COJメンバーからのメッセージ(理事 松澤桂子) 2017年3月ニュースレターより

春の足音が聞こえていますが、皆さんこの春に挑戦したいことはありますか?

私は2月6日から始まったハーバード大学のオーガナイジングのオンライン・コースに挑んでいます。コースの概要については、2017年1月号の依田の記事をご覧ください。 
私のセクション(ディスカッションや小グループでのプロジェクトコーチングを通じてオーガナイジングの理解を深めるグループ)にはルワンダ、イギリス、デンマーク、オランダ、イスラエル、カナダ、ハイチ、アメリカ、中国などから23名が集まっていて、セルビア人のティーチングフェロー(TF)がついています。

取り組むプロジェクトは「学校区にある8校の小学校のトイレにトイレットペーパーを完備する」、「NGO業界におけるエスニックマイノリティ職員の割合を15%以上にする」、「地域に総合診療医を3人増やす」、「刑事責任年齢を18歳に引き上げる」など様々です。私は、パートナーシップや性的関係で個人の意思を大切にする文化を広める活動に取り組んでいます。

コーチングセッションで「どうしてその人たちを同志(共に立ち上がる人たち)にしたのか」「投票者を増やすことは社会的弱者の力を増すことにどうつながるのか」など、メンバーに質問しているうちに自分のプロジェクトの矛盾点が見つかっていき、視野が広がっていくのを感じています。宿題の評価をドキドキしながら待つのも、学生に戻ったようで楽しいです。

イノウエヨシオ

ワークショップに参加した動機は?

NPO先進地である佐賀県で活動されている非営利組織の仲間たちとは、もう7年ぐらい様々な面でご一緒させていただいておりますが、元々協働や助け合いがある地域だけに、コミュニティ・オーガナイズの手法を身に付けて、さらに市民社会が発展していくこと、その現場に参加したいと思い東京から参りました。研修は期待していた以上に参加者の巻き込み力が高まり、今後の進展がとても楽しみになっています。

ワークショップに参加した感想は?

当初は、2日間に圧縮されたとはいえ朝9時から19時までみっちりと研修が2日間続くというので「えっ!長いなぁ!」というのが正直な気持ちでした。また、グループのメンバーの中には知り合いの方もいましたが、大半は団体名は知っているけれども本人のことはあまりご存じない方でした。しかしながら、ワークショップを重ねる中で、参加者の呼びかけ方に説得力が増して、自信をもって語り掛けられるようになったのがとても印象的でした。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

拘束時間が長いけれども、その中身はとても時間設定を追いかけていくので、実は間延びせずに、しっかりと引き締まったカリキュラム内容であることですね。またグループにサポートに入られるコーチの皆さんもしっかりと狙いをつかませるために、グループワークを支援していただけるのがありがたかったです。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

佐賀についてはこれからの変化、活かし方を見守り、一緒に進めていきたいと思いますし、個人的にも巻き込み力を高めるスキルをもっと周りの方にも伝えていきたいと思っています。

コミュニティ・オーガナイザー、COに興味のある人が集う!オーガナイザー祭2017

2016年に全国のコミュニティ・オーガナイザーが集う場として開催し、ご好評をいただいたオーガナイザー祭を、今年も開催します!

コミュニティ・オーガナイジング(以下CO、市民1人ひとりが、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指す手法)を広める団体を始めて3年が経ちました。

・「COを取り入れて活動の幅が広がった!」
・「地域に住む人たち発信で活動が始まり、変化が起きた!」
など成功事例もたくさん出てきています。

オーガナイザー祭2017では、参加する皆さんが地域や分野を超えてつながりをつくり、勇気や仲間、協力者などを得て先に進む力にしていただくことを目指しています。
お誘いあわせの上ぜひご参加ください!

《こんな方をお待ちしています!》
・COの手法を実践に活かすイメージを掴みたい!
・多様な実践事例から学びと気付きを得たい!
・共通の価値観、関心を持って活動している人と関わるきっかけをつくりたい!
・地域の多様な人たちと協働して変化を作るヒントがほしい!
・子育て・教育、介護・福祉、労働などテーマに特化して実践を相互応援できるコミュニティを作りたい!
・COワークショップを自分のコミュニティで開催したい!
・COJにオーガナイズを協力してほしい!

《当日の内容》
■1日の流れ(予定)
①オープニング
②シンポジウム
③分科会
④パブリック・ナラティブ・フェス
⑤共有と振り返り

■各内容の詳細(予定)
②シンポジウム
オーガナイジングを活かし多くの人の力を集めて活動する人たち3名が実践しているリアルな取り組み事例を共有します。また後半のディスカッションを通じて、日本におけるオーガナイジングの成功や課題を話し合います。

登壇予定者
『元金ヶ崎町地域おこし協力隊』板垣泰之さん
『Believe~私は知ってる~刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト』大澤祥子さん
モデレーター:室田信一(COJ副代表理事)

③分科会
テーマごと、地域ごとのブースに分かれて、COを実践するオーガナイザーや地域での取り組みを応援する中間支援組織の方が取り組みの共有をし、参加者と話し合います。

『まんまるママいわて』代表 佐藤美代子さん

『労働系オーガナイザー』中嶌聡さん

釜石リージョナルコーディネーター協議会 統括マネジメント二宮雄岳さん

『コミュニティ・オーガナイジング・やまなし』田村正人さん

④パブリック・ナラティブ・フェス
4人の方が新たな仲間を得るためのストーリー「パブリック・ナラティブ」を披露します!聴き手の皆さんには、プロジェクトにコミットするチャンスがあります。
※TEDのようなイメージです

『豊島子どもWAKUWAKUネットワーク』理事長 栗林知絵子さん

『ing!!』松川莉奈さん

『ソーシャルプロデューサーズ』笠井成樹さん 

『Believe~私は知ってる~刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト』鎌田華乃子さん

《イベント概要》
■日時
2017年4月23日(日)
開場 13:00
開始 13:30
※途中入退場可
閉会 17:50
懇親会 18:10開始予定

■開催場所
首都大学東京秋葉原サテライトキャンパス
http://www.tmu.ac.jp/university/campus_guide/access.html
〒101−0021 東京都千代田区外神田1-18-13
秋葉原ダイビル12階

【アクセス】
JR山手線、京浜東北線、総武線「秋葉原駅」より徒歩1分
つくばエクスプレス「秋葉原駅」から徒歩2分
東京メトロ日比谷線「秋葉原駅」から徒歩5分
東京メトロ日比谷線「末広町駅」から徒歩5分

■ 対象者
コミュニティ・オーガナイジングワークショップ参加者・参加予定者
社会問題の解決に関心のある方、草の根で活動を広げたい方
※NPOリーダー、市民活動のリーダー、企業のリーダー(企業規模や役職に関わらず)、行政担当者など

■参加費

<Peatixでの事前申込> https://goo.gl/RjtBck

一般 3000円
学生 1500円 (25歳までの方とさせていただきます)
 
<当日>
一般 3500円
学生 2000円(25歳までの方とさせていただきます)
※注:事前申込で一定数の参加者が見込めた場合、当日申込は受付をしない可能性がございます。極力事前申込にご協力をお願いします。

■問合せ・連絡先
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
〒105-0004  東京都港区新橋4-24-10 アソルティ新橋502
E-mail: info [at] communityorganizing.jp
担当:松澤

■主催
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
*本事業は第4回西武街づくり活動助成金で実施しています。

猪狩 英美

ワークショップに参加した動機は?

私が勤務しているMIEFは、国際交流活動および国際協力ならびに地域における多文化共生を推進して地域の活性化と教育の向上を図ることにより、多文化共生社会の実現と諸外国の人々との相互理解・友好親善に資することを目的としています。私は2013年より、三重県内での外国人住民向け防災説明会や日本語ボランティア育成研修、外国人児童生徒のための教材制作などに携わってきました。様々な取り組みに関わる中で、当事者である外国人住民が主体となって運営できるような事業を創造していくことが大切なのではないか、と強く思うようになりました。しかし日ごろ問題意識を共有する機会が少なくまた文化的背景の異なる人々に、どのように私たちの活動に賛同してもらい、参加してもらうのかが大きな課題です。そんな時に、あるワークショップで代表の鎌田さんから「人を行動に突き動かすのは感情であり、感情を共有することで関心を高め、理解を得る。」というお話を聞き、私たちの抱える課題の解決につながるのではないか、と思いました。

ワークショップに参加した感想は?

「5分で考えて2分話す」とか、そんなの無理でしょ?!というような難題が次々襲ってきて身も心も大変な2日間でした。しかし、時間は貴重な資源であり、それを有効に使うことについて深く考えさせられました。普段は完全さを求めて、ついつい時間をかけすぎですが、時間をかけること≠より良い内容ではない、感情を伝えるならむしろ時間はかけない方がいい、と実感しました。湧き上がる感情について時間をかけて説明しようとすると、新鮮さを失い、面白みのないものになってしまいます。言葉の完成度ではなく、内容と順番の問題だと理解できました。そして、他者に思い伝えるためには、まず自分自身をよく知っておくこと、自分がなぜこの場所でこの課題に取り組みたいと思うようになったのかというルーツを深く探ることがとても大切だと気づきました。また、ワークショップを通して、様々なバックグラウンドを持ち、地域社会の課題に取り組む多くの仲間に出会えたことにとても感謝しています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

長い!忙しい!休憩時間が少ない!ですが、そんなことに不満を言う暇もないくらい、集中して課題に取り組みました。また各グループに2名もコーチがつき、1人1人が必ず発表をできるように工夫されていました。参加者が多いにも関わらず、他のワークショップと比べ、個々へのフィードバックも非常に丁寧だったと思います。「体験」に重点をおき、体験しながら概念を理解してく、という構成でしたので、取り組む過程で課題の焦点や用語の理解について迷うことも度々ありました。しかし言葉でいくら説明しても、スピーチの作り方や戦略の立て方、アクションの手法はなかなかピンとこなかったと思います。仮想のメンバーで気兼ねなく大いに失敗できる機会を提供してくれるのが、このワークショップの素晴らしい点だと思います。願わくは、一度フルワークショップを受講した方対象のフォローアップ研修もあればと思います。各種ワークを別のメンバーとも何度か経験することで、より概念の理解やスキルが深まるように思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今後も、様々な事業を他団体や地域住民と取り組んでいく予定ですが、皆が初めからMIEFの理念をよく理解していて積極的に参加してくれるわけではありません。そのようなときに、思いを伝えるパブリック・ナラティブはとても有効だと思います。またHPや広報誌で活動を紹介する際にも、今回学んだ知識や手法は活かせると思います。そして1年~1年半で基礎作り、キックオフ、キャンペーン、ゴールのスケジュールを作るためのポイントは、今後の事業計画を立てる上で、非常に参考になりました。

考えることも大事だけど、まずはアクションから!

このワークショップで繰り返し伝えられたメッセージを忘れずに、多文化共生社会の実現を目指していきたいと思います。

東京都社会福祉協議会主催「平成28年度地域福祉フォーラム」の分科会にて「物語の力を地域づくりに活かす〜コミュニティ・オーガナイジング〜」のミニWSを行いました!

約270名が参加したフォーラムでは、前段でCOJ副代表理事の室田信一さんがコミュニティ・オーガナイジングについて講演し、その後コミュニティ・オーガナイジングの分科会では34名の参加者がストーリー・オブ・セルフの演習に取り組みました。

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分科会の講師は引き続き室田さんが務め、コーチは、過去にコミュニティ・オーガナイジングのワークショップを受講した都内の社会福祉協議会の職員(フォーラム実行委員)と今回のフォーラムのためにサポートに駆けつけてくれたCOJのメンバーです。

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通常は2日間かけて行う研修からストーリー・オブ・セルフの部分のみを切り取った研修でしたが、それでも参加者の皆さんからは、「コミュニティ・オーガナイジングを初めて知った」「相手に話させることに留意していたが、自分を語ることで始まる関係に気付かされた」「仕事に役立つ内容だった」といったご意見をいただきました。中には「もっと深く知りたい!」という方もいらしたので、今度はその方たちと2日間の研修でお会いできたらな~と思っています。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

文責:菊池彩(地域福祉フォーラム実行委員)

2017年2月11-12日「COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」を東京で開催しました!

2017年2月11日(土)・  12日(日)の二日間、 浜松町にある汐留ビルディングにて、コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを開催いたしました。COJ主催の東京でのWSとしては2015年1月以来7回目になりました。 今回の参加人数は、なんとCOJワークショップ最多人数の48人。社会福祉・労働組合・医療・国際協力・ジェンダーなど、多岐に渡る分野の参加者が集まりました。北海道など遠方からの参加者も多く、中にはカンボジアから来られた方もいらっしゃいました。分野も活動地域も多様性溢れる参加メンバーですが、全員が共有しているのは「自分たちのコミュニティの課題を解決して、より良い社会を作りたい!」という熱い思いです。
今回グループ演習が8チームに分かれた為ワークは複数のセミナールームに別れて行いました。それぞれのチームがコーチとサブコーチのサポートのもと、時間に追われながらも、自分と仲間のストーリーを語り、互いの関係を深めてチームを立ち上げ、キャンペーンのゴールと戦略作りに取り掛かりました。チームの仲間たちと一緒になんとか作り上げたキャンペーンとチャントを披露するみなさんの表情は、やり切ったことに対する安堵と喜びの笑顔! 2日目最後のパブリックナラティブの発表では、前に立った方々が、自分の辛かった原体験や、私たちを形づける価値観、キャンペーンに込める思いを語りました。その一言一言を受け止め、共感して頷く参加者たち。ワークショップ前は多くのメンバーが初対面であったとは思えないほど、会場が温かい雰囲気に包まれました。 怒涛の2日間を振り返り、参加者からコメントが寄せられました。 

「地域も違う中で同じものを作り上げて気持ちを一緒にして取り組むことが、アクションしたいという勇気と元気をもらった」

「頑張っているのが自分だけではないことがわかり希望が持てた」

「戦略を立てる上で、たくさんのリーダーを作ることが大事と分かった」そして、「自転車に乗ること」にチャレンジし続けた結果、孤独死がないよう地域住民が嬉しいお節介をするキャンペーンや、シングルマザーや介護に苦しんでいる家族が、自分たちの悩みや思いを共有し、お互いを支え合うキャンペーンなど、今からでも取り組みたい!とワクワクするようなキャンペーン・アイディアがたくさん生まれました。 すぐにでも走り出してアクションに取り組みたいと思っている方、先ずは学びをコミュニティに持ち帰りじっくり広めたいと思っている方。これからがいよいよ、本番です!熱い思いを持った皆さんと一緒に、次の一歩を踏み出せることを、楽しみにしています。 二日間、本当にお疲れ様でした。

文責:大澤祥子(コーチ)

2017年1月15日「徳島パブリック・ナラティブ・ワークショップ」を開催しました!

2017年1月15日(日)、徳島市内のときわプラザ研修室1にて、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」《パブリック・ナラティヴ編》を開催しました。主催は、地域の未来づくりに向けたワークショップデザインやファシリテーションを専門に行う一般社団法人しこくソーシャルデザインラボが行いました。また、徳島県福祉基金からの助成をいただいての開催でした。

各地から 27名が参加。四国での初めての開催でしたが、地元の徳島県はじめ香川県/高知県/岡山県/兵庫県/京都府/静岡県と広範囲から参加いただきました。男性11名、女性16名、20代~40代が全体の85%を占め属性も社会人、主婦、NPO関係者、学生と様々でした。地域おこし協力隊や女性のキャリア支援NPO、労働組合、市役所職員など多彩なバックグラウンドを持つ参加者が集まりました。

 今回は、コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップの中で、パブリック・ナラティヴに焦点を絞っての1日研修でした。参加者からは「ワークショップでは、筋トレのように短いエクササイズを繰り返し体と脳に刻み込ませたという印象。」「物事を伝えるための考え方や、思考の癖のようなものを理解できた。」「セミナーを受けてすぐに、SNSで自分のストーリーをシェアした時に驚くほど反響があり、活動を持続していく自信にもつながった。」「タイムスケジュールの管理など細部まで自主性と効率を重視した運び方がとても勉強になった。」「上手になるテクニックやノウハウではなく、企画全体に必要かつ重要なピースとしてのスピーチ構成を学ぶことができた。」といった感想が後日寄せられました。

私自身の感想としては「社会変革の源泉は極めて個人的な経験やストーリーの中にある」ということが掴めたことが、何より収穫でした。私は現在、今回の主催団体である一般社団法人しこくソーシャルデザインラボの代表理事を務めるいっぽうで、普段は京都市内の同志社大学にて、教員として社会人向けの大学院でソーシャルイノベーションをテーマにした研究や教育を行っています。ソーシャルイノベーション、というのは今ある社会課題が生まれないシステムへと変革することを指すわけですが、確かにそれには行政や企業など既存の権力構造の変革が必要です。

しかし、社会課題は常に個人の人生の課題として表れ、その集積が社会全体の課題となるのです。その課題を個人の問題として片付けてるうちは、システムの変革は起こりません。その個人が声を挙げ、周りの共感を集め、具体的な行動を起こすことにより初めて社会は変わっていきます。ですので、ソーシャルイノベーションの源泉は常に個人のストーリーにあることを、私自身今回のワークショップを通してはっきり学ぶことができたのでした。

そして、今後も大学の教育や地域での活動を通して、その個人の暮らしに具体的に表れている課題に焦点を当て、同時にそれを解決し乗り越えようとする人間の力と、それに共感・連帯して共に変わっていこうとするコミュニティの力、つながりから生まれるリーダーシップというものに常に目を開き、それを強め支援する仕事をやっていこう、と改めて強く感じることができました。

その意味で、今回は自分自身の人生の指針と仕事のありかたに、大きく影響を与えるものでした。講師として来ていただいた古くからの友人の鎌田華乃子さんはじめ、各地から集まっていただいたコーチのみなさん、そして参加者のみなさんにこころより感謝いたします。ありがとうございました。

文責:佐野淳也(一般社団法人しこくソーシャルデザインラボ 代表理事)

藤本晴枝

ワークショップに参加した動機は?

2005年4月に現在の活動を始めました。私たちの地域では医師・看護師の不足から様々な問題が起きていますが、医師や看護師を増やすことがとても難しい地域でもあります。そのような地域にとって貴重な医療を守るために、住民が意識と行動を変えていくことが必要だと、私たちは考え、活動をしています。医療はともすると専門性が高く、住民はあくまでもサービスを受ける側だという考えが根強いので、一人でも多くの賛同者を得るために様々な工夫をしてきました。ただ、地域の中で「地域医療を育てる会」の活動を評価してくれる人はいても、入会はしないまでも一緒に活動をしようという人はなかなか増えません。地域の人々へのアプローチの仕方に工夫が必要だと感じています。また会員はボランティアなので、会の活動もそれぞれの自発性に負うところが大きく、活発に活動する人とそうでない人がはっきりしてきています。そこで会員の活動に対する満足度をもっと上げていくことで会の活動がイキイキとし、地域にももっといろいろな変化を生み出せるのではないかと思いました。

ワークショップに参加した感想は?  

時間の大切さというものを体で感じた二日間でした。50代のおばさんでも何とかついていけて、うれしかったです。また自分の今までのリーダーシップでメンバーのモチベーションが上がるかどうか、自分が語っていることは肝心なことが相手に伝わっているだろうか、とプログラムが自分の姿を映し出す鏡のように感じられました。立場や住んでいるところ、年代が異なっていても、自分がいるコミュニティをなんとかしてよくしていきたいと思っている人々と出会えたことは大きな力になりました。これからも、ここで出会えた人たちとさらに交流していくことが出来ることも嬉しいです。今回は当会のメンバーが参加したので、これから一緒に振り返りをしようと思っています。これから参加する人には、できることなら同じ組織の人と複数での参加をお薦めします(初めて参加する所に知り合いがいると心強いですし)。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

各コンテンツが講義・チーム演習・共有と振り返り、という一定のリズムによって構成されているのでメリハリがあって良かったです。また、1グループの人数が6名+コーチ2名というバランスも、ディスカッションをするのにちょうどよかったと思います。テキストが充実していることも良かったです。プログラムがアメリカから入ってきたものだからかもしれませんが、説明されている語句の概念が、日ごろ使っている物と異なるものもあり、さらなるアップデートが期待されます。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

次年度の活動計画を作っていく時期にWSに参加できたので、次年度の活動をメンバーで決定するプロセスに取り入れたいです。また、地元でイベントをする際にはパブリックナラティブの手法を取り入れてスピーチを考えようと思いました。そしてCOJのスタッフの方々の支援をいただきながら、会の活動をメンバーの力がイキイキと引き出せるようなものにしたいです。

 

野田由香

ワークショップに参加した動機は?

チルドリン徳島は任意団体を経て、特定非営利活動法人の設立に至りました。もともと団 体を作る、という強い気持ちで作ったのではなく、やりたいことがあり、そこに人がいて、 持続するために団体を作ったことが始まりで今年3年目にあたり、活動を説明するシーンを何度も経験するようになりました。実際に伝わっているのか、というのが不安で物 事の伝え方を論理的に理解して自分のことや団体の活動のことを正確に伝えることがし たいと思ったからです。

ワークショップに参加した感想は?  

とても大変でした。 今までやったことがないことを短い時間で理解し(理解していなくても)短い時間で必ず アウトプットをすることが毎回、悩み、ひとつひとつ言葉に出すことにいつも使っていな いエネルギーを使ったがします。自分の発表が終わった後、頭がクリアになったこともあ り同じ質問をされた場合、うまく言える自信につながりました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

いわゆる、お勉強感はなく、短い時間での鍛錬(筋トレ)のような駆け足で短いエクササ イズを繰り返して体と脳に刻みながら身体に染み込ませたという印象でした。体験したことな いワークショップです。 いつものワークショップは得意でないので最後まで体験する自信がなかったですが、この ワークショップは最後まで受けることができました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

物事を伝えるための考え方や、思考の癖のようなものを理解した気がします。 アウトプットを繰り返しながら、思考の訓練が必要だと感じています。 セミナーを受けてすぐに当日、ワーク内でうまく伝えることができなかったセルフとアス の部分をコミュニティ・オーガナイジングの手法でFBでシェアした時に驚くほど反響があ りました。人はそんなに興味がないだろう、自分の過去や思いの根幹の部分を言葉にする ことでこんなにも、いろんな意見や、応援などがあることを知り、活動を持続していく自 信にもつながった気がします。これからも棚卸しをしながら、言葉を伝えていこうと考え ています。

あまみ悠

ワークショップに参加した動機は?

スピーチの勉強をしているのですが、言葉に感情を乗せることが難しく、話し方が平坦になってしまう……突破口を探していました。そんなときにお知り合いの方からCOに参加した話を聞いて興味を持ったのです。コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンのHPを開いてみると、スピーチのみならず、リーダーシップ、企画の作り方、コーチングにも内容が及んでいてさらに興味が強まりました。また、尊敬するガンジーやキング牧師の話も出てきてますます惹かれました。

ワークショップに参加した感想は?

一言でいえば「深くて濃くて、忙しかった!」短時間で学んだ内容を反芻することなくすぐにグループで実習するので、息つくヒマがないように感じましたが、その制限時間が能力を引き出してくれるとも感じました。また、タイムスケジュールの管理やノームの決め方など細部まで自主性と効率を重視した運び方がとても勉強になりました

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

スピーチの学びという比較から考えると、上手になるテクニックやノウハウではなく、企画全体に必要かつ重要なピースとしてのスピーチ構成を学ぶことができました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

未来を創る子どもたちが、自他を大切にする豊かな心を持つことが、社会全体の豊かさにつながると信じています。そのためには成長の土台となる親子関係で、お母さんが子どもの安全基地であることが大切です。その支援として、お母さんとプレママの自己肯定感を高める「己育て(こそだて)プロジェクト」を始めました。今回学んだことを活かして、この「己育て(こそだて)プロジェクト」をもっと多くの方に知っていただくために、そして同志と出会い、手をつないでいくために動画配信や講演活動をとおして母親の自己肯定感と精神的成長の大切さを伝えていきたいと思っています。

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