武田知記

ワークショップに参加した動機は?

誰もが住みなれた地域で、当たり前に暮らすことができる社会をつくりたいという思いを持って社会福祉協議会で働いてきました。
高齢者や障害のある人、子どもたちにいつも声をかけてくれる隣近所や馴染みのお店の人、駅などで困っている人を見たら「何かお手伝いしましょうか」と尋ねてくれる道行く人。そんな人が一人でも多くなったら世の中はもっとやさしくなるはず。
でも、より多くの人に福祉に関心をもってもらい、参加してもらうにはどうすればいいのか? その具体的な方法をもたないまま、私の中では理念ばかりが先行してきたように思います。
そんなあるとき、NHKで見たのがこのワークショップ。直感で、これはすごい!と可能性を感じ、「物語の力が社会を変える」というタイトルにも魅かれました。
いつか機会があれば学んでみたいと願っていたワークショップです。

ワークショップに参加した感想は?

頭も体も心もクタクタになりましたが、1分1秒の積み重ねが大きな力になって自分が変わっていく2日間でした。
たとえば、最初の講義では「同志がキャンペーンで力をつけていくこと」という意味がよくわからなかったのですが、2日目の戦略や戦術を考えるワークで「自分がサービスを提供するのではなく、同志が力をつけていくように!」と何度も助言いただき、おぼろげながらその意を感覚としてつかんだ気がしました。
また、1日目に見たスピーチの映像を2日目の最後にも見ましたが、同じスピーチでも、見方がまったく変わっていたのは驚きでした。パブリック・ナラティブを構成する要素(セルフ・アス・ナウ)が、2日間で少し理解できたのではと感じた瞬間でした。
2日間で学んだことは、単なる物語を語るスキルではありません。自分の原体験や価値観を深く見つめる機会でもありましたし、参加者同士でそれらを共有し、新しい活動をつくるための具体的な考え方や方法を学ぶこともできました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

何より、自転車に乗ってみよう!という呼びかけ。自転車という言葉のイメージがワークと結びついて、とにかく思い切って乗ってみよう、転んでみようという気持ちになり、少し躊躇するときでも背中を押す言葉でした。
どのセッションも、講義、グループでのワークとコーチング、全体の振返りが丁寧にあり、また、グループに2名のコーチがついていただいたことで多くの気づきを得ながら理解を深めていくことができました。
分刻みのスケジュールは大変でしたが、今思えば、2日間で一連の体験できましたし、時間が限られていたからこそ自分の中にあるものを必死で絞りだすことができたのだと思います。
ノームを参加者みんなで作成したり、セルフを語るワークでお互いを理解しあったり、休憩時間に講師・コーチが気軽に声をかけてくださるなど、みんなで支え合うあたたかな場がつくられたこともこのワークショップの特徴だと感じました。このつながりを大切にしたいです。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

このワークショップで学んだ考え方や方法は、仕事や活動で試したり活かしたりできるものばかりだと思っています。
職場で相談があったときにはコーチングで学んだことを意識するようにしています。また、私は何でも自分で抱え込みがちなところがあるのですが、スノーフレーク・リーダーシップの絵を思い出しながら、一緒に働く人たちが力を発揮することができる組織をつくっていきたいと考えています。

今回のトレーニングを受けてみて、社会福祉協議会が福祉をテーマとした地域づくりの可能性を広げるために、同志はだれかを考えること、パブリック・ナラティブを創ること、また、変革の仮説をもち、戦略、戦術のアイデアを豊かにすることがとても有効だと確信しました。
社会福祉協議会にCOを広める大きな一歩として、12月の社会福祉協議会職員向けCO研修会を成功させたいと思います。

西垣優衣

ワークショップに参加した動機は?

 私は中間支援組織の一員として、協働事業のコーディネーターやワークショップでのファシリテーターの役割を担う機会が多くあるのですが、そこには地域の課題を解決したいと強く願う様々な人が参加されます。私はそのような人たちの意見を取りまとめ、事態を前進させなければならないのですが、多様な価値観、主張をまとめきることができず、十分に役割を果たせていないと感じることが多々ありました。
 そのような中、このワークショップの目標に『チームの持つ資源を活かし、彼らの目標を達成させるリーダーシップを学ぶこと』が挙げられていたことに強く惹かれ、期待を持って参加させていただきました。
また、今回、私は岡山市の事業である「リーダー・コーディネーター養成講座」の運営スタッフとワークショップの参加者の二つの立場を兼ねて関わらせていただきました。スタッフとして運営の準備や打ち合わせを進めるうち、「このワークショップで社会課題解決の為に人を動かすことのできる力を身に着けたい!」という目標が私の中で明確になっていくのを感じていました。

ワークショップに参加した感想は?

2日間のワークショップを通して、『関係構築』に関する学びが私にとって一番印象に残っています。
コミュニティを作り上げる際、お互いの「価値観」を知り、資源を交換しながらパワーを増幅し、自分1人ではできなかったことが可能になったり、思いもよらないひらめきを生み出すことができるということを論理的に理解し、納得することが出来ました。また、ほぼ全員が初めて会う方ばかりだったにも関わらず、2日目には強い団結心で結ばれていたことで、はからずも関係構築の効果を実感することになりました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

私が今まで参加してきたワークショップの多くは『多様な参加者がテーマに沿ってアイデアを出し合いながら合意形成をはかる』というものでしたが、コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップは『ワークショップの手法をワークショップで学ぶ』というような印象を受けました。単元ごとに講義形式で手法を学び、そのあとすぐに実践することで、経験を通して学習し自分のものにしていくという構成はとても新鮮で効果的に感じました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

 私が中間支援組織に属していることを強みに、このワークショップで学び実践した「目標達成のための戦略作りやチーム内での関係構築の手法」や「資源を活用してコミュニティの力を高めることが出来る」というひらめきを様々な活動団体の方々にお話し、広めていきたいと思っております。
 また、私自身も学んだだけで満足せず、実践を繰り返し、技術をさらに高めていきたいと思っています。

岡山市(ESD・市民協働推進センター)の主催によるリーダー・コーディネーター研修「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップin岡山2016」を開催しました。

2016年7月23日・24日に岡山県青年館にて岡山市(ESD・市民協働推進センター)の主催によるリーダー・コーディネーター研修「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップin岡山2016」を開催しました。

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岡山市内で活動する市民活動団体のリーダーをはじめ、大学生、大学講師、弁護士、地域おこし協力隊員など、様々な職業・所属の14名が2日間で約16時間に及ぶ研修にご参加いただきました。なお、岡山市ではコミュニティ・オーガナイジングを他者との協働の場面で生かしていただくことを想定していることもあり、岡山市(行政)との協働を志す方々のご参加が多く見られました。

研修の開始当初は聞きなれない言葉や経験したことのない進行(講義と演習の繰り返し)に参加者が戸惑う様子も見られましたが、時間の経過とともに全員の理解と集中力が増し、会場全体がほどよい緊張感に包まれていくのがわかりました。研修の最終盤にあたる「パブリックナラティブ」の演習では架空のキャンペーンに基づいているとは思えないほどの熱と説得力を持った発表がなされ、参加者全員が2日間の研修成果を実感することとなりました。

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参加者アンケートで寄せられたコメントを一部ご紹介いたします。

【感想】
「ハードスケジュールで疲れました。」
「明らかに一皮剥けた感があった。自身の閉じたアンテナが開いた感覚。」
【最も印象に残ったこと】
「最後にはコーチも参加者も一体感がうまれていた。また、皆の前で言うつもりがなかったことを話してくれた参加者の勇気が印象に残っている。」
「たくさんありますが・・・。1日目の終わりに、ストーリー・オブ・アスを共有したときです。」
【これからコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを学ぶ方への一言】
「使った時間は倍返しの経験で返ってくる実感が得られます。」
「ハードワークですが、主催者の方は参加者の力になろうと感動するくらい一生懸命サポートして下さいます。何かを動かしたい人、でもやり方がわからない人、色々考えず、受講して下さい!必ず動き始めます。」

岡山市でのコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップは今回で3回目(3年目)になります。1回目、2回目の参加者が学んだことを生かして岡山市(行政)をはじめとする様々な利害関係者を同志として巻き込み、さらに活動を発展させていることから今回の参加者も同様にそれぞれの環境、立場で活躍されることを期待しています。なお、今回のワークショップ参加者には平成28年10月4日に開催する「課題解決ワークショップ」にて「パブリック・ナラティブ」を活用したテーマ提案(問題提起)を行っていただき、テーマに関心を持つ行政職員や市民とともに解決策を検討していただく予定です。

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レポート:高平亮(コーチ)

2016年8月20、21日の二日間、同志社大学今出川キャンパス(京都府京都市)にて、「“実現したい未来をみんなでつくるために” 『コミュニティ・オーガナイジング・トレーニング』 in 京都 〜市民一人一人のリーダーシップをはぐくむ実践的メソッドを学ぶ2日間〜」を開催しました

 1月末に続き、京都では今年二度目の開催となりました。NPO・社会福祉協議会・大学生や学生の労働問題に取り組む大学院生など、様々な方面で活躍されている方々、総勢17名に参加いただきました。 

 初日、朝から京都は蒸し暑く気温は30度に迫ろうという中、8時半の開場と同時に参加者の方が続々と到着しました。それぞれがこの二日間への期待と不安を胸に、トレーニングの開始を待ちます。

 9時になり、いよいよ二日間のトレーニングがスタート。初めに参加者とコーチが円になり、チェックインを行いました。一人1分で、日頃の活動や今の気持ちなどを共有します。

「普段は人と一緒に行うワークショップのようなものは苦手だが、思い切って参加した」
「二日間のスケジュールを全てキャンセルしてこの日に備えた」
などの声が聞かれました。

 そして、いよいよ講義が開始。導入は「コミュニティオーガナイジングとは何か」について。50分と長めの講義ですが、参加者の皆さんは適宜メモを取りながら、講師の問いかけにも積極的に答えていました。

 

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 導入の講義が終わると、チーム(今回はA〜Dの4チーム)に分かれて、コーチング、昼食を挟んで、ストーリオブセルフ・関係構築・チーム構築のトレーニングを行いました。COのトレーニングで重要なことは、“自転車に乗ってみること”。“質問とパラフレーズ”のみで行うコーチングや、自分の価値観をこれまでの経験に基づいて話すストーリオブセルフなど、初めて取り組むCOのトレーニングに戸惑いながら(そして、CO独特のタイムプレッシャーと戦いながら)も、参加者はそれぞれのモジュールに懸命に取り組みました。

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特に、お互いの資源と関心を交換する関係構築のモジュールでは、
「相手の関心や価値観にたどり着くことがとても難しかった」
「すぐにお互いの価値観を交換でき、関心と資源の交換までスムーズに至った」 

など、参加者それぞれが自分の得意な分野と苦手な分野をはっきりと意識するような場面もありました。

 1日目最後のモジュールであるチーム構築では、トレーニングを進めていくうちにチームに一体感が生まれ、チャント(チームに勢いを与える掛け声など)を各チームで披露するときには、一日のトレーニングを乗り切ったことへの達成感や充足感がどのチームにも漲っていました。

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 初日の最後は、全員で振り返りを行いました。

「自分がオーガナイジングするだけでなく、される側も体験することで、気づきが多かった」
「やっている業種や経験が違っていたので、話の核心に入るまでにすごく時間がかかった。どんな質問をしたら核心にはいれるのか」 

など、お互いの学びを共有しました。

初日の夜に行われた懇親会は過去最高の参加率でした。コーチも参加者も一緒になって、今日一日の振り返りや、自分が普段行っている活動の話など、話題が尽きず大変な盛り上がりを見せました。

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 2日目はストーリーオブアスから。17人の共通体験からいかに“私たち”を感じられるアスを語ることができるのか。“自転車に乗ってみる”一日がまた始まりました。二日目は初日とは変わって、チームメンバーがお互いに打ち解けて学び合いも増えてきます。ストーリーオブアスの後は、戦略を立てるモジュール。各々が取り組む課題をCOの戦略メソッドに落とし込み、大ゴールを設定し、戦略的ゴールを決め、それに向けてのキャンペーンを考えていきます。チームメンバーからのコーチングを受け、戦略的ゴールを設定し直したりキャンペーンを修正したりしました。

「どのように人々をオーガナイズするか」
「そのキャンペーンは同志の力を高めているのか」
など、コーチの鋭い指摘もありながら、徐々に戦略を固めていきました。

戦略の全体振り返りで、講師の方が言った
「戦略的ゴールを達成できないのであれば、それはキャンペーンとは呼びません」
という言葉には、社会を本当に変革していくためには戦略がいかに重要かということが表れていたように感じました。 

 二日間の最後のモジュールは、ストーリオブセルフ・アス・ナウを結びつけるリンキング。タイムプレッシャーの中、最後の力を振り絞って参加者17名がそれぞれのパブリックナラティブを作り上げました。モジュール終了後、各チームで隣の人に二日間の感謝を伝える“ありがとうの輪”を行ってチーム演習は終了しました。

 パブリックナラティブの全体振り返りは印象的なものになりました。参加者の一人が語ったパブリックナラティブに参加者コーチを含め全員が引き込まれました。普段語ることのない、けれどその人の価値観を作り上げることになった経験が語られ、その方のストーリーが一気に流れ込んでくるようでした。

 二日間の締めくくりは、全員で円になってのチェックアウトでした。二日間の学びの共有を一人1分で行いました。

「不安もあったが参加して本当に良かった」
「この学びを生かすためにも、落とし込みをしっかりと行いたい」
などの声が聞かれました。 

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 今回のトレーニングは、1月よりも参加された方は少なかったものの、前回と変わらぬ熱気が会場を包んでいました。また、今回は京都で活躍する2名が講義を務めたことも、この京都にCOが根付き始めていることを感じさせる非常に印象的なことでした。

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 参加者それぞれは活動の場が違っても、今回の学びを生かして、各々が取り組む課題解決が加速することを願っています。

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南本広大(サブコーチ

青木 克也

ワークショップに参加した動機

私は、関西圏の学生アルバイトを中心とした労働組合「関西学生アルバイトユニオン(かんユニ)」の活動に結成以来携わっており、労働相談や団体交渉、大学や高校でのワークルール教育などを行っています。
今日では、親世代の収入の減少や高額の学費負担といった経済的な事情から、多くの学生が学費や生活費を賄うためにアルバイトをする必要に迫られており、そのような学生を使い勝手の良い労働力として職場に強く拘束する「ブラックバイト」が大きな社会問題となっています。かんユニにも多くの相談が寄せられ、日々当事者の方々と共に解決に向けた取り組みを行っていますが、自身の問題が解決した後でなお組合活動に関わり続けるという方は非常に少なく、個別事案の解決を通した組織化に成功していないという問題意識を抱いていました。
そこで、労働運動にも広く取り入れられているというコミュニティ・オーガナイジング(CO)の理念や実践方法を学ぶことによって、私たちの抱える課題に対する示唆を得たいと思い、折よく京都で開催されたワークショップに参加しました。

ワークショップに参加した感想

COのワークショップでは、パブリック・ナラティヴのお手本となるいくつかの映像を視聴します。これらが本当に感動的で、スピーチが終わったときには思わず映像の中の人々と一緒に拍手をしてしまいそうになりました。
人の心を動かすスピーチには、人の心を動かすだけの(表現可能な)理由が必ずあります。それをまずは分析的に、次いで体系的に学ぶことができたのが大きな収穫でした。たとえ崇高な志を持っていても、聞き手に「準備」をさせないまま核心を話すだけでは、伝わるものも伝わらなくなってしまいます。自分の価値観をいかに相手と共有できるか――その観点からのストーリーの組立てが決定的に重要であることがわかりました。

今まで参加してきたワークショップとの違い

学部生の頃、国家公務員の立場で社会問題に取り組みたいと考えていた時期があり、中央省庁が主催するワークショップに何度か参加したことがありました。ほとんどのワークショップは、チームごとに議論して政策立案などを行い、それを発表して職員の方からフィードバックを受けるというオーソドックスな形式でした。良質な議論ができたことも少なからずありましたが、チーム内のさらに一部の人が主導で進める形になり、なかなか主体的に議論に参加できない人が出てきてしまうことが多かったです。
COのワークショップは、2日間にわたって行われるということもあり、多種多様な形式のグループワークを体験することができました。具体的には、1対1でのコーチングの練習、1人ずつチーム全員に対して語りかけるパブリック・ナラティヴ、ファシリテーターを交替しながら行うリーダーシップチーム構築などがありましたが、そのすべてにおいて、1人1人が時間制限に注意を払いつつ自分の頭で考え、発言するという主体的な関与が必須となります。これほどエネルギーを使い、かつ力のつくワークショップは初めてでした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいか。

上述のように、まずは自分の団体の組織力アップにつなげたいと考えていますが、それは新たな仲間を増やすというだけではなく、既存のメンバーのリーダーシップを強めることをも含めています。価値観を主軸としたCOの理念や、「ティーチング」と「コーチング」の違いなどについての認識を共有し、またメンバー1人1人がよりよく主体性を発揮できる組織にしていくための運営方法の改善にも努めていきたいと思います。

万波智美

ワークショップに参加した動機は?

直接のきっかけは、オーガナイザーという仕事に関心があったからです。高校生の時、文系と理系に分けて進路を選ぶことに違和感を感じ、両者の境目をつなぐ、プロフェッショナル同士をつなぎ、多くの人々と関わり合いながら一つの物事をゴールに導くような仕事がしたいと思うようになりました。社会に出たらそのような仕事はあるだろうとは思いましたが、当時は既存の職業の中に名前を見出せずにいました。

人や地域と関われる仕事を目指し、大学は文化マネジメントを専攻。美術評論家でありプロジェクト・プランナー、プロデューサーとして幅広く活躍されている先生のもとで国内や海外のプロジェクトに関わらせていただいたなかで、オーガナイザーという仕事があることを知り、自然と意識するようになりました。日本においてはまだ実践者の少ないオーガナイザーに、今回は実際に出会えるということも参加した大きな動機の一つでした。

 ワークショップに参加した感想は?

私は、仕事では主に「まちづくり」に関連した大小さまざまなプロジェクトの運営に携わっていますが、どのプロジェクトにおいても重要になることは、実行力と推進力を持ったチームづくりだと感じています。そのためには、関わる人々の関心や能力、それぞれの事情や関係性を見極めることが重要だと思っていますが、その見極めの際に「価値観」が大きな力を持つことを、ワークショップを通して強く実感しました。

ワークショップでは、個々の人々の奥底にあり、その人を形作る根底となる価値観を引き出す術をさまざまなワークを通して学ぶことができます。その体験は想像以上で、価値観を引き出し、実際のプロジェクトにコミットさせていくことで、こんなにも大きな力を生み出せるということを体感できました。価値観を引き出すことは一長一短にできるものではなく訓練が必要ですが、その方法について触れ、自身に応用力がついたことは大きな成果だと感じます。

 今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

ワークショップ終了後に、実際に自分たちでも振り返って実践できるように練られた適切な講義(座学)とワーク(実技)を繰り返すことで、自然とスキルが身についていくことが本ワークショップの特徴だと思います。チームのルールを決め、ゴールを描き、時間制限も取り入れながら、最後までチームでやりきり完走する、ということはどのプロジェクトにおいても基本になることだと思います。私が参加したプログラムは2日間をかけて行うものでしたが、始まりから終わりまで誰一人も脱落せず最後まで全員で走り切るということも体感できました。実際に、物事を組み立てる際に、組み立てられた!自分たちで出来たんだ!という一体感や実感を参加者に抱かせることはとても大切だと思います。さまざまな課題を通して、参加者それぞれに適切な実践力を身につけさせる、とても優れたワークショップだと感じました。

 コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

コミュニティ・オーガナイジング(CO)は、さまざまな活動において応用することができる優れた技術だと思います。心(動機)と頭(戦略)と手(スキル)の意識がけやストーリー・オブ・セルフの実践、戦略の組み立て方など、個々の技術それだけでも優れた成果を生み出すことができる技術の固まりですが、それぞれを組み合わせることで更なる威力を発揮し、目的をゴールへより導くことが可能になると思います。

今回学んだ技術を糧に、プロジェクトに関わる人々のそれぞれの価値観にも目を向け、一人のリーダーが進めるプロジェクトではなく、またリーダーが疲弊してしまうのでもなく、皆で共に一つのゴールを目指して走り続けれるチームづくりを心掛けたいと思います。そして、プロジェクトをさらなる先につなげ、より高いゴールへ向かっていけるよう人々の力を組み合わせ新たな街のシーンを生み出し続けたいと思います。

小浦むつみ

ワークショップに参加した動機は?

いいアイディアを思いつき、人を集め、労力をかけて立ち上げても、いつも活動が数年で尻すぼみになります。理由もいつも同じで、「段々と人が集まらなくなる」「負担が一人に集中してつらくなる」これは個人の資質の問題だと思っていましたが、同じ悩みをかかえているリーダーがまわりにたくさんいると気づき、ワークの主催を決心しました。 

ワークショップに参加した感想は?

ある参加者さんが最後にこんな感想を言われました。「私は、見た目は昨日までと同じかもしれないけど、中身は、受講前とはまったくちがう人間だ」そのように思わせる何かが、私の中にも確かに宿りました。特別な秘密儀式を受けたわけでもなく(笑)むしろ、「言われてみればその通り」ということを繰り返し確認した2日間だったはずなのですが、受講して以降は、仕事をするにも活動のミーティングを持つにも、誰かと話すにも、いつも、今までとちがう視点を持って、目の前のものから数年後の遠い目標までをつなげて考えられるようになっています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

コーチ陣の親身な姿勢を、とても心強く感じました。

2日間みっちりやることで、体系立てて学ぶことができ、2日目の最後の充足感がものすごかったです。そして、「時間を大事に使うこと」「時間が短くてもあきらめないこと」ここへのこだわりは大変勉強になりました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか

活動だけでなく、多くの場面で役に立つとおもいます。ふつうに人と話すだけのことも以前より楽しく感じるようになっていますし、たくさんの人と深く理解しあえる楽しさや、自分を出していく勇気は、日常でも持ち続けていきたいです。そしてどのようにスノーフレークを広げていくのかの具体的な試行錯誤は、これから何度も転びながら実践していくことになると思います。

大隈塾でパブリック・ナラティブのワークショップを開催しました。

2016年7月16日(土)に霞が関ナレッジスクエアにて、大隈塾生に向けて、パブリック・ナラティブのワークショップを開催しました。大隅塾では次世代のリーダーたちが各業界から集まり、社業を通じて社会貢献をすることを目標に切磋琢磨しながら学んでいます。(大隈塾:http://stonesoup.tokyo/nlp) 

大隈塾でのワークショップは一昨年、昨年に引き続き三回目となります。

今年は1か月前に、ストーリー・オブ・セルフの講義が行われており、「セルフを実践してみてどうだったか?」という問いから始まった1日でした。ワークショップはセルフを改めて語るところから始まり、アス・ナウ、そして最後にはすべてをつなげ具体的なアクションを求めるという順に進んでいきます。

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  1. ストーリー・オブ・セルフ:私を語る

・具体的なエピソードにはパワーがあり、引き込まれる。語り手に対する興味が一気に沸いた。

・ストーリーを作る過程で、就職活動で行った自己分析を10年ぶりに改めて行ったような感じ。自分の原体験を深く探ることで、本当にやりたいことが明確になる。

・価値観は改めてこれまでのその人の歴史からしか生まれないと思った。

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  1. ストーリー・オブ・アス:私たちを語る

・大隈塾のメンバーで一緒に行った田植えの経験を具体的に聞くと「私たち」だと感じた。

・その場のアスをそれぞれ作るのは難しいが、それが重要であることが分かった。
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  1. ストーリー・オブ・ナウ:緊急性を語る

・論理的に話すことは慣れているが、トラックにひかれるくらいの緊急性を出す考え方は初めて知った。

・具体的な数や時間軸を聞くと、「やらなければ」と感じた。
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  1. パブリック・ナラティブ:セルフ・アス・ナウをつなげて具体的なアクションを求める

・共感を引き出すのは難しいけど、それが人を動かす上ではとても重要。今まで共感を得ることをさぼっていたな。

・今やっていることには必ず理由があり、人を動かす上でもその背景を語ることが大切だと感じた。

・語ることで助けを求められるということを感じた。

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たくさんの気づきと学びを持ち帰り、それぞれの組織に戻ってパブリック・ナラティブを使い、「価値観を語り・共感を得る」ことでみなさんのリーダーシップが更に発揮されること一同願っております。

 

文責:忠村佳代子(コーチ)

9月10日11日東京でコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを開催します

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コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ
1日目:2016年9月10日(土) 9:00〜19:00(予定)
2日目:2015年9月11日(日) 9:00〜19:00(予定)

▽お申し込みはこちらから▽
https://goo.gl/YEvLls
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 私達、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下、COJ)は、2014年1月の活動開始以来、市民1 人ひとりが、自らの価値観にもとづいて能力を発揮し、そのパワーを結集することで課題を困難を解決し、更にその挑戦が応援される社会を目指し、コミュニティ・オーガナイジングの実践を広める活動をしてきました。
そこで見えて来たのが、実践を支え合う仕組みの必要性でした。そして、「これから更に実践が生み出されるきっかけと、実践者が勇気をもって走りきれる土壌を作る」ことを心に決め、コーチングによる実践伴走とワークショップを有機的に組み合わせたチェンジ・ファクトリーを6月からスタートしました!

6月のコミュニティ・オーガナイジング・トレーニングを経て4組の新たなチームが立ち上がり、コーチングのサポートを受けながら活動を始めています。

そして9月10日、11日は、チームの活動を加速させるために必要なチーム構造や共有する目的、チーム戦略を作るコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを開催します!
(もちろん、個人での参加も大歓迎です!)

パブリック・ナラティブやコーチング、関係構築はもちろん、2015年9月以来、1年ぶりとなるチームバージョンのチーム構築、戦略、アクションについて学ぶことができる内容になっています。

ワークショップ後には、COJの審査を通った活動者同士の相互コーチングやCOJ コーチによるコーチングを受け、チームによるオーガナイジング・キャンペーンの立ち上げと実践を目指す実践コーチングサポートプログラムも用意してあります。

本気で変化を生み出すために活動していきたいチームや個人の方を、COJも本気でサポートします!
一緒に、社会に変化を起こしましょう!
皆さんのご参加をお待ちしております!!

ーーー以下、詳細ーーー

<コミュニティ・オーガナイジングとは>
市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになる。
そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます
ハーバード大学ケネディスクールマーシャル・ガンツ博士が開発したもので、日本では2014年1月7日NHKクローズアップ現代で特集され話題になりました。
※クローズアップ現代のサイトはコチラ
【“物語”の力が社会を変える】
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3448_all.html

<対象>
●市民1 人ひとりが、自らの価値観にもとづいて能力を発揮し、そのパワーを結集することで、本気で課題や困難を解決したい方
●これから活動を始めるために、自分の価値観を伝え、一緒に活動してくれる仲間を集める方法を学びたい方
●すでに活動しているチーム内で、チームメンバーに共通する価値観を探して関係性を高めたい方
●チームメンバーと一緒に活動する戦略を作る方法を学びたい方

<講師>
鎌田華乃子
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事
横浜生まれ。11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了。卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジング(CO、普通の市民が立ち上がり社会を変えていく活動)組織にて市民参加の様々な形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)を2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。

松澤桂子
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン 理事
慶應義塾大学総合政策学部卒業。英会話教師、民際協力NPOの海外支援担当を経て、大学で海外学生募集活動を行う。プライベートでは学生時代から、フィリピン山岳民族の自立支援に関わっている。
COJでは、東北の震災復興を行う活動グループ向けのコミュニティ・オーガナイジングを用いた支援プログラムを担当し、東北でのWSコーディネート及びWS講師、コーチの育成を行っている。

会沢裕貴(あいざわゆたか)
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン フェロー
茨城県水府村生まれ。茨城県で最北に位置する過疎の村出身で、幼い頃から衰退していく地域の中で育ち、衰退した街を再生できないかと建築の道に進み、大学院修了後は不動産会社、商業施設の開発コンサル会社に勤務。
2014年10月に地元茨城にUターンし、茨城県の地域おこし協力隊として実践型インターンシップ事業の立ち上げを行うと同時に、コミュニティ・オーガナイジングのWS講師やコーチとしてCOJに関わり、ソフトバンク株式会社に対するコミュニティ・オーガナイジングを用いた寄付事業支援などを行っている。

<日時>
1日目:2016年9月10日(土)9時~19時00分(予定)
2日目:2016年9月11日(日)9時~19時00分(予定)
※2日間通してのご参加をお願いします

<会場>
NTTコミュニケーションズ汐留ビルディングオフィスルーム
(〒105-8535 東京都港区海岸1-2-20)

浜松町駅・・・JR山手線・京浜東北線(北口)・東京モノレール(中央口改札)/下車徒歩2分
大門駅・・・都営大江戸線・浅草線(B1出口)/下車徒歩3分

<募集人数>
最大48名
※チームで参加するチーム数によって、変動します。

<参加費>
本WSは2日間で1セットとなっており、参加費は2日間の受講費用と2日分のお弁当・飲み物代を含んでいます。

社会人:4.2万円(早割は2000円引き)
学生:1.7万円(早割は2000円引き)
チーム参加:1人2.2万円×人数(最低4名以上)
※チーム参加は、事前にCOJによる審査があります。

<お申し込み方法>
下記リンクより、お申し込みください。
https://goo.gl/YEvLls

※参加費のお支払いが済んだ時点で、お申し込みの完了となります。お支払いは、クレジットカード決済と銀行振込があります。
※後日COJより、お申し込みのお礼と事前課題・アンケートについてご連絡いたします。

<入金後・決済後のキャンセル規定について>

ご入金後にお客様のご都合によりャンセルされた場合、下記の通りキャンセル料金をいただきます。

なお、返金の際の送金手数料はお客様負担とさせていただきますので、ご了承ください。

・8日前までのキャンセル・・・・・無料(ただしコンビニ・ATM払いの場合は、500円の返金手数料がかかります)

・7日前~4日前・・・・・参加費の50%

・3日前~当日、開催後・・・・・参加費の100%

※入金後のキャンセル、ワークショップの中止・変更について
お振込みいただいた参加費はワークショップに欠席された場合でもご返金はいたしかねます。
運営上やむを得ない場合、弊法人は参加者に事前通知なくワークショップを 中止、中断できるものといたします。 その場合、可能な限りすみやかに当該ワークショップの参加費を全額または一部返金いたします。 ただし弊法人の責任は、支払い済みの参加費の返金に限ります。

お申し込み後のご連絡は、当方へは下記連絡先に、当方からは申し込み時にご入力いただいたご連絡させていただきます。申し込み後ご変更等ございましたらご連絡ください。その他、不明な点がありましたら、以下まで連絡をお願いいたします。

<問合せ・連絡先>
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
〒105‐0004 東京都港区新橋4-24-10 アソルティ新橋 502
E-mail:info@communityorganizing.jp
担当:会沢(090-6564-5031)

<NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンについて>
詳しくはコミュニティ・オーガナイジング・ジャパン公式Webサイトへ。
URL:http://communityorganizing.jp/

コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ 念願叶ってついに福島で初開催!

私たち「普通の人々」が持っている資源(できることや関係性など)を持ちより、市民が立ち上がり、コミュニティの力で社会の仕組みを変えていくのがコミュニティ・オーガナイジング(CO)です。
 
様々な社会的課題に取り組む人々が、「なぜ、それに取り組むか」という自分自身の物語を深め、語りによって人の心を動かし、価値観を共有する人々とつながり、チームを作る。そのチームがどのように課題を解決していくかを戦略的に考える。その手法を、COによって学ぶことができます。
 
COでは、市民主導で地方自治体や政府、企業などさまざまな関係者を巻き込みながら、自分たちのコミュニティを根本からよくすることを目指します。様々な社会問題の解決だけでなく、企業が目標を達成するためのチーム作りにも効果的です。 
 
COについては、特定非営利活動法人Community Organizing Japanのウェブサイトをご参照ください。
http://communityorganizing.jp/
 
ぜひこのWSに参加し、東北・福島に関わるみなさん自身の地域に持ち帰り、それぞれの現場で是非いかしてください!
 
 
【ワークショップ(WS)開催要項】
 
■日時:2016年9月24日(土):9時〜19時半・25日(日):9時〜19時

※原則として両日参加が条件となります。
■会場:福島コトひらく( http://costar-npo.org/?page_id=12 )郡山駅より徒歩20分程度。
■参加費:一般30000円、学生10000円、グループ割20000円
■定員:18名
■お申し込み方法:以下のページからお申し込みください。
https://goo.gl/up0HW4
■お問い合わせ先: info@communityorganizing.jp
■主催:特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
■共催:福島大学子どものメンタルヘルス支援事業推進室
■後援(予定):郡山市、福島市、白河市、その他

 
Facebookページを随時更新し、お知らせいたします。ぜひイベントをフォローして情報更新をお待ち下さい!

https://www.facebook.com/events/1061152870634751/

 
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