気がついた。組織にどうやって落とし込むか。今やっていることをストーリに落とし込みたい」
  • 「学校に勤めていると視野が狭くなってしまうので、視野を広げるため参加した。ヒントになることがいっぱいあった。現場で活かしたい。硬い椅子に5時間座る子どもたちを尊敬する一日だった」などなど。

4年半ぶりに福島で開くことができたコミュニティ・オーガナイジングのリアルな学びの場でした。ワークショップ後、企画をした福島メンバーと今回の参加者による月イチ勉強会がスタートしています。今後の展開にも期待!?

(コーチ:小抜勝洋)

 

荒川 隆太朗

大阪生まれ大阪育ち。大阪市や門真市、豊中市などでNPOの中間支援で4年間勤務。同時に学童保育の指導員や子どもの居場所づくりの支援を行う中で不登校児に対する支援の必要性を感じ、豊中市でフリースクールを設立。また、大学在学中から6年ほど心理学を独学で学びつつ、対話的な実践を通じて人が癒えていくプロセスを探求中。
NPO、教育、心理の文脈から小さな街でのコミュニティ・オーガナイジングの実践を通じて、個人と社会の変容に関わっている。
NPO法人Gift 副代表理事
NPO法人クレイシュ監事

久保田 裕輝

1992年生まれ/香川県木田郡三木町出身。早稲田大学在学中の2013年、就職活動や一般社団法人四国若者会議(当時は任意団体)の立ち上げに関わり、「自分らしく生きる」「自分らしく生きられる」ことの大切さに関心を持つようになる。
2016年5月にコミュニティ・オーガナイジング(CO)と出会い、自分自身が大切にすべきことと向き合い、それを行動・エネルギーに変え、他者への変容を促すという手法にほれ込み、企画運営にプロボノとして加わる。「KY(空気を読まない)をかっこいいと思える社会に」がテーマ。

鎌田 華乃子

神奈川県横浜市生まれ。子どもの頃から社会・環境問題に関心があったが、11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了。卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジング(CO)を実践する地域組織にて市民参加の様々な形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。COJを2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。ジェンダー・性暴力防止の運動にも携わる。現在ピッツバーグ大学社会学部博士課程にて社会運動の国際比較を行っている。
慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート 客員研究員

葛巻 徹

岩手県花巻市出身。大学で福島、就職で宮城で暮らし、岩手にUターンする。普通のサラリーマン生活をしながら、長女が生まれたのを機にNPO活動をボランティアで始める。岩手のネットワークを活かして、2011年東日本大震災直後に、いわて連携復興センターを岩手県内の仲間と設立。専従職員となる。2013年にコミュニティ・オーガナイジングと出会い、「普通の市民が社会を変える」一つのプロセスとして学び、実践を岩手で続けている。
NPO法人いわて連携復興センター 代表理事
いわてNPO災害支援ネットワーク 共同代表
日本ファンドレイジング協会 東北チャプター 共同代表

河野 七海

1995年生まれの東京都出身、アメリカ育ち。米国スミス大学生物学専攻・教育学副専攻。好きな歌手は宇多田ヒカル。好きな食べ物はブリトー。在学中に学んだジェンダー問題がきっかけで、誰もがジェンダーに囚われず「自分らしい自分が好き」だと言える社会をつくりたいと思い、日本の女子高校生とジェンダーマイノリティを対象とした教育プログラム Ready& 設立。2017年外資系企業に就職。2020年に社会課題を「新産業の共創」で解決するスタートアップ企業SUNDRED株式会社に就職。2017年フルワークショップに参加後、コーチ/講師としてCOJに関わる。

これからは理事として、COJの活動の幅を広げられるように自分の資源を活かし、自分の成長も楽しみながら、チームの皆さんと頑張っていきます。どうぞよろしくお願いします!

 

竹下 萌

1987年広島市生まれ。被曝3世。7才の時に大阪府豊中市で阪神大震災を経験し、メディアに掲載される体験談と、公には記録されない市井の人々の「語り」の違いに興味を持つ。そこから歴史教科書問題に関心を抱き、大学では昭和史を専攻し、戦争観の形成と変遷を研究。2018年に「グリーンズの学校」(NPO法人グリーンズ)の講座でCOと出会い、以降COJ主催WSでコーチや講師、テックなど、幅広く担当。現在は上場企業にて管理職、非上場企業にて社外取締役を務める他、キャリアコンサルタントとして副業もしている。

石原真里奈

ワークショップに参加した動機は?

私は現在、大学の研究事業の一環として、人口約270人のいわゆる「限界集落」と呼ばれる地域でコミュニティ・オーガナイジング(以下:CO)の実装をしています。人口の急速な減少、高齢者が多く、若者が少ない、このような特徴のある地域であっても、そこに住み続けたい人たちがその地域で安心して、その人らしく暮らしていくために必要な資源を取り戻すことができるのか

研究室の先生に助言をいただいたり、研修を受けたり、鎌田華乃子さんの著書『コミュニティ・オーガナイジング ほしい未来をみんなで創る5つのステップ』を読んだりしながら実践する中で、COを実装することで地域課題の解決(=安心してその人らしく暮らせる地域を創ること)につながるのではないかと感じています。

COを実効性あるものにするための学びやトレーニングが必要だと思い、今回ワークショップに参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

チームで関係構築から戦略づくりまで、COのステップを学びながら実際にトレーニング(演習)することができたのが、貴重な経験となりました。自身が実践しているフィールドではどのように展開していけるかを、具体的にイメージしながら流れを掴むことができました。なかなか思うように演習が進められない時でも、チームに入ってくれた2名のコーチが的確な助言やフォローをしてくれたのでとても心強かったです!

チームは、住んでいる場所も、経験してきたことも、活動しているフィールドも違う、初めて顔を合わせるメンバーでしたが、それでも価値観を共有し、共にありたい未来に向けて取り組むことができるんだということを今回のワークショップで体感し、COの持つ力を強く感じることができました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

運営側と参加者が「教える」「教わる」という関係ではなく、“共に学びあう”ワークショップだと感じました。ワークショップ開始前には、“みんなで”ワークショップを進める上でのノーム(ルール)を決め、講義では“参加者の意見を聞きながら”学びを共有し、“参加者のアイデアを取り入れて”当初の予定にはなかったアイスブレイクの時間を作るなど、一方的ではなく、“相互に”意見を交わす中で進められました

また、一人ひとりの発言や「語り」をとても大切にしているところも、他のワークショップとは大きく違うところだと思いました。結論だけを求めるのではなく、語りを大切にし、その中に、想いがあり、その想いをパワーに変えていくことがCOの中核をなす部分になっていくのだと感じました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

どのような地域に住んでいても、「その人らしい生活」を諦めないことは大事だと思っています。そのためには何が必要なのか?個人レベルでの取り組みも必要ですが、時に社会レベルで課題解決を図る取り組みが必要となってきます。そこで、COが実効性のある手法の1つになるということを、今回改めて体感しました。

ワークショップで得た学びを実践に繋げ、「語り」を通じて価値観を共有し、同志と共に「ありたい未来(地域)」を創っていけるよう、活動していきたいと思います。。

また、今回ご縁あって繋がった人たちとも、お互いの活動を応援し合ったり、時に一緒に活動できるとより一層大きなパワーが生まれるのではないかと思いました。

ありがとうございました!

中村広伸

ワークショップに参加した動機は?

もともと力がない(と感じている)人たちが力を獲得し社会を変えていく、ということに強い憧れを抱き続けていました。三世代家族のなかで、理不尽さを感じつつ何もできなかった子ども時代の体験が根っこにあったんだと思います。そうした想いを抱きつつ、ぼくはこれまで社会学や対話を学んだり試行錯誤の日々を重ねてきました。その過程でぼくはプロセスワークとそれをベースとしたワールドワークと出会い現在も探求を続けています。

その後、ともにプロセスワークを学ぶパートナーがCOJ主催のオンライン・ワークショップに参加したことを機に、ぼくはコミュニティ・オーガナイジングにも興味を持ち始めました。彼女がワークショップでの学びを生かし、精力的に活動する姿を目の当たりにしたからです。プロセスワーク一筋だったぼくも「コミュニティ・オーガナイジングいいかも」と思い始め本などを読みました。パートナーからはこれまでもちょいちょいワークショップに誘われていたのですが、このたび「今回は参加しないのかい?残り1枠だってよ!」ととどめの一言を言われ、「やります!」と申し込みに至りました。

ワークショップに参加した感想は?

とても楽しかったし充実した二日間でした!長年の蓄積に基づいて作られた、コミュニティを組織する方法が体系的かつとてもシンプルだと感じました。全体を通じて、まずはいくつかのポイントをしっかり押さえながら実践すれば効果が実感できるという即効性が、多くの人を巻き込んでいくのに効果的だと思いました。もちろん実践すればするほどに奥深さも感じられて来るのだろうな、と思いつつ。

一方でタイトで細かな時間設定には正直戸惑いました。普段の自分からは遠いやり方だからです。でも実際にやってみると、時間が限られているなかでもこれだけのことができるんだ、という手ごたえを感じることができました。この体験は、日常の実践に生かせると思いました。日常での活動もまた、時間に余裕がないなかで行われているからです。「この時間でこれを決めるんだ!」という想いでやると、粗削りながらも光るアイデアってでるものなんだな、ということを体験できたことはとても大きかったです。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

とにかく参加者とスタッフの皆さんの「社会を変えたいんだ!」というエネルギーがすごい!と感じました。現実に根ざした実践的な問いをもっているゆえの必死さや切実さ、そして覚悟がひしひしと感じられました。もちろんぼくもそういった想いを持ってやってきたわけで、だからこそ「こういった想いを抱いているのは自分だけじゃないんだ。仲間に出会えた!」という心強さと喜びを感じることができました

また、ワークショップに関わるコーチ、スタッフの皆さんのコミットメントの強さも感じました。このワークショップ自体が、コミュニティ・オーガナイジングの手法に基づき組織されたもので、コーチ、スタッフのみなさんがそれぞれの資源を使い役割を果たしながら一つの目的に向かって動いていることを体感的に味わうことができました。皆さんがそれぞれ自分たちの活動もあるなかで、このようなワークショップを運営するって相当に大変だと思うし、同時に皆さんにそうさせるだけの魅力がコミュニティ・オーガナイジングにはあるんだな、と感じました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

ぼくは現在不登校・ひきこもり当事者とその家族を支援するNPOでは副理事長として、またぼく自身が所属する会社の労働組合で副委員長として(10月からは委員長として…)活動をしています。

NPOでは、現在財政難で、会員増と寄付等による収入増が急務の課題となっています。また労働組合は年々組合員が減っており、残っている組合員の多くも組合の存在意義に疑問を抱いている状況です。

今回コミュニティ・オーガナイジングを学ぶことで、ぼくがまず実践できそうなことは関係構築なのかな、と感じました。ぼくはNPOの他の理事やスタッフ、そして組合執行部メンバーひとりひとりと十分に関係構築ができているとは言えません。まずは彼らひとりひとりと関係構築し、彼らのリーダーシップを育てていきたいと思います。