木下博史

ワークショップに参加した動機は?

社協ワーカーとして住民主体の地域福祉活動の組織化、またその促進にこだわりを持ちつづけ仕事をしていて、このワークショップでは海外の理論と実践が学べて面白そうと思い参加しました。また呼びかけ人が関西の知っている社協ワーカーで、頑張っている皆さんをみて、折角京都でやるのでと思い立って参加しました。

 ワークショップに参加した感想は?

終わって感じたことは、ついていくのがやっと、全体の進行やグループのコーチ進行と参加者の理解度がまちまちで、成功するためのワークショップではなかったと思います。・・・ですが、講師やコーチが「はじめて自転車に乗るような感じで」との説明で、こけることを臆せず、このペースを大事にしようとの進め方でした。なるほど、ワークショップが進むにつれて、こけながら実践する、そのこと自体がCOの醍醐味でもあるのかもと勝手に感じました。うちの「LOVE∞」チームのみんなもいい感じでこけていました(笑)私は2回もズッこけました。皆さんとの出会いに感謝です。スタッフ、コーチ陣には凄く神経を費やしていただいたことと思います。それが伝わり参加者も真剣にワークショップに臨めました。皆さんすごくいい表情で最後には実践への探求心を呼び起こされたという到達があったと思います。もちろん私自身もそうでした。ありがとうございました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

同じような進め方のワークショップはたくさんあるのですが、単に職場でいかすスキルを学ぶ、自分自身にとってのスキルアップというものではなく、社会を変えていくための実践を意識したもので、その目的意識と参加者自身の内発的意識改革へのこだわりを強く感じました。そこが良かったです。何も社会を変えるためのスキルということだけはなく、学んだことは現場ですぐに役立つもので、このスキルを日頃から意識的に使っていこうと思えました。

 コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

仕事柄、これまでもコミュニティ・オーガナイジングに携わっているのですが、この研修で学んだことをもう少し意識的に実践のなかで盛り込んで行こうと思います。まず「ストリートオブUS」を意識したり、話や文章のなかでセルフ、アス、ナウを上手く使ってみようとか、いろいろと試してみたいと思います。

2017年2月開催決定!コミュニティ・オーガナイジング・フルワークショップ

私達、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下、COJ)は、2014年1月の活動開始以来、市民1人ひとりが、自らの価値観にもとづいて能力を発揮し、そのパワーを結集することで課題を困難を解決し、更にその挑戦が応援される社会を目指し、コミュニティ・オーガナイジングの実践を広める活動をしてきました。
 本WSは、ハーバード大学のガンツ博士が開発したコミュニティ・オーガナイジングの全内容を学ぶことができる内容となっております。本気で社会に変化を生み出すために、コミュニティ・オーガナイジングを活用して活動していきたい方、コミュニティ・オーガナイジングとは何かを学びたい方など、多くの方のご参加をお待ちしております!!

ーーー以下、詳細ーーー

<コミュニティ・オーガナイジングとは>
市民1人ひとりの力は小さいですが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになります。
そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます。
COJでは、ハーバード大学ケネディスクールマーシャル・ガンツ博士が開発したものを日本に広めています。
本WS内容は、2014年1月7日NHKクローズアップ現代で特集され話題になりました。
※クローズアップ現代のサイトはコチラ
【“物語”の力が社会を変える】
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3448_all.html

<対象>
●市民1 人ひとりが、自らの価値観にもとづいて能力を発揮し、そのパワーを結集することで、本気で課題や困難を解決したい方
●これから活動を始めるために、自分の価値観を伝え、一緒に活動してくれる仲間を集める方法を学びたい方
●すでに活動しているチーム内で、チームメンバーに共通する価値観を探して関係性を高めたい方
●チームメンバーと一緒に活動する戦略を作る方法を学びたい方

<講師>
鎌田華乃子
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事
横浜生まれ。11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了。
卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジング(CO、普通の市民が立ち上がり社会を変えていく活動)組織にて市民参加の様々な形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。
NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)を2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。

依田 純子
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン 理事
コロンビア大学経営修士号取得後、ニューヨーク、東京、シンガポール、香港で外資系投資銀行に勤務。
2009年12月から2012年1月までシニアー・フェローとしてハーバード大学のALIアドバンスド・リーダーシップ・イニシアチブに所属。そこでガンツ博士のコミュニティ・オルガニジングを受講。
その後アメリカで クレングド(CLINKED) を立ち上げ人身売買の問題を抱えるタイ・インドネシア・ミヤンマーのコミュニティで教育プログラムを行っている。
現在シンガポール在住。

会沢裕貴(あいざわゆたか)
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
リージョナル・オーガナイジング・ディレクター(地域実践担当)
茨城県水府村生まれ。
茨城県で最北に位置する過疎の村出身で、幼い頃から衰退していく地域の中で育ち、衰退した街を再生できないかと建築の道に進む。
大学院修了後、不動産会社、商業施設の開発コンサル会社に勤務後、2014年10月に地元茨城にUターンし、茨城県の地域おこし協力隊として実践型インターンシップ事業の立ち上げを行うと同時に、コミュニティ・オーガナイジングのWS講師やコーチとしてCOJに関わりはじめ、現在は全国各地のオーガナイジング・プロジェクトの事業推進などを行っている。

笠井成樹
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン フェロー

<日時>
1日目:2017年2月11日(土)9時~19時00分(予定)
2日目:2017年2月12日(日)9時~19時00分(予定)
※2日間通してのご参加が必須です

<会場>
NTTコミュニケーションズ汐留ビルディングオフィスルーム
(〒105-8535 東京都港区海岸1-2-20)
浜松町駅・・・JR山手線・京浜東北線(北口)・東京モノレール(中央口改札)/下車徒歩2分
大門駅・・・都営大江戸線・浅草線(B1出口)/下車徒歩3分

<募集人数>
最大36名

<参加費>
本WSは2日間で1セットとなっており、参加費は2日間の受講費用、および2日間の昼食・飲み物代(2000円)となります。
※会場のセキュリティの関係上、途中の出入りが難しいため、昼食や飲み物(会場内に自動販売機はございます)、お菓子などをこちらでご用意させて頂きます。
※学生料金は、25歳以下で学生証をお持ちの方に限定させて頂きます。

社会人:4.2万円
学生(25歳以下):1.7万円
団体割(同一組織・団体内で3人以上で参加の場合):お1人4万円

<お申し込み方法>
下記URLにアクセスし、必要事項をご記入の上お申込みください。
https://www.0553.jp/eventpay/event_info/?shop_code=0000001187493973&EventCode=P616597987

参加費のお支払いが済んだ時点で、お申し込みの完了となります。
※お支払いは、クレジットカード決済とコンビニ決済があります。

<入金後・決済後のキャンセル規定について>
ご入金後にお客様のご都合によりャンセルされた場合、下記の通りキャンセル料金をいただきます。
なお、返金の際の送金手数料はお客様負担とさせていただきますので、ご了承ください。
・7日前~4日前・・・・・参加費の50%
・3日前~当日、開催後・・・・・参加費の100%

※入金後のキャンセル、ワークショップの中止・変更について
お振込みいただいた参加費はワークショップに欠席された場合でもご返金はいたしかねます。運営上やむを得ない場合、弊法人は参加者に事前通知なくワークショップを中止、中断できるものといたします。 その場合、可能な限りすみやかに当該ワークショップの参加費を全額または一部返金いたします。 ただし弊法人の責任は、支払い済みの参加費の返金に限ります。

お申し込み後のご連絡は、当方へは下記連絡先にお願いいたします。当方からは申し込み時にご入力いただいた連絡先までご連絡させていただきます。申し込み後ご変更等ございましたらご連絡ください。その他、不明な点がございましたら、以下まで連絡をお願いいたします。

<問い合わせ先>
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
〒105‐0004 東京都港区新橋4-24-10 アソルティ新橋 502
E-mail:i_zawa[at]organizing.jp
※[at]の部分は@に変更してめーるをおねがいいたします。
担当:会沢

萩原詩子

ワークショップに参加した動機は?

今春、家庭の事情で、約30年住んだ東京から北九州市に転居しました。地元にほとんど知り合いもいない中、「仲間が欲しい」「地域に溶け込みたい」という想いから出会ったのが、地域貢献を目指す「生涯現役夢追塾」です。

その入塾にあたり、シラバスに組み込まれている「コミュニティ・オーガナイジング」を知りました。「市民の力で自分たちの社会を変えていく」というコンセプトに惹かれ、このことが、入塾の動機にもつながりました。

ワークショップに参加した感想は?

人々を巻き込んで行動していくために「自分を語る」必要があるとは、これまで考えていませんでした。仕事がら人の話を聞くのは得意ですが、自分について話すこと、まして人前で話すことは大の苦手なので、パブリック・ナラティブのトレーニングは、私にとってちょっとした挑戦でした。

けれども実際に、WSでビデオを見たり、ほかの参加者の話を聞いてみると、「セルフ」「アス」「ナウ」を語る「パブリック・ナラティブ」の力強さ、説得力に引き込まれました。とはいえ、3日間を費やしても駆け足の印象で、COの概要さえつかめたかどうか…。これから先輩がたの実践に学びたいですね。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

比較するほどほかのWSへの参加経験もありませんが、受講者のどんな問いにも柔軟に対応し、また的確なアドバイスをくださった、講師のスキルとパワーに深く感じ入りました。長時間ありがとうございました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

「夢追塾」では、COの学びを踏まえて、これから地域活性化のプロジェクトに取り組みます。WSで学んだメソッドを現実にどう活かせるか、照らし合わせながら進めたいですね。そして、「夢追塾」講座期間を超えて、CO的活動を続けられるようでありたいと思います。

「社会福祉協議会職員のためのコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」開催レポート

2016年12月3~4日、同志社大学今出川校地(京都)にて、「社会福祉協議会職員のためのコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」を開催しました。

開催にむけ、社会福祉協議会(以下、社協)関係者有志で実行委員会をたちあげ、1年間かけて準備をしてきました。2016年8月にはプレ研修会を実施し、いよいよ12月のワークショップです。実行委員は、「COを活用し、これまでの実践を可視化・言語化すること、そして新しい手法や考え方を取り入れることにより、よりよい社協実践につなげられるのではないか」と考えています。このような、住民が主体となる地域づくりをミッションとする社協職員向けのワークショップは日本初の取り組みです。

15387575_1084225671686109_824928297_o◆実行委員会の想いを語る、山口さん(大津市社協)

その想いに賛同してくれた社協職員は27名。その他は、教員・NPO職員・学生等12名が集まりました。所属は違っても「社会を良くしたい」という同志、39名による2日間の熱いワークショップが始まります!

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1日目の朝には、「事前課題の教科書が難しい」「活字が苦手だからついていけるか不安」といった声がチラホラ。参加者もスタッフも少しばかりの不安の中、ワークショップは始まりました。

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開始早々、発言を求められる講義、タイムプレッシャー、ストーリー・オブ・セルフ…。

今回は、知っている顔が多い中で自己開示をすることは大きな挑戦でもあります。

「なぜ、この仕事についているの?」「なぜこのワークショップに来ようと思った?」

追い立てられる環境に促されながらも、参加者は自らの価値観を探り、語るためのチャレンジに向かいます。

その後、ひとりひとりの価値観を基に各班の共有目的をさぐり、戦略をたてていきます。個の学びを大事にしながらも、班員全員の学びを個がいかに支えるのか。

班に一体感ができて、会場の空気が少しずつ、変化していきました。

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各班がたてた、COの実践計画について「オーガナイジング・センテンス」「キャンペーン・タイムライン」「イベントの絵」を用いて発表します。そして、「ちょっと照れくさい」チャント(掛け声)に、会場の一体感が高まります。

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最後のパブリックナラティブでは、各班が考えたイベントへの協力を依頼しました。セルフ、アス、ナウを織り込みながら参加者が語る一言一言に、皆が引き込まれていきました。

まさに「オーガナイジング」を体感することができたのではないでしょうか。

15387392_1084229471685729_343061641_o◆チャレンジする参加者

15399035_1084229625019047_1155385867_o◆「協力したくなった人?」「はーい」と挙手

「プレ研修会では、小手先のテクニックを得ようとしていただけだったと自覚した」「日々の仕事で意識的に、自分の価値観を探り、語っていきたい」といった参加者の感想が聞かれました。「希望にあふれるワークショップで、翌日になっても興奮が冷めない!」と言ってくださった方もいました。

本ワークショップのコーチと運営を担当した「関西COひろめ隊」も2日間で、多くの学びを得ました。

講師を務めてくださったCOJの松澤桂子さんと室田信一さん、ありがとうございます。

大事な同志が増え、皆の力で社会を変えていくことができると感じています。

15321520_1084229781685698_282992567_o◆コーチと運営を担当した「関西COひろめ隊」

来春には、関西社協職員のCO同窓会を行います。そこでは、「社協実践でCOをどう活かせたか/活かせなかったか」を共有するとともに、来年度の戦術をたてていきます。

2018年には、関西のいくつかの社協主催でCOワークショップが開催されることを目標に、今後も実行委員を中心に取り組んでいきたいと思います。お力添えのほど、よろしくお願いいたします。

‥おまけ‥

ストレッチと思いきや、遅刻組による「ノームコレクション(罰則)」。とっても気持ちよさそう(笑)

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(文責、実行委員会広報チーム 西木奈央・土田恭仁子・山本香織)

阿武 勲

ワークショップに参加した動機は?

現在参加している、生涯現役・夢追塾第11期生の講座の一環として、参加しました。実は2年前に、夢追塾第9期生が受講するCOに、社会起業大学の受講生にも受講してもらうため引率で冒頭部分を受講した経験がありました。とても興味のあるメソッドだったので、そのまま参加しようと考えましたが、2日間もの時間を割く余裕は、当時にはありませんでした。その時に聞いたself,us,nowの考えは、社会起業家を育成する際に最も重視する「原体験」の部分や「共感を生む」部分など、ともに通じるところが多くあるように感じていました。そこで、このような機会があったので、参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

感想は、疲れました。しかし、心地よく疲れました。

まず、よく考えられた手法とカリキュラムであることです。特に、TIMEコントロールとテキストの作りこみに感心しました。全3日間のカリキュラムでしたが、受講生を飽きさせない、寝かせない、導きながら考えさせる、思考のプロセスと記録化(テキスト内に)させる、そして、コーチングなどの様々な手法が散りばめられている、といったところは素晴らしかったと思います。また、ビデオを使っての説明は、非常にわかりやすい事例だったので参考になり、インタラクティブに問いかけられ、その答えに対して、否定せず、うまく修正を掛けて諭すように指導される、講師の方々のスキルに感心しました。
COは単に、パブリック・ナラティブのself,us,nowのメソッドだと思っていましたが、そうではなく、リーダーシップオーガナイジングアクションでは、プロジェクトの達成メソッドであったことに驚きでした。特にリーダーシップにおける、サーバントリーダーシップ実践の講座だということを、学びながら感じました。パブリック・ナラティブで、プロジェクトのビジョン・ミッションを確立し、コミットすることで共有することである。だからこそ、価値に対して執拗までにこだわって説明していたのはこのことだと感じました。オーガナイジング・アクションでは、課題は何か、目指す社会は、そのための方法は何か、といった問いかけからの、経営学的なSTPの手法を行い、さらに、SWOTや5FORCESの要素を取り入れた分析を行いながらのプロジェクトスキームの構築していく。知らず知らずになんだか形が出来上がっていて、その途中途中でオーガナイズすることで、潜在的なPOWERを引き出していく、うぅ~~ん、WHY?って感じる学びだったと思います。
私自身に欠ける点が、聞くことの大切さだったり、伝える力の無さだったりを常々感じています。今回のこのCOを受講し、その必要性と手法を学ぶことができたと感じています。また、これからのリーダーシップは、サーバントだと考えていて、このような手法を用いることで、サーバントリーダーシップを発揮できるのだと感じました。しかしながら、そのための準備の重要性も併せて学んだCOでした。
ありがとうございます。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

TIMEコントロールとテキスト、そして、講師やコーディネーターのコーチングスキルだと思います。受講生の自発性と学習意欲を引き出すワークショップだったと思います。

半面、TIMEコントロールされるがゆえに、ミッションをこなすことに注力しすぎて、本質までも考える時間を与えてもらえなかったような気もします。すなわち、やった気にはなれたと思いますが、残っていないことが多いと思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

私の事業は、社会起業家、すなわちソーシャルビジネスを立ち上げる人を育成することを行っています。今回のビデオにあったハーバードの学生やガンジー、オバマ大統領の例など共感を資本とする活動家には重要なメソッドだと思います。なぜならば、ソーシャルビジネスを志す人たちは、身の回りの小さな課題の解決に取り組みながら、ソーシャルインパクトの拡大により、社会を大きく変えていく人たちだからです。その活動は小さなものから始まります。だからこそ、パブリック・ナラティブは当然のこと、オーガナイジングすることの重要性、POWERの活用など参考にする点が多くありました。是非、活用したいと考えています。そして、私自身サーバントになれるよう頑張りたいと思います。

2016年9月22日・10月29-30日「生涯現役夢追塾 コミュニティオーガナイジングワークショップ」を開催しました!

福岡県北九州市の「JICA九州国際センター」にて、「生涯現役夢追塾 コミュニティオーガナイジングワークショップ」を開催いたしました!

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○生涯現役夢追塾とは・・・

生涯現役夢追塾は、夢や志のある50歳以上のアクティブシニアがこれまでに培ってきた経験やネットワークを使って、自分たちの問題は自分たちで解決する手法を学ぶ場として設立されました。1年間全30回の講座を通して、「新しい地域活動の担い手」になるために実践的な手法を学びます。

今期、第11期生は28名が入塾。これまで10年間で約400名が卒塾し、それぞれが地域活動の担い手として活躍しています。

自分のためではなく、地域のために学ぶ。これが夢追塾の特徴です。

夢追塾の前期課程では「おばちゃん力」を学びます。夢追塾では情報を集める力、地域の人々とコミュニケーションをとる力、自分をうりこむ力などを、「おばちゃん力」と定義し、地域活動に必要な要素であると捉えています。前期課程の最後に、自分が解決したい社会課題を「コミュニティオーガナイジング」のパブリックナラティブを用いて「夢語り」を行い、価値観を共有するチームを立ち上げます。

後期課程では「プロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)」の形式をとり、「夢語り」で立ち上がったチームで、地域の課題を解決するプロジェクトを行います。

○夢追塾におけるコミュニティオーガナイジングの位置づけ
夢追塾では2014年(第9期)からコミュニティオーガナイジングを取り入れています。企業などで豊富な経験のある方が地域に入っていく際には、今までとは違うやり方で組織を動かしていく必要があります。そのため、コミュニティオーガナイジングの手法を取り入れることとなりました。

今期からはこれまでの講義計画をさらに変更し、9月にパブリックナラティブを学ぶWSを実施しました。その手法を生かして「夢語り」を行い、「この指とまれ方式」で共有の価値観を持ったチームを作ります。こうして結成されたチームメンバーが10月に「関係構築」「リーダーシップチームの構築」「戦略立案」「アクション」のWSを受講。実際に活動を行うリアルなプロジェクトチームでCOの型を学んでいく形となりました。

夢追塾では今回のWS終了後も、毎週の講座の中でCOの手法を取り入れながらプロジェクトを進めていきます。

○WSを受講して
今回のWSには、夢追塾11期生16名(50代6名、60代7名、70代3名)と、夢追塾を運営しているNPO法人里山を考える会のスタッフ9名(20代2名、30代3名、40代2名、60代2名)の計25名が参加しました。 

○9月のWS
パブリックナラティブを中心に学びました。

朝の9時から夕方6時20分まで頭の中のふだんはあまり使わない部分を刺激し、セルフ・アス・ナウを学び、演習をしました。

慣れない横文字と、いつも以上に時間に追われるワークショップに混乱気味の参加者の皆さんでしたが、時間がたつごとに集中力が高まっていきました。
最後のパブリックナラティブでは、本当に仲間になって手助けしたくなるような「夢語り」が、塾生のみなさんから生まれました。 

パブリックナラティブWSと「夢語り」を経て、できた4つのプロジェクトチームは下記の通りです。

①「ぼくらは北九州ものがたり探偵団」
北九州市の神社のものがたりを紐解きシビックプライドを醸成するプロジェクト

②「チームレインボー」
合併した五市の特徴を7色の街と捉え北九州市の観光ブランドを創造するプロジェクト

③「梅の折尾堀川」
昭和の雰囲気を今も残す飲屋街がある北九州市折尾を流れる堀川に紅梅並木を作りミニ太宰府にするプロジェクト

④「チーム語り部」
郷土愛に満ち溢れた北九州市を目指して歴史の語り部を育成するプロジェクト

 ○10月のワークショップ
10月29日・30日に行ったWSではこの4つのチームで演習を行いました。

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1日目は、「コーチング」「ストーリー・オブ・セルフ」、「関係構築」、「リーダーシップチームの構築」を受講し、チームで価値観を共有するための演習を何度も繰り返しました。

9月に引き続き全てが分刻みのスケジュールで研修が行われ、キッチンタイマーの電子音が会場に鳴り響きます。

時間に追われ、頭が溶けてしまうほど頭を使い、疲れ果てた後はに夜の懇親会でした。

参加者のみなさんからのおもちよりもあり、盛り上がった懇親会。ある部屋では二次会が行われ眠れない夜となった人もいたのだとか・・。「同じ釜の飯を食った」ことにより、参加者のみなさんの距離がぐっと縮まった印象を受けました。

2日目は「戦略立案」、「アクション」、「ストーリー・オブ・セルフ/アス/ナウを繋げる」を行いました。

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プロジェクトの中身はさらに、具体化されていきます。課題を解決していくために、同志は誰なのか、直面する課題はなんなのか、どんな資源があるのか、一つ一つ考えぬきます。

この1泊2日の研修は、参加者の皆さんのやり遂げた気持ちが前面に見える研修となりました。 

また、今回のWSでは、普段夢追塾の「お産婆さん」として活躍している5人のコーディネーターと、昨年・一昨年と夢追塾でCOのWSを受講した2人の卒塾生がコーチとなりチームを支えました。

今回のWSで具体化されたチームは今後も継続していきます。COの型を使いながら、プロジェクトを実施し、チームごとにキックオフイベントも行う予定です。どんなチームになっていくのか楽しみです。

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 レポート:飯野 亮(NPO法人 里山を考える会/生涯現役夢追塾事務局)

特別寄稿:アメリカ大統領選挙を通じて感じたオーガナイザーの役割、COJのこれから(理事 林 大介)2016年11月のニュースレターより

海を越えた日本でも注目されているアメリカ大統領選挙。
私の小学生の息子も、その結果に驚き、小学校でも話題になっていました。

さて、ご存知の通り、アメリカでの投票年齢は1971年から「18歳以上」です。アメリカでは、選挙となればまさにお祭り騒ぎとなるのですが、小学校入学前から、選挙や政治について話したり、討論会に参加したり、選挙運動に参加するのが“当たり前”です。
その背景には、「子ども時代から民主主義を体験する」という共通した思想があります。

くしくも本年、日本では選挙権年齢が18歳に引き下がり、高校での選挙教育・主権者教育のあり方に注目が集まりました。

そこで、アメリカの学校ではどのような選挙教育・主権者教育(特に、大統領選挙を題材にした模擬選挙/なお、今回訪問したアリゾナでは、civic education と表現していました)が取り組まれているのかを視察してきました。
2008年(オバマ氏が大統領になった年)にも、同じく模擬選挙を見るために、ニューヨークとワシントンの小学校~高校を視察したのですが、今回は現地NPOの関係もあり、アリゾナ州に行くことになりました(ちなみに、アリゾナ州は共和党の地盤です)。

今回訪問および意見交換を行ったのは、以下の通りです。

*学校関係
・小学校:Sirrine Elementary School
・中学校:Desert Foothills Junior High School
・高校:Red Mountain High School
・大学:Pastor Center for Politics & Public Service, Arizona State University College of Public Service and Community Solutions

*シティズンシップ教育、模擬選挙関係
・Kids Voting USA
・Kids Voting Arizona
・アリゾナ州教育局:Arizona Department of Education(Social Studies and World Languages)

*選挙関係
・Early Voting booth(期日前投票所)
・共和党 選挙事務所
・民主党 選挙事務所
・クリントン候補者の集会

アメリカでの模擬選挙そのものは、1980年代から始まっています。そして、模擬選挙実施の中心を担っているのが、今回、現地でアテンドをしていただいたKids Voting USA(KVU)という団体で、アリゾナに全米本部があります(KVU自体は、さらに上部団体の法律事務所内に事務所を構えており、この法律事務所では、模擬裁判や学校でのいじめ防止に取り組むなど、法律事務所そのものとしてcitizenship educationに取り組んでいました)。

この団体が教員向けテキストや生徒向けワークシートなどを作成し、全米に拡げており、活動の中心をオーガナイザーが担っていました。日本と同様に「そんなことに取り組む時間がない」と言われがちな先生に対して働きかけ研修を行い、州教育局と連携し、資金集めを行うなどしています。また、KVUの紹介でアリゾナ州立大学公共政策部でサービスラーニングを展開している教授にお会いしましたが、彼もオーガナイザーとして活動していたりと、”オーガナイザー”そのものが一般的に使われていることを実感しました。

cwhvgk2vmaa5iqa<Kids Voting USAの責任者のケビン、スーザンと>

また、クリントン候補者の集会にも参加しましたが、開始までに4時間ほど並んだのですが、スタッフが長蛇の列を何度も「次の週末、選挙ボランティアをしませんか?」と呼びかけたり、集会参加にあたって登録したメルマガでは「あなたの1ドルの寄付がクリントンの当選につながります」というメールが毎日流れてきました。

COにおける体系だった学びだけではなく、そこでの学びを実践に繋げ、実践を後押し、互いにエンパワーメントしあえる関係性を創っていけるようにしていくことが大事だなぁと、アメリカで体感しました。とはいえ、こうしたことによる成果は、目に見えやすいものもあれば、見えにくいものもあります。日本人はどうしても見えやすいものだけで評価しがちなのですが、見えにくいけど評価すべきものを、いかにして”見える化”していくかが、COJのこれからの展望に関わってくるのではないか、と思います。

cwnmfuaw8aafewp<アリゾナの小学3年生の授業を2クラス見学。1つは「Election and voting」、もう1つのクラスは「The Rights to vote」がテーマ。 >

また、アメリカで強く感じたのは「市民/シティズンシップ」というのを自分事としてとらえよう、という風潮です。
小学校でも、中学校でも、自分の問題として、自分が考えていること、感じていることを話すことが求められ、話すことを大事にしています。多様で異なる価値観を互いに認め合う環境が前提としてあるからこそ、自分のことを話すことへのハードルが下がっています(確かに、はなから間違っているにも関わらず間違ったことを堂々と主張することは問題がありますが、それでも自分が信じることを自分の言葉で伝えることは大事なことです)。
ただ日本では、「自分のことを話す前に、まずは他人の話を聴くこと」が求められ、「みんな違ってみんないい」と言いながらも同質性が押し付けられがちです。

もっともっと、自分の想いや考えを遠慮なく伝えることができるようにしていく環境整備をしていくことがないと、いくらCOを広めようとしても、リーダーが孤立し、空回りし、徒手空拳になったりするのではないか。そのためには、COJのミッションの一つとして、市民活動のリーダーが孤立しない環境整備にも取り組むべきではないか。

そんなことを、アメリカの小学校、中学校などにおけるcivic educationの現場を通じて感じました。

林 大介(COJ理事/模擬選挙推進ネットワーク事務局長)

オーガナイザーTIPS『学習する組織―システム思考で未来を創造する』(COJフェロー 会沢裕貴) 2016年11月のニュースレターより

※このコーナーでは、ワークショップを受講頂いた方、オーガナイザーを志す方にとって活動のヒントとなるような内容をお届けします。今回は書籍の紹介です。

学習する組織――システム思考で未来を創造する
ピーター・センゲ
英治出版

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「学習する組織」をご存知ですか?
複雑さを増しますます変化が早くなる現代社会において、変化を予測し変化に対応していくのではなく、自ら変化を作り出していく組織を作るためのコンセプトや実践事例が散りばめられている本書は、90年代に出版され世界中で100万部を超えるベストセラーになった組織学習論の決定版です。
※95年に「最強組織の法則」として出版されたものの増補改訂版です。

本書、P29でも組織学習の実践者としてコミュニティ・オーガナイザーが挙げられており、コミュニティ・オーガナイジングと組織学習は切っても切り離せない関係にあります。

学習する組織は、下記の5つのディシプリンから成っています。
①自己マスタリー:自分自身の明確なビジョンを持ちながら、ビジョンと現実との間の緊張関係を、創造的な力に変えて成長していくプロセス
②メンタルモデル:それぞれの人がもつ「世の中の人やものごとに関する前提」
③チーム学習:チーム・組織内外の人たちとの対話を通じて、自分たちのメンタルモデルや問題の全体像を探求し、関係者らの意図あわせを行うプロセス
④システム思考:ものごとを一連の要素のつながりとして捉え、そのつながりの質や相互作用に着目するものの見方
⑤共有ビジョン:メンバーそれぞれのビジョンを重ね合わせて、組織として共有・浸透するビジョンを創り出すプロセス

コミュニティ・オーガナイジングのワークショップのチーム構築のパートでは、成功しているチームは
①ゴールの達成
②チームの能力向上
③個人のリーダーシップの成長
の3つの結果を得ることができるとお伝えしています。
また、チーム構築ではストーリー・オブ・セルフで語られたメンバーそれぞれの価値観を元に共有目的を作っていたことを覚えているでしょうか?

学習する組織とコミュニティ・オーガナイジングの類似点をまとめると、下記のように考えられます。(多少強引ですがご了承ください)
共有ビジョン:チームの共有目的やストーリー・オブ・アス
チーム学習:チームの相互依存的役割分担やノーム、キャンペーン
自己マスタリーとメンタルモデル:コーチングとストーリー・オブ・セルフ

コミュニティ・オーガナイジングの実践に際して、個人の成長とチームや組織の成長を両立するために、この学習する組織の方法が適応可能な場面が多々あると感じています。
580ページを超える長編ではありますが、それだけの時間を投資する価値のある一冊です。

会沢裕貴(COJフェロー)

Learning Community Organizing in Japan and China

ハーバード大学アジアセンター主催「コミュニティ・オーガナイジングを学ぶ。日本と中国」にCOJ鎌田華乃子がパネリストとしてオンライン登壇します。2013年から日本で始まったCOJの活動が今、どのように展開し、実践生んでいるか、中国ではどのようにCOが学ばれ、実践されているかをパネル形式で発表します。

詳細はこちらをご覧ください。

http://asiaevents.harvard.edu/event/community-organizing-japan-and-china

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ソーシャルビジネス研究会11月例会(オープンセミナー)

代表の鎌田がソーシャルビジネス研究会の11月例会(オープンセミナー)にゲスト講師として参加することになりました。コミュニティ・オーガナイジングについて興味関心のある方は是非下記の告知文をご確認ください。

ーーー
11月のソーシャルビジネス研究会のオープンセミナーの内容が決定しました!

まだ10月の例会も終わっていないなかではありますが、11月のセミナーは当研究会で取り上げたいとかねてから考えていたテーマでした。

今回テーマにあげたコミュニティ・オーガナイジングという言葉はあまり知られていないかもしれませんが、ソーシャルビジネスの領域に限らず、診断士の方の多くが携わっている地域活性化、まちづくりなどの運営にも役立つ考え方と言われています。

今回は多数の方の参加が見込まれるため、まだ先と思わず、ご興味ある方は早めに参加登録しておいて下さい!

◆テーマ:ソーシャルビジネスのリーダーシップ技術を学ぶ

【日時】
11月24日(木)18:30~20:30

【講演内容】
コミュニティ・オーガナイジング(Community Organizing、以下CO)は、市民の力で自分たちの社会を変えていくための方法であり考え方。
今月は、COの普及活動を行っている鎌田華乃子さんをお招きし、ソーシャルビジネスの理念・価値観共有に有益なコニュニティーオーガナイジングの技法を、体験型ワークショップを通じて身につけいただきます。

当日の進行
コミュニティ・オーガナイジングとは(講演)
共感を生むストーリーの語り方、パブリック・ナラティブとは(講演)
演習(私の物語を語る)
振り返りと質疑応答

【参加申し込み方法】
下記URLより参加のお申し込みをお願いいたします。
http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=114597

【講師プロフィール】
鎌田華乃子氏 NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事
横浜生まれ。子どもの頃から社会・環境問題に関心があったが、11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了
卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジングを実践する地域組織にて市民参加の様々な形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。COJを2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。

慶應大学グローバルセキュリティ研究所 客員研究員
ロータリー財団国際親善奨学生
Harvard Kennedy School, The Roy & Lila Ash Fellowship in Democracy

【主催】
東京都中小企業診断協会認定ソーシャルビジネス研究会
オープン参加可能です。

【参加費】
1500円(一般)
研究会年会費会員は無料
※なお、中小企業診断士については協会非会員は参加できません。
※例会終了後に講師を囲んでの懇親会を行います。こちらもぜひご参加ください。
(近くの飲食店を予定、懇親会会費は当日いただきます)

【場所】
中小企業会館 地下1階
一般社団法人東京都中小企業診断士協会 会議室
→(1)会館入って左手の階段を地下に降ります
 (2)正面エレベータに向かって右側に進みます
 ※「談話室」の反対側
 (3)入り口の奥に進みます
 (4)左側2つめの部屋です
 ※「東京協会会議室」の表示があります

東京都中央区銀座2-10-18
・地下鉄有楽町線 銀座一丁目駅 徒歩1分(11出口)
・地下鉄銀座線 銀座駅 徒歩7分(A13出口)

当日の連絡先:(朝比奈)090-5342-6550
     または(長田)090-2525-1946

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