森田里佳

ワークショップに参加した動機は?

 平成28年度から自分自身の意識改革を考えはじめ、今回社内での回覧を手にしたときに「1.人々を行動に動かすための語り方、2.信頼関係の構築方法、3.チームの構成の方法、4.戦略・アクション作りの手法」の言葉に引かれ大変興味を持ちました。行事等の関係で2日間行けるかどうかのギリギリまで思案しての参加となりました。

ワークショップに参加した感想は?

 価値観、価値観、価値観、自分の中にある価値観は何なのかに悩み続けた2日間でした。考えていた以上に奥深く難しくて、最後まで理解できたかというと、そうではありませんが、2日間終えた後の何とも言えない感覚が頭と身体に広がっており、自分自身の中で何かが変わろうとするのを感じました。それは今でも続いています。これを掴むには、この時学んだことを行動に起こして経験していくことだと思っています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは?

 新しい感覚で、これまでにないものでした。考えること、切り替え、実践、時間との戦い、そして生まれてくる仲間との一体感、そこには年齢や男女の性別とか肩書などのない自由なものであり、何よりもグループをサポートしていただいたコーチのアドバイスで一歩踏み出せたり、自分自身の考え方の偏りに気づくことが出来たりと新しい自分との出会いもありました。安心した環境の中で学ぶことが出来たのもグループのコーチお二人が2日間同じ方であったことだと思います。時間の大切さを実感し、タイムスケジュールどおりに進められているだけなのに頭と身体を集中させ課題に取り組んでいくのは、とても過酷でした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

 今後の活動について、どう活かしていけばいいのか随分考え込みました。今の自分が出来ること、土台は常に強いストーリー・オブ・セルフでありまた、アス、ナウ、につなげる。今まで地域福祉は社協が推進していくと考えられてきましたが、現在においては様々なところで地域福祉の言葉を使われるようになりました。この状況の中で、社協が地域での課題や問題について、セルフ・アス・ナウで共通の関心と価値観を考え、行動していくように取り組むことが必要であると感じています。その中でも、時間をしっかり管理しながら進めていくことや、ゴールを意識していくことも考え、経験したことを日々実感できる環境を作り、職場に浸透させていきたいと思います。

第4回コミュニティー・オーガナイジング・ワークショップ in 久留米

 2017年12月17日と18日に聖マリア学院大学(福岡県久留米市)にて第4回目となる久留米でワークショップを行いました。

今回は平成29年度厚生労働省の「保健福祉分野における民間活力を利用した社会的事業の開発・普及のための環境整備事業」の一環でコミュニティー・オーガナイジングワークショップin久留米(第4回)を開催いたしました。

 「地域づくり」を実践していくスキルを学びたいという思いから集まった社会福祉関係者、行政関係者、大学職員、NPOなど総勢27名が参加いたしました。コーチ陣は岩手県、京都、COK(コミュニティー・オーガナイジング・久留米)で行いました。

今回のワークショップでは2日間で「コーチング」「パブリックナラティブ」「関係構築」「チーム構築」「戦略」「アクション」を学んでいきました。参加された皆さん、「?????」の連続でしたが自転車に乗りまくりました。

 「コーチング」ではコーチは質問と言い換えを繰り返しながら相手の課題を探る事に苦戦していました。

「自分の話をうなずきながら聞いてもらえると安心して話すことが出来た」や「自分と似た課題を持った人をコーチングしながら自分の課題も整理する事が出来た」といった声がありました。

 「ストーリーオブ・セルフ」では、「たった2分間で価値観なんて話せない」と言いつつ、皆さん挑戦していきました。

2日間の中で初めての班ワークでしたが1人1人のセルフを聞いて距離が一気に縮みました。自分の事を伝えるのには勇気がいるけど、「想い」を伝えることって大切だと感じました。

 「関係構築」「チーム構築」で各班の色が現れてきました!!!

関係構築で出た「価値観」「関心」「資源」を班で共有しました。

価値観と関心の違いが難しいと迷いながらも共有目的・チーム名・チャントを作りました。

 

 「ストーリオブ・アス」では1日目を振り返りながら会場で共有した体験や印象的だった場面から見える価値観を考え、2日目に対して希望を描きました。

参加者の皆さんをつなぐ物語を語ることで、会場に不思議な一体感が生まれました。

 2日目はチーム構築で出来た共有目的から「戦略」を練っていきました。

「遊びたくても遊べない子供」や「地域との繋がりがうすい高齢者」などの同志・関係者が持っている資源を活かして戦略的ゴールを作っていきました。

他の班にコーチングしてもらうことで抽象的だった部分が具体的になっていき深い戦略が出来ていきました。

 「アクション」では自分達で考えたキックオフイベントに誘う練習をロールプレイングでゲーム感覚で楽しく学んでいきました。

「ストーリオブ・セルフをしっかり話してから背景を言うと約束を取り付ける事が分かった」「背景をしっかり把握しておかないと人を誘うことが出来ない」などの声がありました。

最後は円になって2日間の振り返りを行いました。

「ここに来るまで「?」だらけだった。」

「受講したらすぐ持って帰って実践できると思ったが、自分で勉強しなきゃと思っている。」

「具合も悪かったけど、頭の熱が心の熱に変わった。語らなければ変わらないこと知った。」などの感想を頂きました。

2日という時間を捻出して参加された今回のワークショップ。

たくさん、自転車に乗って転び回った2日間。

参加者の皆さん、学んだから終わりとはなっていませんでした。

学んだCOを自分たちの地域・職場でどう活かしていくのかとまた新しい自転車に乗ろうとしている様に感じました。皆さん、2日間お疲れ様でした。

文責:奈良田 知大(サブコーチ)

https://m.facebook.com/cokurume/

 

安達真依

ワークショップに参加した動機は?

 2017年9月に開催した久留米WSの時に誘われていたのですが、日程調整が出来ずに見送っていました。その時に参加した人たちが「すごくよかった!!」と言っていたのを聞いて、今回参加することを決意しました。

ワークショップに参加した感想は?

 こんなにもたくさんの人と話したことはなかったんじゃないだろうかと感じた2日間でした。講義の合間に隣の人と話す時間があり、最初はやはり同じ人とばかり座っていましたが、席を変えてくださいと言われ毎回どんな人が隣に来るんだろうとわくわくしました。

 そうして色んな人と話すのも面白かったし、逆にチームのメンバーは2日間ずっと一緒にいたので絆が深まりました。関係構築の楽しさを知りました。

 内容もとても面白く、全てを使いこなすのはなかなか難しいかもしれないと感じましたが、セルフや関係構築など部分的に活用していくことは出来そうだなと思えたので、使っていきたいです。

 

今まで参加してきたワークショップとの違いは?

 座学と実践がちょうど良いバランスでした。講義の内容が面白かったし、それについて隣の人やチームのメンバーと語る機会があったので改めて学びが深まりました。インプットだけでなくアウトプットの時間があったのはとても良かったと思います。また、ワークショップがどれも実践に繋げやすい内容で、今後に活かしやすいと思いました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

 まずは自分のセルフを語れるようになりたいと思いました。セルフを使って関係構築をこなしていきたいと思います。戦略は難しかったので、少しずつ試していけたらと思っています。また、コーチの方にしていただいたようなコーチングが少しでもできるようになれたらと思います。

田中麻乃

ワークショップに参加した動機は?

 議員活動をしていると、住民が地域のことを他人ごとのように発言することを耳にします。住民一人一人が地域のことを考えて「自分の住んでいる地域は自分できめる」自分事として行動していけたら、もっといい地域になるはずだと日々思っています。

 どうやったら住民を巻き込んで、もっと地域や政治に興味をもってもらい行動をおこしてもらえるのか、ずっと考えている中で、もっと人を巻き込んでいく力を高めたいと思い参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

 自分が理想とする行動の起こし方と全く同じで、座学もワークショップも真剣に取り組むことができました。自分に共感してくれる仲間を一人でも多く作り、一人ひとりが主体性をもって活動するからこそ大きな行動が生れる、まさに自分がやりたいことだと改めて感じました。

 ワークショップでは、今までいかに自分が深く人の話を聞けていなかったのか、人の言葉を引き出せてなかったのか痛感したこともあり、このワークショップで学んだことを日々実践していきたいと思います。 

今まで参加してきたワークショップとの違いは?

 少人数でのワークショップではサポートしてくれるコーチがついてくれて、相手の深層まで届くような話の聞きだし方や、論点の確認までしっかりやってくれたことで安心して取り組むことができました。

 参加者の方々も前向きで真剣に取り組んでおられて、全く背景が違う者同士がこの二日間で結束力がうまれ、本当のチームになれたと感じました。自分だけのスキルアップではなく、チームとしての力も高めていけるワークショップだったと思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

 議員任期の4年間で、まずは自分の身近な子育て世代や、政治に興味が薄い若者世代を中心に、地域のことを自分事として考えて行動する人を一人でも多く増やしていきたいと考えています。

 地域の困りごとや要望を議員に頼んで終わりではなく、住民一人一人がその問題に対してどう考えて仲間を作り行動していくのか、コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップで学んだことを活かしそのサポートができる議員を目指して日々活動していこうと思います。

2017年12月2-3日、東京にて第9回COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを開催しました!

2017年12月2-3日、汐留ビルディングにて「コミュニティ・オーガナイジングワークショップ」を開催いたしました。老若男女問わず、育児・働き方・文化保全・再チャレンジ・性等多様な関心・ライフステージで活動されている総勢33名が参加され、コーチ陣を含める青森から九州まで、日本全国から人が集う場となりました。

今回の参加者は、女性のエンパワメントをされている学生・新社会人をはじめ、現職の議員や労働組合など社会活動に参加されている方がたでした。コミュニティオーガナイジングにおける「同志」の観点では、日々育児に向き合っていらっしゃるお父さま・お母さまや、発達障害の方々のコミュニティ作りをされている方もいらっしゃいました。

初めて出会う方々同士ということもあってか、日程前半では場の空気を読んでいるおずおずとした空気を感じましたが、講義やワークの都度行われるペアトークの際に「まだ話していない方と是非話したい」と、自然に席を移動して繋がりを増やしていこうとされる様になり、「踏み出す勇気」「互いに学びを深め合いたい意欲」を感じることが出来ました。講師の問いかけになかなか最初の手が挙がらなかった方々が、2日間の終盤には、前に出て話す方に「がんばれ!」「大丈夫!」と自然に声をかけるようになっていったのが印象的でした。

機材トラブルに見舞われコーチサイドからも不安な表情が見えた初日。「いったいどんな場になるのだろう?」と不安と期待の入り混じる表情で講義を聴きはじめ、最初のコーチング実践では「どうしても活動ばかりを訊いてしまって…」と普段と違う会話のものさしに戸惑ったり、「こんなにじっくり聴いてもらえることがないので嬉しかった」と希望を得たり。この後も2日間、講義と実践、共有を繰り返していきました。

「ストーリーオブセルフ」を通じて自身と他者の価値観に触れ、「関係構築」のワークで共通点を見出していく。「目の前の育児に関心がある私と、22世紀に遺したいものに関心のあるお相手の共通点ってなんだ?」「成長、という言葉が嫌いなのですが…」と、不安そうな表情を見せていらっしゃった参加者が、「世代を繋いでいく“ひと”を大切に想う気持ちは一緒なのではなかろうか!」とか「『どういう意味合いで“成長”という言葉を使っていらっしゃるんですか』と尋ねてみたら、大事にしたいと想っているものが一緒でした!」と、手応えを得て顔を綻ばせる様になりました。

 

『cant take my eyes off you(君の瞳に恋してる)』の高揚感溢れるBGMの中始まった2日目。参加者の挙手も発言もスムーズになり、「戦略構築」では活発な議論があちこちで交わされていました。ポストイットと模造紙を活かして次々にプランを出していくチーム、冒頭から全員が立ち上がって触発を大事にするチームなど特色豊かな学びの姿勢が見られました。

「チームー!ワン、ツー、スリー! へーんしんっっ!!」(コーチ一同)

はじめは居た堪れない空気に包まれたチームチャント。6チームそれぞれが「キャンペーン」づくりに頭をフル回転させた後のわずかな残り時間で、チーム名と共にひねり出したチームチャント。「あれ、やってみたら楽しいじゃん」と気付いてしまったチームチャント。いかがでしたでしょうか?考えぬいたプロジェクト、実現をイメージしたイラストと併せて、声を合わせたチャントの発表で会場の一体感が高まりましたね。僕は大好きです。

「エナジャイザー」、「アクション」もそうですが、身体を動かして得られる心のほぐれる感覚とか一体感って、真剣に考える場だからこそ大切なんじゃないかなぁと思います。

そして最後のパブリックナラティブ。切々と語られた「皆さんそれぞれにあるはずの大切にしたい、瞬間」。自身にとっての大切にしたい人、こと、時間を思い返されたのではないでしょうか。登壇者それぞれの、勇気を振り絞って立つ姿、声を震わせながらも真っすぐに言葉にし続ける姿を目の当たりにして、ストーリーの力を強く、感ぜられました。参加者に伸びを促して気付いていなかった「顔のほころぶ瞬間」のアス感を醸成された着眼点には唸らされました。

延べ20時間を超える長丁場の2日間。常に時間に追われ、「自転車に乗ろう!」と背を押し出される2日間。一緒に過ごした仲間たちとの振り返りです。

「“聴く“ことばかりに躍起になっていたけれど、自分も勇気を出して価値観を伝えることが大事だとわかった」

「自身と全然違う活動をしている方々とも、想いを同じくすることができると勇気をもらえた」

「ことばを大切にしたい。そこに込められた相手の想いをちゃんと知ることも含めて」

「いつも接している人のセルフを聴いて、知らなかった一面やルーツを知ることができた。もっと話したい」

「2日間を通じて勇気をもらえた。どんどん声を出したいと思うようになっていく自分に気付いた」

実感のこもったたくさんの、学びの感想をいただきました。

「自分の会社でキックオフ、やってみようかな」と実践への意欲を話す方もいらして、前へ進む力強さを感じました。こうやってコミュニティオーガナイジングが盛り上がっていくことを期待し、応援して参ります。一緒に頑張っていきましょう。

文責:岡田 学 (コーチ)

塚本健治

ワークショップに参加した動機は?

 ワークショップのコーチでもあるボランティアグループの代表者より、ご紹介いただいたことが一番最初のきっかけです。その後、コミュニティ・オーガナイジングについて、ワークショップの内容をネット検索により、他市の参加者の声を確認していく中で、業務に活かせるのではないか?と思い参加することにしました。
 特に、ボランティアセンターの業務の一つとして、ボランティア団体の相談として、ボランティアグループのメンバーの増加や若返りについて、多くの相談が寄せられてきます。このボランティアグループのメンバーを増やすという課題の解決策を学ぶことで、ボランティアグループの活動の活性化及び市民がボランティア活動に参加するきっかけが増加するのではないだろうか?と考え、その手法や理論、技術を手に入れることを目的に参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

 まずは素直に「大変」でした。それは、スケジュール表に記載されている分刻みのスケジュールであり、朝から夜までの講義とワークショップの連続。
 各単元における振り返りを、自分なりに消化する時間が無い中で、次々と学ぶ内容を整理していくことが必要な状態でした。学生時代の受験勉強中か?と思うぐらいのスケジュールで、予習復習が必要な感じでした。そして、「良い体験」ができました。
 講義の内容を十分に消化できていない状況で、ワークショップと班内で発表の順番がすぐに回ってくる。その結果、自分の発表内容を整理できないまま、その場で考え、思っていることを発表にする。その時、普段から考えていることや思っていることなどを自分なりに整理して話していくのですが…班内から、「それは何で?」と質問され、なんとなく思っていた事を自分なりに整理しなおす。
 人に質問されることで、自分の考えの深い部分にある思いを再整理し、「価値観」を整理することができました。 

今まで参加してきたワークショップとの違いは?

 班ごとに2名のコーチがついての進行と短い時間の中での集中力です。これまでのワークショップでは、それぞれの班からリーダー選出などを行うため、進行に慣れた班とそうでない班では大きく差ができるワークショップが多いと思います。
 しかし、ワークショップの目的は、ワークショップを運営するスキルを磨くための研修ではなく、単元ごとの体験とメンバーに対する質問などが、コーチの誘導によってスムーズに進行していました。そして、メンバー間では質問が出ない場合には、コーチからの質問が入ることで、自分自身の発表内容を再度見直すことができました。
 また、自分自身が短い時間の中で発表することで、集中力を高め、「今」できることを最大限表現していく訓練ができたと思います。高めた集中力での発表と、その発表についてのコーチングにより、(研修時間は長いですが)短い時間(単元)でより濃い内容を学び体験できました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

 スノーフレーク・リーダーシップのあり方が、現在、市内のボランティアグループが抱える課題「ボランティアメンバーの増加」や「次世代の参加を求める」に対する解決方法の一つと考えています。ボランティアメンバー募集する際にも、相手の興味や関心を理解し、自分の興味や関心を伝えていくことで、お互いの関係をつくっていく事が必要だと感じています。
 今後は、このコミュニティ・オーガナイジングをボランティアグループや当事者団体等に広げていくことを計画していきたい。特にボランティアグループや当事者団体等に対する学習機会を設けることや新たな出会いの場を作り関係構築を行う仕掛けを行っていきたいと思います。
 それぞれのグループや団体の活動支援の考え方や支援の方法として、コミュニティ・オーガナイジングの手法を活用していきたいと思います。

前田 卓矢

ワークショップに参加した動機は?

今回参加させていただいたきっかけは、当日コーチとして参加されていたスタッフの方からのお声掛けでした。今年の春から地域福祉の現場で働かせていただいているのですが、これから地域のなかでの様々な活動をサポートさせていただく、あるいは活動を展開していく過程を支える立場となっていくにあたり、「実際に自分には何ができるのだろうか」という不安や自信のなさを感じていました。自分の中に“思い”だけがあったとしても、具体的な手段や手法をイメージすることができないことが、不安や自信のなさの原因なのではないかと感じていました。そういったなかで、今回のWSを通して、机上での理論だけではなく、具体的な手法を身に着けることができれば、自分の“思い”を少しでも形にしていく助けになるのではないかという期待から、参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

2日間のスケジュールは想像以上にハードでしたが、とても刺激的な内容でした。早速に初対面の方々とチームを組み、心の準備をする間もなく次々と具体的な演習に入っていくというなかで、始めは動揺と緊張を隠せずにいました。逃げられない、という状況のなかで、自分の価値観やストーリー・オブ・セルフの共有など、様々な困難な課題がやってきてはこなすしかないという繰り返しで、前半はモチベーションを失いそうになる時もありました。しかし、最後のリンキングのパートでは、自分でもたった2日間でここまでできるとは思わなかった、と思えるようなパブリック・ナラティブを構築することができ、ストーリーをチームの皆さんと共有できました。また、戦略のパートでは、自分を含めたチームの皆さんの意見を共有することができ、チーム全員の力で1つの目標を設定し、プランを立て、参加者全体の前で発表することができました。発表後に、会場全体から沸き上がった大きな拍手と笑顔から感じた、チームと会場全体の一体感が、今でも忘れられません。この経験を通じて、具体的な手法を身に着けるだけではなく、「自分でもこれだけのことができた」「自分一人だけではなく、沢山の人が力を合わせれば、これだけのことができる」という自信や希望を得ることができるWSでした。
 

今まで参加してきたワークショップとの違いは?

こういったWSに参加させていただいた経験はあまりなかったのですが、今回のWSのなかでとてもよかったと思う点が、まず実際にやってみる、という点でした。スタッフの方から「皆さんが自転車の乗り方を覚えたときのように」という説明がありましたが、そのように、理論を頭に入れてから行動に移すのではなく、まず実際に演習をして、その結果から学ぶというプログラムであったのが、とても印象的でした。始めは沢山の不安や動揺がありながらも、早速チームを組んで演習に入り、戸惑いながら沢山の壁に当たり、コーチやチームの皆さんに支えられるということを繰り返しながら、最終的には自分やチームの大きな成長を感じることのできる結果となりました。こうしたプログラムであったからこそ、単に方法論を身に着けるだけではなく、自信や希望も一緒に身に着けるという大きな成果を得ることができたのだと思います。ハードなプログラムではありましたが、実践に必要となる心(動機)・手(知識)・頭(戦略)の3つを得ることにつながる、とても充実した内容でした。
 

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

現在、今回のWSで得たことをこの活動に活かしたい、という具体的な目標があるわけではないのですが、今後何か新たにアクションを起こそうとするとき、または、そのサポートに携わろうとするときなどには、是非活かしていきたいと考えています。参加する前の「自分にできることはあるだろうか」という疑問から、現在は「自分にできることが少しでもあるかもしれない」という希望に変化してきているので、この気持ちを何かの活動の力にできればと思います。同時に、WSに参加する自分のように、アクションを起こしたいが自信がない、といった悩みをもつ方々に対して、希望をもっていただけるようなサポートができるようになればと思います。その為にも、今回の2日間での学びを今後も深める努力をしていきたいと考えています。
 

高木 あゆみ

ワークショップに参加した動機は?

動機は幾つかあります。一つ目は、7年間立ち上げから携わっていたお店で他のメンバーとの温度差を埋めたり自分の想いを伝えることに難しさを感じ、どうやったら自分以外の人間に想いを的確に短時間で伝え自分で全部やってしまうのではなく周りをやる気にさせるのか、自分の中でずっと課題だったことから。

二つ目は、まちづくりの世界にどっぷり浸かっていた頃、周りを見ているとせっかく素敵なことしてるのに伝わるべき人に伝わっていなくてもったいないと感じる機会が多く、まちづくりに長く取り組んできた人ほどうまくいかない・伝わらないことに疲弊していてネガティブになっている人をたくさん見てきたことから。

そして三つ目は、去年12月の碧いびわ湖の理事会で、コミュニティオーガナイジングのワークショップを受けた直後のメンバーの碧いびわ湖の今後のヴィジョンについてのプレゼンに心を打たれたこと(理事会中に泣いてしまったほど。笑)。それがコミュニティオーガナイジングの手法を使ってまとめられたと聞いて、次回に開催されることがあったら絶対に参加する、と決める大きなきっかけとなりました。

ワークショップに参加した感想は?

最初は、何がわからへんのかわからへん、転ぶのも恥ずかしい、なんて情けないんだ自分、となっていたのだけど途中から「必死なのは私だけじゃないんやな」と気づきいい意味でいろんなことがどうでもよくなり、好きなだけこけることができる、という面白い体験になりました。こけまくった分、負傷もするけれどただでは終わらない、こけることによって学んだことは大きいと思います。それを本番のまちづくりや自分の仕事の場ではなく、ワークショップで存分に疑似体験できるというのは、かなり貴重だったと思います。

ワークショップの最初の方で、持っていると思い込んでいた課題意識の薄さに気付かされ、課題意識を言語化していないためにストーリーが紡げない、伝えることができない、ということも痛感。つまり人に伝わるように語るためには、目指すゴール・結論のようなものを自分の中でしっかり握って言語化していることが重要で、そのためには常日頃から課題意識を明確にしておく必要があるということを実感し、グリグリ痛いところ突かれまくったけど、それが逆に清々しい、そんな2日間でした。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

タイムアタック感。ここまで時間に厳しいワークショップは初めてでした。そのため、頭の中常にフル回転。ゆったり学ぶのももちろんいいけれど、こんな感じでスピード感を身に刻んでおくのも、今後のフットワークの軽さにつながる気がします。まちづくり関係とか、あったら素敵やけどなくても誰にも文句を言われない/なくても生きていける(日々を過ごせる)的なことが多い中、だからこそモチベーションを高めて行動に移すのはとても難しく、日常の業務に追われてつい後回しにしがち。それでも、やはり行動に移した方が自分にも相手にも世の中にも得なはずなので、そんな私たちの背中を押してくれるような、そんな経験になったのではないかと思います。

あとは、感想の方ともかぶるけれど、とにかく失敗OKの雰囲気。それも時間制限が余計に失敗をせざるを得ないという状況を作り出しているのもあり、失敗をしたこそ見える世界をたくさん見ることができたと思います。大人になると失敗をしないことが生活・仕事をする上でどうしても必要になってしまうため、ここまで思う存分失敗できる環境はかなり貴重な体験でした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

まず、ちょっと質問の趣旨とはズレるけど、コミュニティオーガナイジングを言いふらしたい。笑 おそらくこの手法を身につけている人が周りに増えることによってコミュニケーションもぐっと楽になるだろうな、と思います。そして現在活動の軸としている琵琶湖フィッシュアンドチップスも、最終的には私の手を離れていくのが目標なので、周りを巻き込むためにもパブリックナラティブの手法を使って、うまく語れるようになりたいです。幸い近々琵琶湖フィッシュアンドチップスについて公の場で語る機会が増えてきそうなのでそこで実践&練習をするつもりです。

そして、コーチングの手法を自分自身にも使うようになって、それによって頭の中をまとめるのが以前よりもうまくできるようになったと感じています。あほみたいだけど、琵琶湖フィッシュアンドチップスのことを語るにあたり、コーチングの手法を取り入れながら自分で自分にインタビューをしてみたら、かなり深いところまで考えられたと思います。

あとは、周りに事業やってる人、悩んでいる人も多いので、身近な人々でコーチングを試しまくっています。それによって本人も気づかないうちに、自分の周りにプラスの変化が起こっていったらこれほど面白いことはないので、ガンガン続けていきたいと思います。その変化がむっちゃ楽しみなので、しばらくは私の一人遊びのテーマになりそうです。

「パブリックナラティブ・フェス2017」を開催致しました!

2017年9月23日、東京都田町のグランパークタワー4階の会議室にて、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン主催イベント、「パブリックナラティブ・フェス2017」を開催致しました。2017年4月に開催された「オーガナイジング祭」から早くも半年が経ちました。

今回は、コミュニティオーガナイジングの中でリーダーシップの一つの要素となっている「パブリックナラティブ」に特化したフェスイベント。日曜日の午後開催ではありましたが、幅広い年代・さまざまなバックグラウンドを持つ方29名に参加いただきました。初めてコミュニティオーガナイジングに触れる方が多かったのも印象的でした。

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パブリックナラティブ・フェスは大きく2つのコンテンツに沿って進められました。一つは、既に社会に対してアクションを起こされている当事者の方によるパブリックナラティブの披露。もう一つは、参加者の方が実際にパブリックナラティブの一要素である「ストーリーオブセルフ」を作り、実際に語るというミニワークショップです。

パブリックナラティブを披露されたのは、4名の登壇者。それぞれの原体験を基に形成されてきた価値観、その方らしさをそれぞれの声色でお話される姿に、参加者皆さんも頷く数が増えていく様を拝見することが出来ました。

また、披露の後にそれぞれの登壇者への応援コメントや協力できることを紙に書き出す「コミットメント」の時間。たった5分の披露だったにもかかわらず、参加者皆さんが紙に小さな文字でびっしりとコメントを記載されており、パブリックナラティブがもつパワーを改めて感じることができました。

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パブリックナラティブの披露には、コーチが一緒にどう伝えるかのサポートもしているのですが、披露後のコーチによるコーチングポイントの解説もあり、よりパブリックナラティブを学ぶ時間になったのではないでしょうか。

パブリックナラティブの披露にチャレンジされた皆様は、それぞれご自身が直面されている課題を、いかに当日の参加者と繋げていくかが難しかったのではと思います。登壇者の皆様、本当にありがとうございました!

そして、実際に作り、語るワークショップの時間です。ストーリーオブセルフとは、それぞれご自身の経験に基づいて、相手に価値観を伝える手法の一つ。

短い時間の中で、ストーリーを作り上げ、相手に語るというのは非常にチャレンジングなことだと思いますが、語り終えたときの場の空気、参加者の距離の近づき方を見ると、自分の体験・ストーリーを語ることで人の感情に影響を与えられるということを、体験していただけたのではと思います。

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パブリックナラティブを実際に聞いてみて、

「声を出すことの大切さを知った。勇気をもらった。」

「原体験に自分自身が共感していることを感じた。感情的な理解を体験できた。」

 

実際にストーリーを作り、語ってみて

「相手に伝えるストーリーには体系的な筋があるということを学んだ。」

「自分自身の話を、思ったよりも相手が聞き入れてくれるということを体感。嬉しい気づき。」

と感想を頂きました。

短い時間ではありましたが、ストーリーを語る意義・パワーを体感いただき、日常にもぜひ取り入れるチャレンジをしていただければと思います。パブリックナラティブ・フェスで初めてコミュニティオーガナイジングに触れられた方も多く、今後より学んでみたいというきっかけにもなるイベントとなるのではと感じています。

フェスの企画メンバーではよりコミュニティオーガナイジングを身近に感じ、より手に取りやすい形として広められるよう様々なチャレンジをしていければと考えております!

ご参加頂いた皆様、本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました!

レポート:久保田 裕輝(くぼちゃん) パブリックナラティブ・フェス企画メンバー、当日司会

 

コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップin久留米(第3回)を開催致しました!

2017年9月2日、3日の二日間にわたり、久留米大学御井キャンパス(福岡県久留米市)にて認定NGOピースウィンズジャパン様の協力を頂き、今年2回目となる「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップin久留米(第3回)」を開催致しました。平成29年九州北部豪雨から2カ月、ボランティアの意識や機運が高まる中、私たちの住む地域を真摯に見つめる32名の方が参加しました。

 街づくりをされている方、商売をされている方、行政関係、ボランティアに係わる方や学生の方など様々なバックグラウンドを持ったメンバーが揃い、コーチ陣も遠くは岩手県、福島県から参加と多様な価値観が一堂に会しました。

 まずはノーム作りです。「ノーム?」と耳慣れない言葉に戸惑いながらも、「聞き手も頷く」「発表者に拍手」「否定をしない」「口角を上げて笑う」等、参加者全員が良いコミュニケーションを大切にしたいという価値観が共有され、時間を守る、秘密事項厳守といった共有の場をより良くしようという強い意志を感じる場となりました。

 最初の講義は「コーチング」です。ペアでコーチングを行う中で、コーチはパラフレーズ(相手の反応の言いかえ)と質問のみでのコミュニケーションに悪戦苦闘しながらも、相手の課題が何処にあるのか探りながら関係性を深め、普段意識していなかったことに気付いていきます。

 ストーリー・オブ・セルフでは、自分の価値観に基づいて選択をした瞬間を意識しながら、自らが経験した困難や選択をした勇気について仲間に語ります。つい、その当時の感情が蘇り、涙溢れ出てくる人が出るも、仲間が暖かく見守りながらしっかりと共感していきます。そして、各々が自分の大切にしている価値観を改めて振り返っていきます。選択をした瞬間の感情を思い出しながら語ることで、相手へ価値観が伝わっていきます。

 関係構築は、お互いにストーリーを語り合いながら、オーガナイザー役はオーガナイズされる人の関心を共有し、共通の価値観を引き出し、自らのチームのキャンペーンを支援できる資源を見つけていきます。多様なメンバーが集まる中、共通の価値観をしっかり探っていきます。自分の周囲に同じような境遇の人がいないか想像を巡らせながら、共通の関心を育んでいく姿が印象的です。

 リーダーシップチームの構築では、チームの共有目的を決めていきます。勿論様々な人が集まったチームでは、様々な価値観があります。それぞれに想いがあり、手放し難い感情と、他メンバーの想いにも共感して手放せない、そんなモヤモヤした雰囲気の中で共有の目的を見つけていきます。

 チーム名を付け、チャント(チームとしての一体感を作るために行う儀式)を作り上げ、皆の前で発表する際は照れを感じながらもチームの結束力を実感していきます。

 ストーリー・オブ・アスでは皆がお互いに理解し合いたいという価値観のもと、「私達」の物語を作り上げていきます。このワークショップでの困難や、何かより良くしたいという想い、言語化の大切さと場への共感等と慌ただしかった1日が頭の中を巡ります。そして1日の終わりに「また明日も来たい!」という気持ちが一致しました。「明日は皆でランチしたい」という言葉が1日の充実を物語っています。

 2日目は戦略を考えることから始まります。望むものを得るために、同志の持つ資源を様々な視点から出し合っていきます。そして同志は他の関係者の資源が必要か否かを探りながら、自ら同志の立場になったり他の関係者の立場へと変化したりしながら、変化の仮説を作り上げていきます。オーガナイズセンテンスを作り上げ、絵を描きながらイメージを膨らませていきます。最後は他のチームにコーチングしてもらい内容を深めていきます。チーム毎のコーチングでは褒めてから質問に入る工夫をする等、相手チームへの思いやりも忘れません。

 戦略Ⅱではタイムラインを決めていきます。まずは戦略的ゴールを決めて、時間軸をバックキャストしていきます。ここでチームの共有していた想いの細かな部分が、他のメンバーと違う事に気が付きます。具体的なイベントや規模などを擦り合わせていく中で戦略的なゴールが更に明確になっていきます。

 アクションでは、人々がアクションに加わることにコミットする方法を考えていきます。ストーリー・オブ・セルフを語りながら、相手と共有する価値観を探がしながら、事の背景を説明して活動への参加を促していきます。勿論カタパルト(引き込む)、念押しする事を忘れません。実際にロールプレイをし、ゲーム感覚で楽しんで学びます。

 最後はストーリー・オブ・ナウとセルフ・アスを結びつけます。私たちが直面する緊急の課題を語ることで、ストーリーが現実味を帯びてきます。チームの皆が語ったことを聞いて学びを深め、ストーリーを語り始めてから改めて自らのストーリーが纏まり出し、あと数回語り直すと上手く語れそうな気がする、そんなイメージでパブリックラナティブを終えていきます。

 最後はサークルになって2日間の振り返りを行い、初めは場違いと感じていた参加者も、初めて自転車に乗る感覚で転んで傷だらけになりながらも、仲間の力を借りながら挑戦して沢山学びを得ることが出来たと思います。もっと学びたい!実践したい!そんな前向きな声とキラキラ輝いた目で会場を後にされる方が印象に残っています。是非、各々の【場】において、小さな実践から始めていきましょう!皆さん、ハードな2日間、お疲れ様でした。

文責:寺崎正信(サブコーチ)

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