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2022年11月(公財)石川県国際交流協会「外国人コミュニティ・リーダー研修 ストーリー・オブ・セルフ/関係構築」研修開催レポート(石川県)

(公財)石川県国際交流協会(IFIE)では、R3年度に引き続き、県内在住の外国人住民に、地域のことを知り、関係づくりを行い、地域づくりに参加してもらう「外国人コミュニティ・リーダー研修」を行いました。

この研修は、県内2地域で開催され、コミュニティ・オーガナイジングの講座以外にも、市役所の役割を知る、地域を知る、災害に備える、法律や税金の仕組みを知る、参加者全員で意見交換を行う、など、開催地域の希望に合わせてさまざまな内容の講座を行っています。石川県が過去4年間行っている、文化庁の支援を受けた「石川県における地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業」の一部になります。

 

開催日

 

テーマ

 

参加者

 

2022年11月13日

 

ストーリー・オブ・セルフ

 

白山市、羽咋市、宝達志水町在住の外国人住民、日本語サポーター、自治体職員など22名

 

2022年11月26日

 

関係構築

 

同18名

2日間の講座では、2か所で行われている研修の参加者に同時に参加してもらいました。金沢市の会場に講師に来ていただき、一部参加者がオンラインで参加するハイブリッド式で実施しました。

参加者の外国人住民は、すでに日本に長く暮らし、地域で子育てを行ったり、働いたりしている方が多く、支援を受けるだけでなく、公的なサービスや介護などの支援を提供する側で働き、地域を支える役割を果たしている方も参加されていました。また、在住期間も長いため、日本での生活経験も豊かで、同じ国出身の人の相談役になったり、SNSなどを通して情報を発信したり、日本で暮らす外国人住民のネットワークの中心的な役割を果たしている方もいらっしゃいました。

今回の「外国人コミュニティ・リーダー研修」も、地域に長く住んでいる外国人住民に、地域と外国人住民のネットワークのハブ的な役割を果たしてもらおうと開催されたものです。外国人リーダーの方が、地域で協力者を求めたり、考えを伝えたりする際に、コミュニティ・オーガナイジングの手法が役立つと考え、昨年に引き続き講座をお願いしました。

多くの参加者にとって、コミュニティ・オーガナイジングの講座では何をするのか、何を学べるのか、受講前は想像しにくいものだったようです。同じ「リーダー研修」で扱う、災害への備えや行政書士の話は、具体的な知識や情報を取り扱うので、昨年の研修でも印象に残った参加者が多かったようです。

しかし、今回、受講された外国人リーダーの方の様子を拝見すると、皆さん地域で暮らす外国人住民の苦労や思いを積極的に伝えようとしてくださいました。ストーリー・オブ・セルフでは、自分がまだ日本語を話せないときに、親身になって支援してくれた、今は亡き支援者の方のことを涙ながらに語ってくれる人もいました。関係構築では、「あなたがそんな人だって全然知らなかった」といった感想や、ペアワークを重ねるごとに「そんな話さっき言ってなかった」と話が深まっていく様子も見られました。

コミュニティ・オーガナイジングの2回の講座が終わってから、さらにCOJのワークショップに参加したいという声も、外国人、日本人問わず、複数の方から上がっていました。

地域の日本語教室や国際交流協会では、外国人住民、日本人住民が対等な立場で活動を行う姿も普通になりましたが、お互いがどんな思いで活動に参加し、相手にどんなことを期待しているのかまでは、毎週会って活動を共にしていても、互いに知らない場合もあるようです。

「外国人リーダー研修」を終えた人が、コミュニティ・オーガナイジングの講座での経験を、たとえ無意識であってもそれを基盤にして、地域の人に語りかけ、つながりを持ち、それを広げていく活動に生かしてくれることを祈っています。

(公財)石川県国際交流協会 専任講師 今井

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