小川真実

ワークショップに参加した動機は?

職場のボスからの誘いと勧めが最初の動機です。
参加したチームの仲間たちは、元々は会社を跨いだ事業者組合からの始まりでした。

社会を変えたい思いはありましたが、実際にどのように計画し、行動したら良いのか、またチームビルディングについても全く予備知識のない状態、そして失礼ながらコミュニティ・オーガナイジングという言葉の意味もわかっていない状態での参加でした。

同じ思いのある仲間が集まったチームではありましたが、私個人としては、チームの中での、自分自身の役割が定まっていなかったという感覚があり、そこが明確に見えてくるといいなと思い、参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

ワークショップには2022年と2023年の2回参加させていただきました。
全てが初めてのことで、特に1回目はとても緊張した状態で臨みました。ワークショップが始まった途端に自分について話すことから始めたので、そこで腹を括ったように記憶しています。

人前で話すこと自体には比較的慣れていたものの、社会を変えていくツールとしてのストーリーを話すということ、自分語りではなく人々と価値観でつながり行動に促すという点にフォーカスすることにより、私自身の活動に対する意識そのものが変わったように思っています。

コーチングはとても難しかったです。2回目、少しは慣れるのかなと思いきや、演習ではボロボロでした。それでも日常生活や仕事面では、役立っていると感じる場面もあります。貴重な知恵を教えていただき、感謝しています。

2回ともチームメンバーの皆と一緒に参加しましたが、実は初回ワークショップの時に初めて「チーム」が誕生したのだと感じました。これは一緒に参加したメンバーも言っていました。実はこれが一番ありがたいことなのかもしれません。
自分が迷っていた、チーム内での自分の立ち位置。これに関しては、改めてチームの皆とコミュニケーションしていくうちに自ずと見えてきました。こんなにシンプルなことだったんですね。一匹狼的な自分の癖もわかりました。良い悪いではないですが、もっとチームの皆に頼らないと!って。特に私は知識も技術も一番乏しいので。逆に強みは人間関係や人脈です。そんなところが見えて、これをチームに還元しようって思えました。背伸びしないということです。

そして面白かったのは、さまざまな人が集まることによって、これほどにアイデアや活動が広がるのだということです。多様なチームメンバー、多様な人々が交じり合うことによって、社会は動き、改革されていくのだなと身をもって感じたこと、大きな収穫でした。先ほどの話とも繋がりますが、だからこそ背伸びしないで自分の資源を生かそうと思えました

実践的な部分では、目標達成に向けてのキャンペーンの設定、つまりゴール実現への道筋ができたこと。また、それをチームの皆と細かい部分を擦り合わせながら言語化できたこと。
なんとなくみんなが同じ方向を向いているだけでは実は弱くて、一言で説明できるということ。これは活動を進めていく上で大変重要なことだと思います。

また、自分たち以外にもいろんな団体の方のお話を聞くことができ、こんなやり方もあるんだ、こんな風に成功していくんだ、という発見、世の中にはこんな人たちがいる、その人脈の拡がりが、勇気となり活動の糧になっています

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

印象的なのは、COJの運営スタッフの皆様のチームワークが素晴らしい!という点です。
かなりの情報量とテクニックやスキル、演習が二日間の中に盛り込まれています。それぞれの役割分担、タイムマネジメント、きっと事前の準備を緻密にされているんだろうなということが想像できます。
チームワークを学び実践する私たち参加者にとって、その姿はまさに見本となり、勉強になりました。これこそがコミュニティ・オーガナイジングなんですね。
そしてスタッフの皆さんはとても話しやすく、親身になっていただける。そこにすごく安心感を覚えました。実際に私たちが取り組んでいる署名もわざわざ郵送してくださったり、本当に温かい心の方々です。

それから、これほどまでに実践的な内容のワークショップは初めてでした。講義を受けたら間髪入れずにすぐに演習に入ります。オンラインで受けましたが、まるで対面で受けているかのように、運営の皆様や他の受講生の皆様との距離が近く感じました。別々のフィールドで活動している受講生同士、素直にお互いを応援し合えること、一つになる感覚、これは今までにはない経験でした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

私たちは、主に富士川というフィールドで活動しています。
目的は「自然と人が共生する未来」。
今回、この目的意識が明確になったことが大きな収穫だったのですが、ここがぶれることなく今やるべきことひとつひとつを積み重ねて、実現に向かっていきたいと思います。

初対面の方との関係構築、ワークショップでも実践しました。
それからパブリック・ナラティブについて知り、実際に使うこと。
これらはすでにかなり役立っています。
実践形式のワークショップだったからこそ、その日から使えています。
忘れないように使い続けないと、ですね。
自分としては「ストーリー・オブ・アス」が勉強になったと同時に、苦手なことでもあるので、頑張りたいところです。

キャンペーンを練り、計画して、行動する。
自分の思い、過去の軌跡から未来への展望を語ることで、関係を構築して共感を得る
一人一人の地道な行動で社会が変わっていくことを教わり、そして手応えを感じているところです。
自分たちの手によって変革は起こせるということを、多くの方と一緒に体現できればと思います。

自分たちの手で本当に社会は変わっていくのか?
参加前は疑問でした。
今、その道筋が明確になっているのは、COのおかげです
ありがとうございました!

2023年度パタゴニア×COJ「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」開催レポート

2023年9月9日(土)・10日(日)に、パタゴニア日本支社と共催で、Charities Aid Foundation America (CAF America)の助成を頂き、パタゴニア日本支社の環境助成を受けて活動している3チーム12人に対してオンラインワークショップを開催いたしました。

今回、2022年にもコミュニティ・オーガナイジング(以下、CO)のワークショップに参加した方が、また新たなメンバーとともに参加してくださり、実際に活動しているからこその嬉しい変化を感じました。COでは、雪の結晶のように、最初に立ち上がった人の想いが広がっていき、2層・3層と新しいリーダーがうまれていくスノーフレーク型の組織の在り方を目指します。まさにそんなリーダーシップの在り方を体現されていて嬉しかったです。「また新しいメンバーと来ました。このメンバーと考えられるのが楽しみです」と前回参加した方がにっと笑って話していて、リーダーってこういう人たちのことを言うのだな、と思いました。

「実際に活動しているからこその熱さ」ー【コーチング】【ストーリー・オブ・セルフ】

地域によって、活動の現状は様々です。繁忙期のなか参加したチームも多く、ワークショップの最初はすこし、そわそわした空気がありました。
ですが、それも束の間、ノーム(ワークショップでのお約束)を決める時に「みんな一所懸命だから(本気だから熱くなりすぎてし)言いすぎてしまうかもしれない。でも大目にみて欲しい」と、このワークショップへの真剣さが伝わるノームが出ると、その後も「どうしても困ったら他の人にパスしちゃおう」など、ワークショップをみんなで乗り越える工夫も出されました。
冒頭から参加者全員が助け合える、そんなノームがうまれ、ぐっと気分が和らいだように感じました。

最初に講義・演習をおこなったのは「コーチング」。質問と言い換えを使って課題解決が滞っている原因を見つけ、どうアプローチするのか自分自身で見つける演習をしました。
各演習をまわって見ていましたが、やはり活動家の課題には共通点があるのかもしれません。真摯にお互いの課題を聞き合っている姿が印象的でした。課題を抱えたことがあるからこそ、コーチングをしっかり学びたいという気持ちが伝わってきます。

続いて「ストーリー・オブ・セルフ」の演習へ。演習では「私が今活動している(リーダシップをとっている)原動力はなにか、それはどこからきたのか」を2分という短い時間で語るチャレンジをしました。「環境」と一口に言っても、その人がなぜ立ち上がれているのか、その根源にある価値観はひとりひとり違います。
今回のワークショップ参加者の方は、チームで活動されている人たち。お互いの価値観を理解する時間は、どこか照れくさそうな感じもしました。でも「幼少期の考え方が、今の行動に反映されていると振り返れて、自分を支えているものを意識できた」という振り返りなどから、ストーリーを話すことがご自身のエンパワーメントにも繋がっている、と感じました。
全員の場での発表の際、若い時にはじめて立ち上がったストーリーをシェアしてくださった参加者の方に、皆で拍手を送りあいました情景やその時にどんな気持ちになったのかをあわせてストーリーを語ってくださったので、聞いている私も、その経験が目に浮かぶようでした。そして「立ち上がってよかった」という気持ちも一緒に伝わってきました。実際に変化を起こすことは、非常に難しく、時に疲れてしまうことがあると思いますが、そんな時にも是非ストーリー・オブ・セルフを思い出してほしいなと、皆さんの拍手を送る姿を見ながら思いました。

乗り切ろうという気持ちのもとで、チームになっていくー【関係構築】【チーム構築】

1日目の後半は、他者との関係を構築する「関係構築」と「チーム構築」というリーダシップスキルにチャレンジ。
関係構築はチームのメンバー同士で行い、改めて、このチームが共有していることを話し合います。
昨年ワークショップに参加された方から「あ~!やっぱ実践しないと忘れちゃうのね~!」と感想をいただきましたが、1日の終わりには「地元で実践したいと思った」「もっとやらないと!」と熱い想いに変わっていたようでした。

チーム構築の演習は、決めたり話し合ったりすることが多い、骨の折れる演習です(その分、チームの目標やノームが決まったあとに大きな達成感を得られます)。実際に動いているチームなら、なおさらチームの共有目的を明文化するのは難しい作業だと思います。
演習ではリーダシップチームの「チーム名」や「チャント」(そのチームならではの、頑張るぞ!という時などに使う掛け声)を決めるのですが、演習で話し切れず、すべて決まらなかったチームもありました。そんな時、私だったら少し悔しくなってしまうと思います。ですがそのチームは「最後まで話し切れなかったんですけど、途中まで話せたので、いまちょっとやってみてもいいですか!」とその場でチームメンバーで声をかけあい、やり切りました。
お互い助け合えたり、トライできるいい時間を積極的につくっていて、凄い!と思いました。

真剣!戦略、タイムラインづくり」ー【戦略Ⅰ【戦略Ⅱ】【パブリック・ナラティブ

2日目は、戦略について話し合います。
戦略Ⅰでは、まず達成するゴール設定を決めることにチャレンジし、その後どうやって変化を起こすか仮説をたて、明文化します。戦略Ⅱでは、仮説に基づき、実際どんなことを行うのかをタイムラインに落としてく演習を行います。
振り返りの場面では「他の地域で起こっている問題と、解決策の発表を聞くことでも学びになった」「全国の同じような価値観や活動をしている人たちに勇気づけられたという声もあり、チーム同士で刺激をもらえたように思います。
また、お昼休憩時間も、もっと話したい!という感想も出ていて、「この人たちは本当に社会を変えていく人たちなんだ」と感動しました。

最後の演習は「パブリックナラティブ」です。
パブリックナラティブとは、1日目におこなったストーリー・オブ・セルフに加え、ストーリー・オブ・アス(私たち)、ストーリー・オブ・ナウ(緊急性)も語り、キャンペーンに対して具体的なアクションを呼びかけるストーリーです。
講義では、モデル(見本となるスタッフのパブリック・ナラティブ)を2回にわけて聞いていただき、パブリック・ナラティブを体感するだけでなく、どのように語るかを詳細にひとつひとつ確認しました。すでに地元にはキャンペーンに参加してほしい(=パブリック・ナラティブを語りたい)同志がいる参加者の皆さんの目は真剣そのもの!メモをたくさんとりながら聞き、講師が「どこにアスを感じましたか?」など質問をすると、皆さんZoomの「手をあげる」ボタンを使ってどんどん発言します。1日目の最初のぎこちない空気が嘘のよう。
きっと実践で、パブリック・ナラティブをたくさん話すんだろうな。今日考えたアクションにどんどん誘っていくんだろうなと感じました。
戦略はいろいろ考えなければいけないことが多く、眉間にしわを寄せていた皆さんでしたが、最後は、お互いのアクションに「参加するよ!」「イベントのリンク送ってー!」といったチャットが溢れていました。

「できない・しかたない」を「できる・しかたある」社会へ、みんなでCOを使ってむかっていこう!

できあがった戦略には、同志・一緒に変化を起こしたい人、変わってほしいところの名前が具体的にあがっていました。特に同志の名前が具体的で、立ち上がっていくイメージができたので「実際にオーガナイジングをやっていくんだな」と私たちもわくわくしました。
COを実践し、実際に「できる!」とみんなが声をあげられる社会になったら、これ以上嬉しいことはありません。
今後は、年度末までに2回の合同ミーティングと、各チームごとに必要なトレーニングをします。3団体の活動がよりパワフルで、よりわくわくする活動になるよう、これから伴走させていただきます。皆さん、本当にお疲れ様でした。

レポート:山崎鮎美(コーチ)

<参加チーム>
富士川 Free to Flow(富士川に設定された、 河川環境保全のための「維持流量」を満たす放流を求める住民運動)※署名実施中
奄美せとうち観光協会(鹿児島県奄美大島南部の瀬戸内町で、環境保護保全、青少年育成など幅広い活動を実施している団体)
今ノ山愛好会 (高知県土佐清水市にある今ノ山を削って建設予定の大規模風力発電計画について、住民一人一人が考える場を作り、首長がその意思を汲んで意思決定することを求める住民団体)

佐藤美紀

ワークショップに参加した動機は?

新聞記者から転職して公務員2年目。子育てや仕事、プライベートでやりたい活動など、今後の自分のキャリア、生き方に悩んでいたところ、フェイスブックでCOJを知りました。前職時代から多方面でお世話になってきた方々がCOJをおすすめしているのを見て、「何かいいきっかけになりそう」と参加を決めました。

よくよく調べてみると、コミュニティ・オーガナイジングの目指すところと、自分の「地元を、地元の人が誇りに思う街にしたい」という考えは、重なっている部分があると感じ、ワークショップを楽しみにしていました。

ワークショップに参加した感想は?

価値観を言語化できたことが大きな収穫でした。やったことは大きく二つです。

1.自分自身について深く考え、話した(ストーリー・オブ・セルフ)

2.目的をもって関係を築く経験をした

ストーリー・オブ・セルフでは、自分を今の活動へ突き動かした価値観について、これまでの経験から深く深く、探っていきます。私の場合は「なぜ記者になろうと思ったのか」、「なぜ地域のために貢献したいと思ったのか」について深掘りし、幼少期の環境や経験、そして東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後の活動が、今の価値観である「挑戦する人が応援される社会の実現」を形作っていることを再認識しました。

その社会の実現を目指すには、仲間、コミュニティ・オーガナイジングでいう“同志”の存在は不可欠。その同志と、どのように価値観を共有し、よりよい関係性を築いていくのかーー。自分の価値観をきちんと知ったからこそ、相手に伝える言葉の重みが増して、説得力を持って関係構築に臨めたと思います。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

こんなにも頭をフル回転させたワークショップは初めてでした。まず新鮮だったのが、時間にとっても厳しいこと! よくある「また終わってない人~?じゃああと3分延長しまーす」なんてことはありません。正直、もう少し時間をかけて考えたかった部分はありましたが、時間にきっちりしていることはあらかじめ聞いていたので、全てのセッションに本気で、全集中で臨むことができました。

また、ワークショップに参加してみて、これまでの仕事のミーティングなどを振り返ると、課題に対して解決法やアイディアを出す前に、チームで価値観を共有することが大切で、その構築に時間をかけていくことが必要だったことを痛感しました

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

改めてチーム内での対話、価値観の共有にできるだけ時間を割きたいと思います。特に新しい事業を動かすときは、どうしても数値的な目標や戦略的プロセスを重視してしまいがちでした。一歩踏みとどまって、お互いを知り、自分の価値観やチームの向かうべき目的を共有することを意識していきたいです。

また何より、自分の大好きな地域で活動している方々と出会い、つながれたことは貴重な財産となりました。新たなアクションを起こすきっかけをいただけたことに、感謝します。

コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップinふくしま

2023年9月9日(土)、福島県福島市のチェンバ大町にて、「コミュニティ・オーガナイジング・”ミニ”ワークショップinふくしま」が開催されました。

今回の企画は、2019年2月に同会場で開催された2日間のワークショップに参加したメンバーが中心でした。ワークショップを経験後に、紆余曲折を経ながらも勉強会やお互いのコーチングなどを継続してきたメンバーです。続けてきた中で、「もっと多くの福島の人たちに、コミュニティ・オーガナイジングを知って欲しい」「もう一度、福島で学ぶ機会をつくりたいよね!」という思いから出発し、半年ほどかけて準備をすすめ実現しました。

コロナ禍を経て、久しぶりに対面式でおこなうワークショップに参加したのは23人。福島県内で市民活動に取り組む方、自治体職員、教育関係者など、幅広い分野の方たちがコミュニティ・オーガナイジングに関心を寄せて参加してくれました。(ちなみに、コーチ陣の多くは、県外から福島に想いを寄せ駆けつけてくれました。感謝!)

当日の朝は、会場が開くと同時に参加者が集まり、10分程度で受付が完了。学びに対する前のめりな気持ちが表れているようでした。

今回のワークショップの内容は、①コミュニティ・オーガナイジングとは?、②コーチング、③パブリック・ナラティブとは?/ストーリー・オブ・セルフ、④関係を通してパワーを構築する(関係構築)、⑤リーダーシップチームの構築。参加者は講義を聞き、4チームに分かれて演習にチャレンジしていきました。

朝の主催者あいさつを経て、チェックイン。はじめて顔を合わせる人たちも多くあり緊張した雰囲気がパッと明るくなりました。

講義は「導入:コミュニティ・オーガナイジングとは?」で歴史との関連や体系的にまとめられてきた流れを学び、「コーチング」の講義と演習へ。動画で悪い例、良い例のイメージをつくってグループで実践スタート。頭、心、手、5つのステップを意識してチャレンジした振り返りでは、「 課題が3つの視点のどこなのか、自分でもわからないので、コーチングで質問され、見えるようになった」との声も。

ストーリー・オブ・セルフでは、短時間でつくることに苦戦する参加者がいる一方、自身の体験を織り交ぜて、強い意志が伝わるセルフを披露してくれた方もいました。チャレンジした参加者からは「過去とのつながり、動いていることがわかった。つながったことで納得感を得られた。やりたいこと、やり始めていることに自分自身が信じて良いんだと思った」や、この場はノームがあって、安心して自分のことを話せる。そして、強いストーリーは心に響きますね」という感想がありました。

朝から濃い講義とワークをこなし、遅い昼休憩。参加者同士の交流も賑やかにすすみました。

午後は「関係構築」の講義から。
午前中のセルフを元に、チーム内でペアをつくって共有する価値観、それぞれが持っている関心と資源を探るワークをおこないました。関係構築をすることで「自分にどんな資源があるかわからないと思ったが、ペアの人が気づかせてくれた」や「ワクワクした」と、可能性が広がる感覚を持つことができたようです。

その後、今回の最後の単元となる「チーム構築」へ。限られた時間の中で、チームの共有目的、チーム名、チャントを決めていきます。ここまで来るとチーム内のテンションもあがり、活発な意見が出されてくるのが印象的でした。時間をめいいっぱい使って、チーム名、チャントを決めて発表です。

1日を共にしたチームの発表は、どれも思いや資源が出ている特徴あるプレゼンテーションでした。

 

最後の振り返りは、全員で円をつくって一人ひとり「気づきと学び」を発表しました。

  • 午前中の時から時間が経つのが早い。理解できないこともいっぱいあったし理解できてもしきれない。こういう世界に触れられた経験は大きい。この経験を無駄にしたくない。なんかしていきたい」
  • チームが上手く機能しないのは当事者とやってないからだと気がついた。組織にどうやって落とし込むか。今やっていることをストーリに落とし込みたい」
  • 「学校に勤めていると視野が狭くなってしまうので、視野を広げるため参加した。ヒントになることがいっぱいあった。現場で活かしたい。硬い椅子に5時間座る子どもたちを尊敬する一日だった」などなど。

4年半ぶりに福島で開くことができたコミュニティ・オーガナイジングのリアルな学びの場でした。ワークショップ後、企画をした福島メンバーと今回の参加者による月イチ勉強会がスタートしています。今後の展開にも期待!?

(コーチ:小抜勝洋)

 

荒川 隆太朗

大阪生まれ大阪育ち。大阪市や門真市、豊中市などでNPOの中間支援で4年間勤務。同時に学童保育の指導員や子どもの居場所づくりの支援を行う中で不登校児に対する支援の必要性を感じ、豊中市でフリースクールを設立。また、大学在学中から6年ほど心理学を独学で学びつつ、対話的な実践を通じて人が癒えていくプロセスを探求中。
NPO、教育、心理の文脈から小さな街でのコミュニティ・オーガナイジングの実践を通じて、個人と社会の変容に関わっている。
NPO法人Gift 副代表理事
NPO法人クレイシュ監事

久保田 裕輝

1992年生まれ/香川県木田郡三木町出身。早稲田大学在学中の2013年、就職活動や一般社団法人四国若者会議(当時は任意団体)の立ち上げに関わり、「自分らしく生きる」「自分らしく生きられる」ことの大切さに関心を持つようになる。
2016年5月にコミュニティ・オーガナイジング(CO)と出会い、自分自身が大切にすべきことと向き合い、それを行動・エネルギーに変え、他者への変容を促すという手法にほれ込み、企画運営にプロボノとして加わる。「KY(空気を読まない)をかっこいいと思える社会に」がテーマ。

鎌田 華乃子

神奈川県横浜市生まれ。子どもの頃から社会・環境問題に関心があったが、11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了。卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジング(CO)を実践する地域組織にて市民参加の様々な形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。COJを2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。ジェンダー・性暴力防止の運動にも携わる。現在ピッツバーグ大学社会学部博士課程にて社会運動の国際比較を行っている。
慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート 客員研究員

葛巻 徹

岩手県花巻市出身。大学で福島、就職で宮城で暮らし、岩手にUターンする。普通のサラリーマン生活をしながら、長女が生まれたのを機にNPO活動をボランティアで始める。岩手のネットワークを活かして、2011年東日本大震災直後に、いわて連携復興センターを岩手県内の仲間と設立。専従職員となる。2013年にコミュニティ・オーガナイジングと出会い、「普通の市民が社会を変える」一つのプロセスとして学び、実践を岩手で続けている。
NPO法人いわて連携復興センター 代表理事
いわてNPO災害支援ネットワーク 共同代表
日本ファンドレイジング協会 東北チャプター 共同代表

河野 七海

1995年生まれの東京都出身、アメリカ育ち。米国スミス大学生物学専攻・教育学副専攻。好きな歌手は宇多田ヒカル。好きな食べ物はブリトー。在学中に学んだジェンダー問題がきっかけで、誰もがジェンダーに囚われず「自分らしい自分が好き」だと言える社会をつくりたいと思い、日本の女子高校生とジェンダーマイノリティを対象とした教育プログラム Ready& 設立。2017年外資系企業に就職。2020年に社会課題を「新産業の共創」で解決するスタートアップ企業SUNDRED株式会社に就職。2017年フルワークショップに参加後、コーチ/講師としてCOJに関わる。

これからは理事として、COJの活動の幅を広げられるように自分の資源を活かし、自分の成長も楽しみながら、チームの皆さんと頑張っていきます。どうぞよろしくお願いします!

 

竹下 萌

1987年広島市生まれ。被曝3世。7才の時に大阪府豊中市で阪神大震災を経験し、メディアに掲載される体験談と、公には記録されない市井の人々の「語り」の違いに興味を持つ。そこから歴史教科書問題に関心を抱き、大学では昭和史を専攻し、戦争観の形成と変遷を研究。2018年に「グリーンズの学校」(NPO法人グリーンズ)の講座でCOと出会い、以降COJ主催WSでコーチや講師、テックなど、幅広く担当。現在は上場企業にて管理職、非上場企業にて社外取締役を務める他、キャリアコンサルタントとして副業もしている。