「第2回社協職員のためのコミュニティーオーガナイジングワークショップ」を開催しました!

2017年8月26-27日の2日間、京都市上京区の同志社大学今出川キャンパスにて、関西の社会福祉協議会職員等の有志による実行委員会(CO×関西for社協)主催により「第2回社協職員のためのコミュニティーオーガナイジングワークショップ」を開催しました。

昨年の12月に「第1回社協職員のためのコミュニティーオーガナイジングワークショップ」を開催してから約8か月。第2回として開催した今回のワークショップには、前回同様「地域福祉の実践に活かしたい!」という思いを持った社会福祉協議会の職員27名のほか、福祉職、NPO・NGO関係者、研究者、大学生など、総勢35名が集まりました。立場や経験、年齢は違っても「地域を、社会を、より良くしたい」という思いは一緒です。

講義と演習を繰り返す2日間のワークショップは、この2日間の学びの基礎となる「コーチング」のモジュールから始まります。コーチングとは、「相手が目指すゴールを達成できるための責任を負う」こと。参加者全員が2日目のゴールまで走りきれるように、講師や各班のコーチはもちろん、参加者同士でコーチングしあいながらお互いの学びを助け合います。

そして、“戸惑い”と“気づき”の両面が最も多かったのではないかと思うのが、「ストーリーオブセルフ」。特に「当事者主体」が基礎にある福祉の仕事の中で、支援者が「私の物語」を語ることは普段は余りありません。

「私を突き動かす価値観は何なのか?」「その価値観を得た体験は何なのか?」

コーチやグループの仲間とともに自分への問いを重ね、戸惑いながらも少しずつ「私」を言葉にしていく参加者。お互いの価値観を共有し、価値観をベースにした模擬チームづくりへとつながっていきます。

チームメンバーの「関係構築」、「共有目的づくり」など、ワークショップではチームづくりに大切な要素を自分たち自身が模擬体験しながら学んでいきます。各グループではチーム名の他に、チームの一体感をつくる掛け声=「チャント」をつくります。

*チャントが決まるとチームの一体感もグッと増していきます!

そして緊張と不安の中走り抜けた1日目の最後は、それぞれがこの1日目を振り返りながらストーリーオブアス(=私たちの物語)を語るトレーニング。会場にいる私たちが共有した体験、そこから見える価値観は何なのか。私たちをつなぐ物語を語ることで、会場に不思議な一体感が生まれます。

2日目に入るとワークショップの進み方もいよいよ加速。タイムプレッシャーに追われながらも、各チームで設定した「ゴール」に向けての戦略を練るトレーニングに入っていきます。

全7チームからそれぞれ、チームで考えたオーガナイジングキャンペーンを言葉やイラストを使って発表する時間は最高に盛り上がる瞬間です!

そして、2日間を締めくくる最後は、“パブリックナラティブ”。

私の物語(セルフ)と私たちの物語(アス)と今直面している課題(ナウ)をつなぎ、一人ひとりが魂を込めてキャンペーンへの賛同を募る2日間の集大成の“語り”です。

自分の幼少期の体験を語った人、

仕事を通じて目の当たりにした困難を抱えている人の姿を語った人、

そして、会場の私たちが持っている共通の価値観を呼び覚ます問いかけ・・・。

最初は「自分の物語」を語ることに躊躇があった参加者が、自らの価値観を開示し、会場に語り掛ける姿には大きな勇気と希望を感じました。参加者が語ったナラティブは、自分の原体験と、今支援者として向き合おうとしている課題とが非常に近い方が多く、ゆるぎない信念をもってこの仕事に向き合っていることを感じさせました。そして「自分を語る」ことはその根幹に触れるものであるということ、だからこそ、その語りがきっと聞く人の心にも強く響くものになる、と感じずにはいれませんでした。

「合宿のような2日間だった!」

「これまでは住民の方に“お願い”ばかりすることに、遠慮を感じていたが、この2日間で考えが変わった。」

「価値観を共有することで同志になる、ということを学んだ」

「実践の中で少しずつ自分の力にしていきたい」

参加された皆さんは、それぞれの実践の場を持っている方ばかり。2日間のワークショップを乗り切った皆さんの言葉から、この2日間の学びや繋がりをこの場だけのものにせず、明日からの実践の中で活かしてこそ意味があるのだと感じています。実行委員会では今後、受講者とともに“ワークショップのその後”を歩むため、実践の共有の機会やワークショップの振り返りの場を設けていきたいと考えています。

*今回のワークショップに向けて、第1回WS参加者と実行委員の有志で作成したCO用語を解説するガイド。その名も「翻訳コンニャク・ガイド」!WSの学びを支えました。

また、今回のワークショップでは、昨年12月に開催した第1回ワークショップの参加者のうち、実に6名がコーチへ初チャレンジしています。また、実行委員会からも2名がモジュールの講師やモデルを初めて務めました。このワークショップの運営においてもスノーフレーク型でリーダーシップが広がっていることを実感しています。

*今回のワークショップ運営チーム「パッションHEROS」。合言葉は“よろしく勇気!”

福祉やまちづくりに携わる私たちは、今、社会の狭間で時間の流れに取り残され、あらゆる生きづらさに直面している人の姿を毎日のように目の当たりにしています。福祉やまちづくりに携わる人たちが、このコミュニティオーガナイジングの手法を実践に活かすことで、先行き不透明なこの社会の中で、確実に小さな変革を起こしていけるとわたしたち実行委員会のメンバーは信じています。

「弱さを強さに変え、市民の力で社会は変わる。」

その実感の輪を関西で広げていくために、わたしたち自身も新たな同志を増やしながら、第3回のワークショップの実現に向かっていきたいと思っています!

文責:実行委員会 さいき なお(A班「多様レンジャー」サブコーチ)

黒田 琴絵

ワークショップに参加した動機は?

 団体の代表になり、組織体制を改善したいと思いながらも、何をどうしていいのかわからずに困っていたところ、CYJの先輩に勧められて参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

講義で習った手法を演習では納得がいくように実践できなくて、COができるという感覚はまだありません。しかし、ワークショップで習ったことは練習すれば身につくスキル何だと確信でき、ワークショップで得た学びをこれから団体運営でどんどん使って行きたいです。参加前は団体運営をどうにかしたいけど何が問題で何をすればいいのかがわかりませんでしたが、ワークショップ内容は求めていたものを図星であてていくように感じました。講義中は頭の中で「あーこれが問題だったんだ!」、「やばい!悪い例に挙げられているのって私だ!」と騒いでいました。ワークショップを受講したことはこれからも活動を続ける自信となりました。また、COのガイドラインがあり、CO仲間がいることで心強く感じます。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

 ワークショップ内容にすごく共感できた上、このワークショップを受けたなら、練習さえすれば絶対に問題が改善できると確信できたことです。その上、幅広い年代の方と、異なる分野の人がいましたが、グランドルールをしっかりと決めたので、ありのままでワークに取り組めました。みんな本当に生き生きとしていて、ポジティブエネルギーが会場を埋め尽くしてました。プログラムの最後に各グループからパブリックナラティブの発表がありましたが、全てに心揺さぶられました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

ワークショップから2週間後に早速スカイプを通して、団体の一人にコーチングを行ってみました。ワークショップで習ったコーチングを行う時のルール(言い直しと質問以外はしない。答えは相手に見つけ出させる。)を守ると、何ヶ月も抱えていた問題がどんどん整理されていき、問題を解決するために行う課題がはっきりと見えて来ました。この人へのコーチングを続ける他、団体での陰が薄いメンバーも活躍できるようにコーチングをしたいです。また、これから開催するワークショップやイベントで、気候変動に関心がないユースに気候変動を私たちの問題として捉えてもらえるためにパブリックナラティブを使いってみたいです。

第9回COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ

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コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ 
1日目:2017年12月2日(土) 9:00〜19:30(予定)
2日目:2017年12月3日(日) 9:00〜19:30(予定)
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<開催趣旨>
ハーバード大学ケネディスクールで教鞭をとるマーシャル・ガンツ博士が開発した、市民一人一人のリーダーシップをはぐくむ『コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ』を東京で開催いたします。COJとして主催する9回目のWSとなります。

<コミュニティ・オーガナイジングとは?>
市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになる。そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます

<スケジュール>
1日目
・オーガナイジングとは何か?
・コーチング
・ストーリー・オブ・セルフ
・関係構築
・チーム構築
・ストーリー・オブ・アス
2日目
・戦略Ⅰ
・戦略Ⅱ
・アクション
・ストーリー・オブ・ナウ&リンキング
※すべのパートが【講義→演習→振返り】で構成されています。
※1日目の夜に懇親会を予定しています。

 

高橋奈保子

今回は特別編としてグリーンズの高橋さんに今までの「グリーンズの学校」コミュニティ・オーガナイジング クラスの1〜4期を振り返って頂きつつ、参加者としてのコメントも頂戴しました。

ワークショップに参加した動機は?

「コミュニティ・オーガナイジング」クラスが、グリーンズで始まった経緯としては、グリーンススタッフの植原が、COJ主催の講座を個人的に受けていたことがきっかけでした。「ぜひグリーンズの読者にも体感してほしい!」ということで、これまで4期/45名程の方に受講頂いています。

 ここから少し個人的な思いも入りつつですが。私の所属するNPOは「ほしい未来は、つくろう」をスローガンに、日本や世界の様々な「ソーシャル・デザイン」の事例をウェブマガジン「greenz.jp」で紹介し、実践者や読者と共に未来をつくっていくことをミッションとしています。そんな思いをもとに、6年前から教育事業「グリーンズの学校(旧green school tokyo)」(http://school.greenz.jp)をスタート。2年前から私は事務局としてジョインしました。

 「グリーンズの学校」では、「自分もプロジェクトを始めたい」「暮らしや仕事を見つめ直したい」そんな思いを持った読者や、「共にほしい未来を一緒につくっていく仲間が欲しい」と考える取材先とが一緒に学び合うコミュニティづくりを目指しています。とはいえ私自身が日々のクラス運営に目を向けているばかりで(大事なことなんですけどね笑)コミュニティをつくることや、その先にどんな世界観をつくっていきたいかが、チームメンバーやスクール事業に関わってくれる講師やコーディネーターにもうまく伝えきれていない課題感があり、私自身も受講してみることにしました。

ワークショップに参加した感想は?

 動機の部分でも少し触れましたが、私自身も「グリーンズの学校」事業を進める上で、ずっと壁にぶち当たっていました。実体の見えない「誰かのため/誰かの役に立つこと」を想定しすぎて、自分のこれまでの体験やその体験を受けてこれからつくっていきたい未来の学び・学びのコミュニティのあり方、ビジョンがまったくなかったのです。(これは今もすごい四苦八苦してます笑)

 ワークショップは鎌田さんと笠井さんに「今年一番目から鱗が落ちた!」と思わず伝えてしまうぐらい、私の中で一つ壁が剥がれ落ちた感覚がありました。

 普段も学びの場では「自分を主語に語ろう」というニュアンスのことは意識してますが、さらに深く、自分のストーリーを話すことになるとは。。!他の受講生も私も(一部)四苦八苦していたのを覚えています。でも、まず第一に自分のストーリーを伝えることで、相手が共感してくれる。一緒にできることを考えていくのはまず、伝えることがスタートなんだということを実感しました。

 そしてついつい大きな目標を最初に設定しがちですが、戦略はもう少し素朴(身の丈感)から始めていけることも発見でした。そしてなにより、みなさんからのフィードバックが的確かつ温かみがあり、安心して場にのぞむことができました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

 どんなワークショップにも型であったり、メソッドはあると思いますが、それがCOの場合はとても明確に提示されていることが魅力的だと思います。テキストがホントにすごいなあと。。参考になることばかりです。あとは「コーチング」によって、参加者同士の関係が濃密になったのも印象的でした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

 私自身は、繰り返し繰り返し、グリーンズで学びの場づくりを磨いていきたいと思っています。そして「グリーンズの学校」でのクラスに参加した方々の中で、自主的な勉強会グループも立ち上がりました。隔月ぐらいで活動が続いていきそうです。「復習してようやく理解できた」という学びの振り返りにもなったり「自分のプロジェクトのプロセスを、伝え合える・コーチングし合える仲間がいる」心強さがあります。次回5期も、説明会を経て2017年10月に開催を予定しているので、また新たな仲間に会えるのが今から楽しみです。

開催レポート
社会を変えたいけど、自分ひとりの力に限界を感じる。私が「コミュニティ・オーガナイジング」で学んだのは、仲間の共感を生み出す話し方
http://greenz.jp/2017/02/12/comunity_organizing_report/

 

これまでの開催日時

第1期

 第1回 6/28 (火) 19:15 ~ 21:45

 第2回 7/5 (火) 19:15 ~ 21:45

 第3回 7/19 (火) 19:15 ~ 21:45

 第4回 8/2 (火) 19:15 ~ 21:45

 第5回 8/9 (火) 19:15 ~ 21:45

 第6回 8/23 (火) 19:15 ~ 21:45

第2期

 第1回 1/11(水) 19:30〜22:00

 第2回 1/25(水) 19:30〜22:00

 第3回 2/8 (水) 19:30〜22:00

 第4回 2/22(水) 19:30〜22:00

 第5回 3/8 (水) 19:30〜22:00

 第6回 3/22(水) 19:30〜22:00

第3期

 第1回 4/12(水) 19:30 〜 22:00

 第2回 4/19(水) 19:30 〜 22:00

 第3回 4/26(水) 19:30 〜 22:00

 第4回 5/10(水) 19:30 〜 22:00

 第5回 5/17(水) 19:30 〜 22:00

 第6回 5/24(水) 19:30 〜 22:00

第4期

 第1回 7/5(水) 19:30 〜 22:00

 第2回 7/12(水) 19:30 〜 22:00

 第3回 7/19(水) 19:30 〜 22:00

 第4回 8/2(水) 19:30 〜 22:00

 第5回 8/23(水) 19:30 〜 22:00

 第6回 9/6(水) 19:30 〜 22:00

第5期*今週告知スタートします 

 第1回 11/ 6(月) 19:30 〜 22:00

 第2回 11/13(月) 19:30 〜 22:00

 第3回 11/20(月) 19:30 〜 22:00

 第4回 12/4(月) 19:30 〜 22:00

 第5回 12/11(月) 19:30 〜 22:00

 第6回 12/18(月) 19:30 〜 22:00

※会場変更※ パブリック・ナラティブフェス 2017

コミュニティ・オーガナイジングのストーリーテリング・メソッド「パブリック・ナラティブ」を披露するCOJ主催イベントです!!

パブリック・ナラティブは、セルフ、アス、ナウという3つの要素で構成され、今回4人の登壇者がストーリーを披露します。

▼イベント概要
<日時>
9月24日(日) 14:00~17:00(開場時間13:30)

<イベントのタイムライン>
14:00-14:10 参加者同士が繋がるワーク
14:10-14:20 趣旨説明
14:20-15:30 パブリック・ナラティブの披露
15:30-16:50 参加者の方々もストーリーをつくるワークショップ
16:50-17:00 まとめ

▼ストーリーを披露する登壇者
・川村 美子(自然電力株式会社)
語るストーリー【自然エネルギー100%の世界を目指して挑戦を続ける】

・天野 タエ(希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会)
語るストーリー【#保育園に入りたい!キャンペーン】

・福士 浩(ZeroHUB)
語るストーリー【病を自分でコントロールできなくなった大切な人が、ハブ(HUB)にされない(Zero)世の中をつくる】

・笠井 貴代(ちゃぶ台返し女子アクション)

▼参加方法
事前申込 2,500円
当日参加 3,000円

下記より事前申込ができますので、ご利用頂ければと思います。
https://www.0553.jp/eventpay/event_info/?shop_code=0000001187493973&EventCode=P946039001

▼会場

▼集合場所
1階の受付にお越しください。

▼こんな方にオススメです!!
・ストーリーを話せるスキルを学びたい方
・これまでのストーリーテリングの手法とは別の新しいメソッドを知りたい
・COに関心がある方
・CO実践に向けて良いストーリーをつくりたい
・実際に人前で、ストーリーを話す人を見たい
 ※CO(コミュニティ・オーガナイジング)のワークショップを受講している方に限らず、興味がある方はどなたでも大歓迎です!!

▼パブリック・ナラティブを構成する3つの要素について

<ストーリー・オブ・セルフ(自分のストーリー)とは>
どんな価値観があなたを行動へと突き動かしているのかを伝えるため、
どのような困難を経験し、どんな感情を抱き、いつ勇気を得てどんな選択をして、結果どのようなことを行動しようとしているのかを語ります。

<ストーリー・オブ・アス(私たちのストーリー)とは>
聞き手の人たちも当事者と感じる共通の経験を語り、私たちにもできる!!と感じられる連帯感を起こさせます。

<ストーリー・オブ・ナウ(アクションのストーリー)とは>
緊急性と、私たちのとるべき戦略(選択)、そして具体的に行動してほしいアクションを語り、みんなで行動を起こすことで、どのような変化や希望を生むことになるのかを示します。

▼登壇者:川村 美子の想い(自然電力株式会社)
「地球レベルでつながっているわたしたちの暮らし」に一人ひとりが想像力を発揮して行動すれば、世界は変えられると信じています。わたしは、「電気のこと」を起点に、コミュニケーションの力でいろいろな人や思い・アイデアをつなげて、大きな力にしていきたい。

▼登壇社:天野 タエの想い(希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会)
自分で努力しても解決できない理不尽な課題。それが「待機児童問題」です。20年解決しないこの問題は、いつか素晴らしい誰かが解決してくれると期待していても、そんな人は現れないことに気が付きました。自分のこども達に問題を継承させたくないのなら自分で解決するしかないのです。

▼登壇者:福士 浩の想い(ZeroHUB)
人の気持ちを考えて、向き合っていくことで、人って変われる。人それぞれに大切にして いる夢や気持ちがある。それぞれの夢の実現を最後まで胆力を持って支えてあげたい。精神障がい者を、家族だけではなく、地域全体で支え合うそんな社会を作りたい。

▼主催
COJ(コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン)

<キャンセル規定>
ご入金後にお客様のご都合によりャンセルされた場合、下記の通りキャンセル料金をいただきます。なお返金の際の送金手数料はお客様負担とさせていただきますので、ご了承ください。
・5日前から・・・・・参加費の100%

 

宮下 知里

 

参加の動機

コミュニティ・オーガナイジングという言葉は、大学時代にソーシャルワークを学ぶなかでぼんやりとは聞いたことがありましたが、実際どういった技法なのかは全く知りませんでした。COとは具体的にどういうものなのか?自分の知識として得ることができればと思い、今回の参加に至りました。
 

参加した感想

どんなものなのかもイメージできなかったCOですが、活動にとても興味を持ちました。パブリック・ナラティブの文章を組み立てることは相当な根気と試行錯誤が必要ですが、ストーリー・オブ・セルフやアスを話すことは日常的にできそうなので、まずは少しずつ失敗しながら慣れていきたいと思います。
 

今までのワークショップとの違い

私がこれまでに参加したワークショップは、事例に対してのグループワークが多く、自分たちの住んでいる地域や組織として直面している課題を解決に導くような取り組みがあまりなかったように思うのですが、今回参加したワークショップはまずその課題から自分たちで掘り起こして設定していくという流れだったので、他のワークショップは大概その時点でプログラムが終了してしまうことが多いなか、こちらは内容の具体性や研修以降も引き続き取り組んでいけるようなWSだったと感じました。また、課題を設定する際にも、メンバー個人の興味や価値観を発表していくことでメンバーそれぞれが「日常的に課題だと感じていても自分一人ではアプローチしていけないような問題点や課題」を表面化できたことが、メンバー間の結束を強め、さらに各人がそれぞれに介入していけるようなWSの取り組みになったのかなと思います。
 

COを今後の活動にどう活かしたいか

 自分の職域にこだわらず、なにかソーシャルアクションを起こす、又は起こしたいと考えている人に対して協力していける立場でありたいと思うので、生活や業務の一端にでもCOを活かすことができれば良いと思っています。今回のWSに関しては、グループメンバーは職場が近距離にある者同士だったこともありよりピンポイントな地域の課題を設定でき、資源を活用したかなり具体的な取り組みを提案できたのかなと感じるので、この研修から発展させてさらに周囲を巻き込んで実践できたら面白いなと感じました。

2017年1月25日〜27日の3日間、内閣府主催「平成28年度 子ども・若者育成支援のための地域連携推進事業『青年リーダー研修会』」が開催されました!

2017年1月25日〜27日の3日間、東京都渋谷区国立オリンピック記念青少年総合センターにて、内閣府主催「平成28年度 子ども・若者育成支援のための地域連携推進事業『青年リーダー研修会』」が開催されました!

研修会は3年目となり、地域で活動を行う20代〜40代までの37人が参加し、合宿形式でパブリックナラティブを学びました。各都道府県から推薦を受けた参加者は、ガールスカウトやボーイスカウトの指導者を始め、地域活性団体のNPOスタッフや大学生など、所属団体や活動内容は多岐に渡ります。今、団体や地域で抱えている課題を乗り越えるために他地域の若者は何をしているのか、考えているのかなど、より地域を充実させたいという思いで参加していました。

 最初は、何を伝えたらいいのか、何が正解なのかわからないことからの不安が多く、緊張感が漂いました。「みんな初めてのことです。まずはやってみましょう。」と伝えると、「そうだ、みんな一緒なのだ」と感じ、グループの中で言葉が多く出てきました。1年間に200人近い人と会い、話を聞いて自分の中に物差しがあることに気づいた、小さい頃からやっていた活動で、輝く青年に憧れていたことが原点だと気付いた、学校で不登校気味だった時期に背中を押してくれるのは家族だった、と次から次へと言葉を出しては整理されていきました。

 ・今まで仕事にやる気が出なかったけれど、自分の原体験が地域で育ったことのしがらみや安心感だと感じ、エネルギーが湧いてきました。
 ・相手が感じ取っていることと自分が伝えたいことが一致して居ないことに気づき、共感を得る言葉などが見つかり、短くわかりやすく話すことを学べました。
などと参加者からの感想がありました。

 ワークショップの数日後、国立オリンピック記念青少年総合センターで、参加者の方と偶然会いました。二人して、駆け寄り、早口で「偶然ですね〜!」と声を高めました。これは、点と点が繋がった瞬間なのではないでしょうか。こういった点と点が線となり、他地域で頑張っている若者がお互いに刺激し合えることを期待しています。

レポート:川崎茜(コーチ)

山本 潤

ワークショップに参加した動機は?

2016年秋からはじまった性暴力の実態に即した刑法性犯罪改正を目指すビリーブキャンペーンに参加したからです。4団体が集まって9か月後の刑法改正を目指すハードでタイトなスケジュールでした。しかし、COJ代表の鎌田華乃子さんがちゃぶ台返し女子アクションとして参加され、コミュニティ・オーガナイジングの手法を用いてファシリテートしてくれたおかげで、難しいと言われていた刑法性犯罪改正を実現することができました。さらに刑法では初めてで、奇跡とも言われる3年後の見直し規定がつくという素晴らしい成果を上げることができました。そのような変化をもたらすことができるコミュニティ・オーガナイジングをぜひ学びたいと思い参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

ビリーブキャンペーンと同じくらいハードでタイトな2日間のスケジュールでしたが、系統立てて進められるので、着実に理解が得られるような仕組みになっていたと思います。各グループに二人コーチがつくのですが、コーチにはかなりのスキル、資質も求められると思いました。ただ、コーチも一緒にチームに参加し、グループを作り、課題や困難を乗り越え共に成長していくのだという経験を得られました。初めから完成しているグループなどどこにもない。完璧な人に導かれるのではなく、共に学びながら前に進んでいくことこそ、コミュニティ・オーガナイジングの核となる思想なのではないかなと感じました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

何分でチームを作り、何分でゴールを定め、何分で戦略を立てる。など、やることに比して時間が少なく、驚きました。しかし、ゆっくり考えてもやることが先延ばしになるだけのことが多いので、スピード感をもって、たとえ6~8割の内容だとしても進めていくことが、「これができた」という成果や達成感につながることを実感できました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

これまでも講演などで、セルフストーリーを語ることは多かったのですが、パブリック・ナラティブを学ぶ中で、人々の関心を惹きつけ、自分事にしていくことが大切だと学びました。私は6月16日に国会の参議院法務委員会の参考人として呼ばれ、その時にパブリックナラティブを語ることができました。聞いてくれた人たちから、パブリックナラティブで話した部分で引き込まれたとの感想を聞き、大きな効果を実感しています。今後も性被害当事者が生きやすい未来を目指して立ち上げた団体一般社団法人Springや、性暴力の真実を伝えられる報道を目指す性暴力と報道対話の会で、コミュニティ・オーガナイジングを用いて成果が得られるキャンペーンをしていきたいと思います。

天野 妙

ワークショップに参加した動機は?

私が取り組んでいるのは「待機児童問題」。今年の1月から「#保育園に入りたい!」とSNSでアピールするというキャンペーンを始めました。ツイッターや、インスタグラム、フェイスブックなどで広まり、東京だけの問題とされていた、待機児童問題が地方にも存在することが顕在化され、大きなニュースになりました。しかし、問題提起はされたものの、解決には至りません。そもそもこの問題が解決しない最大の原因は当事者が毎年入れ替わること。自分の子供が保育園に入れてしまうと「のど元過ぎれば熱さ忘れる」となり、課題解決には至らないのです。それ故40年待機児童問題は解決していないと言われています。当事者だけでなく、元当事者や、当事者以外の人がこの問題を課題と感じ、行動してもらうためには、どうしたらよいのか?常に課題を持っていました。そこで、COJに参加したことのある友人から、このワークショップへの参加を勧められました。私自身も市民活動の成功事例を含め、体系的に学ぶ必要性を感じ、受講することにしました。

ワークショップに参加した感想は?

「疲れた~!」と心の底から声が聞こえました。(笑)みんなが、「思考力が低下した!」と言って、無理やり血糖値を上げようと、チョコに群がっていました。理系の私にとって論理的に「なぜこのスピーチが心に響くのか?」という点を学ぶことにより、過去のスピーチで反響の良い場合とそうでない場合の違いが良く分かりました。またリーチした人たちに行動してもらうには、イメージだけでなく、具体的な出口を見せてあげなければいけないことも、新たな気付きとなりました。

また、戦略についての講義では、学ぶにつれ自分たちに足らないところが見えてきました。特に価値観の共有という点で私たちが同じと思い込んでいる価値観を言語化し共有する作業は自分の枠組みを広げ、小さな違いを認め合い、多様性による効果を享受できると改めて知りました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

標準的なワークショップは座学→簡単なワークショップ→発表という流れで、参加者が主体的にかかわらない場合、学びの深さに個人差があると思います。しかしこのワークショップは一人ずつの発表や、ロールプレイングを行い、チーム同士で競争させる仕組みが組み込まれているので、個人の主体性が無理やり(笑)発揮させられ、参加者全員が学べると感じました。また時間がかなりタイトなので、理解して始めるというよりトライ&エラーで答えを出していくという「習うより慣れろ」方式です。

(考えるより前に)とりあえずやってみよう!ということを、「自転車に乗ってみよう!」と言って乗ったことのない、見たこともないような自転車に無理やり乗せられる感じです(笑)。それが、私にはあっていたように感じました。このワークショップを受けるとよい対象者は、変革を起こす目的で集まったコアメンバーです。コア6人全員で参加すると、より効果が高いと思いました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今回学んだ“Story of self”は早速インタビューや取材の場で使っていますし、ビジネスの場でも“Story of us”は活かされています。待機児童問題の活動において”パブリックナラティブ”をコアメンバー全員にマスターしてもらいスノーフレーク構造をつくりたいと考えています。また、コアメンバーでワークショップを開き1年半を期間と設定した解決すべき課題の戦略的ゴールを設定し、活動を加速化させていきたいと考えています。

横山 優里

ワークショップに参加した動機は?

カンボジアのシェムリアップで「ものづくりを通したひとづくり」をコンセプトに活動しています。貧困層家庭出身の女性たち60名ほどを雇用し、2016年3月に立上げたSUSU(http://shop.susucambodia.com/)というファッションブランドの生産・販売をしています。私は、SUSUの立ち上げから担当し、現在は日本でSUSUの販売を広めることをミッションに活動しています。SUSUはただものづくりをしているのではなく、作り手の女性たちの成長をサポートし、また買い手の方へも商品を通して前向きなエネルギーを送りたいと考えています。SUSUを今後日本で展開していくにあたり、より多くの人の共感を得るためにどのようにコンセプトを深化し発信していくと良いのか、アイディアを探るためにワークショップに参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

良い意味でボロボロになった二日間でした。自分のストーリーを語ることがこんなにも大変で、またリーダーシップを取るうえでの基本となるコーチングが想像以上に難しく、自分自身の課題が浮き彫りになった時間でした。ですが、このワークショップの良いところは、盛大に失敗する私自身を受け止めてくれる安心・安全の場の雰囲気があるという点です。また、知り合ったばかりのチームメンバーに対して、自分自身を開示していくことはなかなか勇気のいることですが、逆に今までの背景を知らない人たちに対して自分のことを話してフィードバックをもらうことで、新たな気づきも得ることができたように思えます。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

コーチとチームメンバーが時間の制約という厳しい条件の中で全力で課題に向き合うという点でしょうか。一見、何が他のワークショップと違うの?と思われるかもしれませんが、コーチとチームメンバー間の関係性、チームメンバー同士の関係性が、不思議なくらい強く温かく結ばれていると感じる瞬間がワーク中に多々ありました。それはきっと、COJの大切な要素である同志間の「価値観の共有」ができているからではと感じます。集まったメンバー一人ひとりが自分の活動に課題を持ち、どうにか状況を変えたい!と考えていて、チームを率いるコーチは、COを通してその解決を応援したいと考えている。チームの中で小さなコミュニティがオーガナイズされていたなぁと振り返ると思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

正直、今後どのように活かしていくか綺麗な絵は描けていません。ですが、綺麗な絵を描く前にとにかく「自転車に乗ってみる」ことが大事なのかなと考えています。セルフ・アス・ナウの要素を盛り込んだPublic narrative、同志は誰なのか、大ゴールは何かー。2日間の講義とワークショップでの実践で得た経験と学びをもとに、自分の活動では何ができるのかとにかく実践してみたいと思います。

今回出会った素敵なコーチとチームメンバーとは定期的に会う機会を設け、実践していく中で起きた変化や新たな課題を共有しあえたらいいなぁと、そんなことを思っています。

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