ワークショップに参加した動機は?
1年ほど前にコミュニティ・オーガナイジングの本(『コミュニティ・オーガナイジング 欲しい未来をみんなで創る5つのステップ』)を読みました。小学生でもできるのか!と感激したのと同時に、自分にはできるだろうか?と実際にやる時には、様々な種類の難しさやチャレンジもあるのではないか?と感じたのを覚えています。
どこかのタイミングで実践を学べたらと願っていたところ、ワークショップが開催されることを知りました。現時点で、あるいは近い将来にオーガナイジングを考えている具体的なことはないのですが、必要になった時に、すぐに行動に移せるように学びたいと参加しました。
学び実践しているNVC(非暴力コミュニケーション)が目指している世界観「全ての人のニーズが大切にされること」や、私の様々な活動の核にある「一人一人が力を持っていてその力を使うことで世界は変わっていく」という信念と共通の基盤を感じたことも大きな要素です。
ワークショップに参加した感想は?
本や資料で読んだ内容が、身体に入った、という感覚があります。ひとりひとりとの関係性の大切さ、関わりを育むことがオーガナイジングの根底にあるのだと感じています。そのことの「人間らしさ」のようなものに安心できる感覚があります。
参加前に、どのように具体的な戦略を練っていくのか?という好奇心があったのですが、同じ目的や志を持つ仲間が集まり、人生体験を持ちよると、様々なタイプの創造性が生まれて、1人では想像し得ない可能性にアクセスできるのだなと、未知のものを生み出していくことへのワクワクした感覚も体験しました。コミュニティ・オーガナイジングは、アクションの塊ではなくて、関わる人たちの学び、気づき、成長と共にあるのだなと感じています。
今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?
コロナ前は、ヒーリングやボディワークの分野、コロナ以降はNVC(非暴力コミュニケーション)の分野で学び教えてきたのですが、今回のワークショップで一番感じた大きな違いは、たくさんの情報と実践を、とても短い時間でぎゅっと濃縮して「伝授」しようと、細やかな工夫や仕掛けが組み込まれ、それが円滑に進むようにと綿密な準備がされていた(と想像しています)ことです。今までの経験の積み上げがあるのだとは思いますが、この2日間の「体験」自体がコミュニティ・オーガナイジングの実践として作られていることも感じました。
提供される情報を受け取るだけの学びではなく、何度も頭も体も吸収するものの量の多さに爆発しそうになりながらも、試行錯誤しながら実践的にアウトプットすることで自分の中に刻み込んでいくような経験をしました。そして、たくさんのスタッフの方々が、まるごとご自身の経験を場に持ち込み私たちの学びのために、とてもオープンに自己開示して、積極的に関わってくださったことにも感激と、感謝を感じています。
コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?
今の時点ですぐにオーガナイズする予定はないのですが、人との関わり方、コミュニティの育み方にすでに学びを生かしています。何をどう活かしているかは、具体的にはとても細かなことなのだと思いますが、まず、常にスノーフレークのイメージでリーダーシップが外に向かって育っていくイメージが私の中にあります。
以前よりも、ひとりひとりが大切にしていることをより細やかに感じ取ろうとし、どのような仕組みを作ったら、その人がその人らしくそこに存在し、楽しみながらみんなと共有したいその人のギフトを提供しやすいか(力を発揮しやすいか)という視点から枠組みを作ったり、関わり方の選択肢を豊かにして明確に提示することで、より多くの人がコミュニティに関わることを可能にしたり、と、将来なんらかのアクションにつなげていくためのベースをじんわりと育んでいます。