2016年9月22日・10月29-30日「生涯現役夢追塾 コミュニティオーガナイジングワークショップ」を開催しました!

福岡県北九州市の「JICA九州国際センター」にて、「生涯現役夢追塾 コミュニティオーガナイジングワークショップ」を開催いたしました!

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○生涯現役夢追塾とは・・・

生涯現役夢追塾は、夢や志のある50歳以上のアクティブシニアがこれまでに培ってきた経験やネットワークを使って、自分たちの問題は自分たちで解決する手法を学ぶ場として設立されました。1年間全30回の講座を通して、「新しい地域活動の担い手」になるために実践的な手法を学びます。

今期、第11期生は28名が入塾。これまで10年間で約400名が卒塾し、それぞれが地域活動の担い手として活躍しています。

自分のためではなく、地域のために学ぶ。これが夢追塾の特徴です。

夢追塾の前期課程では「おばちゃん力」を学びます。夢追塾では情報を集める力、地域の人々とコミュニケーションをとる力、自分をうりこむ力などを、「おばちゃん力」と定義し、地域活動に必要な要素であると捉えています。前期課程の最後に、自分が解決したい社会課題を「コミュニティオーガナイジング」のパブリックナラティブを用いて「夢語り」を行い、価値観を共有するチームを立ち上げます。

後期課程では「プロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)」の形式をとり、「夢語り」で立ち上がったチームで、地域の課題を解決するプロジェクトを行います。

○夢追塾におけるコミュニティオーガナイジングの位置づけ
夢追塾では2014年(第9期)からコミュニティオーガナイジングを取り入れています。企業などで豊富な経験のある方が地域に入っていく際には、今までとは違うやり方で組織を動かしていく必要があります。そのため、コミュニティオーガナイジングの手法を取り入れることとなりました。

今期からはこれまでの講義計画をさらに変更し、9月にパブリックナラティブを学ぶWSを実施しました。その手法を生かして「夢語り」を行い、「この指とまれ方式」で共有の価値観を持ったチームを作ります。こうして結成されたチームメンバーが10月に「関係構築」「リーダーシップチームの構築」「戦略立案」「アクション」のWSを受講。実際に活動を行うリアルなプロジェクトチームでCOの型を学んでいく形となりました。

夢追塾では今回のWS終了後も、毎週の講座の中でCOの手法を取り入れながらプロジェクトを進めていきます。

○WSを受講して
今回のWSには、夢追塾11期生16名(50代6名、60代7名、70代3名)と、夢追塾を運営しているNPO法人里山を考える会のスタッフ9名(20代2名、30代3名、40代2名、60代2名)の計25名が参加しました。 

○9月のWS
パブリックナラティブを中心に学びました。

朝の9時から夕方6時20分まで頭の中のふだんはあまり使わない部分を刺激し、セルフ・アス・ナウを学び、演習をしました。

慣れない横文字と、いつも以上に時間に追われるワークショップに混乱気味の参加者の皆さんでしたが、時間がたつごとに集中力が高まっていきました。
最後のパブリックナラティブでは、本当に仲間になって手助けしたくなるような「夢語り」が、塾生のみなさんから生まれました。 

パブリックナラティブWSと「夢語り」を経て、できた4つのプロジェクトチームは下記の通りです。

①「ぼくらは北九州ものがたり探偵団」
北九州市の神社のものがたりを紐解きシビックプライドを醸成するプロジェクト

②「チームレインボー」
合併した五市の特徴を7色の街と捉え北九州市の観光ブランドを創造するプロジェクト

③「梅の折尾堀川」
昭和の雰囲気を今も残す飲屋街がある北九州市折尾を流れる堀川に紅梅並木を作りミニ太宰府にするプロジェクト

④「チーム語り部」
郷土愛に満ち溢れた北九州市を目指して歴史の語り部を育成するプロジェクト

 ○10月のワークショップ
10月29日・30日に行ったWSではこの4つのチームで演習を行いました。

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1日目は、「コーチング」「ストーリー・オブ・セルフ」、「関係構築」、「リーダーシップチームの構築」を受講し、チームで価値観を共有するための演習を何度も繰り返しました。

9月に引き続き全てが分刻みのスケジュールで研修が行われ、キッチンタイマーの電子音が会場に鳴り響きます。

時間に追われ、頭が溶けてしまうほど頭を使い、疲れ果てた後はに夜の懇親会でした。

参加者のみなさんからのおもちよりもあり、盛り上がった懇親会。ある部屋では二次会が行われ眠れない夜となった人もいたのだとか・・。「同じ釜の飯を食った」ことにより、参加者のみなさんの距離がぐっと縮まった印象を受けました。

2日目は「戦略立案」、「アクション」、「ストーリー・オブ・セルフ/アス/ナウを繋げる」を行いました。

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プロジェクトの中身はさらに、具体化されていきます。課題を解決していくために、同志は誰なのか、直面する課題はなんなのか、どんな資源があるのか、一つ一つ考えぬきます。

この1泊2日の研修は、参加者の皆さんのやり遂げた気持ちが前面に見える研修となりました。 

また、今回のWSでは、普段夢追塾の「お産婆さん」として活躍している5人のコーディネーターと、昨年・一昨年と夢追塾でCOのWSを受講した2人の卒塾生がコーチとなりチームを支えました。

今回のWSで具体化されたチームは今後も継続していきます。COの型を使いながら、プロジェクトを実施し、チームごとにキックオフイベントも行う予定です。どんなチームになっていくのか楽しみです。

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 レポート:飯野 亮(NPO法人 里山を考える会/生涯現役夢追塾事務局)

特別寄稿:アメリカ大統領選挙を通じて感じたオーガナイザーの役割、COJのこれから(理事 林 大介)2016年11月のニュースレターより

海を越えた日本でも注目されているアメリカ大統領選挙。
私の小学生の息子も、その結果に驚き、小学校でも話題になっていました。

さて、ご存知の通り、アメリカでの投票年齢は1971年から「18歳以上」です。アメリカでは、選挙となればまさにお祭り騒ぎとなるのですが、小学校入学前から、選挙や政治について話したり、討論会に参加したり、選挙運動に参加するのが“当たり前”です。
その背景には、「子ども時代から民主主義を体験する」という共通した思想があります。

くしくも本年、日本では選挙権年齢が18歳に引き下がり、高校での選挙教育・主権者教育のあり方に注目が集まりました。

そこで、アメリカの学校ではどのような選挙教育・主権者教育(特に、大統領選挙を題材にした模擬選挙/なお、今回訪問したアリゾナでは、civic education と表現していました)が取り組まれているのかを視察してきました。
2008年(オバマ氏が大統領になった年)にも、同じく模擬選挙を見るために、ニューヨークとワシントンの小学校~高校を視察したのですが、今回は現地NPOの関係もあり、アリゾナ州に行くことになりました(ちなみに、アリゾナ州は共和党の地盤です)。

今回訪問および意見交換を行ったのは、以下の通りです。

*学校関係
・小学校:Sirrine Elementary School
・中学校:Desert Foothills Junior High School
・高校:Red Mountain High School
・大学:Pastor Center for Politics & Public Service, Arizona State University College of Public Service and Community Solutions

*シティズンシップ教育、模擬選挙関係
・Kids Voting USA
・Kids Voting Arizona
・アリゾナ州教育局:Arizona Department of Education(Social Studies and World Languages)

*選挙関係
・Early Voting booth(期日前投票所)
・共和党 選挙事務所
・民主党 選挙事務所
・クリントン候補者の集会

アメリカでの模擬選挙そのものは、1980年代から始まっています。そして、模擬選挙実施の中心を担っているのが、今回、現地でアテンドをしていただいたKids Voting USA(KVU)という団体で、アリゾナに全米本部があります(KVU自体は、さらに上部団体の法律事務所内に事務所を構えており、この法律事務所では、模擬裁判や学校でのいじめ防止に取り組むなど、法律事務所そのものとしてcitizenship educationに取り組んでいました)。

この団体が教員向けテキストや生徒向けワークシートなどを作成し、全米に拡げており、活動の中心をオーガナイザーが担っていました。日本と同様に「そんなことに取り組む時間がない」と言われがちな先生に対して働きかけ研修を行い、州教育局と連携し、資金集めを行うなどしています。また、KVUの紹介でアリゾナ州立大学公共政策部でサービスラーニングを展開している教授にお会いしましたが、彼もオーガナイザーとして活動していたりと、”オーガナイザー”そのものが一般的に使われていることを実感しました。

cwhvgk2vmaa5iqa<Kids Voting USAの責任者のケビン、スーザンと>

また、クリントン候補者の集会にも参加しましたが、開始までに4時間ほど並んだのですが、スタッフが長蛇の列を何度も「次の週末、選挙ボランティアをしませんか?」と呼びかけたり、集会参加にあたって登録したメルマガでは「あなたの1ドルの寄付がクリントンの当選につながります」というメールが毎日流れてきました。

COにおける体系だった学びだけではなく、そこでの学びを実践に繋げ、実践を後押し、互いにエンパワーメントしあえる関係性を創っていけるようにしていくことが大事だなぁと、アメリカで体感しました。とはいえ、こうしたことによる成果は、目に見えやすいものもあれば、見えにくいものもあります。日本人はどうしても見えやすいものだけで評価しがちなのですが、見えにくいけど評価すべきものを、いかにして”見える化”していくかが、COJのこれからの展望に関わってくるのではないか、と思います。

cwnmfuaw8aafewp<アリゾナの小学3年生の授業を2クラス見学。1つは「Election and voting」、もう1つのクラスは「The Rights to vote」がテーマ。 >

また、アメリカで強く感じたのは「市民/シティズンシップ」というのを自分事としてとらえよう、という風潮です。
小学校でも、中学校でも、自分の問題として、自分が考えていること、感じていることを話すことが求められ、話すことを大事にしています。多様で異なる価値観を互いに認め合う環境が前提としてあるからこそ、自分のことを話すことへのハードルが下がっています(確かに、はなから間違っているにも関わらず間違ったことを堂々と主張することは問題がありますが、それでも自分が信じることを自分の言葉で伝えることは大事なことです)。
ただ日本では、「自分のことを話す前に、まずは他人の話を聴くこと」が求められ、「みんな違ってみんないい」と言いながらも同質性が押し付けられがちです。

もっともっと、自分の想いや考えを遠慮なく伝えることができるようにしていく環境整備をしていくことがないと、いくらCOを広めようとしても、リーダーが孤立し、空回りし、徒手空拳になったりするのではないか。そのためには、COJのミッションの一つとして、市民活動のリーダーが孤立しない環境整備にも取り組むべきではないか。

そんなことを、アメリカの小学校、中学校などにおけるcivic educationの現場を通じて感じました。

林 大介(COJ理事/模擬選挙推進ネットワーク事務局長)

オーガナイザーTIPS『学習する組織―システム思考で未来を創造する』(COJフェロー 会沢裕貴) 2016年11月のニュースレターより

※このコーナーでは、ワークショップを受講頂いた方、オーガナイザーを志す方にとって活動のヒントとなるような内容をお届けします。今回は書籍の紹介です。

学習する組織――システム思考で未来を創造する
ピーター・センゲ
英治出版

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「学習する組織」をご存知ですか?
複雑さを増しますます変化が早くなる現代社会において、変化を予測し変化に対応していくのではなく、自ら変化を作り出していく組織を作るためのコンセプトや実践事例が散りばめられている本書は、90年代に出版され世界中で100万部を超えるベストセラーになった組織学習論の決定版です。
※95年に「最強組織の法則」として出版されたものの増補改訂版です。

本書、P29でも組織学習の実践者としてコミュニティ・オーガナイザーが挙げられており、コミュニティ・オーガナイジングと組織学習は切っても切り離せない関係にあります。

学習する組織は、下記の5つのディシプリンから成っています。
①自己マスタリー:自分自身の明確なビジョンを持ちながら、ビジョンと現実との間の緊張関係を、創造的な力に変えて成長していくプロセス
②メンタルモデル:それぞれの人がもつ「世の中の人やものごとに関する前提」
③チーム学習:チーム・組織内外の人たちとの対話を通じて、自分たちのメンタルモデルや問題の全体像を探求し、関係者らの意図あわせを行うプロセス
④システム思考:ものごとを一連の要素のつながりとして捉え、そのつながりの質や相互作用に着目するものの見方
⑤共有ビジョン:メンバーそれぞれのビジョンを重ね合わせて、組織として共有・浸透するビジョンを創り出すプロセス

コミュニティ・オーガナイジングのワークショップのチーム構築のパートでは、成功しているチームは
①ゴールの達成
②チームの能力向上
③個人のリーダーシップの成長
の3つの結果を得ることができるとお伝えしています。
また、チーム構築ではストーリー・オブ・セルフで語られたメンバーそれぞれの価値観を元に共有目的を作っていたことを覚えているでしょうか?

学習する組織とコミュニティ・オーガナイジングの類似点をまとめると、下記のように考えられます。(多少強引ですがご了承ください)
共有ビジョン:チームの共有目的やストーリー・オブ・アス
チーム学習:チームの相互依存的役割分担やノーム、キャンペーン
自己マスタリーとメンタルモデル:コーチングとストーリー・オブ・セルフ

コミュニティ・オーガナイジングの実践に際して、個人の成長とチームや組織の成長を両立するために、この学習する組織の方法が適応可能な場面が多々あると感じています。
580ページを超える長編ではありますが、それだけの時間を投資する価値のある一冊です。

会沢裕貴(COJフェロー)

Learning Community Organizing in Japan and China

ハーバード大学アジアセンター主催「コミュニティ・オーガナイジングを学ぶ。日本と中国」にCOJ鎌田華乃子がパネリストとしてオンライン登壇します。2013年から日本で始まったCOJの活動が今、どのように展開し、実践生んでいるか、中国ではどのようにCOが学ばれ、実践されているかをパネル形式で発表します。

詳細はこちらをご覧ください。

http://asiaevents.harvard.edu/event/community-organizing-japan-and-china

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ソーシャルビジネス研究会11月例会(オープンセミナー)

代表の鎌田がソーシャルビジネス研究会の11月例会(オープンセミナー)にゲスト講師として参加することになりました。コミュニティ・オーガナイジングについて興味関心のある方は是非下記の告知文をご確認ください。

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11月のソーシャルビジネス研究会のオープンセミナーの内容が決定しました!

まだ10月の例会も終わっていないなかではありますが、11月のセミナーは当研究会で取り上げたいとかねてから考えていたテーマでした。

今回テーマにあげたコミュニティ・オーガナイジングという言葉はあまり知られていないかもしれませんが、ソーシャルビジネスの領域に限らず、診断士の方の多くが携わっている地域活性化、まちづくりなどの運営にも役立つ考え方と言われています。

今回は多数の方の参加が見込まれるため、まだ先と思わず、ご興味ある方は早めに参加登録しておいて下さい!

◆テーマ:ソーシャルビジネスのリーダーシップ技術を学ぶ

【日時】
11月24日(木)18:30~20:30

【講演内容】
コミュニティ・オーガナイジング(Community Organizing、以下CO)は、市民の力で自分たちの社会を変えていくための方法であり考え方。
今月は、COの普及活動を行っている鎌田華乃子さんをお招きし、ソーシャルビジネスの理念・価値観共有に有益なコニュニティーオーガナイジングの技法を、体験型ワークショップを通じて身につけいただきます。

当日の進行
コミュニティ・オーガナイジングとは(講演)
共感を生むストーリーの語り方、パブリック・ナラティブとは(講演)
演習(私の物語を語る)
振り返りと質疑応答

【参加申し込み方法】
下記URLより参加のお申し込みをお願いいたします。
http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=114597

【講師プロフィール】
鎌田華乃子氏 NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事
横浜生まれ。子どもの頃から社会・環境問題に関心があったが、11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了
卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジングを実践する地域組織にて市民参加の様々な形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。COJを2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。

慶應大学グローバルセキュリティ研究所 客員研究員
ロータリー財団国際親善奨学生
Harvard Kennedy School, The Roy & Lila Ash Fellowship in Democracy

【主催】
東京都中小企業診断協会認定ソーシャルビジネス研究会
オープン参加可能です。

【参加費】
1500円(一般)
研究会年会費会員は無料
※なお、中小企業診断士については協会非会員は参加できません。
※例会終了後に講師を囲んでの懇親会を行います。こちらもぜひご参加ください。
(近くの飲食店を予定、懇親会会費は当日いただきます)

【場所】
中小企業会館 地下1階
一般社団法人東京都中小企業診断士協会 会議室
→(1)会館入って左手の階段を地下に降ります
 (2)正面エレベータに向かって右側に進みます
 ※「談話室」の反対側
 (3)入り口の奥に進みます
 (4)左側2つめの部屋です
 ※「東京協会会議室」の表示があります

東京都中央区銀座2-10-18
・地下鉄有楽町線 銀座一丁目駅 徒歩1分(11出口)
・地下鉄銀座線 銀座駅 徒歩7分(A13出口)

当日の連絡先:(朝比奈)090-5342-6550
     または(長田)090-2525-1946

米山 泰志

ワークショップに参加した動機は?

壁を感じていたから。自分が関わる障がい者自立支援活動にも、政治活動にも。障がい者支援では、スタッフと理事長の私との距離感。政治では、行政との距離感。演説や議会質問の内容が上滑りしていることも感じていた。

ワークショップに参加した感想は?

良かった。本当に良かった。 特に、これほど丁寧にやらなければ、コミュニケーションって取れないんだな、と学んだ。ましてやなんらかの活動を志す場合はなおさら。
セルフで理解しあい、アスで状況を共有して、はじめてナウの活動に力強さとスピードが増す。運動ばかりの30年間(!)の中での成功例と失敗例の原因を振り返ることができた。仕事が山積み、極度の寝不足だったので、もし内容が薄ければ初日の午前で帰るつもり(・・・すみません)でしたが、受講して正解。唯一うとうとしたのは、何かのビデオの時くらい(ガンジーじゃなく、何か、日本人同士の)。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

これだけストイックな体験は、学生の時に参加した、北鎌倉円覚寺での二泊三日の座禅会以来か。共通するのはコーチの姿勢の真剣さ。技術を伝えるという情熱ではなく、社会を変えようという情熱を感じた。受講生の志も高い。一人で参加したが問題なく、すぐ打ち解けた。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

パソコンで言うと、アプリではなく、OSが変わった感じ。セルフを語ることの切れ味はすごい。議会での質問でも、良い答弁が増え、質問というより「対話」という感じになった。議会質問の後に、行政から電話がかかってくるなんて、以前はなかったこと。まだまだ、COを勉強したいと思う。障がい者活動の職員にも参加してもらいます。

コミュニティ・オーガナイジング・シンポジウム&ミニワークショップ in 名古屋

私達、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下、COJ)は、2014年1月の活動開始以来、市民一人ひとりが、自らの価値観にもとづいて能力を発揮し、そのパワーを結集することで課題を困難を解決し、更にその挑戦が応援される社会を目指し、ハーバード大学ケネディスクールのマーシャルガンツ博士が開発したワークショップをベースにコミュニティ・オーガナイジングの実践を広める活動をしてきました。

(参考)2014年1月7日NHKクローズアップ現代【“物語”の力が社会を変える】
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3448_all.html

 これまでCOJでは中部地方でコミュニティ・オーガナイジングを広める活動を開催していきたいと中部地方で活動される過去ワークショップ参加者・コーチ経験者の皆様に相談をし、準備を進めてまいりました。このたび名城大学様に会場をご提供いただけることとなり、下記日程でシンポジウムとミニワークショップを開催する運びになりました。

 前半代表の鎌田より『コミュニティ・オーガナイジングとは何か』について講演をさせていただき、皆様にストーリーテリングや関係構築を体験していただきます。後半は、中部地域で活躍されている各セクターのリーダーの皆様にも登壇いただきパネルディスカッションを実施したいと考えております。終了後には懇親会を予定しておりますのでゆっくり交流できればと思っています

対象は下記のような方々にご参加いただければと思っております。
●市民一人ひとりが、自らの価値観にもとづいて能力を発揮し、そのパワーを結集することで、本気で課題や困難を解決したい
●これから活動を始めるために、自分の価値観を伝え、一緒に活動してくれる仲間を集める方法を学びたい方
●すでに活動しているチーム内で、チームメンバーに共通する価値観を探して関係性を高めたい方

今回をキックオフとし、本格的に中部地方で学びのコミュニティを作っていければと思います。多くの皆様のご参加心よりお待ちしております。

<日程>
2016年11月19日(土)13時〰17時30分(開場12時30分)

<会場>
名城大学名古屋ドーム前キャンパス 社会連携ゾーンshake
〒461-8534 名古屋市東区矢田南4-102-9
TEL:052-832-1151(代)
JR中央本線・名鉄瀬戸線「大曽根」駅下車 徒歩約10分。
地下鉄名城線 「ナゴヤドーム前矢田」駅下車 徒歩約3分。
shake:http://www.meijo-u.ac.jp/social/shake/
地図:http://www.meijo-u.ac.jp/about/access/index.html#content04

<プログラム>
12:30 開場
13:00 開会・挨拶
13:10 講義1『変革を創るコミュニティ・オーガナイジング』
13:30 講義2『共感を生むストーリー 私の物語の伝え方』
14:15 演習1『ストーリーオブセルフ』
14:45 振り返り
14:55 休憩
15:00 講義3『価値観を共有する関係構築』
15:25 演習2『関係構築』
16:05 振り返り
16:15 休憩
16:20 パネルディスカッション
   NPOリーダー、学生団体リーダー、企業人事担当者、大学職員等
17:20 締めの挨拶
17:40 懇親会

<講師>
鎌田華乃子
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事
横浜生まれ。11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了。卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジング(CO、普通の市民が立ち上がり社会を変えていく活動)組織にて市民参加の様々な形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)を2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。

<定員>
60名

<参加費>
シンポジウム参加費:一般(早割)2000円、一般3000円、学生1000円
懇親会参加費:3500円

<申込フォーム>
http://ur2.link/yNF2

<協力>
名城大学 社会連携ゾーンshake

<問い合わせ先>
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
〒105‐0004 東京都港区新橋4-24-10 アソルティ新橋 502
E-mail:info@communityorganizing.jp
担当:池本

名取 学

ワークショップに参加した動機は?

 大学卒業後、労働組合の役員を努めていたときには、「なんでも抱え込む」活動をしていました。その結果、体を壊して退職することに、周りの人にも迷惑をかけました。その後、カナダに留学中に、UNITE-HEREという組合にボランティアのオルガナイザーとして関わっている時に、自分の経験を語りながら、相手との共通経験を見つけて、組合を信頼してもらう方法で、組織化をしているのを目の当たりにしました。
 帰国後、アメリカのFight for $15という最低賃金の引き上げを求める運動や、オーストラリアの労働組合による介護労働者の組織化について調査や紹介をしていて、彼らの運動が大きく成功したのは、マーシャル=ガンツ博士の提唱するコミュニティー=オーガナイジングの手法を学んでいるからだと聞き、カナダで経験した組織化の手法も同じものだと気付き、COに興味持っていました。たまたまFB友人から「東京でWSがあるから参加したら?」と誘いがあり、この機会に一度きちんとコミュニティー=オーガナイジングを学んでみようと思って参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

 2日間のWSを終えて、振り返ってみると、すごく良く考えられたWSだなぁと感じています。初日の最初の方に、“Story of Self”を語る練習をするのですが、結構自分のことをきちんと話す経験ってあまりしないし、しかも初対面の人にそれを聞いてもらうというのは、結構ハードルが高いことだと思います。とく普段の私は人見知りをするというか、所定面の人に話しかけるのが苦手なのですが、WSの頭にオープンに話しても大丈夫かも思わせるような仕組みを用意してあったので意外と楽に入り込めたと思います。
 2日間のWSが終わった後に、参加者の何人かで飲みに行ったのですが「なんかあなたの話を聞き足りない」と感じるほど聞き上手になったような気がしました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

 参加してみるまでは、正直に言うと「アメリカ生まれのCOを『輸入』 しても日本のコミュニケーションにはあわないだろう」と思っていました。ところが、二日間の経験を通して、私を含めて、参加者のみんなと自分の体験を他者の体験とつなげ、「行動」へと移して行けるようになるのを目撃して、素直に感動しました。
 社会運動や労働運動に関わっていると、なかなか周りの人を巻き込めない!という焦りを感じることがありますが、それをどうしたら巻き込めるようになるのか改めて振り返って、改善するきっかけになると思います。他にも関係性構築であるとか、戦略を立てるための分析とか、普段の仕事をすすめる上でヒントになることが満載でした。
 まずは、コミュニティー=オーガナイジングのことを、もっと多くの労働組合の仲間に知ってもらうにはどうしたらいいかと、このWSに誘ってくれたFB友人のNさんと相談を始めています。

上川泰憲

ワークショップに参加した動機は?

四方僧伽の活動で、国内の会員が増えていくためにはどのようなことが必要かを考えていた時に、COJのことを知り、是非とも参加したいと思ったのが直接的な動機です。人に活動を伝えようとする時、その活動の内容を伝えることが必要だと考えていましたが、むしろ、なぜあなたはその活動をしているのかを相手が聞きたいとの説明にハッとしました。確かに自分もいろいろな人の活動の話を聞くが、その人が感じていること、見ている風景、人との関わりの話を聞くのが好きだなと。それが実際にできたならば、自然と共感の輪が広がるのではないかと考えました。

ワークショップに参加した感想は?

厳しいタイムプレッシャーが心地よかった。思考、発表、共有、判断、決定。このプロセスを繰り返しながら、架空だけども妙にリアルなプロジェクトが進んで行く。この中で、COの仕組みを理解していく。このワークショップの仕組みは単純にすごいなと感じました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

物事を主体的に進められる事により、自分の責任とチームの結束力を感じた。そしてコーチの適切な介入により、スムーズに学びが進んで行く。このようなワークショップは初めてでした。真剣だからこそ学びも多い。そして、それらの事が螺旋を登るかのごとく、チームのメンバーの距離を近ずけていく。二日目の終了時にはかなり疲れているのだが、もう少し一緒に居たいと思うほどの距離感になっていました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

とにかくストーリー・セルフ、アス、ナウをしっかりと伝えられるようになりたいと思います。それが、会の隆盛に直結すると考えています。それと、チームのマネージメント、キャンペーンの立て方が参考になりました。目標をしっかりと定めて、メンバーの資源を活用し、皆でプロジェクトを達成したいと思います。

木山 侑香

ワークショップに参加した動機は?

 私は、業務で福島県内の復興まちづくりの支援を行っています。原発事故による避難も徐々に解除され、復興まちづくりは新しい段階に入ってきているように感じます。その地域に住まう人々が主体性を発揮することが、地域づくりやまちづくりにおいて重要だと考えており、避難解除されている地域ではこれからまさにそのような力が求められるのではないかと感じていました。

 現在支援している村では、個々人の活動はあるものの方向性を定めた息の長い活動はなかなか生まれておらず、また、そうなるような支援体制もない状況です。そのため、一人ひとりが役割を自覚し輝ける組織を築ける支援がしたいと思っており、その知識や手法を実践的に学びたくてワークショップに参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

 短時間での実践が盛りだくさんで頭がショートしかけました。しかも、自分の価値観の根源を探るなど、本質を問う内容でなかなか答えづらい(考えるのが辛い)場面も多々ありました。しかし、ペアの方からコーチングを受けることで、私が大切にしたいことが明確に認識することができたので貴重な時間となりました。

 やったことのない手法で物事を考えるのは非常にエネルギーを使うことなのだと二日間で実感しました。手法を学ぶだけであれば、本を買って読んだり、講演会に参加する、といったことでもできますが、実際に使ってみる、コミュニティ・オーガナイジングでいってみれば「自転車に乗ってみる」、ことが何よりも自分の肥やしとなるのだと思いました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

 一通りすべての流れをとりあえずやってみる、という点が違いだと思いました。講義の一部分だけではなく、全体の流れを実践することは知識の点と点がつながる感覚で楽しく面白かったです。

 盛りだくさんの内容を行うために時間管理をきっちりしている所も素晴らしかったです。時間は貴重な資源、限られたもの、二日間で身に染みました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

 ワークショップを受けて、支援したいと思う人たちとの間に共有価値があるということに気が付けたので、それを同じテンションで語れるようになりたいと思います。

 住民のみなさんの中にも必ず一人ひとりそれぞれのストーリーを持っているはずなので、丁寧に引き出して一緒に綴っていきたいなぁと、私と一緒に語りたいと思ってもらえるようになりたいです。

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