万波智美

ワークショップに参加した動機は?

直接のきっかけは、オーガナイザーという仕事に関心があったからです。高校生の時、文系と理系に分けて進路を選ぶことに違和感を感じ、両者の境目をつなぐ、プロフェッショナル同士をつなぎ、多くの人々と関わり合いながら一つの物事をゴールに導くような仕事がしたいと思うようになりました。社会に出たらそのような仕事はあるだろうとは思いましたが、当時は既存の職業の中に名前を見出せずにいました。

人や地域と関われる仕事を目指し、大学は文化マネジメントを専攻。美術評論家でありプロジェクト・プランナー、プロデューサーとして幅広く活躍されている先生のもとで国内や海外のプロジェクトに関わらせていただいたなかで、オーガナイザーという仕事があることを知り、自然と意識するようになりました。日本においてはまだ実践者の少ないオーガナイザーに、今回は実際に出会えるということも参加した大きな動機の一つでした。

 ワークショップに参加した感想は?

私は、仕事では主に「まちづくり」に関連した大小さまざまなプロジェクトの運営に携わっていますが、どのプロジェクトにおいても重要になることは、実行力と推進力を持ったチームづくりだと感じています。そのためには、関わる人々の関心や能力、それぞれの事情や関係性を見極めることが重要だと思っていますが、その見極めの際に「価値観」が大きな力を持つことを、ワークショップを通して強く実感しました。

ワークショップでは、個々の人々の奥底にあり、その人を形作る根底となる価値観を引き出す術をさまざまなワークを通して学ぶことができます。その体験は想像以上で、価値観を引き出し、実際のプロジェクトにコミットさせていくことで、こんなにも大きな力を生み出せるということを体感できました。価値観を引き出すことは一長一短にできるものではなく訓練が必要ですが、その方法について触れ、自身に応用力がついたことは大きな成果だと感じます。

 今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

ワークショップ終了後に、実際に自分たちでも振り返って実践できるように練られた適切な講義(座学)とワーク(実技)を繰り返すことで、自然とスキルが身についていくことが本ワークショップの特徴だと思います。チームのルールを決め、ゴールを描き、時間制限も取り入れながら、最後までチームでやりきり完走する、ということはどのプロジェクトにおいても基本になることだと思います。私が参加したプログラムは2日間をかけて行うものでしたが、始まりから終わりまで誰一人も脱落せず最後まで全員で走り切るということも体感できました。実際に、物事を組み立てる際に、組み立てられた!自分たちで出来たんだ!という一体感や実感を参加者に抱かせることはとても大切だと思います。さまざまな課題を通して、参加者それぞれに適切な実践力を身につけさせる、とても優れたワークショップだと感じました。

 コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

コミュニティ・オーガナイジング(CO)は、さまざまな活動において応用することができる優れた技術だと思います。心(動機)と頭(戦略)と手(スキル)の意識がけやストーリー・オブ・セルフの実践、戦略の組み立て方など、個々の技術それだけでも優れた成果を生み出すことができる技術の固まりですが、それぞれを組み合わせることで更なる威力を発揮し、目的をゴールへより導くことが可能になると思います。

今回学んだ技術を糧に、プロジェクトに関わる人々のそれぞれの価値観にも目を向け、一人のリーダーが進めるプロジェクトではなく、またリーダーが疲弊してしまうのでもなく、皆で共に一つのゴールを目指して走り続けれるチームづくりを心掛けたいと思います。そして、プロジェクトをさらなる先につなげ、より高いゴールへ向かっていけるよう人々の力を組み合わせ新たな街のシーンを生み出し続けたいと思います。

小浦むつみ

ワークショップに参加した動機は?

いいアイディアを思いつき、人を集め、労力をかけて立ち上げても、いつも活動が数年で尻すぼみになります。理由もいつも同じで、「段々と人が集まらなくなる」「負担が一人に集中してつらくなる」これは個人の資質の問題だと思っていましたが、同じ悩みをかかえているリーダーがまわりにたくさんいると気づき、ワークの主催を決心しました。 

ワークショップに参加した感想は?

ある参加者さんが最後にこんな感想を言われました。「私は、見た目は昨日までと同じかもしれないけど、中身は、受講前とはまったくちがう人間だ」そのように思わせる何かが、私の中にも確かに宿りました。特別な秘密儀式を受けたわけでもなく(笑)むしろ、「言われてみればその通り」ということを繰り返し確認した2日間だったはずなのですが、受講して以降は、仕事をするにも活動のミーティングを持つにも、誰かと話すにも、いつも、今までとちがう視点を持って、目の前のものから数年後の遠い目標までをつなげて考えられるようになっています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

コーチ陣の親身な姿勢を、とても心強く感じました。

2日間みっちりやることで、体系立てて学ぶことができ、2日目の最後の充足感がものすごかったです。そして、「時間を大事に使うこと」「時間が短くてもあきらめないこと」ここへのこだわりは大変勉強になりました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか

活動だけでなく、多くの場面で役に立つとおもいます。ふつうに人と話すだけのことも以前より楽しく感じるようになっていますし、たくさんの人と深く理解しあえる楽しさや、自分を出していく勇気は、日常でも持ち続けていきたいです。そしてどのようにスノーフレークを広げていくのかの具体的な試行錯誤は、これから何度も転びながら実践していくことになると思います。

大隈塾でパブリック・ナラティブのワークショップを開催しました。

2016年7月16日(土)に霞が関ナレッジスクエアにて、大隈塾生に向けて、パブリック・ナラティブのワークショップを開催しました。大隅塾では次世代のリーダーたちが各業界から集まり、社業を通じて社会貢献をすることを目標に切磋琢磨しながら学んでいます。(大隈塾:http://stonesoup.tokyo/nlp) 

大隈塾でのワークショップは一昨年、昨年に引き続き三回目となります。

今年は1か月前に、ストーリー・オブ・セルフの講義が行われており、「セルフを実践してみてどうだったか?」という問いから始まった1日でした。ワークショップはセルフを改めて語るところから始まり、アス・ナウ、そして最後にはすべてをつなげ具体的なアクションを求めるという順に進んでいきます。

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  1. ストーリー・オブ・セルフ:私を語る

・具体的なエピソードにはパワーがあり、引き込まれる。語り手に対する興味が一気に沸いた。

・ストーリーを作る過程で、就職活動で行った自己分析を10年ぶりに改めて行ったような感じ。自分の原体験を深く探ることで、本当にやりたいことが明確になる。

・価値観は改めてこれまでのその人の歴史からしか生まれないと思った。

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  1. ストーリー・オブ・アス:私たちを語る

・大隈塾のメンバーで一緒に行った田植えの経験を具体的に聞くと「私たち」だと感じた。

・その場のアスをそれぞれ作るのは難しいが、それが重要であることが分かった。
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  1. ストーリー・オブ・ナウ:緊急性を語る

・論理的に話すことは慣れているが、トラックにひかれるくらいの緊急性を出す考え方は初めて知った。

・具体的な数や時間軸を聞くと、「やらなければ」と感じた。
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  1. パブリック・ナラティブ:セルフ・アス・ナウをつなげて具体的なアクションを求める

・共感を引き出すのは難しいけど、それが人を動かす上ではとても重要。今まで共感を得ることをさぼっていたな。

・今やっていることには必ず理由があり、人を動かす上でもその背景を語ることが大切だと感じた。

・語ることで助けを求められるということを感じた。

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たくさんの気づきと学びを持ち帰り、それぞれの組織に戻ってパブリック・ナラティブを使い、「価値観を語り・共感を得る」ことでみなさんのリーダーシップが更に発揮されること一同願っております。

 

文責:忠村佳代子(コーチ)

9月10日11日東京でコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを開催します

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コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ
1日目:2016年9月10日(土) 9:00〜19:00(予定)
2日目:2015年9月11日(日) 9:00〜19:00(予定)

▽お申し込みはこちらから▽
https://goo.gl/YEvLls
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 私達、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下、COJ)は、2014年1月の活動開始以来、市民1 人ひとりが、自らの価値観にもとづいて能力を発揮し、そのパワーを結集することで課題を困難を解決し、更にその挑戦が応援される社会を目指し、コミュニティ・オーガナイジングの実践を広める活動をしてきました。
そこで見えて来たのが、実践を支え合う仕組みの必要性でした。そして、「これから更に実践が生み出されるきっかけと、実践者が勇気をもって走りきれる土壌を作る」ことを心に決め、コーチングによる実践伴走とワークショップを有機的に組み合わせたチェンジ・ファクトリーを6月からスタートしました!

6月のコミュニティ・オーガナイジング・トレーニングを経て4組の新たなチームが立ち上がり、コーチングのサポートを受けながら活動を始めています。

そして9月10日、11日は、チームの活動を加速させるために必要なチーム構造や共有する目的、チーム戦略を作るコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを開催します!
(もちろん、個人での参加も大歓迎です!)

パブリック・ナラティブやコーチング、関係構築はもちろん、2015年9月以来、1年ぶりとなるチームバージョンのチーム構築、戦略、アクションについて学ぶことができる内容になっています。

ワークショップ後には、COJの審査を通った活動者同士の相互コーチングやCOJ コーチによるコーチングを受け、チームによるオーガナイジング・キャンペーンの立ち上げと実践を目指す実践コーチングサポートプログラムも用意してあります。

本気で変化を生み出すために活動していきたいチームや個人の方を、COJも本気でサポートします!
一緒に、社会に変化を起こしましょう!
皆さんのご参加をお待ちしております!!

ーーー以下、詳細ーーー

<コミュニティ・オーガナイジングとは>
市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになる。
そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます
ハーバード大学ケネディスクールマーシャル・ガンツ博士が開発したもので、日本では2014年1月7日NHKクローズアップ現代で特集され話題になりました。
※クローズアップ現代のサイトはコチラ
【“物語”の力が社会を変える】
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3448_all.html

<対象>
●市民1 人ひとりが、自らの価値観にもとづいて能力を発揮し、そのパワーを結集することで、本気で課題や困難を解決したい方
●これから活動を始めるために、自分の価値観を伝え、一緒に活動してくれる仲間を集める方法を学びたい方
●すでに活動しているチーム内で、チームメンバーに共通する価値観を探して関係性を高めたい方
●チームメンバーと一緒に活動する戦略を作る方法を学びたい方

<講師>
鎌田華乃子
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事
横浜生まれ。11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了。卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジング(CO、普通の市民が立ち上がり社会を変えていく活動)組織にて市民参加の様々な形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)を2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。

松澤桂子
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン 理事
慶應義塾大学総合政策学部卒業。英会話教師、民際協力NPOの海外支援担当を経て、大学で海外学生募集活動を行う。プライベートでは学生時代から、フィリピン山岳民族の自立支援に関わっている。
COJでは、東北の震災復興を行う活動グループ向けのコミュニティ・オーガナイジングを用いた支援プログラムを担当し、東北でのWSコーディネート及びWS講師、コーチの育成を行っている。

会沢裕貴(あいざわゆたか)
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン フェロー
茨城県水府村生まれ。茨城県で最北に位置する過疎の村出身で、幼い頃から衰退していく地域の中で育ち、衰退した街を再生できないかと建築の道に進み、大学院修了後は不動産会社、商業施設の開発コンサル会社に勤務。
2014年10月に地元茨城にUターンし、茨城県の地域おこし協力隊として実践型インターンシップ事業の立ち上げを行うと同時に、コミュニティ・オーガナイジングのWS講師やコーチとしてCOJに関わり、ソフトバンク株式会社に対するコミュニティ・オーガナイジングを用いた寄付事業支援などを行っている。

<日時>
1日目:2016年9月10日(土)9時~19時00分(予定)
2日目:2016年9月11日(日)9時~19時00分(予定)
※2日間通してのご参加をお願いします

<会場>
NTTコミュニケーションズ汐留ビルディングオフィスルーム
(〒105-8535 東京都港区海岸1-2-20)

浜松町駅・・・JR山手線・京浜東北線(北口)・東京モノレール(中央口改札)/下車徒歩2分
大門駅・・・都営大江戸線・浅草線(B1出口)/下車徒歩3分

<募集人数>
最大48名
※チームで参加するチーム数によって、変動します。

<参加費>
本WSは2日間で1セットとなっており、参加費は2日間の受講費用と2日分のお弁当・飲み物代を含んでいます。

社会人:4.2万円(早割は2000円引き)
学生:1.7万円(早割は2000円引き)
チーム参加:1人2.2万円×人数(最低4名以上)
※チーム参加は、事前にCOJによる審査があります。

<お申し込み方法>
下記リンクより、お申し込みください。
https://goo.gl/YEvLls

※参加費のお支払いが済んだ時点で、お申し込みの完了となります。お支払いは、クレジットカード決済と銀行振込があります。
※後日COJより、お申し込みのお礼と事前課題・アンケートについてご連絡いたします。

<入金後・決済後のキャンセル規定について>

ご入金後にお客様のご都合によりャンセルされた場合、下記の通りキャンセル料金をいただきます。

なお、返金の際の送金手数料はお客様負担とさせていただきますので、ご了承ください。

・8日前までのキャンセル・・・・・無料(ただしコンビニ・ATM払いの場合は、500円の返金手数料がかかります)

・7日前~4日前・・・・・参加費の50%

・3日前~当日、開催後・・・・・参加費の100%

※入金後のキャンセル、ワークショップの中止・変更について
お振込みいただいた参加費はワークショップに欠席された場合でもご返金はいたしかねます。
運営上やむを得ない場合、弊法人は参加者に事前通知なくワークショップを 中止、中断できるものといたします。 その場合、可能な限りすみやかに当該ワークショップの参加費を全額または一部返金いたします。 ただし弊法人の責任は、支払い済みの参加費の返金に限ります。

お申し込み後のご連絡は、当方へは下記連絡先に、当方からは申し込み時にご入力いただいたご連絡させていただきます。申し込み後ご変更等ございましたらご連絡ください。その他、不明な点がありましたら、以下まで連絡をお願いいたします。

<問合せ・連絡先>
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
〒105‐0004 東京都港区新橋4-24-10 アソルティ新橋 502
E-mail:info@communityorganizing.jp
担当:会沢(090-6564-5031)

<NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンについて>
詳しくはコミュニティ・オーガナイジング・ジャパン公式Webサイトへ。
URL:http://communityorganizing.jp/

コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ 念願叶ってついに福島で初開催!

私たち「普通の人々」が持っている資源(できることや関係性など)を持ちより、市民が立ち上がり、コミュニティの力で社会の仕組みを変えていくのがコミュニティ・オーガナイジング(CO)です。
 
様々な社会的課題に取り組む人々が、「なぜ、それに取り組むか」という自分自身の物語を深め、語りによって人の心を動かし、価値観を共有する人々とつながり、チームを作る。そのチームがどのように課題を解決していくかを戦略的に考える。その手法を、COによって学ぶことができます。
 
COでは、市民主導で地方自治体や政府、企業などさまざまな関係者を巻き込みながら、自分たちのコミュニティを根本からよくすることを目指します。様々な社会問題の解決だけでなく、企業が目標を達成するためのチーム作りにも効果的です。 
 
COについては、特定非営利活動法人Community Organizing Japanのウェブサイトをご参照ください。
http://communityorganizing.jp/
 
ぜひこのWSに参加し、東北・福島に関わるみなさん自身の地域に持ち帰り、それぞれの現場で是非いかしてください!
 
 
【ワークショップ(WS)開催要項】
 
■日時:2016年9月24日(土):9時〜19時半・25日(日):9時〜19時

※原則として両日参加が条件となります。
■会場:福島コトひらく( http://costar-npo.org/?page_id=12 )郡山駅より徒歩20分程度。
■参加費:一般30000円、学生10000円、グループ割20000円
■定員:18名
■お申し込み方法:以下のページからお申し込みください。
https://goo.gl/up0HW4
■お問い合わせ先: info@communityorganizing.jp
■主催:特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
■共催:福島大学子どものメンタルヘルス支援事業推進室
■後援(予定):郡山市、福島市、白河市、その他

 
Facebookページを随時更新し、お知らせいたします。ぜひイベントをフォローして情報更新をお待ち下さい!

https://www.facebook.com/events/1061152870634751/

 

金沢学生のまち市民交流館にて、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ in 金沢」を開催しました。

2016年7月2日、3日、金沢学生のまち市民交流館にて、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ in 金沢」を開催いたしました。

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今回は、NPO法人ピースバンクいしかわの代表理事・小浦様のご尽力のおかげで、会社経営者、NPO職員、まちづくり団体、青年会議所、子育て支援など、多様なバックグラウンドを持つ24名の方々にご参加頂きました。

「1人でやることに限界を感じている」

「もっと多くの人を巻き込んだ活動にしたい」

「オーガナイザーのスキルを学びたい」

など、それぞれ参加された動機は異なるものの、

「自分たちの身近なところから社会を良くしていきたい、変えていきたい」

という想いを持って参加されていらっしゃいました。

1日目の朝、すでに30度近い気温の中集まった皆さんの表情を見ていると、知り合いに久しぶりに会ってお話をされてい和んでいる方もいれば、これから何が始まるんだろうか?と不安な方などがいらっしゃるようでした。

最初のワークのコーチングでは、心(動機)と頭(戦略)と手(スキル)のどこが課題なのかを探りながら質問することの有効性を感じていただいたと同時に、「8分間という短いでも、コーチングってできるんですね!」と、次第にCOのメソッドに興味を持っていただいたようでした。

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ストーリー・オブ・セルフでは、価値観・困難・選択・結果という流れではなすことになれず苦労されている様子でしたが、「心の内面が見えると引き込まれる」「自己紹介の時にストーリーを話すのは勇気がいるが、やると覚えてもらえた経験がある」「フレームワークがあるとストーリーを作りやすい」などの感想を頂きました。

初日の最後のワークは戦略でしたが、皆さん頭をフル回転させ、ぐったりしながらもなんとかワークを終えていらっしゃいました。

初日の振り返りでは、「感情を伝えながら語ることは得意だったけど、改めて戦略が得意ではないことを知って、苦手な戦略から目を背けないようにしないといけないんだな」という感想を頂くなど、頭と心の両方にアプローチする重要性を徐々に感じて頂けているようでした。

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2日目の朝は激しい雨だったにも関わらず、ワーク開始前から隣の席の方との会話が盛り上がっていて、会場は独特の熱気が漂っていました。

関係構築に始まり、続くチーム構築では、参加者の方々が1人ずつ自分のチームをファシリテーションしていき、最後にはそれぞれユニークなチャントが発表でき、終わった瞬間には「時間内に終わった!私たちでもできた!」という声や、「事前にアジェンダを決めて、それぞれの分担を決めておくことで、それぞれのメンバーが当事者意識を持って取り組めることがわかった」という感想が出ていました。

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パブリック・ナラティブのストーリー・オブ・アスは、「難しいけど、その重要性を強く感じました」という声や「「人を巻き込みたい」という目的でCOのWSを受けたが、まさにこれだと思った」など、アスの重要性を強く感じていらっしゃるようでした。

そして、さいごのパブリック・ナラティブでは、「セルフ・アス・ナウの全てを価値観でつなげることで、心と頭の両方に訴えかけることができるんだとわかった」など、パブリック・ナラティブを語る際のポイントを押さえることができたようでした。

2日間の締めは、1つの大きな円になって座り、2日間の学びを共有しました。

「改めて、自分の価値観を掘り下げて、まずは自分の職場の方々に向けてストーリー・オブ・セルフを語ってみようと思います」

「これまで自分の活動を誰かに伝える時に、これこれこうだからこうしてみようよと自分なりにやっていたが、アスが作れていなかったのでうまく伝わっていないことがわかった」などの感想だけでなく、「今後も学び続けたいのだけど、どうやったらいい?」という声を頂くなど、金沢の皆様の前向きで真剣に学びに向き合う姿勢に心が打たれました。

またピースバンクの小浦様からは、最後の最後に即興でパブリックナラティブを語って頂くなど、早速使おうという姿勢がヒシヒシと伝わってくるワークショップでした。

今回のワークショップをきっかけに、参加者の方々の活動がステップアップしていくと同時に、石川を中心に北陸でのコミュニティー・オーガナイジングが広がっていく予感を強く感じています。

次は、参加者の中からコーチが育ち、自分たちの力でワークショップが開催できるように、継続的なサポートをしていきたいと思います。

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<開催協力>ピースバンクいしかわ様

http://piecebank.net/

レポート:会沢裕貴 (コーチ)

キャンペーン進捗報告(板垣泰之さん) 2016年7月のニュースレターより

岩手県金ヶ崎町でコミュニティ・オーガナイジングを実践している板垣泰之さん(2015年度CO実践プログラム「実践!COいわて」参加者)が、町の新成人をオーガナイズし、町主催成人式の開催時期を夏から冬に変えるキャンペーンに取り組みました。ご本人による体験記です。

見守り、成長するオーガナイズ
岩手県金ケ崎町 板垣 泰之

1.そもそもなぜCOを必要とするか。
 どうも、金ケ崎町で地域おこし協力隊をしております。板垣と申します。まず、金ケ崎の説明をしますと、金ケ崎は1万6000人の岩手県内でも有数の工業団地を有している町です。ちなみに、消滅可能性都市にならなかった岩手県でも数少ない町の一つになっています。そこで、地域おこしをしておりますが、地域おこしと言っても農業や観光ではなく自分が担当している分野は特殊で、文化遺産を活用した地域おこし、地域づくりという事でやっております。ここで、早速COを活用しようとした理由が発生するのです。文化遺産というものはそもそも、生活に直結するとは思われづらい分野という事が言え(個人的にはそうとは思いませんが、それは別の機会にでも…)、地域の人たちの力を結集しなければなかなか活用していこうという機運にならない。そもそも、そのジャンルで人をまとめるすべを知らない。さらに金ケ崎に来て感じた何かを成し遂げようとする感覚が薄くなっているという事もCOの手法を必要とした理由でした。さらに、特に若い人たちはお隣にある金ケ崎より大きい町である北上市や奥州市に出かけて行ってしまいます。そこから、金ケ崎が何もないというような印象を持ってしまっているのです。
 さて、COを学んだ時にやはりアメリカ大統領選などの大きな話が主で、しかも深刻な社会問題を解決する手段として用いられるような感覚があり、懐疑的な部分が非常に大きかったことは否めない状態でしたが、その中で自分なりに解釈して、使える部分は使って行こうと考えていました。自分としては、社会を変えるや世界を変えるという大きい内容ではなく、手におえる範囲の世間を変えることはできるのかなとは思っています。

2.2016年度新成人との関係
 彼らが現在の職場である金ケ崎町中央生涯教育センターにやってきたのは1月末ごろだったかと思います。3~4人のいわゆる今どきな男子たちでやってきて、うち1人は遅刻をしてくるという状態でした。書類作成の間に聞こえてくる話によると、どうやら、彼らは成人式を冬にしたいという事で来館したようです。しかしいざ、行政に対して話をするという事になっても、なぜ成人式を冬にしたいのか。冬にする必要性は何か。女子の意見はどうなっているのか。そのすべての答えが何の正当性もなく、根拠もない状態でした。もちろん、行政側としては正当な理由でどんどんツッコんできます。もちろん、彼らは答えられないのですが、話し合いが終わっても納得いかないようでした。
 この話を脇で聞いて、このままでは、そもそも行政には期待しない。さらには金ケ崎町には期待できない。と感じるのではないか。この町の変わろうとする力を無条件で押し込める状態になるのはもったいないのではないかと考え、彼らをナンパしました。
「どうだった?」
「いや、ダメっすね。おっさんたちは頭固いっすから。」
「でも、理由聞かれてたけど、冬が普通だから冬にしたいんです。では、難しいと思うよ。」
「ん~、でもとにかく言ってもしょうがない感じっすよ。頭固いから。」
すでに諦めてる感がすごいです。しかも、頭が固いの一言ですべてを終わらせてます。このまま、彼らが何となく成人式を迎えてやっぱつまんねぇ町だな。となるのは双方にとって損害です。しかも、新成人は232人もおりその人たちにそういう思いが伝播すると大変です。
「君らがほんとに動くんだったら、手法は話すことができる。ただ、俺は動かないから君らがしっかりとした覚悟を決めたら、連絡して。」
そう言って、名刺を渡したのが始まりでした。
翌日だったでしょうか。早いうちに彼らから連絡があり、空き店舗を改装した協力隊の拠点で集まることにしました。

3.プロジェクトの開始、進め方
 まだ、ここまで書いてきて気になるプロジェクトの話にまったく進んでないですね。そろそろ始まります。
 第一回の集まりでは8人前後の新成人メンバーが集まり、実行委員会の立ち上げが始まった現在まで、8人ぐらいが中心になっています。第一回には、まずガイダンスをおこないました。COの手法をかいつまんで、オバマと同じ手法だからというどことなく魅力的な言葉を使いつつ、オーガナイズセンテンスについて、タイムラインについて、スノーフレークの人のつながりについて、ナラティブについて中心に話をしました。また、目標(変革の仮説)を約200人のアンケートを町長に提出することにしました。特に彼らの一番の問題だったこのプロジェクトをなぜしなければならないのかを明確にするためにナラティブに力を入れる必要があり、そこを重点的に話し合いました。そのためには、夏になぜ成人式をするようになったのか、自分たちだけではなく、今までの成人式とこれからの成人式を考えなければならないという課題を見つけることができました。また、成人式を冬におこなうためには町が夏の成人式の準備にかかる前に動かなければなりません。時間がありません。最近思うのはやはり人間、期限があってそこに向かって動かなければならないとなると、計画的にやろうと考えるし、成功させたい気持ちは途切れることなくタイムラインのピークにより維持することができるのかと思います。確かに、何も目標点がないとだダラダラしがちですよね。
 ただ、ここで新成人になる彼らが主体であることは忘れてはいけません。こうすればないいよ。とか、こうするべきだ。は厳禁です。そうです、ここでコーチングです。
「成功させるにはどうすればいいと思う?」「時間ないけど、いつまでにする?」
「大勢の声を集めるにはどうする?」「集めた声はどうする?」
 ただし、注意しなければいけないのは、若さゆえにすぐに話が脱線することです。
「お前が、女の子たちをナンパして、署名してもらえばいいんじゃない?」
いい訳がありません。
こちらがすることは彼らが、彼らなりに動けるように環境を整備することです。ワークショップは多分未経験のが多く、こちらの大人の事情もサラッと伝える必要ももちろんあります。そして、脱線させず集中するようにする。そのためにCOでもよくやるタイムキープは非常に重要です。1時間で終わらせるから、話し合いするよ。と声をかけたりもしました。こちらが手をかける部分はそこだけでいいのではないかな。と思います。
その他に新聞取材の手配なども新聞社の方とつながりがあったことから、おこないました。アピールするなら新聞社に声かけるよ。ただし、やりきらなきゃいけないからね。という事で、これも彼らだけでは難しいところはあると思います。パイプ役に徹します。
そういった活動や話し合いをおこないながら彼らが出した結論はアンケートを自主的に取る。その結果を町に提出する。でした。

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4.経過
 その後、彼らは「成冬会(せいとうかい)」(成人式を冬にする会)と名付け、成冬会の活動は新聞に載り、成人式を冬にしたいという動きがあることを行政側も把握しました。アンケートは最初に町内のスーパーの街頭でもおこなう予定でしたが、スーパーに断られてしまったため、メンバーが趣旨を話せるようになって(それぞれナラティブができるように、価値観を共有するように。)個別にアンケートをおこないました。彼らが自主的に集めたアンケートは彼らが今回のアンケートについて趣旨説明をしているからか、冬にしてもよい、冬がよい。とのアンケート結果が大部分を占めることとなりました。
 それに合わせて行政側でも、全町を対象に無作為抽出アンケートをおこなうこととなりました。そちらの結果は回答率38.9%のうち54%が冬の開催に同意しているというやや冬開催が優勢ではありましたが、まだまだ冬開催を決めきれない部分もあるものでした。成冬会では、より積極的に動いていることを強調するためにも町長に直接自分たち新成人から結果を提出する機会を考えたいとの話があり、初めは行政側に機会を設けてもらうように話を持ちかけようと考えましたが、自分が間接的に行政側に相談したところ、町長に直接話をする機会である「ふれあい町長室」を利用し、町長に直接新成人から話をしてもらい自主的に集めたアンケート結果を提出する方がよいのではないかという話が出ました。そこで、そういった機会が月に一度あることを伝え、彼らが自分たちで日程調整等を行い、町長に自分たちで動いた実績を伝える形で進めていきました。結果的に行政が設定した機会を利用するよりも行政に対するアピールを行える機会になったのではないかと思います。のちに成冬会の代表に話を聞いたところ、「若い世代のこういった動きは叶えていただく方が、これからの世代のためになるのではないでしょうか。」といったようなことを話して、調子に乗りすぎましたかね?と言っていました。しかし、ある意味そういった発言ができることも彼らがある程度の自信がつく活動をおこなってきた結果の一つなのではないかとも思います。

5.その後、これから
 行政内部で検討がおこなわれた後に、正式に冬の成人式開催が決定しました。決め手は選挙権が18歳になることや、今後の若者の地域活動への参加を期待したものということでした。今まで、そういった動きが見られなかった金ケ崎町で動きを起こした事が評価されたと考えています。しかしこれは、同時に今年の成人式の見方が厳しくなっていることでもあり、これから成人式実行委員会の立ち上げをおこない、自分たちで変えた金ケ崎冬の成人式の1回目として成功させなければならないという重圧もかかってくると思います。(今の所、その様子は見られませんが。)ただ、変わることを実感した彼らなので成功させてくれることを今後も見守りながら期待しています。

6.最後に
 だんだん、章が短くなってきたのは書くのに飽きたからでしょうか。その所は「あるある~」と思って見逃してください。
 さて、「見守り、成長するオーガナイズ」と題を付けましたが、書きながら思ったことは「本当に変えたいという欲求があるならば、成長せざるを得ない」のではないかという事です。人から言われてやることは基本的に面白くありません。自分は少なくてもそう思っているため、プラスで何か自分の成長につなげる、自分なりのエッセンスを少し加えるという考えを持つことで面白いものにするということを心がけています。それなりに面倒になるけど、そこを放置すると面白くなくなります。やりがいがなくなります。
 何か物事を実現するためには自ら考え、成長し、達成させる。それなりの労力がかかることを避けては通れないのだと思います。今回であれば、COの手法(彼らは知りませんが)を知った事、アンケートを取った事、町長に結果を提出したことが彼らの達成の理由なのかもしれません。
 あくまで、自分は見守る立場にいました。それは正直言って、成人式が冬になろうと夏になろうと関係ないからです。自分が一番必要としていたことは彼らが行動をとる事です。途中で彼らが「面倒になったからやめます。夏でもいいんです。」という事があれば、それはそれで彼らが出した結果だと思っていた部分があります。その時は、夏にやるのを最高にしよう!という動きが出てくるのではと考えていました。当然、あきらめないで欲しいところはありますが、あくまで主体ではないというところで、彼らがしたいようにするというそのフィールドを作る役目が今回はできたのかなと思います。まだまだ、成人式の開催までは時間があります。そして、これからも彼らは金ケ崎で生きていく人が多いと思います。その中で、少しでも人生が面白いと思えるようになればと思っています。そうすれば、面白い町に変化していくのではないでしょうか。面白い町になれば、改めて町を見直すきっかけになり、それが町の歴史文化を見直すきっかけになってくれて、文化遺産を活用しようとしてくれるようになって、結果的に文化遺産が守られる!最高の結果です。そうなってもらえたら面白いな。と思っています。

 さて、妄想はこれぐらいにして最後に、このキャンペーンについて助言いただいたCOJの方々、岩手でCOをしている方々に感謝いたします。そして、今後とも楽しくできればと思いますのでよろしくお願いいたします。

チェンジ・ファクトリー(CHANGE FACTORY)が始まりました!(代表理事 鎌田華乃子) 2016年7月のニュースレターより

 チェンジ・ファクトリー(Organizing Factory)は、コミュニティ・オーガナイジング(CO)を実践したいと思っている方を対象に、COJが7 ヶ月間に渡る継続的なコーチングサポートと2つのワークショップを開催する実践伴走プログラムです。先日行われた、コミュニティ・オーガナイジング・トレーニング(6/4,5)を最初のプログラムとして、約半年間にわたって、CO実践者のサポートを行っていきます。
 
 1 人でオーガナイジングを始めるのを躊躇してしまう方、学んだことを実践に移すハードルを感じている方でも、オーガナイジングの実践伴走をしてきたコーチによるコーチングを受けたり、活動のフェーズに合わせて仲間とワークショップに参加して学ぶことで、皆さんが持っている変化への想いをより形にしやすくなるでしょう。

チェンジ・ファクトリーは以下の4つ構成要素があります。
1)コミュニティ・オーガナイジング・トレーニング6/4,5 (実施済み。個人の変えたい思いをコミュニティ・オーガナイジングの戦略に落とし、人をリクルートするスキルを学ぶ)
2)チーム作りをするためのコーチング・サポート (2-3ヶ月間 COJスタッフによるコーチングを実施)
3)コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ 9/10,11(集まったチームメンバーで、COの5つのスキルを学び、チームを構築し、戦略を練り、確実な実践へとつなげる)
4)実践コーチングサポート(4ヶ月、実践者同士のコーチングとCOJスタッフによるコーチングを実施)

過去にCOJのワークショップに参加された方は3)コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ 9/10,11からご参加いただくことができます。参加条件は以下のとおりです。二年間実践の支援をCOJでして参りましたが、リーダーシップチームが同じ言語を共有し、目的を作り戦略を考えること、チームメンバーがオーガナイジングのコアのスキルである関係構築、ストーリー語りを学ぶことはその後の実践を進める上で大変有効です。

3)コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップへの条件
・チームができている(3人以上でチーム)
・チームでコミュニティ・オーガナイジングを実践する意思が共有されている。
・同志の力を高めるオーガナイジング・プロジェクトの大枠が見えている。

チーム参加の場合:1 人あたり20,000 円(個人の一般参加の場合:40,000 円 学生:15,000 円)

4)実践コーチングサポートについては3)参加者の希望者に対して行います。

関心のある方は、こちらの申込フォーム(https://docs.google.com/forms/d/1jXojs1jBqM-NOBNO4S5zkcBuR9huxTgTdmSGo_MINuc/viewform)

に7月18日までに参加表明してください(締め切りについて要望のある方はご相談ください)。
参加表明を頂いた順に参加可能か審査をし、審査が通った順に参加が決まります。ワークショップの参加枠には限りがございますので、お早めにお申し込みください。

私たちと一緒にコミュニティ・オーガナイジングを実践してみませんか?皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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チェンジ・ファクトリー担当スタッフです!

COJメンバーからのメッセージ(COJフェロー 笠井成樹) 2016年7月ニュースレターより

私が初めてコミュニティ・オーガナイジングを体験した時、強烈に感じたことがあります。それは、これまで出会ってきたリーダーシップ論や、組織論と比べて、圧倒的に優れているということでした。

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具体的には、
・人の心の奥底まで焦点をあてていること
・互いの価値観を理解した仲間とチームをつくる方法論があること
・問題に直面している人たち自身が、問題を解決していくという本質にこだわること
これらは人の可能性を広げるパワーを引き出した、その人たちを組織として連帯させる術となります。
この価値を一人でも多くの方に届け、また届けるだけでなく、それぞれの方が直面している問題に対して、問題解決を実現するアクションとして有効的に活用してもらいたいと心から想っています。

私自身、中学二年生の頃にいじめを受け、人としての可能性を奪われた経験があり、以来、人の可能性を広げること、または人の可能性が奪われている環境を変えることを軸として歩んできました。
一度でもコミュニティ・オーガナイジングのワークショップされた方には、
あなた自身が直面している問題があると思います。
その問題を今まさに解決するために!!
私にとって一人ひとりを支えることこそが、人の可能性を広げることに繋がることだと感じています。
そんな問題意識から、ワークショップを受けた後も、もっと学べる場や、実践をサポートしていくための機会をつくる必要があると、
活動してから2年間やってきて痛感し、COJの内部組織に問題提起を行い、COのメソッドを学び合いながらコーチングの輪を広げていく「コーチングラボTOKYO」というプログラムが始まります!!

7月31日(日) 14:00~17:00に、コーチングラボTOKYOの説明会を開催しますので、是非、互いに学び合いながら問題解決の実践に興味がある方は、以下詳細をご覧ください。

https://www.facebook.com/events/272529843105976/

同志。求む!!(≧∇≦)/

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COJ フェロー 笠井成樹
2014年7月から、ワークショップの開催をメインに担当。最近は新事業立ち上げのリーダーを務める。

オーガナイザーTIPS 『被抑圧者の教育学(新訳)』(副理事 室田信一) 2016年7月のニュースレターより

※このコーナーでは、ワークショップを受講頂いた方、オーガナイザーを志す方にとって活動のヒントとなるような内容をお届けします。今回は書籍の紹介です。

パウロ・フレイレ著(三砂ちづる訳)『被抑圧者の教育学(新訳)

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 アメリカでコミュニティ・オーガナイザー同士が会話をすると、「アリンスキアン」か「フレイリアン」かというような話題になることがあります。「アリンスキアン」とはアメリカのコミュニティ・オーガナイザーであり”Rules for Radicals”の著者としても知られているソウル・アリンスキーが提唱してきたオーガナイジングの実践方法を参考にする人のことです。一方、フレイリアンとはブラジルの識字教育実践家で今回紹介する『被抑圧者の教育学』の著者として知られているパウロ・フレイレが提唱してきたオーガナイジングの実践方法を参考にする人のことです。それらはコミュニティ・オーガナイジングの「流派」と言ってもいいかもしれません。
 フレイレは、自身の実践やその理論をコミュニティ・オーガナイジングと称してはいませんが、多くのコミュニティ・オーガナイザーに参照されてきました。コミュニティ・オーガナイザーに最も共感されたフレイレの考え方は、常に「被抑圧者」をアクションの中心に位置付けていることでしょう(COJが用いるタームでそれは「同志」にあたります)。フレイレは社会構造上の抑圧関係を抑圧者と被抑圧者によって生み出されていると整理しました。例として、ブラジルにおける識字教育実践であれば、非識字者であるブラジルの先住民を被抑圧者と位置付けました。そして、そこに関わるオーガナイザー(教育者)の関与のあり方を丁寧に分析しています。

 フレイレは、被抑圧者と抑圧者はその抑圧的な関係に身を置いていることでお互いを非人間的な関係に留めてしまっていると考えました。そして、被抑圧者が抑圧者を凌ぐほどの力を蓄え、両者の立場が逆転したとしても、再び抑圧構造にお互いが身を置くのであれば、結局非人間的な関係性から解放されることはないと考えたのです。

 フレイレが重視したことは、個々人の「意識化」ということです。なぜ自分は抑圧されているのか、それはどのような社会構造から生み出されているのか、そして自分たちは何を望んでいるのか、そうした問いと向き合うこと、そしてその問いに基づく対話を同志と繰り返すことがアクションへとつながるのです。オーガナイザーはそのプロセスを側面から支援する存在なのです。マーシャル・ガンツ先生が提唱されるパブリック・ナラティブとはまさにこの「意識化」の促進を体系化したものと私は捉えています。

 冒頭で「アリンスキアン」や「フレイリアン」というような「流派」があると書きましたが、今後は「ガンツィアン」という「流派」が生まれてくるかもしれません。しかし、草の根の市民活動を推進する者にとって、そのような「流派」にこだわりすぎることはとても危険なことです。なぜなら、「同志」のためであれば使える資源は貪欲に活用するというプラグマティックな態度がコミュニティ・オーガナイザーには求められるからです。そのような意味でも、本書が多くのコミュニティ・オーガナイザーの実践の肥やしになることを願って本書を紹介させていただきます。

(副理事 室田信一)