2017年1月15日「徳島パブリック・ナラティブ・ワークショップ」を開催しました!

2017年1月15日(日)、徳島市内のときわプラザ研修室1にて、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」《パブリック・ナラティヴ編》を開催しました。主催は、地域の未来づくりに向けたワークショップデザインやファシリテーションを専門に行う一般社団法人しこくソーシャルデザインラボが行いました。また、徳島県福祉基金からの助成をいただいての開催でした。

各地から 27名が参加。四国での初めての開催でしたが、地元の徳島県はじめ香川県/高知県/岡山県/兵庫県/京都府/静岡県と広範囲から参加いただきました。男性11名、女性16名、20代~40代が全体の85%を占め属性も社会人、主婦、NPO関係者、学生と様々でした。地域おこし協力隊や女性のキャリア支援NPO、労働組合、市役所職員など多彩なバックグラウンドを持つ参加者が集まりました。

 今回は、コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップの中で、パブリック・ナラティヴに焦点を絞っての1日研修でした。参加者からは「ワークショップでは、筋トレのように短いエクササイズを繰り返し体と脳に刻み込ませたという印象。」「物事を伝えるための考え方や、思考の癖のようなものを理解できた。」「セミナーを受けてすぐに、SNSで自分のストーリーをシェアした時に驚くほど反響があり、活動を持続していく自信にもつながった。」「タイムスケジュールの管理など細部まで自主性と効率を重視した運び方がとても勉強になった。」「上手になるテクニックやノウハウではなく、企画全体に必要かつ重要なピースとしてのスピーチ構成を学ぶことができた。」といった感想が後日寄せられました。

私自身の感想としては「社会変革の源泉は極めて個人的な経験やストーリーの中にある」ということが掴めたことが、何より収穫でした。私は現在、今回の主催団体である一般社団法人しこくソーシャルデザインラボの代表理事を務めるいっぽうで、普段は京都市内の同志社大学にて、教員として社会人向けの大学院でソーシャルイノベーションをテーマにした研究や教育を行っています。ソーシャルイノベーション、というのは今ある社会課題が生まれないシステムへと変革することを指すわけですが、確かにそれには行政や企業など既存の権力構造の変革が必要です。

しかし、社会課題は常に個人の人生の課題として表れ、その集積が社会全体の課題となるのです。その課題を個人の問題として片付けてるうちは、システムの変革は起こりません。その個人が声を挙げ、周りの共感を集め、具体的な行動を起こすことにより初めて社会は変わっていきます。ですので、ソーシャルイノベーションの源泉は常に個人のストーリーにあることを、私自身今回のワークショップを通してはっきり学ぶことができたのでした。

そして、今後も大学の教育や地域での活動を通して、その個人の暮らしに具体的に表れている課題に焦点を当て、同時にそれを解決し乗り越えようとする人間の力と、それに共感・連帯して共に変わっていこうとするコミュニティの力、つながりから生まれるリーダーシップというものに常に目を開き、それを強め支援する仕事をやっていこう、と改めて強く感じることができました。

その意味で、今回は自分自身の人生の指針と仕事のありかたに、大きく影響を与えるものでした。講師として来ていただいた古くからの友人の鎌田華乃子さんはじめ、各地から集まっていただいたコーチのみなさん、そして参加者のみなさんにこころより感謝いたします。ありがとうございました。

文責:佐野淳也(一般社団法人しこくソーシャルデザインラボ 代表理事)

藤本晴枝

ワークショップに参加した動機は?

2005年4月に現在の活動を始めました。私たちの地域では医師・看護師の不足から様々な問題が起きていますが、医師や看護師を増やすことがとても難しい地域でもあります。そのような地域にとって貴重な医療を守るために、住民が意識と行動を変えていくことが必要だと、私たちは考え、活動をしています。医療はともすると専門性が高く、住民はあくまでもサービスを受ける側だという考えが根強いので、一人でも多くの賛同者を得るために様々な工夫をしてきました。ただ、地域の中で「地域医療を育てる会」の活動を評価してくれる人はいても、入会はしないまでも一緒に活動をしようという人はなかなか増えません。地域の人々へのアプローチの仕方に工夫が必要だと感じています。また会員はボランティアなので、会の活動もそれぞれの自発性に負うところが大きく、活発に活動する人とそうでない人がはっきりしてきています。そこで会員の活動に対する満足度をもっと上げていくことで会の活動がイキイキとし、地域にももっといろいろな変化を生み出せるのではないかと思いました。

ワークショップに参加した感想は?  

時間の大切さというものを体で感じた二日間でした。50代のおばさんでも何とかついていけて、うれしかったです。また自分の今までのリーダーシップでメンバーのモチベーションが上がるかどうか、自分が語っていることは肝心なことが相手に伝わっているだろうか、とプログラムが自分の姿を映し出す鏡のように感じられました。立場や住んでいるところ、年代が異なっていても、自分がいるコミュニティをなんとかしてよくしていきたいと思っている人々と出会えたことは大きな力になりました。これからも、ここで出会えた人たちとさらに交流していくことが出来ることも嬉しいです。今回は当会のメンバーが参加したので、これから一緒に振り返りをしようと思っています。これから参加する人には、できることなら同じ組織の人と複数での参加をお薦めします(初めて参加する所に知り合いがいると心強いですし)。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

各コンテンツが講義・チーム演習・共有と振り返り、という一定のリズムによって構成されているのでメリハリがあって良かったです。また、1グループの人数が6名+コーチ2名というバランスも、ディスカッションをするのにちょうどよかったと思います。テキストが充実していることも良かったです。プログラムがアメリカから入ってきたものだからかもしれませんが、説明されている語句の概念が、日ごろ使っている物と異なるものもあり、さらなるアップデートが期待されます。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

次年度の活動計画を作っていく時期にWSに参加できたので、次年度の活動をメンバーで決定するプロセスに取り入れたいです。また、地元でイベントをする際にはパブリックナラティブの手法を取り入れてスピーチを考えようと思いました。そしてCOJのスタッフの方々の支援をいただきながら、会の活動をメンバーの力がイキイキと引き出せるようなものにしたいです。

 

野田由香

ワークショップに参加した動機は?

チルドリン徳島は任意団体を経て、特定非営利活動法人の設立に至りました。もともと団 体を作る、という強い気持ちで作ったのではなく、やりたいことがあり、そこに人がいて、 持続するために団体を作ったことが始まりで今年3年目にあたり、活動を説明するシーンを何度も経験するようになりました。実際に伝わっているのか、というのが不安で物 事の伝え方を論理的に理解して自分のことや団体の活動のことを正確に伝えることがし たいと思ったからです。

ワークショップに参加した感想は?  

とても大変でした。 今までやったことがないことを短い時間で理解し(理解していなくても)短い時間で必ず アウトプットをすることが毎回、悩み、ひとつひとつ言葉に出すことにいつも使っていな いエネルギーを使ったがします。自分の発表が終わった後、頭がクリアになったこともあ り同じ質問をされた場合、うまく言える自信につながりました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

いわゆる、お勉強感はなく、短い時間での鍛錬(筋トレ)のような駆け足で短いエクササ イズを繰り返して体と脳に刻みながら身体に染み込ませたという印象でした。体験したことな いワークショップです。 いつものワークショップは得意でないので最後まで体験する自信がなかったですが、この ワークショップは最後まで受けることができました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

物事を伝えるための考え方や、思考の癖のようなものを理解した気がします。 アウトプットを繰り返しながら、思考の訓練が必要だと感じています。 セミナーを受けてすぐに当日、ワーク内でうまく伝えることができなかったセルフとアス の部分をコミュニティ・オーガナイジングの手法でFBでシェアした時に驚くほど反響があ りました。人はそんなに興味がないだろう、自分の過去や思いの根幹の部分を言葉にする ことでこんなにも、いろんな意見や、応援などがあることを知り、活動を持続していく自 信にもつながった気がします。これからも棚卸しをしながら、言葉を伝えていこうと考え ています。

あまみ悠

ワークショップに参加した動機は?

スピーチの勉強をしているのですが、言葉に感情を乗せることが難しく、話し方が平坦になってしまう……突破口を探していました。そんなときにお知り合いの方からCOに参加した話を聞いて興味を持ったのです。コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンのHPを開いてみると、スピーチのみならず、リーダーシップ、企画の作り方、コーチングにも内容が及んでいてさらに興味が強まりました。また、尊敬するガンジーやキング牧師の話も出てきてますます惹かれました。

ワークショップに参加した感想は?

一言でいえば「深くて濃くて、忙しかった!」短時間で学んだ内容を反芻することなくすぐにグループで実習するので、息つくヒマがないように感じましたが、その制限時間が能力を引き出してくれるとも感じました。また、タイムスケジュールの管理やノームの決め方など細部まで自主性と効率を重視した運び方がとても勉強になりました

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

スピーチの学びという比較から考えると、上手になるテクニックやノウハウではなく、企画全体に必要かつ重要なピースとしてのスピーチ構成を学ぶことができました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

未来を創る子どもたちが、自他を大切にする豊かな心を持つことが、社会全体の豊かさにつながると信じています。そのためには成長の土台となる親子関係で、お母さんが子どもの安全基地であることが大切です。その支援として、お母さんとプレママの自己肯定感を高める「己育て(こそだて)プロジェクト」を始めました。今回学んだことを活かして、この「己育て(こそだて)プロジェクト」をもっと多くの方に知っていただくために、そして同志と出会い、手をつないでいくために動画配信や講演活動をとおして母親の自己肯定感と精神的成長の大切さを伝えていきたいと思っています。

2016年9月1-2日「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップin久留米」を開催しました!

2016年9月1〜2日、久留米大学御井キャンパス(福岡県久留米市)にて、国際NGOピースウィンズ・ジャパンのご協力を賜り、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップin久留米」を開催いたしました。

日程がド平日にも関わらず、筑後地域を中心に活躍する参加者が24名と、宮崎や福島、関東からコーチ・講師陣が集い、みんなで濃い2日間を過ごしました!

ワークショップ参加者からのコメント

「チームごとに戦略を作り、その後の関係性の構築ワークでは「ガチでやるので一緒にやりましょう!!」と本気の勧誘によって、多くの賛同が得られていました。誘う方の熱意もとても大切なのだと改めて実感しました。」

「リーダーは強いひとがよいリーダーになるというわけではないこと。」

「誰かを巻き込み、行動するときは自分の中の『価値観』を明確にして、その価値観を相手の方にいかにして共有するのかを学ばせていただきました。」 

「関わる人みんなが納得できるアクションを取ることができる手法を学べたこと、トレーナー、コーチ、参加者との出会いと関係の深まり。」

特に今回は久留米で活動されている参加者が多かったこともあり、ほとんどの方がワーク前から既に知り合いという状況でした。でもワークが進むにつれて、「実はしっかり話したことがなくて、お互いよく知らなかったね」という気づきがあちこちで聞かれ、COという手法を学ぶだけでなく一気に深く繋がった“仲間”になれた気がしました。

一石二鳥!!これから、筑後・久留米からどんなことが始まるか楽しみです^^お楽しみに〜。

レポート:廣岡睦(コーディネーター+コーチ)

COJメンバーからのメッセージ(理事 依田純子) 2016年9月ニュースレターより

新年明けましておめでとうございます。
皆さん今年はエキサイティングな年になりそうですか?
私にとってエキサイティングな出来事は、2月6日から始まるハーバード大学のオーガナイジングのオンライン・コースのティーチングフェロー(TF)として、ガンツ先生のクラスのセクションを受け持つことです。この3ヶ月半のコースは、私がハーバード大学で受講したコースをオンライン化したもので、世界中から120人が参加します。各自のキャンペーン・プロジェクトを中心に全員が参加するガンツ先生の授業や、TFが指導する少人数のセクションなどで構成され、毎週オンラインでクラスが開かれます。授業も課題も英語ですが、私のセクションに入れば日本語で1:1ができますので是非日本からも参加してください。

代表理事からの報告にあるように、2期目の理事会が発足しました。私も理事として続投する事になり、残り1年間半COJを全体的にサポートしていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。オンライン・コースの他のTFはアメリカ、カナダを始め中東、ロシア、東欧の経験豊富なオーガナイザー達で す。6人のTFとガンツ先生で 世界各地からのキャンペーンをコーチしますので、その経験をCOJの実践伴走やワークショップに生かしたいと思います。

去年は残念ながら東京でワークショップを担当する機会はありませんでしたが、私がシンガポールで運営するNPOクリンクトでは、アジアの人身売買防止教育の為のリーダシップ養成の一環として、シンガポールでは難民支援団体とオーガナイジング、そしてカンボジアではカモノハシプロジェクトさんとパブリックナラティブのワークショップを行いました。来週はミャンマー北東部のカチン州で、6団体に人身売買防止トレナー養成ワークショップを行います。人身売買が横行している地域で、トレナーに勇気を持って教えてもらう為、7日間のプログラムの中にパブリックナラティブを盛り込みました。

今年も”think globally, act locally” をモットーにグローバルに考えローカルに行動し、草の根でオーガナイジングを広げていきたいと思います。

 

新理事体制のご報告(代表理事 鎌田華乃子) 2017年1月ニュースレターより

新年あけましておめでとうございます。
2016年は仕事でも世界でも思いも寄らないことが起きる一年だった気がします。
2017年は皆様にとって良き「驚き」と喜びの多き一年になりますよう祈念しております。
 

COJは2年に一度理事の改選をしており、昨年11月に二期目の理事が決まりました。

立ち上げ期の2年が終わり、これからの2年は培って来た地盤を発展させる2年になると考えています。その大事な2年を理事として全うすると決意したメンバーです。
 
鎌田華乃子(代表理事)
室田信一(副代表理事)
池本修悟(副代表理事)
松澤桂子
山本佑輔
依田純子
 
 
今回、一期目の理事を務めた荒川あゆみさん、小田川華子さん、林大介さん、古川美幸さんが退任されることになりました。日本に知られていないコミュニティオーガナイジングを広めるCOJを立ち上げるという、まさに私たちが提唱している「不確実な状況で目的を達成する」リーダーシップを発揮してくれた一期目の理事メンバーにこの場を借りて感謝いたします。
 
現在理事は今後のさらなるCOJの発展を目指した体制作りを行なっています。日頃応援してくださっている皆様のご期待に応えられる組織になりますよう、理事ならびに運営メンバー一同で頑張って参ります。
 
今後ともどうぞご指導、ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。
 
代表理事 鎌田華乃子

代表理事 鎌田のインタビューが朝日新聞朝刊(1月12日)に掲載されました

「(2017私の想い:5)家庭と仕事、文化変えよう 鎌田華乃子さん」

ご一読ください。以下、鎌田のコメントです。

「女性の働き方について」インタビューを掲載いただきました。社会に出て唖然としたのが「男女の差」ってあるんだ、ということです。自分が頑張れば認められると思っていたけど違う。家庭を守るのが女性、仕事をするのが男性、という固定観念の壁。それを変えたいと思っても意思決定層には女性はいないというパワーの壁。「システム(制度)だけでなくカルチャー(文化)を変えること」とありますが、文化を作るのは私たち、既存制度を維持させているのも私たちです。私たちが変われば変わって行きます!

浜辺隆之

ワークショップに参加した動機は?

2016年8月に開催されたプレCO研修に参加した職場の上司や同僚からのススメがあり参加しました。私は現在、大阪市のボランティア・市民活動センターで、NPOや市民活動団体、学校や企業、社会福祉施設や地域団体など異なる主体同士が、地域や社会の課題解決に向けて「協働」して取り組むためのコーディネートを行っています。団体の目的や価値観が違うひと同士が、共通の目的をもち、互いの強みを活かしながら一緒に地域課題に取り組むためには、「共感」し合うプロセスが必要だと感じていました。さらに「協働」を喚起するためには、関わるひと同士が「対等な関係を構築する」という要素も重要です。コミュニティ・オーガナイジングはこれらの要素を満たしてくれるものであり、ワーカーとしてぜひ身につけたいスキルと思いCOワークショップへの参加を決めました。

ワークショップに参加した感想は?

一言でいうと「自分自身と向き合い、価値観を探し続けた」2日間でした。これまで自分が大事にしてきた「私の価値観」や「社協ワーカーとしての価値観」をうまく言葉にすることができず、自分の信念や存在がいかに曖昧なものであったかを思い知らされました。しかし30分ほどの講義の後、チーム演習を行い、共有・振り返りをするという流れを分刻みで繰り返すプログラムは、立ち止まることさえ許されず、とにかく「やってみる」「語ってみる」というチャレンジの連続でした。と同時に、チームメンバーや他の参加者のストーリーを聴き、相手の価値観や原動力に触れることで、自分の心が動かされるのを強く感じました。それは参加者一人ひとりが限られた時間や条件の中で、自分自身の価値観と向き合い、それぞれが絞り出したストーリーに共感し合えたからだと思います。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

1つ目は2日間の長丁場の研修であったものの、プログラムごとに明確な演習ゴールが定められていて飽きる暇もなかったことです。事前資料の読み込みを前提に、まずは耳で講義を聴く、次に実際に人々を動かした過去のスピーチやCOコーチ陣の模範の動画を観る。そして最後に自身で考え実践してみる。これらを繰り返す中でコミュニティ・オーガナイジングに必要なスキルを着実に、また段階的に身につけられる内容になっていたと思います。2つ目は単なるグループワークの繰り返しではなく、自分たちでノーム(グラウンドルール)や役割を決め、共有の価値に基づいてミッションを定め、創造的に戦略を練っていく過程で、特定の人がリードするのではなく、参加者一人ひとりがリーダーシップを発揮しながら主体的に学ぶことができた点です。「他人任せではなく、自分の持てる力で少しでも良いものを創りたい」と思えるワークショップでした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今回私は業務としてこのCOワークショップに参加することができました。それは一足先に8月のプレ研修に参加した上司や、職場の仲間の理解があったからです。社協ワーカーの中には自己研鑚として休みの日に研修や講座に参加する職員も少なくありません。ですが、そこで得た学びを自職場で共有することは容易ではありません。今回、業務として参加を後押ししてもらえたことに感謝し、復命報告はもちろんのこと、大阪市区社協から参加した5人の「同志」とともに、もう一度このCOワークショップの学びを深め、多くの仲間に広げていきたいと思います。

内田大

ワークショップに参加した動機は?

私がこのワークショップに参加した動機は、大きく2点あります。1点目は、組織化とは何なのか、どんな意味や役割を含んでいるのか改めて学びたかったからです。大津市では、学区社会福祉協議会が地域福祉の基盤で、民生委員児童委員がその第1線の担い手として、地域福祉を推進してきた歴史があります。とは言うものの、社協に入職してもう3年を迎えようとするなか、組織化って何?組織された団体の支援だけでいいの?むしろ組織された団体の支援さえもできているのか、悶々としていました。2点目は、このワークショップに参加する社協ワーカーやNPOの方々が今どんな問題意識を持ち、このワークショップにどんな期待を寄せていて、どんなビジョンを持っているのか興味があったからです。多様な課題が地域社会にあるなか、どうやって地域福祉を推進する体制を厚くしていくか、各種団体と手を結んでいけるか、そのヒントを参加者の皆さんからを得たかったからです。

ワークショップに参加した感想は?

グループの方々や参加者の皆さんとのやりとりがおもしろくて、あっという間の2日間でした。正直、何がどう自分のものになったのか、受講した内容が理解できたかと問われると決してそうではありませんが、今後の実践や同志の話を聞き、振り返りを意識するなかで、ちょっとずつ身についていくのではないかと楽に構えられるようになりました。一方で、話し合いや異質性を尊重することの大切さ、特に難しさも感じました。所属も価値観も違う異質な人たちとのゴール設定や戦略を練る協働作業は、話し合いの何がどう大切で、話し合いのプロセスをどう共にするのか、あるいは評価するのか、そのポイントが少し掴めたように思います。今後実践のなかで、私や私達がなぜ話し合うのか明確にし、互いの異質性を担保しながらゴールに向かって取り組んでいくことを意識していく必要があると感じました。

今まで参加したワークショップとの違いは?

自分の価値観を改めて探り、どの言葉を選び、どう語るのかは、これまでに経験したことのない作業で、語りを中心としたワークは新鮮でした。時間の制約というハードルも加わり、一つひとつのワークについていくのがやっとだったと思います。また今まで参加したワークショップは、講師-自分の1対1の関係だったように思いますが、COワークショップは、講師やグループ、参加者全員が一緒になり、連帯感をもって取り組む協働作業であったことが大きな違いのように感じます。コーチがいること、同志がいるという安心して語れるシチュエーションであったからこそ、いつもの自分より少しチャレンジができたように思います。

今後どのような活動に活かしていきたいか?

今回のワークショップを受講して、実践の楽しみや可能性が広がるのではないかとわくわくしています。改めて、なぜ私や同志がその課題に取り組むのか、根底にある価値観を分かち合いながら進めていくことを意識しながら組織や地域の方々とともにありたいと強く感じます。そのためにも、セルフ、アス、ナウを訓練し、パブリックナラティブを実践でどんどん使っていきたいです。また、戦略の講義で学んだタイムライン等の図式は、同志と共有する際に積極的に活用していきたいと考えています。この図式を用いることで、担当している事業についても、同志は誰か、戦略と戦術、ゴールは何かより明確にできるのではないかとワークショップを通じて体感しました。

活かせそうなことを記しだすと切りがないですが、今回のワークショップでの一番の収穫は、これまでの自分よりもう少しチャレンジできるチャンスが思いのほか、ありとあらゆる場面に潜在しているということです。自分がこれまで見落としていた様々な機会があったということを内省しつつ、今後の実践においてCOを意識して取り組んでいきたいです。

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