【COJ主催・Change.org共催】コロナ時代に私たちができるアクションとは?


<開催趣旨>
声をあげて変化につなげることが当たり前の社会を目指してCOJは、コミュニティ・オーガナイジングを学び実践してつながる場を、Change.orgは、誰もが「変えたい」気持ちを形にできる署名キャンペーンのプラットフォームをそれぞれ運営しています。
COJ×Change.orgが、同じ思いの仲間をみつけ、より戦略的に取り組む方法を学べるワークショップを始めます。
私たちが声をあげたい、声をあげやすい社会をつくりたい、そう願うのは、私たちの声が、社会をよりよいかたちに変化させる力を持っていると信じているからです。
誰もが社会を変える主役になれる。
そんなことが当たり前の社会にするために、私たちにできる第一歩を、一緒に踏み出してみませんか?

<コンテンツ>

① 講演 武村 若葉(Change.org Japan)
 「声をあげやすい社会にするために私たちがしてきたこと」

② 講演 安谷屋 貴子(Community Organizing Japan)
 「声をあげやすい社会にするために一人ひとりができること」

③ グループセッション:講演内容について参加者同士での対話

④ Community Organizing スキル体験講座:笠井 成樹(Community Organizing Japan)
 自分自身を語るストーリーをつくろう:ストーリーテリングのミニ講義 & グループセッション 
 ※グループセッションでは、参加者同士が自身のストーリーを発表し合い、語り合います

⑤ グループセッション:参加者同士で仮のチームをつくる
 ※参加者数人で仮のチームをつくり、どんなアクションができそうか語り合います

全体進行兼ファシリテーター:加藤 悠二(Change.org Japan)

<日程>
2020年11月7日(土)10:00~12:00

<実施方法>
オンライン開催(Zoom)

<主催団体>
主催:NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
共催:一般社団法人Change.org Japan

<参加費>
1,000円

<お申込み>
※事前に下記リンクより申し込みおよび入金が必要です。
https://cojchange.peatix.com/

11月12日発売『コミュニティ・オーガナイジング-ほしい未来をみんなで創る5つのステップ』

みなさん、こんにちは。
COJ代表理事、安谷屋です。

すでにいくつかの場所でお知らせしていますが、11月12日にCOJ共同創設者 鎌田華乃子の著書『コミュニティ・オーガナイジング-ほしい未来をみんなで創る5つのステップ』が英治出版より発売されます。

刊行にあたり、鎌田華乃子のコメントをお伝えします。手に取っていただくきっかけに、また周囲のみなさんへのご紹介のお手伝いになれば幸いです。

日本にもCOはあるのにアメリカから来たものと紹介するのが納得いかなかった

日本での初めてのコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップは2013年12月でした。日本で活動を始めて7年経ってやっと、本が出せました

出そうと思えば、英語の本を翻訳して、海外の事例をつけて出せたと思うのですが、日本にも昔から人々が力を合わせて社会課題を解決するコミュニティ・オーガナイジング(以下CO)の歴史はあるのに、それを「アメリカから来たものだ」と紹介するのが納得いきませんでした。

仲間との実践があったから書けた一冊

2013年から2017年は仲間たちと実践してみて、本当に効果があるのか手探りながら前に進む日々でした。東北岩手で実践する仲間が地域に様々な変化を起こし、関西では全然違う分野の人たちが分野を超えてco×関西という組織を作りあげ、九州久留米でCOを共に広げるcocochangeというNPO団体が立ち上がりました。

2017年に再度留学する中で、環境、労働、女性運動など本当に多くの人たちが声を上げて日本の社会を良くしてきたことに気づきました。普段政治に関わらない普通の人々が社会を変えてきた歴史にスポットライトをあてつつ、COを紹介する本を書きたい、沢山の人に希望を感じてもらえる本を書きたいと思い、とやっと書けた本です。支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。

2020年10月31日(土)鎌田華乃子


  • COJの
    vision:仲間と一緒に変えていく、という希望に満ちた社会へ
    mission:人々のパワーで変化を起こす手法と勇気を届ける
  • COJは主催事業(主にワークショップ)と委託事業(ワークショップや社会へのアクションの伴走・サポート支援)を行っていますが、みなさんからの月額寄付/スポット寄付によって支えられています。寄付を通して一緒に社会に希望を届けましょう(こちらからご寄付いただけます)。

2020年10月31日マーシャル・ガンツ氏講演会 PUBLIC NARRATIVE-LEADERSHIP, STORYTELLING, AND ACTION開催レポート

10月31日(土)、マーシャル・ガンツ氏の講演会が日本説得交渉学会、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティチュートの共催で行われました。COJは日本語解説(鎌田華乃子、佐野はるかが担当)と内容に関する準備で協力致しました。
当日は100名を超える方が参加くださり、ストーリーテリングを通じて発揮するリーダーシップ「パブリックナラティブ」を体系化したガンツさん本人による講演への関心の高さを改めて感じました。
以下は理事荒川による当日の様子のレポートです。

マーシャルガンツさん。僕は初めて、動く彼をみた。

というのは何度も写真で彼をみていたため、初めて彼を見た時、「本当に生きている人だ」と変な感慨が湧いてきていた。最初の挨拶、終わりの挨拶では「おはようございます」などの簡単な日本語を手元の紙を見ながら交えてくださった。

講座の途中もトトロを使ってくださるなど日本人と話すための準備を感じられ、とても親しみやすい空気に触れられた気がする。もちろん、ナラティブについて語る彼の空気は真剣そのもので、熱意を持って語ってくれたのがとてもよかった。

= 感情の言語 =

そんな彼の講義の中でも僕が個人的に響いたのは「感情の言語」という表現だった。WSを受講し、自分なりにナラティブを語る中で「何を語っているか」よりも「どういう気持ちが響き合っているか」が大事ではないかと感じていた。

うまく言葉では表現できないけど、相手とつながりを感じられるような語りというのがある気がしていた。そして、その感覚は「感情の言語」を通じてやりとりしていると捉えると胸にすっと落ちてくる。僕の解釈が多分に入るけど、日本語で言うなら「心を通わせる」感覚かなぁと。

ガンツさんは「感情の言語」の例に音楽をあげていた。例えば、ジャズ演奏なんかではお互いの呼吸に合わせて音を出して即興的に音楽を作り上げていく。ナラティブも同じように語りの中で即興的にお互いが感じていることを通じ合わせて関係性を築き上げていくみたいに。

言葉で記述することが難しいけれど、それこそ「感情の言語」の世界だからこその難しさかもしれない。ここはとても考えることが多かったので個人的ハイライトだった。

= 良質な質問 =

今回、オンラインで100名以上の方が参加されていた。随時チャットで質問を受け付けていたので参加者のその時々の質問を見られた。どれもぜひ聴きたいと思うものだったけど、全部は紹介できないので、一つだけ選ぶとしたら次の質問が一番興味深かった。

【質問】ソウルアリンスキーなどは「自己利益」に基づく組織化を伝えています。自己利益に基づかない運動に人は長く関われないからです。一方、ガンツさんは価値観にもとづく組織化を伝えています。自己利益か価値観か、これは関連しているのか、考え方の違いなのか、どう考えたら良いでしょうか。

すごい深い質問でビビりましたが、ガンツさんは次のような感じで答えていた。

もちろん、自己利益は大切。それぞれ興味を持っているから。だけど、自己利益での組織化では対象が狭くなりすぎて大きな組織化につながらない。環境問題でもテーマごとに自己利益がある。テーマだけで組織化するのではなく、自然が大事と言う価値観で組織化することでより多くの人たちを組織化できる。

ん〜。ちょっとまだわからない!ということで終了後に追加で聞いていただいたところガンツさんから追加のお返事がいただけました。

色んな団体の連合体が崩れるのは、往々にして価値観が重なるところを考えず、それぞれの関心だけを追ってしまうから。対立したり、自己利益が異なる人々の間で価値観がばっちり合う必要はない。でも5%でも価値観があうところをみつけられたら、そこを土台に深い関係を築いていける。

ガンツさんは冒頭リーダーシップは他者との相互作用だと語っていた。5%でいい。とにかく基盤となる価値観を見出していくことが繋がり合うためには必要と言うその姿勢にこそ、オーガナイジングにおけるリーダーシップの本質があるような気がする。「あいつは反対派だ」「この人は賛成だ」など、それぞれの利益は対立することが少なくない。

でも、それで対話をやめてしまっていいのだろうか?

僕自身、この文章を執筆する今日は大阪都構想の住民投票前日で、大阪市民の方々の賛成反対の声を聴き続けている。そんな中で5%の共有できる関係性の基盤があることで対話が進みやすくなることを強く感じる。

ナラティブを語りあうことは相手の思いに橋をかけて、そこを渡っていくための言葉なのかもしれない。たった90分だったけど、ガンツさんから僕が受け取ったものは大きかった。

さぁ、街に出て語りあおう。

レポート:荒川隆太朗(理事)

 

1 on 1 のススメ(あだにーコラム#9)

みなさん、こんにちは。
COJ代表理事、安谷屋(あだにー)です。

前回のコラムで「COJマンスリーサポーター(月額寄付会員)募集キャンペーン」を振り返りました。その中でチーム立ち上げのプロセスをひさしぶりに詳細に思い出し、またキャンペーン進捗のポイントポイントで大切なことばをくださったり、チームに加わったりしてくださった一人ひとりの顔を思い出し、COJの活動において大切なのは、コミュニティのメンバーの存在だと感じました。

今月、理事メンバーはそのコミュニティのメンバーと「1 on 1」を実施しています。イベント、ワークショップなどをきっかけに知り合ったみなさんが、今どのようなことに関心を抱いているか、どのようにCOやCOJと関わりたいか、近況報告もし合いながら、そして改めて「どうしてCO/COJなんだっけ?」を改めて聞き合う関係構築です。

私も数人と1 on 1をし、印象に残ったことや1 on 1 そのものの効果を感じた瞬間などがあったので、9回目のコラムはそれらを書き留めたいと思います。

「COコミュニティは養分たぷりな畑」

コーチとしてのワークショップ参加だけでなく、COを用いたキャンペーンの経験もあるMさん。でも今は仕事に時間を割くことが優先される生活の中で、思うように社会課題に向き合えないもどかしさを話してくれました。

私たちは等しく1日24時間という時間を生きています。その時間の使い方は、仕事や家族の状況や、自分自身の生活の変化によって変わって当然です。声がかかるワークショップのコーチをすべて引き受けられるタイミングもあるでしょうし、SNS上でのメンバー同士のやりとりを読むだけで精いっぱいという時期もあります。

Mさんとの2時間ほどの対話の中で、「忙しくてメッセージにリアクションすらできないことがあるけれど、みんなのコメントを見ているだけで元気が出る」ということばが印象に残りました。みんながいつでも社会課題に対してアクションできるわけでも、COJの活動に深くコミットできるわけでもないけれど、このつながりが、いつでも何かを始められるように畑を耕しているのかもしれないなと思いました。一歩踏み出す勇気をくれる仲間とつながり、その手法を学べる場所をつくれていると気づくことができました。

「それが自然にできているってすごいこと」

9月のオンラインワークショップ参加者だったKさん。改めてワークショップの感想やCOJの印象などを聞くところから話し始めました。その中で、「ワークショップ中のスタッフを見ていて、性別による役割分担のような、そういうものが全く感じられなくていいなぁと思った」という感想が聞けました。

最初はあまりピンと来ませんでした。それはそもそもワークショップにおいて性別に基づいて割り振る必要のある役割もなく、意識したこともなかったからです。でもKさんと話しているうちに、「慣習として代表は男性」とか「主導するのは男性」とか、確かにそういうコミュニティが多いのに、COJはそうじゃないなと気づきました。

気づかないくらい当たり前に性別にとらわれないコミュニティなのだと思えて、誇らしい気持ちになりました。団体立ち上げから関わったメンバーの思いの積み重ねが作った素敵な「当たり前」に、新鮮な目で気づかせてくれたKさんに感謝です。

COJの活動がサステナブルなのは…

非営利組織の活動は、資金の不足、メンバーの思いがベースになるので安定性に欠けたり、燃え尽き症候群と呼ばれる状態があったり、継続性の課題がよく指摘されます。

複数の非営利組織の活動に関わってきたYさんに、その視点からCOJの活動がどう見えているのかを聞きました。「すごいですよね。資金不足の心配が毎年ありながらも続いているし、コアメンバーの交代がちゃんとされていることも。そこがうまくいかない組織は多いので。

「〇〇な地域にしたい」のような、活動開始時のリーダーを中心としたメンバーの思いの熱量が高ければ高いほど、それと同じエネルギーを維持し、同じくらい熱く活動を続けたいと思える人がいなければ活動は続かないし広がりません。それは2013年から17年まで関わった東北の復興支援事業でも何度も感じたことです。

Yさんのコメントに対して私からは、「COJが続いているのは、その思いのところを共有することがCOという手法の根幹だと考えているので、メンバーが互いの思いを伝え合うことができているからかもしれません」と返答しました。実際に私が代表理事を引き受けることができたのは、理事メンバーを中心としたみんなと、互いの思いを共有できたからだということも思い出しました。

自分が大事にしている思いを、ストーリー(パブリック・ナラティブ)で相手と共有することが、リーダーシップの素、仲間とつながる鍵。それを学ぶのにちょうどよいイベントが2つもありますので、関連ページを最後にシェアします。

▶10月31日(土)
【COJ協力】マーシャル・ガンツ氏講演会
PUBLIC NARRATIVE-LEADERSHIP, STORYTELLING, AND ACTION

▶11月7日(土)
【COJ主催・Change.org共催】
コロナ時代に私たちができるアクションとは?

 

チームメンバーやコミュニティメンバーとの1 on 1は、組織が成長したり活動の継続性を高めたりするのにもちろん有効ですが、単純に元気をもらえます。エンパワメントされます。なので全力でオススメします!!
私たちがベースとする手法の効果を実感できたことで、私たちのmissionの先に仲間と一緒に変えていく、という希望に満ちた社会があることも確信できました。

2020年10月17日(土)安谷屋貴子


  • COJの
    vision:仲間と一緒に変えていく、という希望に満ちた社会へ
    mission:人々のパワーで変化を起こす手法と勇気を届ける
  • 感想やコメントなどありましたらぜひ、私へのメール(email hidden; JavaScript is required)などでお寄せください。
  • COJは主催事業(主にワークショップ)と委託事業(ワークショップや社会へのアクションの伴走・サポート支援)を行っていますが、みなさんからの月額寄付/スポット寄付によって支えられています。寄付を通して一緒に社会に希望を届けましょう(こちらからご寄付いただけます)。

【COJ協力】マーシャル・ガンツ氏講演会 PUBLIC NARRATIVE-LEADERSHIP, STORYTELLING, AND ACTION


<講演概要>
本講演ではモチベーションを高めるリーダーシップを、私自身のストーリー、私たちのストーリー、行動のストーリーを語ることでどのように発揮できるかをお示します。パブリック・ナラティブと呼ばれるこの手法は2008年のオバマ大統領が米国で初の黒人大統領として当選した選挙キャンペーンで開発・導入され、世界中の多様な文化、政治、組織で効果を発揮しています。

<講演者>
マーシャル・ガンツ(Marshall Ganz)
ハーバードケネディスクール(公共政策大学院)上級講師

略歴:
リーダーシップ、オーガナイジング、市民社会の第一人者。社会運動や市民組織、政治のリーダーシップ、組織、戦略を教え、研究している。
学生非暴力調整委員会のオーガナイザーとして自分の「天職」をみつけた後、カリフォルニアの農業労働者をオーガナイズするシーザー・チャベスに加わった。農業労働者組合で、労働組合、政治、コミュニティオーガナイジングの経験を積み、オーガナイジング・ディレクターとなり、全国常任理事を務めた。1980年代より複数の草の根グループと協働し、地方、州、国レベルの選挙キャンペーンにおける新たなオーガナイジングプログラムや革新的な投票呼びかけ戦略を開発した。
近著「Why David Sometimes Wins: leadership, organization and strategy in the California farm worker movement(なぜデービッドは時々勝つのか。カリフォルニア農場労働者運動のリーダーシップ、組織と戦略)」(未訳)はアメリカ政治学会のマイケル J.ハリントン書籍賞を受賞。
https://marshallganz.com/

<日本語解説>
鎌田華乃子(特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン理事、ピッツバーグ大学社会学博士課程所属)
佐野はるか(ポモナ大学卒、コンサルタント)

<日程>
2020年10月31日(土)10:30~12:00

<実施方法>
オンライン開催(Zoom)

<主催団体>
共催:日本説得交渉学会・慶應義塾グローバルリサーチインスティチュート
協力:NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン

<参加費>
日本説得交渉学会員:1,000円
一般:1,800円
大学院生・学生:1,000円

<お申込み>
※事前に下記リンクより申し込みおよび入金が必要です。
https://eventpay.jp/event_info/?shop_code=5027244971702740&EventCode=P362046256

●申込みに際しての留意点
★お1人様につき1枚の申込となりますので、ご参加される方はそれぞれお手続きください。
★お申し込み後、「Tamura Office」より当日のご案内メールが届きます。この際、大変申し訳ありませんが、zoomの自動機能により冒頭、敬称略のメールとなっております。何卒ご容赦ください。
★zoomを初めてご利用される方は、事前に当日使われるパソコンやスマートフォンで操作確認をお願いいたします。詳しくはお送りするご案内メールをご覧ください。

<お問い合わせ先>
●日本説得交渉学会事務局
e-mail: settokukousyougakkai@gmail.com
(@を半角@に代えてお使いください。)
イベントページ(日本説得交渉学会)
同日午後に日本説得交渉学会の第13回研究大会が開催されます。
研究発表(14:30~16:30)はどなたでも参加できますので奮ってご参加ください。

 

林 章弘

ワークショップに参加した動機は?

パタゴニアの各直営店では、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを行う。」という会社のミッションステートメントに深くコミットするため、地域における環境社会問題の解決を目指す市民活動へ参加しています。その活動の責任者を任されていることから、会社のサポートを受けて参加することとなりました。正直に言うと、参加が決まるまでコミュニティ・オーガナイジングについての知識は有りませんでした。事前にCOJのウェブサイトを拝見し、市民活動の組織構築について様々なノウハウを持った団体であること、そのメソッドの奥深さを垣間見ることができ、ワークショップが楽しみになりました。
現在、新型コロナウイルスの影響で自身の団体内のコミュニケーションがまばらとなっている状態にあって、組織構築はまさに直近の課題でもあります。強い意気込みをもって参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

「組織構築」をテーマにして活動する組織ということだけあって、運営側のチームワークの良さ、モチベーションの高さに驚きました。さらにZoomを使ったワークショップということもあり、難しく、慣れないことも多いと思われましたが、素晴らしいチームワークによって運営されていました。年齢性別も様々なこの運営チームが、このチームワークをどのように生み出しているのか?そのカギはこのワークショップの内容にあると思い、一層興味深く参加いたしました。
コミュニティ・オーガナイジングという分野が、歴史的な部分も含めて深く掘り下げられ、体系的にまとめられたものだったことも驚きです。内容の深さを感じたことで「本物」だと感じ、これまで実践してきたことを振り返るきっかけとなり、今後、実践を通して自身の活動に活かすことが出来ると感じました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

ワークショップは6人ほどのグループを組み展開されたのですが、なんといっても年齢、性別、活動内容も様々なユニークなグループだったことが他と違うところでしょうか。関心事が異なるメンバーで2日間ワークしていくことにはじめは不安でした。それが不思議な事に仲間意識が芽生え、メンバー同士が尊重しあい、最終的には目標に向かって手を取り合うように取り組むことができたのは他にはない経験でした。コミュニティがオーガナイジングされたのを、まさにワークショップを通じて体験することができました。
コーチング、ストーリー・オブ・セルフやパブリック・ナラティブなど様々なワークによってメンバー同士の共通点が共感を呼び合い、最終的に良いチームが形成されたのだと思います。自身が活動する団体でも是非実践したいと思っています。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

現在、東京都武蔵野市でフェアトレードを推進する活動をしています。新型コロナウイルスの影響により団体の活動が滞っており活動メンバーの交流も疎らになってしまっています。そのなかでスノーフレーク・リーダーシップの形、コーチングなどを活用したチームの再構築が、まず取り組むこととしてあります。また、活動の局面として市議会の協力を得ることが目下の課題であり、パブリック・ナラティブを活用して理解と協力を得たいと考えています。
また、私たちフェアトレードむさしの活動テーマのひとつに「町ぐるみ」があります。町の人たちと良い関係をつくり、スノーフレーク型の自主性と協調性のあるコミュニティによってフェアトレードが目指す公正公平な社会をつくりたいと思います。

中村 亘

ワークショップに参加した動機は?

知ったきっかけはスタッフの方からのお知らせでしたが、受講の後押しとなったのが「パブリック・ナラティブ」というキーワードでした。
何か交渉するにしても、お願いするにしても、実利のやりとりだけでは無機質になってしまう。「分かる!」とか「それな!」のように、共感を呼ぶことで大きなムーブメントが起きる。そのために何が必要かと考えたときに、「パブリック・ナラティブ」はまさにど真ん中という感じでした。
私が関わっている「スポーツコーチング」という分野においても、ただ指導力を高めるだけでなく、皆が学ぶことによって「スポーツの価値そのもの」を高めていくという展望のもと、取り組んでいきたいと考えています。
「価値」の表現は十人十色なので、自分なりの「ナラティブ」で共感の輪を広げ、活動の促進にも繋がればという思いで参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

「とりあえず自転車を漕いでみる」という表現で、理論に基づいた手法をガンガン取り組むという二日間だったので、とても疲れました。笑
が、その分ポイントを早く掴めたり、ミスを通じて学びが加速したり、良いことづくめでした。
最後が、個々人の「パブリック・ナラティブ」を発表し合うというものでしたが、全体で発表する機会をいただき、本当に頭を使いました。初日との違いを実感し、二日でこれだけ変化できるという自信にもつながりました。
凝縮された二日間のおかげで感覚は掴めてきたので、これをどのように自身の活動に活かせるかが鍵だと思います。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

営利目的ではなく社会活動が由来のコンテンツだったので、テクニックに拘らず人間の根っこの部分にアクセスしていくような感覚が、他のワークショップと一線を画しているように思えました。
同様に、参加者も社会を良くしたいという強いエネルギーを持ち、且つ、恣意的ではなく全体最適を求めて活動している人たちばかりだったので、参加者同士での対話そのものが非常に有意義でした。
また、Zoomならではのブレイクアウトルームを駆使したワークがメインでしたが、スタッフの皆さんがルームごとにしっかりサポートされていたので、ボリュームがありつつもメリハリのついた二日間でした。
何よりスタッフ同士が楽しそうにコミュニケーションをとっていたので、和気藹々とした雰囲気だったのが良かったです。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

「スポーツコーチングJapan」として伝えたいメッセージや広めたい活動もあるので、まずはそこで活用していきたいです。
また、個人事業としてキャリア支援の仕事を行う中で、「自分をどう売り出していくか」という視点の大事さを感じることが多く、そこを養うためにコミュニティ・オーガナイジングの考え方や手法を活かすことができると考えています。

山本 尚範

ワークショップに参加した動機は?

僕の信頼する友人がCOJの活動をされており、勉強になるよと聴いていました。僕は救急医療をしています。救急外来は現代の駆け込み寺のようになっています。様々な困難を抱えた方がやってきます。医療が解決して差し上げられるのは困難の一部に過ぎません。救急外来から見えて来る、多くの人たちの「生きづらさ」を解決するために人々に働き掛け組織化する方法を学びたいと思っていました。また新型コロナウイルスの世界的流行が起き、医療崩壊を防ぐための自粛で多くの人が孤立し生活苦に陥っています。医療の大切さを再認識する一方で、医療だけでは多くの人たちをお救いすることは出来ないという無力感も増しています。このワークショップに参加して、多くの社会活動家と出会うこと自体が刺激や励ましになるし、先達が実際にどうやって人々を組織化し社会を変えてきたかを学びたいと思いました。

ワークショップに参加した感想は?

非常に楽しかったです。理由は3つあります。ひとつには人々を組織化する方法論について体系的に学べたこと。もうひとつは実際に自分達で人々への呼び掛けの仕方を考え、スピーチする実践を体験出来たこと。最後に社会を良くしたいと考えて実践している様々な立場の方と出会えたことです。参加者の多くが様々な社会的活動をされていました。彼ら・彼女らはいずれも多様性を重んじながらも、それぞれの職業や能力(職能)だけでは解決出来ない問題に立ち向かっていました。人々を勇気づけ共に社会を変えていく方法について、お互いに意見交換しながら学ぶことが出来ました。温かい雰囲気の中で対話が出来、それ自体に励まされました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

医療系のワークショップに参加することが職業柄多いです。そうした専門系のワークショップでは参加者の関心事と背景がほぼ同じです。コミュニティ・オーガナイジング(以下CO)のワークショップで「COを学びたい」という思いは参加者共通ですが、その人の具体的な関心事や背景は多種多様です。これが最大の違いです。この多様性ゆえに最初は共通の関心事や相手の考え方や可能性を見出すことに労力を割きました。しかし、人々を組織化する上でこのプロセスは欠かせません。むしろ同一性の高い集団で解決出来る問題以外の問題に取り組むのが、社会を変えるためには必要だと思います。そのことを実体験出来たことがこれまでのワークショップとの大きな違いでした。参加者の皆さんがその多様性・個性を非常に重んじる方々ばかりだったので、とても楽しい時を過ごすことが出来ました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

人々がより良く暮らすことが出来る社会を作るためにCOを活かしたいと思います。新型コロナウイルス感染症パンデミック下の2020年8月、日本の自殺者数は前年比1.5倍と急増しました。人々の孤独化や生活苦は強まっていると思います。気付かれずにいた日本社会の絆の弱さが表に出てきました。医療従事者だけでも行政関係者だけでも企業や労働者だけでも、あるいは地域住民だけでも絆は快復しません。あらゆる職能(職業と能力)を持った人々がこれを機に、より暮らしやすい、人々に居場所と出番がある社会をどうしたら作れるのかを考える時期に来ています。そしてそれを具体的な行動に結び付け実際に社会を変えていく必要があります。その際にCOの方法論は必須アイテムだと思います。このワークショップをきっかけにもっとCOを学び、より良い社会の実現のために活かしていきたいと思います。

宮内 史織

ワークショップに参加した動機は?

同僚が昨年ワークショップに参加していてどんなものなのか興味がありました。同僚と所属する労働組合のメンバーからの勧めがあって参加させてもらいました。

ワークショップに参加した感想は?

ワークショップで学んだ理論は使っている言葉が違うものの、普段の活動からやっていることでした。スノーフレークリーダーシップはまさに私たちが一緒に活動をつくっていきたい仲間の姿、目指している組織の在り方だと思いました。今までの活動でやってきたことをより意図的に効果的に出来るようになるためのワークショップとのことだったのでとても楽しみでした。

ワークショップは今まで接点のなかったいろいろな分野の活動をする、幅広い年代の参加者のみなさんと演習をするという内容で、最初はすごく緊張しましたがそれぞれが「変えたい」「もっとこうしたい」という思いをもって活動しているストーリーを聞いて感動したし励まされました。ストーリーを語ることが他者を動機づけて自分の心にも灯がともる感覚がわかりました。時間はとてもシビアでしたが、チームでキャンペーンを考えるのが楽しかったです。それぞれの資源を出し合ってみんなが役割をもってつくる運動はワクワクするものでした。同じチームの仲間からの「本当に実現できそうと思った」という感想がとてもうれしかったです。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

このような運動をつくるためのワークショップ、リーダーシップを考える、演習するワークショップには初めて参加しました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

リーダー集団の団結をどうつくるか、運動にたくさんの青年をどう巻き込んで広げていくかという点で活かせたらと思っています。「祝う」ことを大切に、いま居るリーダー同士でストーリーを語り合ったり、そこから見える共通の価値観でつながって一緒に励まし合いながら活動できる集団になっていければと思います。自分が何でもやってしまうリーダーではなく、周りの人たちの力を集めながら、一緒に学びながら活動をつくれるリーダーになっていきたいです。

又吉 莉奈

ワークショップに参加した動機は?

「ちゃぶ台返し女子アクション」のイベントに参加した際にCOJ理事の方の「Story of Self」を聞いて、私のリーダーに対する価値観は大きく変わりました。「語りの力」自分が体験したわけではないのに、心が共鳴し、行動にかき立てられるような、強い求心力というよりむしろ、「含まれる」という感覚でした。その際にお話されていたコミュニティ・オーガナイジングについてすぐに調べ、すぐにガイドブックをダウンロードし読み始めました。それまでの私は創立60年の団体を一人で背負い(一人だと思い込み)、自分が全てやらなきゃ。証明して見せなきゃと必死にもがいていました。しかし一人の人間の力や情熱だけで動かしていくのには限界があるのは自明なことでした。ではどのように人を巻き込んでいくのか、単なる労使関係でないNPOの人財をどのように繋げ、機能する仕組みにしていくか、書籍を読み漁りながら、トライアンドエラーを繰り返していた、まさにその時にCOJの存在を知りました。ガイドを読み進めていく中で、手探りで渦巻いていた考えが、だんだん言葉になってきて、頭の整理の助けになりました。ガイドを読むだけでも、「納得」がたくさんあったのこのメソッドをぜひ身に付けたいと思い、今回ワークショップに参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

一言で言うと「濃密」でした。異なるフィールドでリーダーシップを担う方々とチームを作りキャンペーンを作っていく中で、このメソッドを実際のどのように機能させていくのか、実感することができたと思います。そして「難しいぞ!楽しいぞ!」と脳がフル回転した2日間でした。まさに初めて自転車に乗る感じ、怖いんだけど、一瞬乗れた時の風の気持ちよさ、そしてこける。起き上がり再挑戦!
「Story of Self」の構築において、自分を突き動かしていた「強い力」の根源を紐解いていく中で、たった一つの強烈な経験ではなく、本当にたくさんの多様なピースが自分を動かしていているんだという、そもそもの動機に気づくことができました。それを、私自身の「Story of Self」として活用していくためにはまだまだ練習が必要ですが。
もう一つ「同志」の存在に気づけたのは大きな収穫だったと思います。私が頑張れば。リーダーの自分が引っ張るのだ。(自分の存在価値証明としての機能もあり)とばかり思っていたけど、それは全く間違いで、バーンアウトする前に、「リーダーシップの実践とはリーダーを育てること」当事者の資源を出し合い、それをオーガナイズして行くことが今の私に必要なことだと気づくことができました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

知識を入れて、失敗しない程度にさわりだけ触れてみましょう感はなく、初めて乗る自転車で「さあいけー!」と手を離される感じです笑。不安だし、時間もかかるけど、自転車の仕組みの方の中で、試行錯誤し、調整、適応していくこと、失敗すること、時間に間に合わない、意見がすれ違う、根本から作り直すという全ての過程それ自体が学びとなりました。
キーワードは濃密さと感情です。全く知らない人と、いきなりコアのパーソナルな価値観の話をすることはほとんどないですが、コミュニティ・オーガナイジングではそれが基礎なのだと感じました。知識スキルだけじゃなくて、感情を以って組織をオーガナイズする。とても人間らしい。日常の中で知識・技術だけで行動している人なんていなくて、必ず感情や個人の歴史が介在していて、チーム一人一人の意思決定や関係性作りの大部分を占めるはず。WSの中でコーチたちの「Story of Self」を聞き、それが講義で体系的に説明され、実践してみてその難しさと納得を得ると言うのは、WSとしての質はかなり高く、消化しきれないほどの収穫を得ることができる2日間だったなと思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

COJのWSを受けてみて自分の弱さ、山積する課題が目の前に出現した感じがします、でもそれはネガティブな感情じゃなくてスタートラインに立った。さあこれからだ!っていうとてもポジティブな感情。まずが自転車に乗れるようになること、乗れるようになったらより遠くに行けるよう漕ぎ続けること。
相互理解による国際平和の実現を目指し、教会を拠点に始まったICYEの国際間青年交換事業では、20年前に教会から独立した時に、共通の価値観とコミュニティを失ってしまいましたが、日本支部を存続させることが第一目的となり、コミュニティの再構築に関しては、多くの運営課題がそこに起因しているにも関わらず、気づけずにいました。しかし今回(幸か不幸か)新型コロナウイルスの影響により事業が停滞し、自らの内部に目を向けるきっかけとなりました。団体の長い歴史で関わってきた多くの個人をコミュニティの一人として、宗教という絶対的な共通価値観から抜け、その先にある共通の価値観に向けて、時間をかけて関係性を丁寧に作っていくことが初めの一歩だと考えています。
今回学んだことは型であり、コミュニティ・オーガナイジングWS参加者ガイドをバイブルとして、自分のフィールドに風土として染み込ませて行きたいと思います。

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