情報・知識事典 imidas(イミダス)にCOJ代表鎌田華乃子と湯浅誠さんの対談が掲載されました。

情報・知識事典 imidas(イミダス)にCOJ代表鎌田華乃子と湯浅誠さんの対談が掲載されました。湯浅さんは過去ガンツ博士が来日された際にWSに参加されています。

ハーバード流!草の根リーダーの育て方
【特別対談】湯浅誠(社会活動家/法政大学教授)×鎌田華乃子(特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事)
〜マーシャル・ガンツに学ぶ、社会を変えるための新しい発想

「コミュニティ・オーガナイジング実践ガイド」のご紹介 2016年5月ニュースレターより

コミュニティ・オーガナイジングの実践支援を行っているオーガナイジングチームでは、去る3月に「コミュニティ・オーガナイジング実践ガイド」を作りました。

これは、2015年度にコミュニティ・オーガナイジング実践に取り組まれた9名の方(オーガナイザー)の実践記録です(一部は2014年度から)。プロジェクト概要(誰のどんな課題解決を目指しているか、なぜ取り組んでいるか、オーガナイジング計画)、実際のプロセスとそこから得た学びと、コーチング担当者によるスキル解説をまとめています。

うまくいったことばかりではなく、問題が起きたときにご自身と仲間の力でどのように乗り越えたかについてもつづってくださいました。率直なコメントの中に、他の人々がもつリーダーシップを見出し、伸ばして、コミュニティの力で地域や特定の人たちの困り事を解決するために頑張ってきたオーガナイザーの強さを感じ取っていただける内容になっていますので、ぜひお読みください。

http://communityorganizing.jp/co/co_guide2015/

私もコミュニティ・オーガナイジングを活動に取り入れたい、という方がいらっしゃいましたら、info@communityorganizing.jpまでご連絡いただければ幸いです。

*本実践ガイドは公益財団法人日本財団様のご支援で作成しました。

(COJ理事 松澤桂子)

COJメンバーからのメッセージ(理事 林大介)2016年5月ニュースレターより

かれこれ20年以上、市民活動の世界で生活してきている。

基本的に私の活動分野は「子ども・教育」であるが、一口に「子ども」といっても、不登校、障がい児、遊び場、虐待、文化・芸術、スポーツ、環境、外国籍、LGBT、性、子どもの貧困、キャンプ・野外活動、自然体験などなど、テーマや活動分野は様々。

子どもを取り巻く環境は確かに変化しているが、子どもそのものは変わっていなく、子どもと接する大人が変わってきていると感じることがある。

というのは、“大人が描く子ども像”を押し付けようとする大人が、結構いる。
なぜ、子どもを自由にさせないのか。お決まりの枠にはめようとしてしまうのか。

「みんなちがって みんないい」「十人十色」と言いつつも、違っていることを指摘し、同一化してしまおうとする“力”を働かせる大人がいる。
個性以前の問題として、“異なる”ということを受け入れることができない大人がいる。
そして、そうした大人に限って「自分は子どもの主体性を尊重している」と言いつつも、自分の価値観を押し付けようとしたりする。。。

とはいえ、大人自身も“自分”に対する評価や見られ方を気にせざるをえない社会状況もあり、だからこそ、良かれと思い“こうあるべき”と子どもと接してしまうのであろうか。

自分の価値観を押し付けるのではなく、多様な価値観を尊重すること。
そのうえで、自分の価値観を他者に伝え、共感を呼び起こすこと。
これは、「男/女」「健常者/障がい者」「国籍」「出身」「学歴」といったことに関係ないように、「子ども/おとな」という年齢・世代にとっても関係ないことである。
同じ人間としてどのように向き合うのか。向き合えるのか。向き合うべきなのか。
改めて、その難しさを感じている。

COJ理事/子どもの権利条約ネットワーク事務局長 林大介

大宮透

ワークショップに参加した動機は?

一緒にプロジェクトを進めている数名のコアメンバーと、それぞれが根っこの部分で持っているプロジェクトや町に対する思いと、その背景を共有したり理解したかった。また、自分たちのプロジェクトを通じて、より多くの人々を巻き込む方法論や考え方を学びたかった。

ワークショップに参加した感想は?

人を動かす、一緒に動き出すための3つの要素(Story of self/ Story of us/ Story of now)や、それを語れるものにするためのプロセスをわかりやすく学ぶことができた2日間でした。その中でも、Story of usを語ることが自分に足りていなかったこと、だからこそ巻き込めない人々がいたことを自覚できたこと、これが何よりの収穫でした。同じプロジェクトを進めている数名でそんな思いを共有しながら、一緒にStory of usを作っていくことができた時間は、今後につながるとても貴重な時間でした。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

一つ一つのレクチャーが端的かつ参加型で、レクチャーごとに実践的なワークショップが用意されている点が、とても学びやすい形だなと思いました。
また、ワークショップでは小さなグループごとに講師の方がサポートに入ってくださり、痒いところまで手がとどく指導をしてもらったことも、学びを深める上ではとてもよかったです。
タイムマネジメントが厳しいワークショップでありつつも、そこまで詰め込み感を感じなかったのも、ワークショップを少人数で丁寧に行ってもらったからだと思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

自分の思いを、他者の思いと共鳴させ、活動の広がりを大きくしていくこと。若者会議は、裾野を広げる努力を続けていかなければいけないプロジェクトだと思っています。今回のワークショップを通じて得た考え方を若者会議のこれからの展開に生かしていきたいと思います。

第1回オーガナイザー祭~勇気を持って共に走る仲間が集う!~

 オーガナイザー祭全体報告

オーガナイザー祭 コーディネーター: 杉本篤彦

  2016年3月27日(日)に『勇気をもって共に走れる仲間が集う オーガナイザー祭』を開催させていただきました。登壇者12名、当日COJ運営スタッフ15名、参加者57名の総勢84名が当日参加し、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンの取り組み(ワークショップ・実践伴走)の共有、オーガナイジング実践者の取り組み発表、次のアクションへの一歩につなげるワークショップを通じて、2014年1月のコミュニティ・オーガナイジング・ジャパン発足から現在に至るまでの取り組みの成果をみなさんと振り返ることができ、また参加者のみなさんから「勇気をもらった」という声を数多くいただき、『オーガナイザー祭』をみなさんと一緒に作ることができて大変嬉しく思っております。

  私自身、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンの活動に、ワークショップ参加者から、ワークショップコーチとして、そしてオーガナイザー祭に関わらせていただく中で、コミュニティ・オーガナイジングの手法を実践されている様々な方の後ろ姿を見ることによって、勇気付けられ、少しづつ自らの実践に取り入れることを学びました。気付いた時には、コミュニティ・オーガナイジングを学んだ人たちの中のお互いを勇気づけ、学び合うコーチングコミュニティの中におりました。

 今回オーガナイザー祭に参加された方も、そうでない方も引き続き、勇気をもって共に走れる仲間の輪を広げていくことができるように当日のオーガナイザー祭プログラム内容と当日資料を一部掲載させていただきました。

 来春、より多くの実践事例や、勇気をもって共に走れる仲間が集う『オーガナイザー祭』にて、またみなさんとお会いできることを楽しみにしております。

 

オーガナイザー祭プログラム内容・当日資料

 オーガナイザー祭プログラム内容と当日資料をご紹介させていただきます。

 『オリエンテーション』

 オリエンテーションでは、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンのこれまでの歩みを代表理事鎌田華乃子、実践活動支援の取り組みを理事の松澤桂子、小田川華子、依田純子の3名でご紹介しました。

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 《資料添付》
オリエンテーション資料

『セッション1』

 セッション1では、副代表理事室田信一がモデレーターとなり、コミュニティ・オーガナイジングの手法を導入された3つの代表的な事例(ご自身の組織に取り入れた『生活クラブ風の村』島田朋子さん、ゼロからキャンペーンを立ち上げた『ちゃぶ台返し女子アクション』大澤祥子さん、ご自身が立ち上げた活動に取り入れられた『まんまるママいわて』佐藤美代子さん)をご紹介しました。

《資料添付》
セッション1議事録

 《資料添付》
登壇者資料(『生活クラブ風の村』島田朋子さん)

《資料添付》
登壇者資料(『ちゃぶ台返し女子アクション』大澤祥子さん)

 《資料添付》
まんまるママいわて佐藤美代子さん

『セッション2』

 セッション2では、コミュニティ・オーガナイジングの手法を導入した実践事例の共有を、参加者のみなさんの興味・関心の高いテーマごとにブースに入っていただき、質疑応答や意見交換を行いました。

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発表者は以下の通り

 『いわて連携復興センター』葛巻徹さん(地方創生)

『KAKE COMI』鴻巣麻里香さん(貧困)

『LGBT成人式』松川莉奈さん(人権)

『おせっかいバトン』本多智子さん(子育て)

『ソルト・パヤタス』井上広之さん(貧困)

『プレカリアートユニオン』清水直子さん(労働)

『Clinked』依田純子さん・大野真貴子さん(人権)

『夢追塾』園田恵さん(高齢者福祉)

 

その中から、『Clinked』依田純子さん・大野真貴子さん(人権)(担当 鎌田華乃子)と『KAKE COMI』鴻巣麻里香さん(貧困)(担当 松澤桂子)の当日発表の様子をご紹介します。

 《資料添付》

『Clinked』依田純子さん・大野真貴子さん(人権)(担当 鎌田華乃子)

《資料添付》
依田純子さん・大野真貴子さん資料

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《資料添付》

・『KAKE COMI』鴻巣麻里香さん(貧困)(担当 松澤桂子)

《資料添付》
鴻巣麻里香さん資料

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『セッション3』

 セッション3では、オーガナイザー祭での実践共有と参加者同士の交流を経て、次のアクションへの一歩につなげるためのワークショップ(担当 笠井成樹)を開催しました。参加者同士で複数のチームに別れて考える「祭りチャント」では、 「メンバーをオーガナイズしてパワーが高まっていく様子」をテーマに各グループにて発表を行い、次年度のオーガナイザー祭から使われる『祭チャント』が生まれました。

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オーガナイザー祭を最後に締めくくるワークショップでは『宣言シート』を「オーガナイザー祭の中で勇気をもらえた時はいつですか?」「あなたが責任を引き受けて、アクションしたいことは具体的に何ですか?」「(アクションを)実現するために、COJに求めるものはありますか?」「ここにいる仲間に求めるサポートはありますか?」という問いに沿って個人ワークとペアワークの中で完成していただきました。

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最後は、大きな車座を2つに分けて作り、参加者全員でオーガナイザー祭を受けての次のアクションを宣言し、オーガナイザー祭を締めくくりました。

 

オーガナイザー祭を振り返って

コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事:鎌田華乃子

  今回オーガナイザー祭りを初めて開催し、オーガナイザーの方々の実践と生の声と、COJのスタッフによるコーチングがどういったもので、どんな効果があるものか共有する機会を設けることができ、本当に嬉しく感じています。お越し下さった参加者の皆様から「勇気をもらった」という声が沢山聞こえただけではなく、COJ一同が自分達の仕事と存在価値を改めて感じることができた貴重な機会でした。

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2015年度は4−5人の実践者をグループにし二週間に一度程度ピアコーチング(実践者同士)とCOJコーチによる一対一のコーチングを組み合わせた個人向け実践伴走と、組織を定期的に訪問しコアとなるメンバーにコーチング、トレーニングを行う組織向け実践伴走を試みました。その結果、13人の個人の実践者が生まれ、2組織が実践に取り組み、発展途上ではあるものの、社会変化を起こしつつあります。

3年目の2016年度は実践伴走とワークショップを有機的に組み合わせ更に実践が生み出されるきっかけと、実践者が勇気をもって走りきれる土壌を作りたいと思っております。

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全国の若者会議関係者へのコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ in 小布施町

2016年5月4日、5日に小布施町役場で全国の若者会議関係者を主な対象者としてコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ(以下COワークショップ)を開催しました。

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きっかけは四国若者1000人会議の瑞田信仁さんとさっぽろ若者会議を立ち上げた高山道亘さんが全国の若者会議が集まる場を創ろうという話になり、小布施若者会議の大宮透さんに相談し、東北若者10000人会議の田中草太さん、信州若者会議の藤原正賢さんも主催者に加わり準備を進めてこられました。またスペシャルゲストとして、京都でのCOJ関連のワークショップでいつもお世話になっているNPO法人場とつながりラボhome’s vi代表の嘉村賢州さんもスペシャルゲストとして参加していただき、二日目の朝には京都市で嘉村さんが場づくりされた京都市100人委員会のお話をしていただきました。

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今回のワークショップの開催趣旨は、「チームビルディング」や「コミュニティ形成」等のスキル的なことを学ぶことや、各地の取り組みについて情報交換を行うこと。このことは参加者にもそれとなく伝わっていたと思うのですが、COワークショップを受講されたことがある皆さんならご存知の通り、事前に分厚いテキストが紹介されはしますが、受講しないとどのような内容なのかイメージを持つことが難しく、不安というかアウェー感がぬぐえなかったと思います。そのような不確実な状況に追い打ちをかけるように当日の小布施町は最高の天候で、爽やかな新緑に囲まれており、僕自身二日間役場の会議室に缶詰めというワークショップにかなりの抵抗感がありました。

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そのような中、全国からご参加いただいた20名の皆さんと4名のコーチ陣でワークショップを進めていくことになりました。

そのような不安を取り除くきっかけになったのは冒頭みんなで30秒自己紹介をする中で、普段の知らない面を共有したことや、みんなで「一人目に引っ張られない」「自分に正直に」「かっこつけない」「若者会議にこだわり過ぎない」「助け合う」「支え合う」「時間を守る」等のノーム(グランドルール)を出し合ったこと。さらにそのノームを破った時にノームコレクションを実行することで「みんなで決めたことを守ることでより良い場ができる」という空気が醸成されていきました。結果として二日目には主体的に意見を言い、協力しあうことで深い学びの場づくりに参加者全員が関与し、安心した場になっていったと思います。

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個人的な感想としてやはりCOにおいて『関係構築』は大事だなと感じたのですが、今回私は名古屋若者会議のメンバーが集まったチームのコーチを担当したのですが、高校生が1人、大学生が3人、社会人が1人という構成で他の若者会議よりも世代が若く、比較的普段から一緒に活動しているのですが、1対1の関係構築のための8分間の対話(共有する価値観を見つけるワーク)を行う中で「こんな風に話したのは初めて」という言葉を聞き、本気でこのワークに取り組んでいるなと思えたし、このワークの意図が伝わってよかったなと改めて思いました。

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今回のワークショップの全体の感想の共有の中で一番多かった感想が「Story of usの難しさ」についてだったと思います。若者会議を行う中で、なぜ自分が若者会議に取り組んでいるかを語ることや、企画内容を説明し、一緒にやろうと誘う機会はあったと思うのですが、一緒に若者会議を作っていきたい仲間(同志)が共通して持つ価値観について考え、その仲間(同志)をつなぐストーリーを考えることは普段意識しきれていなかったと思います。このような活動をすると少し周りから浮いてしまうこともあるかもしれません、しかし一部の特別な人間だけで若者会議をやっていきたいとはみんな思っていなくて、より多くの人たちに関わっていってもらいたいと考えている。そのためには、1対1の対話を行うと共に、共通する価値観に根付いたストーリーを語ることに意義があるかもしれないと少し思っていただけたのではないでしょうか。

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最後になりますが小布施の皆様には本当に大変お世話になりました。三日間も宿泊させていただいた大宮さん、ロジを担当してくれた木口さんをはじめ関係者の皆様、二日間会場を提供してくださった小布施町の関係者の皆様、本当にお世話になりました。ご飯も美味しかったし、温泉も最高でした。高井鴻山が佐久間象山と議論した逃げ道が用意されている部屋はいろいろと思いを巡らすことができました。また訪ねたいと思いました。

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今回の滞在を次に活かしていきたいと思います。ご参加いただいた皆様、一緒にワークショップを準備した講師・コーチ陣、これからも一緒に面白いことを仕掛けていきましょう。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン

副代表理事 池本修悟

関口真司

ワークショップに参加した動機は?

学生団体で活動していたりすると、人の行動に成果が伴うのは「やらされている」時ではなく本人が「やりたいと思ってやっている」時ばかりだなあ…と実感します。人の「自主性」「主体性」がいかに大切かを思い知らされる日々です。特に今年は学生最後の一年。新たに始める取り組みやこれまで続けてきた取り組みについて、それにかける想いが引き継がれていくために何ができるか、という問いへのヒントを求めてワークショップに参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

目指していた状態に至るための手段をドンピシャで授けてもらえたような2日間でした。ひとりがリーダーシップを持つのでもそれぞれがバラバラにリーダーシップを発揮するのでもなく、共有された価値観のもとリーダーシップを持って目標に向かい取り組める人を増やしていく。言うは易し行うは難し、のこの状態を作るために、何をどう頑張ればいいのかが少し見えてきたような気がします。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

少人数のグループワークが頻繁にあったのですが、グループひとつひとつにコーチが付いていくださっていたことはとてもありがたかったです。自分が的はずれなことをしていないか…といった不安を抱えることなくワークに集中できました。また、かなり濃密なスケジュールで頭がパンクしそうでしたが、だからこそその時間を共有しているほかの参加者との間に結束感を持てました。参加者同士が「仲間」になれるワークショップだったように思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今関わっている取り組みの中でも特に、3年間続けてきた学生団体を卒業するにあたって「ひとりひとりにとっての居心地いいチーム」をつくり、残していけたらと思っています。ワークショップに参加したあとの2週間で団体の仲間と1対1の対話をすでに複数回設けてみました。知っているつもりで知らなかった相手の価値観、実は伝えられていなかった自分の想いがたくさんあったことにさっそく気づき、自分の活動にCOがいろんなものをもたらしてくれそうな予感を噛み締めています。

ソフトバンク株式会社CSRプロジェクト「チャリティスマイル」の運営チームに対するチームの立ち上げと戦略策定支援

4月4日(月)に、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)様のCSRプロジェクト「チャリティスマイル」の運営チームに対して、チームの立ち上げと戦略策定支援をさせて頂きました。

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※チャリティスマイルとは

2016年2月1日よりソフトバンク様が始めた、事故や災害などで親を亡くした子どもや、虐待などで居場所を失っ た子どもを継続的に支援するために、月々の携帯電話利用料金の支払いと一緒に寄付ができるサービス。2016年4月15日~5月20日の間に集まった寄付 は、熊本地震の被災地支援に使われる。
http://www.softbank.jp/corp/csr/donation/charity_smile/

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 このプロジェクトは、ソフトバンクの社員様に加えて、中央共同募金会様、児童養護施設関係者の方々を含む8名の方で進めるため、
①組織外のメンバーでチームを組んでプロジェクトを進めるにあたって、メンバーそれぞれの価値観を共有する
②当事者の方が具体的に直面している課題の中から、チームが取り組む課題を特定する
③上記で特定した課題解決のための戦略を立案し、共有した状態でプロジェクトを進める体制を整える
ことが求められていました。
COJからは、フェローの笠井成樹(しげ)と私(ざわ)の2名で担当させて頂きました。

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 まずは、参加者の方々にニックネームで呼び合うことをお願いしたのですが、最初は照れながらも全員がニックネームで呼び合ってくださったため、時間が経つにつれて関係性が良くなっていくのを感じました。
 チェックインを済ませた後に1日のノームを全員で作ったのですが、ノームコレクションの存在に皆さん驚かれていて、途中何回かノームコレクションが発動されることでその効果を実感されているようでした。
 最初のワークは、ストーリー・オブ・セルフでした。普段一緒に仕事をしているメンバーに加え、これから一緒にプロジェクトを進めていく社外(!)の人の前でストーリー・オブ・セルフを語るのは心理的ハードルが高かったと思いますが、ありがたいことに全員が語ってくださり、中には涙を堪えながらストーリーを聞く方もいらっしゃいました。
ストーリー・オブ・セルフの後の振り返りでは、「自分自身のことが整理される」、「普段一緒に仕事をしているけど、こういう背景があって今に至っているんだなってわかって良かった」などの気付きが共有されました。

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 続いて、メンバー全員に共有する価値観、関心をもとに共有目的を作り、戦略へと進んでいきました。戦略のワークでは、児童養護施設を運営されている方の現場の話にメンバーが耳を傾けながら、「なぜ問題が解決されてこなかったのか?」、「同士の資源が生かされているか?」と、COJのワークショップでお馴染みの問いをもとにメンバー全員で考えていきました。最終的に、皆が共有する形で戦略的ゴールができあがりました。

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 COJとしては企業様に対して実践支援を行う初めての事例だったため、どこまで貢献できるか未知数なところもありましたが、最後の振り返りでは「個人(セルフ)から入って、チームの価値観、戦略という流れも良かったし、フレームに沿って考えることの有効性を実感できた」、「このチームでここまで深い話をしたことがなく、本音で話せて良かった」、「どう具体的に動いていくのかイメージができたのが良かった」など感想を頂き、コミュニティ・オーガナイジングのパワーを改めて感じた1日でした。

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 貴重な機会を頂いたソフトバンク様をはじめ、中央共同募金会様、児童養護施設関係者の方々によるチャリティスマイルチームの皆様に感謝申し上げます。

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フェロー・会沢

【第5回主催WS】コミュニティ・オーガナイジング・トレーニング(COT)

 ハーバード大学ケネディスクールマーシャル・ガンツ博士が開発した、市民一人一人のリーダーシップをはぐくむ『コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ』を東京で開催いたします。

2014年1月7日NHKクローズアップ現代で特集され話題になりました。
※クローズアップ現代のサイトはコチラ
【“物語”の力が社会を変える】
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3448_all.html

<コミュニティ・オーガナイジングとは>
市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになる。
そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます。

<対象>
社会問題の解決に関心のある方、草の根活動を広げたい方
※NPOリーダー、市民活動のリーダー、企業のリーダー(企業規模や役職に関わらず)、行政担当者など

<日時・会場>
【日時】
1日目:2016年6月4日(土)10:00~19:00(予定)
2日目:2015年6月5日(日)10:00~19:00(予定)
※2日間通してのご参加をお願いします

【会場】
日本財団ビル
(東京都港区赤坂1丁目2番2号)

<募集人数>30名(一般25名+学生5名)

<参加費>
一般(早割):32,000円(10名)
学 生:12,000円(25歳以下の学生限定※当日学生証確認いたします)
※懇親会開催の場合は、別途希望される方から相当額を集金させていただきます。

<お申込み・お支払い方法>
本WSのお申し込みは、下記Peatixのサイトよりお願い致します。

http://peatix.com/event/162154/view

<講師>
鎌田華乃子
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事
横浜生まれ。11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了。卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジング(CO、普通の市民が立ち上がり社会を変えていく活動)組織にて市民参加の様々な形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)を2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。

<参加予定人数>
30名

第4回コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ

 2016年3月5日(土)、6日(日)に、赤坂の日本財団ビルで第4回のコミュニティーオーガナイジングワークショップを開催致しました。

 本ワークショップは広く一般の方へ呼びかけ、社会問題の解決に関心のあるNPO職員、大学生、弁護士、会社員など、様々なバックグラウンドを持つ方36名の方にご参加頂きました。

 参加者はまず1分間の自己紹介を全員に向かってします。すると1人目の自己紹介の時、1分が経過すると間髪入れずにタイムキーパーが「チリンチリン!」と激しくベルを鳴らしました!時間を共有の貴重な資源と捉える、コミュニティーオーガナイジングジャパンならではの、徹底した時間管理ぶりに、会場内には参加者の「これからの2日間、一旦どんな事が行われるのだろう!」という期待と不安が入り交じった感情が充満していくのが感じ取れました。そんな困難な状況の中でも、参加者の皆さんはワークショップに参加した動機を語ってくれました。

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 その後、参加者は自分が今取り組んでいる活動や、自分が取り組みたいと思っているテーマを題材に戦略練っていきます。子育てに悩むママ・パパが安心出来る場創り、職場での働きづらさを解消するための活動、見知らぬ土地に突如住む事になった人達のコミュニティー創りなど、参加者は思いと思考を張り巡らせそれぞれの活動に戦略を立てます。するとコーチからは「同志は明確ですか?」「困難に直面しているのは誰ですか?」等、怒濤のようなコーチングが飛んできます。参加者の皆さんはその度に「うーん…」と自分のシートと心と向き合います。「自転車で転びまくって傷とあざだらけ!」そんな声があちこちで聞こえながら、1日目は終了致しました。

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 2日目はパブリックナラティブを学びました。「そもそも自分はなぜこの活動に取り組んでいるのか?」「なぜこの問題を解決したいのか?」自分と徹底的に向き合う時間です。最初は中々ストーリーを語れなかった人も、他の参加者のストーリーを聴き、コーチングを受ける度に、どんどんと良いストーリーを語れるようになっていきました。最後のパブリックナラティブの発表の時、2日間を共にした仲間達の発表がされる度に大きな拍手が会場を包みました。しかし最後のアクションが弱いとすかさず代表理事の鎌田から「参加したい人はどうすれば良いですか?」とコーチング。それぞれがきちんと、聴いた人が取れるアクションを伝え、ナラティブの発表は終わりました。

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 最後の振り返り、やはり多かったのは「転びまくった2日間だった。」という声。それと同時に「この手法を、明日から実践したい!」という強い想いも沢山聴く事ができました。「またこのメンバーで集まりたい。」そんな想いから既に同窓会というアクションが起きようとしているのも、いかに本ワークショップの参加者が実践に貪欲かと言う事を物語っているように思います。

 

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 実際に自分のフィールドでコミュニティーオーガナイジングを実践する時、恐らく皆さんはワークショップ内でも経験できなかったような大転倒を経験することになると思います。思ったように戦略が機能しなかったり、関係構築が広がらなかったり、きっと沢山の困難がこの先皆さんを待っていると思います。でももし、困難に直面した時は思い出して下さい!この怒涛のようなワークショップ、転んだ時に手を差し伸べ合える仲間と共に、粘り強く起き上がり続け、最後まで走りきったという経験を。この経験は、大きな成功体験として皆さんの中に脈々と生き続けきっと大きな力になるはずです。そしてその先には、大きな希望が待っているはずです。

 

コミュニティーオーガナイジングジャパンは、伴走支援も実施しておりますので、もし活動の中で上手く行かない事があれば、是非お声がけ下さい。

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2日間、本当にお疲れ様でした!

 

コーチ:井上広之

 

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