2017年3月11-12日、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ in 山梨 -山梨のソーシャルワーカーが、コミュニティ・オーガナイジングを学ぶ-」を開催しました!

2017年3月11-12日の2日間、山梨県笛吹市の山梨県立博物館生涯学習室において、コミュニティオーガナイジングヤマナシ(COY)主催「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ
in 山梨 -山梨のソーシャルワーカーが、コミュニティ・オーガナイジングを学ぶ-」が開催されました。
山梨県内で活動する社会福祉士を中心の他、県内外で活動するNPO等の団体の方や学生さんなど、総勢30名の方が集まりました。普段、社会福祉士会の研修などで顔を合わせている人たちも多かったのですが2日間のフルワークショップということもあり、これまでの研修とは少し違う雰囲気に、戸惑いを見せていた方もいました。
聞きなれない言葉を前に研修についていけるのだろうかと不安になったり「コーチング」「関係構築」「ストーリー・オブ・セルフ」と演習を進めていくうちに、これまで気づかなかった自分の困難さや選択、そして価値観が徐々に表出されていくようになったり、講義中の動画を見てこれなら出来そうと思い、いざやってみようとすると全くできなかったりと、まさに転びながら少しずつ自転車に乗れるようになる練習をしました。
年度末で忙しい貴重な土日の2日間をタイトでボリュームのあるワークショップで過ごすという困難さを抱えた同志が、オーガナイジングを学ぶという選択をしたことで価値観を共有し、最後はそれぞれのパブリックナラティブを語ることにより会場は何とも言えない高揚感につつまれ、当初の戸惑いの雰囲気はなくなっていました。
そんなワークショップに集まった同志が、今後それぞれの活動するフィールドに戻り、ワークショップで得た学びや気づきを活用してリーダーシップを発揮してもらえるよう期待しています!
文責:小山 忍(COYコーチ)

 
 

坂口 裕一朗

ワークショップに参加した動機は?

COJのスタッフの方に声をかけていただいたのが今回のワークショップの参加のきっかけです。2週間ほど前にインターンシップで市役所の方にお世話になりました。その際に「町や地域を活性化させたい、良くしたい」と熱い思いのある方々と関わらせていただくことが度々あり、市民の方々と協働してまちづくりを行うことについて興味があったというのも今回の参加のきっかけの1つです。また有効に働く組織形態がどのようなものであるのか?他にも、人を巻き込むスピーチの方法、戦略の立て方、人の巻き込み方等、様々なことを学べるということであったので、今回の参加をきっかけに、これから社会人になるうえで必要となるスキルを身につけて、自分に更に磨きをかけ、大きく成長できたら良いなと思い参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

2日間、朝から夕方までというかなりの過密スケジュールで、とても大変だったのですが、かなり良いものを学べたと感じております。まず、今回のワークショップには社会人の方が主に参加されるということだったので、何かの企画についてのグループワークや、その他の討論などに学生である自分がついていけるのか?対等に討論や議論に参加できるのか?と不安ばかりが募る状態での参加でした。しかし、グループワークを何度も重ねたりコーチ・サブコーチの方の丁寧なご指導等もあり徐々に不安が解消され、いつの間にか積極的に発言したり意見を述べたりと自然とグループに馴染めました。また最後には皆さんの前で、自分の考えたものを発表する機会をいただき、とても良い経験ができました。さらにグループで行動することが多かった今回のワークショップでは初めはみなさん初対面ということもあり、その場の空気や状況を少し気にしながらの討論になりがちであったのが、時間の経過とともに、次第にグループに一体感、団結力のようなものが生まれ何か1つの目標に向かって、みんなで行動することの素晴らしさを改めて感じました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

私はワークショップのようなものに参加したのが今回が初めてで、他のものと比較することはできないのですが、このようなワークショップが今後も開催されるのであれば、自分を成長させるとても良い機会となると思うので、是非参加しようと思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今回のワークショップで各チームが企画したもの設定したゴールやアクションはとても良いものばかりで、実現できればとても良いまちづくりのきっかけとなるのではないかと思います。そこで、自分がまちづくりに携わることがあれば少しずつその活動に関わる人を増やしながら、一歩一歩ゆっくりでいいので「住みやすいまち」を実現できたら良いなと思います。そして後にはその活動が地域や町にとどまらず、全国規模へと拡大できれば最高です。このような私たちの活動を通してたくさんの市民の方々や企業の方々などに関心を持っていただいたり参加してもらえるようになると、今回学んだコミュニティ・オーガナイジングが多くの方に拡散でき、さらにそれが広がっていくのではないかと思っております。今回学んだことはこれから社会人として働く際に活きるようなことがたくさんあったので、是非活かしていこうと思います。

2017年3月11-12日、「第2回コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップin久留米」を開催いたしました。

201731112日久留米大学御井キャンパス(福岡県久留米市)にて認定NGOピースウィンズ・ジャパン様の協力をいただき「第2回コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップin久留米」を開催いたしました。

年度末の忙しいこの時期、自分たちの住む地域で活動している方や、この街の未来を見つめる学生を含めた35名の方が参加しました。コーチは福島、東京からだけでなく前回9月に久留米で開催したワークショップの参加者が集いました。今回の参加者は街づくり活動に携わっている方、ボランティア活動に関わっている方、商いに携わっている方、行政職員、女性の支援活動をしている方など様々な分野で活躍している方々でした。

私たちコーチ陣のノームでも掲げた『久留米魂』。こう自負するように久留米人は久留米を愛してやみません。そんな文化の中で流れる『久留米時間』という、ちょっとマイペースなのんびりスタイルが今回のワークショップでは、いい意味でピリッと引き締まって流れていました。このワークショップでは時間が細かく刻まれています。「時間」が私たちひとりひとりの大切な資源だからだ、という事をまずみなさんと共有しました。

まず最初の講義“コーチング”では、

・話しながら自分の頭の中が整理されました!

・このスキルを身につけることで、初めましての方とでもコミュニケーションが取れるんだ!という声が聞かれました。

短い時間で作り上げた「ストーリーオブセルフ」

人の心を動かすのは、人の想いだということに私自身もまた改めて気づきました。

1日目、2日目と共に過ごした36名。お互いの価値観を共有し、関係を構築していくことで会場全体に一体感が生まれました。

・考えないといけないけど、考えすぎてはいけない。だからこそ発表する、練習する必要がある。

・素晴らしい仲間と学びを得られた2日間でした。

・今まで自分の意見を押し付けていたのだと気づきました。

と学びの深い感想もまた聞くことが出来ました。

・みんなそれぞれ、プライベートな困難を乗り越えてワークショップに参加しています。普段の活動や仕事では接点がなくても、誰かのために何かしたい人という想いは共通していました。ワークショップの後、COを活かしてどんな活動をしていくのか、仲間との絆が深まったこの学びの後のことを想像するだけでわくわくします!という声が印象的でした。

2日間を通して築き上げた関係は、私たち久留米の未来へと、これからもきっと続いていくことでしょう。昨年9月に初めて開催した久留米でのワークショップ参加者から、今回コーチへと一歩踏み出した仲間がいるように、今回のワークショップからも是非また新たなチャレンジが誕生していくことを期待しています。

文責:國武ゆかり(サブコーチ)

2017年2月25-26日、佐賀にてコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップを開催しました!

2017年2月25-26日、佐賀市民活動プラザにて認定NGOピースウィンズ・ジャパン様の協力をいただき「コミュニティ・オーガナイジングワークショップin佐賀」を開催いたしました。CSO先進県としての佐賀県内だけではなく、震災があった熊本、福岡などからも含む、総勢30名が参加され、コーチ陣は岩手・福島をはじめ九州まで、本当に日本全国の人が集まりました。

今回参加者は、社会活動の現場に長くいるNPO法人理事をはじめ、行政やNGO職員など多くの社会活動に参加されている方が多いのが特徴的でした。またコミュニティオーガナイジングにおけるまさに「同志」ともいえる、当事者から活動にかかわっている車いす利用者や、疾病を抱えながら活動されている方もおりました。

参加者の皆さんは、様々な研修や活動でよく顔を見知っている方もいたり、まったく知らない中に飛び込む方もいましたが、「もっと自分たちの活動をよくしたい」「お互いに勉強しあっていきたい」と非常に高い士気を感じることが出来ました。知っている人がいないから、と話していた人々が、2日間過ごす中で、休憩時間にはお互い活発に交流される姿が印象的でした。

「???」という顔で講義を聞きはじめ、一番最初のコーチング実践では「こんな短い時間では難しいよ」と言いながらも、その後2日間、とにかく講義と実践を繰り返していきました。

参加者の顔が変わったのは「ストーリーオブセルフ」です。あの短い時間で、自分たちと仲間が全員の前で話す。特にもよく見知っている方が語る原体験。そのセルフに心を揺り動かされ、「そんな思いで活動していたんだ」「知っているつもりでも知らなかったな~」と声があちこちから聞こえて来ました。

5グループのそれぞれのチームが考えぬいた車いす当事者・貧困家庭の子供・在日外国人などそれぞれのプロジェクトの発表と、大いに体と声を張ったチャントでは会場の一体感がググッと出来ました。チーム同士のコーチングを経て、「オーガナイズってなんだ?」「同志の資源を生かす戦略ってなんだ?」と話し合い、内容を修正し、同志を変更したり、オーガナイジングセンテンスを直したりの柔軟さも生かし、良い仮想戦略が出来ました。

そして最後のナラティブ。聞く人たちがじっと見つめる中「私の子供が難病を抱え・・・」と話し始める姿に、ぐっと心を動かされ、発表者が話終えると大きな拍手が沸き上がりました。また「サガ~スィミン~」と英語調な語り口でみんなの笑いを誘う「アス」はみんなの2日間の学びを思い出す良い雰囲気を出してくれました。

まるっと2日間「おはよう」の挨拶から「こんばんは」まで一緒に過ごした仲間たち。やりきった顔で

「時間ってすごく有限で、こんなに話したいことが話せるんだ」

「セルフって、今まで語るのをためらっていた。けど、きっとこれから話す。それが大事だとわかった」

「自分たちの活動がいかに、同志の視点が抜けていたかよく分かった」

「2日間受けないと言い表せないといわれていたけど、本当だった。2日間大変だったけど出てよかった」

「お互い知っているつもりでも、セルフを聞くとまた変わる。自分を語ることから初めて行きたい」

「普段はワークショップ運営側だったから、違う視点が面白く感じられた。」など本当に多くの学びの感想をいただきました。

社会活動実践者が多いワークショップならでは、「明日から取り組む」との声も多く頂きました。これを機会にさらに佐賀・九州のコミュニティオーガナイジングが盛り上がっていくことを期待し、応援していきたいと思っています。一緒に頑張っていきましょう。

文責:佐藤美代子(コーチ)

COJメンバーからのメッセージ(理事 松澤桂子) 2017年3月ニュースレターより

春の足音が聞こえていますが、皆さんこの春に挑戦したいことはありますか?

私は2月6日から始まったハーバード大学のオーガナイジングのオンライン・コースに挑んでいます。コースの概要については、2017年1月号の依田の記事をご覧ください。 
私のセクション(ディスカッションや小グループでのプロジェクトコーチングを通じてオーガナイジングの理解を深めるグループ)にはルワンダ、イギリス、デンマーク、オランダ、イスラエル、カナダ、ハイチ、アメリカ、中国などから23名が集まっていて、セルビア人のティーチングフェロー(TF)がついています。

取り組むプロジェクトは「学校区にある8校の小学校のトイレにトイレットペーパーを完備する」、「NGO業界におけるエスニックマイノリティ職員の割合を15%以上にする」、「地域に総合診療医を3人増やす」、「刑事責任年齢を18歳に引き上げる」など様々です。私は、パートナーシップや性的関係で個人の意思を大切にする文化を広める活動に取り組んでいます。

コーチングセッションで「どうしてその人たちを同志(共に立ち上がる人たち)にしたのか」「投票者を増やすことは社会的弱者の力を増すことにどうつながるのか」など、メンバーに質問しているうちに自分のプロジェクトの矛盾点が見つかっていき、視野が広がっていくのを感じています。宿題の評価をドキドキしながら待つのも、学生に戻ったようで楽しいです。

イノウエヨシオ

ワークショップに参加した動機は?

NPO先進地である佐賀県で活動されている非営利組織の仲間たちとは、もう7年ぐらい様々な面でご一緒させていただいておりますが、元々協働や助け合いがある地域だけに、コミュニティ・オーガナイズの手法を身に付けて、さらに市民社会が発展していくこと、その現場に参加したいと思い東京から参りました。研修は期待していた以上に参加者の巻き込み力が高まり、今後の進展がとても楽しみになっています。

ワークショップに参加した感想は?

当初は、2日間に圧縮されたとはいえ朝9時から19時までみっちりと研修が2日間続くというので「えっ!長いなぁ!」というのが正直な気持ちでした。また、グループのメンバーの中には知り合いの方もいましたが、大半は団体名は知っているけれども本人のことはあまりご存じない方でした。しかしながら、ワークショップを重ねる中で、参加者の呼びかけ方に説得力が増して、自信をもって語り掛けられるようになったのがとても印象的でした。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

拘束時間が長いけれども、その中身はとても時間設定を追いかけていくので、実は間延びせずに、しっかりと引き締まったカリキュラム内容であることですね。またグループにサポートに入られるコーチの皆さんもしっかりと狙いをつかませるために、グループワークを支援していただけるのがありがたかったです。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

佐賀についてはこれからの変化、活かし方を見守り、一緒に進めていきたいと思いますし、個人的にも巻き込み力を高めるスキルをもっと周りの方にも伝えていきたいと思っています。

コミュニティ・オーガナイザー、COに興味のある人が集う!オーガナイザー祭2017

2016年に全国のコミュニティ・オーガナイザーが集う場として開催し、ご好評をいただいたオーガナイザー祭を、今年も開催します!

コミュニティ・オーガナイジング(以下CO、市民1人ひとりが、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指す手法)を広める団体を始めて3年が経ちました。

・「COを取り入れて活動の幅が広がった!」
・「地域に住む人たち発信で活動が始まり、変化が起きた!」
など成功事例もたくさん出てきています。

オーガナイザー祭2017では、参加する皆さんが地域や分野を超えてつながりをつくり、勇気や仲間、協力者などを得て先に進む力にしていただくことを目指しています。
お誘いあわせの上ぜひご参加ください!

《こんな方をお待ちしています!》
・COの手法を実践に活かすイメージを掴みたい!
・多様な実践事例から学びと気付きを得たい!
・共通の価値観、関心を持って活動している人と関わるきっかけをつくりたい!
・地域の多様な人たちと協働して変化を作るヒントがほしい!
・子育て・教育、介護・福祉、労働などテーマに特化して実践を相互応援できるコミュニティを作りたい!
・COワークショップを自分のコミュニティで開催したい!
・COJにオーガナイズを協力してほしい!

《当日の内容》
■1日の流れ(予定)
①オープニング
②シンポジウム
③分科会
④パブリック・ナラティブ・フェス
⑤共有と振り返り

■各内容の詳細(予定)
②シンポジウム
オーガナイジングを活かし多くの人の力を集めて活動する人たち3名が実践しているリアルな取り組み事例を共有します。また後半のディスカッションを通じて、日本におけるオーガナイジングの成功や課題を話し合います。

登壇予定者
『元金ヶ崎町地域おこし協力隊』板垣泰之さん
『Believe~私は知ってる~刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト』大澤祥子さん
モデレーター:室田信一(COJ副代表理事)

③分科会
テーマごと、地域ごとのブースに分かれて、COを実践するオーガナイザーや地域での取り組みを応援する中間支援組織の方が取り組みの共有をし、参加者と話し合います。

『まんまるママいわて』代表 佐藤美代子さん

『労働系オーガナイザー』中嶌聡さん

釜石リージョナルコーディネーター協議会 統括マネジメント二宮雄岳さん

『コミュニティ・オーガナイジング・やまなし』田村正人さん

④パブリック・ナラティブ・フェス
4人の方が新たな仲間を得るためのストーリー「パブリック・ナラティブ」を披露します!聴き手の皆さんには、プロジェクトにコミットするチャンスがあります。
※TEDのようなイメージです

『豊島子どもWAKUWAKUネットワーク』理事長 栗林知絵子さん

『ing!!』松川莉奈さん

『ソーシャルプロデューサーズ』笠井成樹さん 

『Believe~私は知ってる~刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト』鎌田華乃子さん

《イベント概要》
■日時
2017年4月23日(日)
開場 13:00
開始 13:30
※途中入退場可
閉会 17:50
懇親会 18:10開始予定

■開催場所
首都大学東京秋葉原サテライトキャンパス
http://www.tmu.ac.jp/university/campus_guide/access.html
〒101−0021 東京都千代田区外神田1-18-13
秋葉原ダイビル12階

【アクセス】
JR山手線、京浜東北線、総武線「秋葉原駅」より徒歩1分
つくばエクスプレス「秋葉原駅」から徒歩2分
東京メトロ日比谷線「秋葉原駅」から徒歩5分
東京メトロ日比谷線「末広町駅」から徒歩5分

■ 対象者
コミュニティ・オーガナイジングワークショップ参加者・参加予定者
社会問題の解決に関心のある方、草の根で活動を広げたい方
※NPOリーダー、市民活動のリーダー、企業のリーダー(企業規模や役職に関わらず)、行政担当者など

■参加費

<Peatixでの事前申込> https://goo.gl/RjtBck

一般 3000円
学生 1500円 (25歳までの方とさせていただきます)
 
<当日>
一般 3500円
学生 2000円(25歳までの方とさせていただきます)
※注:事前申込で一定数の参加者が見込めた場合、当日申込は受付をしない可能性がございます。極力事前申込にご協力をお願いします。

■問合せ・連絡先
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
〒105-0004  東京都港区新橋4-24-10 アソルティ新橋502
E-mail: info [at] communityorganizing.jp
担当:松澤

■主催
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
*本事業は第4回西武街づくり活動助成金で実施しています。

猪狩 英美

ワークショップに参加した動機は?

私が勤務しているMIEFは、国際交流活動および国際協力ならびに地域における多文化共生を推進して地域の活性化と教育の向上を図ることにより、多文化共生社会の実現と諸外国の人々との相互理解・友好親善に資することを目的としています。私は2013年より、三重県内での外国人住民向け防災説明会や日本語ボランティア育成研修、外国人児童生徒のための教材制作などに携わってきました。様々な取り組みに関わる中で、当事者である外国人住民が主体となって運営できるような事業を創造していくことが大切なのではないか、と強く思うようになりました。しかし日ごろ問題意識を共有する機会が少なくまた文化的背景の異なる人々に、どのように私たちの活動に賛同してもらい、参加してもらうのかが大きな課題です。そんな時に、あるワークショップで代表の鎌田さんから「人を行動に突き動かすのは感情であり、感情を共有することで関心を高め、理解を得る。」というお話を聞き、私たちの抱える課題の解決につながるのではないか、と思いました。

ワークショップに参加した感想は?

「5分で考えて2分話す」とか、そんなの無理でしょ?!というような難題が次々襲ってきて身も心も大変な2日間でした。しかし、時間は貴重な資源であり、それを有効に使うことについて深く考えさせられました。普段は完全さを求めて、ついつい時間をかけすぎですが、時間をかけること≠より良い内容ではない、感情を伝えるならむしろ時間はかけない方がいい、と実感しました。湧き上がる感情について時間をかけて説明しようとすると、新鮮さを失い、面白みのないものになってしまいます。言葉の完成度ではなく、内容と順番の問題だと理解できました。そして、他者に思い伝えるためには、まず自分自身をよく知っておくこと、自分がなぜこの場所でこの課題に取り組みたいと思うようになったのかというルーツを深く探ることがとても大切だと気づきました。また、ワークショップを通して、様々なバックグラウンドを持ち、地域社会の課題に取り組む多くの仲間に出会えたことにとても感謝しています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

長い!忙しい!休憩時間が少ない!ですが、そんなことに不満を言う暇もないくらい、集中して課題に取り組みました。また各グループに2名もコーチがつき、1人1人が必ず発表をできるように工夫されていました。参加者が多いにも関わらず、他のワークショップと比べ、個々へのフィードバックも非常に丁寧だったと思います。「体験」に重点をおき、体験しながら概念を理解してく、という構成でしたので、取り組む過程で課題の焦点や用語の理解について迷うことも度々ありました。しかし言葉でいくら説明しても、スピーチの作り方や戦略の立て方、アクションの手法はなかなかピンとこなかったと思います。仮想のメンバーで気兼ねなく大いに失敗できる機会を提供してくれるのが、このワークショップの素晴らしい点だと思います。願わくは、一度フルワークショップを受講した方対象のフォローアップ研修もあればと思います。各種ワークを別のメンバーとも何度か経験することで、より概念の理解やスキルが深まるように思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今後も、様々な事業を他団体や地域住民と取り組んでいく予定ですが、皆が初めからMIEFの理念をよく理解していて積極的に参加してくれるわけではありません。そのようなときに、思いを伝えるパブリック・ナラティブはとても有効だと思います。またHPや広報誌で活動を紹介する際にも、今回学んだ知識や手法は活かせると思います。そして1年~1年半で基礎作り、キックオフ、キャンペーン、ゴールのスケジュールを作るためのポイントは、今後の事業計画を立てる上で、非常に参考になりました。

考えることも大事だけど、まずはアクションから!

このワークショップで繰り返し伝えられたメッセージを忘れずに、多文化共生社会の実現を目指していきたいと思います。

東京都社会福祉協議会主催「平成28年度地域福祉フォーラム」の分科会にて「物語の力を地域づくりに活かす〜コミュニティ・オーガナイジング〜」のミニWSを行いました!

約270名が参加したフォーラムでは、前段でCOJ副代表理事の室田信一さんがコミュニティ・オーガナイジングについて講演し、その後コミュニティ・オーガナイジングの分科会では34名の参加者がストーリー・オブ・セルフの演習に取り組みました。

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分科会の講師は引き続き室田さんが務め、コーチは、過去にコミュニティ・オーガナイジングのワークショップを受講した都内の社会福祉協議会の職員(フォーラム実行委員)と今回のフォーラムのためにサポートに駆けつけてくれたCOJのメンバーです。

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通常は2日間かけて行う研修からストーリー・オブ・セルフの部分のみを切り取った研修でしたが、それでも参加者の皆さんからは、「コミュニティ・オーガナイジングを初めて知った」「相手に話させることに留意していたが、自分を語ることで始まる関係に気付かされた」「仕事に役立つ内容だった」といったご意見をいただきました。中には「もっと深く知りたい!」という方もいらしたので、今度はその方たちと2日間の研修でお会いできたらな~と思っています。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

文責:菊池彩(地域福祉フォーラム実行委員)

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