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【第9回オンライン】COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ

コミュニティ・オーガナイジングとは、仲間と思いを共有し、それぞれが持っている力を合わせて行動することで社会を変えるための方法です。
このワークショップは2日間で、その社会の変え方を理論的・体系的に実践的に学びます。具体的には、講義を聞き、チームに分かれ演習し、振り返りをする、という流れで学んでいきます。

世の中に対して「なにかが変だ」、あるいは「なぜだか生きづらい」そんな気持ちになったことはありませんか?

そして、「でも仕方ないよな」と諦めの気持ちを持ったことは。

「社会を変える」なんて大それたこと自分にはできっこない、「変えたい」とは思うけど、どうしたらそんなことできるのだろうか。
こんな風に思っている方もいるかもしれません。

「仕方がない」から「自分もなにかできるかもしれない」、「仲間となら一緒にできるかもしれない」そんな希望を一緒に感じませんか?

ワークショップに参加し、変えられる!という希望を感じたみなさんと一緒に、より良い社会を作っていきたいです。ご参加お待ちしています。

申し込みはコチラから!

石川奈津美

ワークショップに参加した動機は?

普段、コワーキングスペースを運営しており、様々な方とコミュニケ―ションを取り、共創できる場所としての活動をしております。

仕事柄、コミュニティ運営者としてコミュニティの根本をよくすることを学び、人を動かす、惹きつける運営者となるための知識を吸収したいと思い参加させていただきました。
また、信頼できる方からのご紹介もあり、このワークショップで身につく力は大きいのではないかと期待し参加いたしました。

ワークショップに参加した感想は?

参加以前は、「どんな方が参加しているんだろう」「どのような形式で進んでいくのだろう」と、とても不安に思っておりました。また、コロナ禍ではオンライン主流だったため、久々の対面でのワークショップに参加することにとても緊張していた記憶があります。

参加してみると、フランクに進められ、自己紹介やアイスブレイクに最初時間を割いて頂いたおかげで、緊張もほぐれ、スタッフの方含め参加者の方と自然に円滑にコミュニケーションが取れるようになっておりました。
ワークショップの中でお互いの価値観に触れ、大切にしているものを尊重し、チーム演習を進め、終了時には、2日間の濃密な体験の中でのやり切ったことに対する疲労感はもちろん、なんとも言い難い達成感やこれからの活動や新しくはじめることに対する期待感が大きくなっていました。

「今後こういうことがしたいな」「学んだことを即実践してみたい」と思える体験ができ、参加して本当によかったと思っています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

香川県内外より活動されている方が集まっていて、ただ一緒にワークをするだけではなく、共に学び、お互いを理解し、吸収・成長していくことができました。

ただ、なんとなく参加している人はおらず、皆何かしらを持ち帰りたいという意欲に溢れた方が参加しており、運営に携わって頂いた方々も素晴らしい熱意を持って取り組んで下さっています。またこのワークショップが後々のアクションに繋がっていたり、共に学んだ方々との関係性がその場限りではない点も他のワークショップとの違いだと感じました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

すぐに思い浮かんだことは、一緒に活動している学生インターンの方とのチーム構築です。今、バラバラに活動しており、目指す目標などが定まっていないので、今一度お互いを知り、目線を合わせるところからスタートし直したいと思います。
また、現在活動しているコワーキングスペースや組織だけでなく、生きていく上でこれからさまざまなコミュニティに身を置いて行く中で、今回学んだことを活かしていきたいと思っています。
1人では難しい事にも、集団、組織となって物事の当たり前を変えていけるということを頭に置いて、活動していきたいと思います。

竹内栄作

ワークショップに参加した動機は?

私は、楽しそうなことや、アツい人に興味関心が高く、様々な活動に参加しています。
現在所属しているNPO法人の代表から、スタッフとして手伝わないかと声をかけてもらった時も、現在取り組んでいることや想いに共感し、所属しています。
当法人が取り組んでいる、コミュニティ財団立ち上げの事業において、様々なNPO法人や市民団体の方にヒアリングやアンケートを実施しました。その中で、困りごとや課題感を聞かせてもらったのですが、継続した関わりができていませんでした。
そんな時に当法人の代表からワークショップを紹介してもらい、コミュニティ・オーガナイジングの理論や手法を学び、身に付けていくことで、中間支援としての役割がより発揮できるようになったり、地域に役立てることがあるのではないかと考え参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

2日間があっという間に感じるほど、駆け抜けたワークショップでした。
2日目に参加者全員でうどん屋に行ったことも良い思い出です。
みなさんそれぞれに課題意識を感じており、その課題解決の糸口を見つけるために今回のワークショップに参加したり、普段の行動に表れている能動的な姿勢に、良い刺激を受けました。また、普段は中々聞くこともない、それぞれの方が語ってくれた大切にしていることが、その方のルーツに触れたような感覚で、そのことも良い刺激になりました。
普段の仕事や活動では、インプットするジャンルは偏りがちですが、多様な業種や立場の方とワークを行うことで、様々な価値観に触れることができました。これは、参加した場が心地よく、安心して意見を言える空間だったからだろうなと感じます。
そして何よりチーム演習が濃厚で、頭がパンパンになりながらも、いい疲労感で、とても充実していました。限られた時間の中で、目標に向かってチームで取り組んだ時間は、初めまして同士は思えないくらい、熱中して取り組んだのではないかと思います。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

業種も所属もバラバラで、研修として共通のテーマ(例えば「子ども」など)があるわけではない中で、グループで1つのアクションプランを考えていくということが初体験でした。2日間を通して、ゴールが共有できて、1つの活動グループになったのは、ストーリー・オブ・セルフの効果が大きかったかなと思います。普段はなかなか自己開示をする機会がなかったり、ためらうこともありますが、コーチの進行の下で安心してお互いの価値観を認め合いながら取り組んだ時間は、他のワークショップとは本気度とか、熱量が違うなと感じました。各グループにコーチが1人ついていただいたことで、知識としても学ぶことができたし、オーガナイズしていく様を体感できました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

自身の仕事や地域での活動において実践していきたいと思います。ワークショップの冒頭でもあったように、意識的に実践することが大切だし、学習効果も高いと改めて感じました。インプット(講義)とアウトプット(演習)のセットが絶妙だったので、あの演習の感覚を忘れずに学んだことを意識し続けたいと思います。特にコーチングのスキルは気づきが大きかったので、一番活かしたいです。ついつい、経験則や自分のアイデアを出したくなりますが、観察や診断を意識して、相手が気付くきっかけづくりのために質問を投げかけられたらと思います。

※残席1!※【第8回オンライン】COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ

<キャンセル待ち対応について>
満席で申し込めない場合は、次の手順でメールにてキャンセル待ちの登録をお願いします。
期日までに毎回数名のキャンセルが発生しますので、参加を希望される方はぜひ、ご登録ください。また、今回のワークショップは見送りにして、次回はいち早く情報を受け取りたいという方は2のウエイトリストにご登録ください。

1、キャンセル待ち登録
キャンセル待ち予約はメールにて以下の通りお申込みください。
メール送り先:email hidden; JavaScript is required(COJ木山)
タイトル:【キャンセル待ち申込】7月29日、30日オンラインワークショップ
記載内容:名前(フリガナ)、メールアドレス、連絡の取れる電話番号、希望枠(一般or学生)

【お願い】迷惑メールの設定によっては、COJからのメールが届かない場合があります。お心当たりの方は、COJからのメールを受信できるようにドメイン指定受信で「organizing.jp」を許可するように設定してください。

2、次回ワークショップのウエイトリスト
次回のワークショップの情報をいち早く受け取りたい皆さんは以下のURLが次回のワークショプのウエイトリストとなりますので、こちらにご登録いただき、冬頃に開催予定のワークショップに備えてくだされば幸いです!

 \ 次回のワークショップのウエイトリストはこちら /
   
<ウエイトリストとは…?>
ご登録いただいた方には次の情報をお届けいたします。
・次回のフルワークショップの日時の告知
・どこよりも早い申込ページの公開
こちらへのご登録はあくまで優先的に情報をご案内するものですので、参加を確約するものや強制するものではありません。ぜひ、お気軽にご登録ください!

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コミュニティ・オーガナイジングとは、仲間と思いを共有し、それぞれが持っている力を合わせて行動することで社会を変えるための方法です。
このワークショップは2日間で、その社会の変え方を理論的・体系的に実践的に学びます。具体的には、講義を聞き、チームに分かれ演習し、振り返りをする、という流れで学んでいきます。

世の中に対して「なにかが変だ」、あるいは「なぜだか生きづらい」そんな気持ちになったことはありませんか?

そして、「でも仕方ないよな」と諦めの気持ちを持ったことは。

「社会を変える」なんて大それたこと自分にはできっこない、「変えたい」とは思うけど、どうしたらそんなことできるのだろうか。
こんな風に思っている方もいるかもしれません。

「仕方がない」から「自分もなにかできるかもしれない」、「仲間となら一緒にできるかもしれない」そんな希望を一緒に感じませんか?

ワークショップに参加し、変えられる!という希望を感じたみなさんと一緒に、より良い社会を作っていきたいです。ご参加お待ちしています。

こちらからお申込みください。

遠藤麻衣

ワークショップに参加した動機は?

CO本(『コミュニティ・オーガナイジング ほしい未来をみんなで創る5つのステップ』)の読書会に参加したことをきっかけに、このワークショップの存在を知りました。しかし、子供が小さいこともあり、週末に丸二日間という日程に当初は自分で自分に許可が出せませんでした。

二度目は夫に子供を任せることはできるようになったものの都合がつかず、すぐにウエイトリストCOJ主催ワークショップの開催を優先的に受け取ることができる登録フォーム)に登録し三度目の正直で参加することができました

ワークショップに参加した感想は?

想い描いていた以上のものを持ち帰れたと感じています。短時間で、全く知らない、活動も違う人々が、お互いを知り共通点を見出し架空とはいえ、ほぼ実現しそうな共通の目標を立てるところまで時間に追われながら成し遂げた経験は、今後の大きな糧になりそうです。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

コーチングとファシリテーションのねらいが違うと思います。よくあるワークショップは、主催者側のゴールを認識しているファシリテータが意図するしないに関わらず、どうしても誘導してしまいます。でも、ここには誘導は全くありません。

それだけではなく、困る・手が止まる暇がないほど、次々とスモールステップが用意され、気がついたらこんな高みまで来ていた!と振り返る感覚です。本当に二日間があっという間でした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

コーチングのスキルを一番活かしたいです。自分のビジネス(相談業)にも、日々の活動(町内会、PTA、所属するコミュニティ)にも、家庭にも、生きていく上で相手と自分の共通点を探り、相手の望みを掘り下げ、アイデアの押し付けではなくその人の望みにその人自身が気づくきっかけを作っていきたいと思いました。

2023年3月4日、5日【第7回オンライン】COJ主催コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ開催レポート

「チャレンジを称賛する」――”自転車”で行く、2日間のオーガナイジングの旅

2023年3月3日(土)、4日(日)の2日間、オンライン第7回目となる「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」が開催されました。日本全国の様々な地域から参加した35名の皆さんと、24名の運営スタッフが共に、2日間のオーガナイジングの旅に出ました。

毎回早々に席が埋まってしまう本ワークショップ。初日開始時、zoomに続々と入室してくる参加者からは、緊張とともに、開催を心待ちにしてくださっていた熱量が伺えました。開講時にノーム(ワークショップでのお約束)づくりを行う際には、コーチの「皆さんからありますか?」の問いかけに続々と手が上がりました。その内容は、この場の話はこの場に止めることや時間を守ること、互いの発言を尊重することはもちろん、「チャレンジを称賛する」があがるなど、コミュニティ・オーガナイジングの学び方「まずは自転車に乗ってみよう」がさっそく実践されていました。

初日午前中はまず、3人組にコーチが1人つき、質問と言い換えを使って課題解決が滞っている原因を見つけどうアプローチするのか自分自身で見つける「コーチング」が行われます。その後で6人ずつの参加者が6つのチームに分かれ、2人のコーチとともに変化を起こすためのキャンペーンをステップを踏んでつくっていきます。それにはフォローコーチ、時間に沿って綿密にブレイクアウトルームを組んでいくテックチームの存在が欠かせません。

「戦略だけでは人は動かない」――【ストーリー・オブ・セルフ】【関係構築】【チーム構築】

各チームの6人の参加者は、その日が初対面。地域・ジェンダー・世代の多様性はもちろんのこと、背景の多様性、つまり企業で働く人、NPOや労働組合で活動している人、医療・介護・福祉の現場に携わる人、議員、学生などーを持っています。1つの組織に属しているわけでもなければ、各自の関心も環境、ジェンダー、まちづくり、チームビルディング、労働、と異なっています。ワークショップに期待することも、今すぐ活動で使いたいという人から、これを機に何かの活動に参加してみたいという人まで、実にさまざまです。

「こんなに多様なチームで1つのキャンペーンが作れるのだろうか?」と思う参加者もいたかもしれない中、チームでの最初のワークは【ストーリー・オブ・セルフ】。講義したコーチやモデル(見本のストーリーを話す人)、各チームのコーチのストーリー共有に続き、参加者自身が、活動の原動力が何なのか、自分の経験に紐づいた価値観を2分間で話します。考える時間は5分。「まだできていません~」と言いながらもしっかりとまとめて話していた参加者の皆さんのチャレンジにはすごいの一言です。振り返りでも「自転車に乗った気がした」という声がありました。

参加者の事後アンケートでは「ストーリー・オブ・セルフをつくってみて、私ってこんな価値観・想いを持っていたんだと気付きました」などの声が聞かれました。

ストーリー・オブ・セルフを語り「なぜ私が活動するのか」を共有した次のステップは【関係構築】。講義を聞き、見本の動画を見た後に「関係構築される側」「する側」の1対1での対話を行います。互いが「何」に関心を持っているのかとともに、互いが「なぜ」その活動をしているのか(価値観)や互いの資源が共有され、次の具体的な約束を求めるワークです。お互いのストーリーや活動を手掛かりに、丁寧に対話を進めている様子が印象的でした。

事後アンケートでは「初対面でも対話が叶えば、価値観は共有できるし、共通点が全くないように思えても、何か引っ掛かる糸口があるんだなという経験ができました。困難はあるかもしれないけれど、一人ひとりと関係構築を積み重ねていけば、私たちにも変化が起こせるはず、と思うことができました」などの声がありました。

【関係構築】の中で2人で共有した価値観を、6人のチーム全体で共有し、チームの共有目的やチームの一体感を高めていくためのチーム名とチャント(チームの士気を高めるために行うダンスや掛け声)づくり、そして各人の資源や役割を確認していくのが次のステップ【チーム構築】です。価値観に気付いた経験が共有され、各チームが目指したいゴールに向けて誰(同志)と何(活動)をするのかを話し合って決めていきます。

事後アンケートでは「チーム構築は、年齢も性別も居住地も違うメンバーが一つの目標に向かえることに感動と驚きの連続でした」「『人に役割を渡す』ということが人を奮い立たせるのに欠かせないポイントだということを知りました」などの声がありました。

共有目的とチーム名・チャントを全体で発表し、振り返りを行ったのち、第1日が終わりました。振り返りの共有では、「zoomがスムーズだった」「zoomでは離れている感じがしてしまうが、テックが音楽を流してくれたので繋がっている感じが得られた」など、テックチームへの感謝の声が上がりました。全体を見てくれているフィードバックに一体感が高まりました。

「感情・共感こそが人を動かす」――【戦略Ⅰ】【戦略Ⅱ】【パブリック・ナラティブ】

第2日目は【戦略Ⅰ】から始まりました。今すぐに解決したい同志の困難を、絵に描けるくらい鮮明にしていきます。直面する困難にどうすれば変化が起こせるのか、達成したい戦略的ゴールを定めチームで話し合い、まとめていきます。前日に対話を進めてきた各チームでは、自己開示が進み、さらに率直な意見が交わされていました。

その上で、【戦略Ⅱ】として、前日に確認した資源や同志の資源をもとに、どうすれば困難な状況に変化を起こせるまでにパワーを高められるのか、効果的な戦術を話し合い、キャンペーンのタイムラインに落とし込んでいきます。

このステップの最後には、全体で各チームによるキャンペーンの発表が行われました。「あなたもわたしも大切さんたち〜集合ーー!!〜」「人と作物をそだて隊」「キャンプファイヤー」「デコボコまるごと応援団」「ラッシュアワー(RUSH OUR)(忙しい時期を1人でなくみんなでいきたい)」「ありのまま流星群」というチーム名の各チームが「個人(自然を含む)が大切にされる」「多様性を認め合える」「声をあげて行動できるようになる」「誰もがありのままの自分で暮らしやすい」社会に向けての具体的なアクションを生き生きと語りました。

事後アンケートでは、「同志を中心に据えながら展開していく大切さ、戦略だけではなく感情に働きかける大切さを感じた。エピソードは共感や行動を生む大切なツールだと感じた」「最初は、初めて会う方への自己開示に抵抗があったが、自己開示することで、課題感や実現したい社会に対する原動力の解像度を上げることができた。ひとりひとりの歩んできた人生を自分と重ねながら実感することで、他者により興味を持つことができた」との声がありました。経験をベースとしたストーリーへの共感がキャンペーンの自分ごと化に繋がっていくことが伺えました。

第2日目の最後は、キャンペーンに対して具体的なアクションを呼びかける【パブリック・ナラティブ】です。ストーリー・オブ・セルフに加え、ストーリー・オブ・アス(私たち)、ストーリー・オブ・ナウ(緊急性)を盛り込んだストーリーを3分で話します。2日間のワークショップの中で起きたことをアスに含めて語ったモデルは多くの共感を呼び覚まし、アクションを求める「参加してくれる人はzoomの手を挙げるボタンを押してください」との声に、ババババッと反応があり、手を挙げた人で画面が埋め尽くされました。

参加者も、チームで語りコーチングを受けた後、各チームから1人が全体で語りました。共感して涙ぐむストーリー、勇気づけられるストーリー、今すぐアクションに参加したくなるストーリー、みんなが真剣に聞き入る時間となりました。

「ストーリー最強」

第2日目の全体振り返りでは、パブリック・ナラティブを受けてストーリーの大事さに言及し、ストーリーが、それを語る個人も聞く周囲もエンパワーし勇気づけ、つながりや活動に繋がっていくことを体感的に理解したとの声が数多く上がりました。

事後アンケートでは「語りがもっともよかった、という感想が多かったことが印象的でした。やっぱり人は人の語りに惹かれるのだと確認しました」などの声がありました。

また、「私は、ワークショップ終了後1ヶ月以内に、何かのアクションに挑戦するだろう」との問いに、「とてもそう思う」と答えた参加者は、ワークショップ前は60%であったのが、終了後には90%近くに上昇していました。事後アンケートでも、すでに関係構築を実践してみた、ストーリーを語ってみた、プレゼンに使った、コーチングを行い始めたなどの声が聞かれ、ワークショップでの経験が日常での実践に活かされていることが伺えました。皆さんの日常でのチャレンジに「ナイス!」です。

参加者やスタッフが多様なそれぞれの現場に経験を持ち帰り、日常での活動に活かしていくことで間違いなく社会は良くなる。そこに大きな希望を感じ、自分もチャレンジしようと勇気づけられたワークショップでした。

レポート:小谷 幸(コーチ)

コミュニティ・オーガナイジング・ミニワークショップ@旭川/北見

北海道労連(以下道労連)主催で、3月16日(木)に旭川市、17日(金)に北見市で、パブリック・ナラティブ/ストーリー・オブ・セルフのミニワークショップを開催しました。それぞれについて報告します。

3月16日旭川

木曜日の19時~21時という開催でしたが、旭川勤労者福祉会館中会議室に、仕事を終えた、保育士さんや病院、労働組合、弁護士事務所等に勤務されているみなさんが10名集まりました。

道労連と旭川労連(以下旭労連)の共催だったのですが、旭川での開催に中心的にご協力くださった方は、2018年4月に札幌で開催した2日間のコミュニティ・オーガナイジング(以下CO)ワークショップに参加された方でした。

今回は、同じく保育士をしている仲間2人と一緒に参加されました。ワークショップが終わってから、「私は保育の仕事は子どもも保護者とも“アス感”の連続性が信頼関係だと思っている」と思いを共有してくださいました。“アス感”とは、一緒に大変な仕事を乗り越えたり、同じ目標達成に向かって努力しゴール達成できた喜びを共有できた仲間同士が持つ一体感のことです。その一体感には「子どもを第一に考える」とか「子育てをする人を孤独にしない」など大事な思いも共有できていることが多いと思います。

その感覚を「パブリック・ナラティブ/ストーリー・オブ・セルフ」を学ぶことで、仲間にも持ってもらえたら、毎日の保育の現場で、子どもたち、保護者そして保育士さん同士の信頼が高め合えるのではないかと思います。

2時間のワークショップの感想シートには、

・こんなにセルフを語って共感してもらえたことの喜びがあふれました。でも“気持ちが勝った”ときに語るのが一番と聞き、そのときが本当に“つながる”タイミングだなと思いました!楽しかったです!!

・小さい頃の選択の経験が自分の「価値観」とつながると思うと、すごく納得したし、単純に「すごい!」と思いました。いつも当たり前になっていることも、少しずつ考えようと思えるいいきっかけになりました

などのフィードバックが共有されました。共催者の道労連・出口さんによると、旭労連は組織のパワーが少し下がっている状態のため「今回ストーリー・オブ・セルフを作り、共有し合えたことで、それぞれが改めて大事にしている思いを確認できたことが、組織としての活動にもプラスではないか」とおっしゃっていて、私もそういう力になるといいなと思います。

3月17日北見

金曜日の19時、北見市民会館1号室には、参加予定数の半分に満たない集まり具合で、共催者の道労連・出口さんは少々焦り気味でした。金曜日ということもあるのでしょうか、高校の先生、病院や介護など医療介護の現場職員の方々など、最終的には16名が参加されましたが、到着時間にはばらつきがありました。

北見開催の中心となったのは、2022年12月に全国労働組合総連合主催で行った2日間のCOワークショップ参加者で、12月に参加した後、教えている高校生とともにストーリー・オブ・セルフを作ることにチャレンジもしている方でした。

16日の旭川もそうでしたが、自分が学んで、それを仲間やコミュニティに広めたいとして、COを学ぶ場を作ってくださることはとてもうれしいです。これは、COを実践するときに大事にする「自分でも参加したくなる場を作れているか?」「誰かを誘いたくなる内容か?」のような視点にも通じ、「良い!」「誰かにシェアしたい!」そう思っている人が作る場の持つエネルギーには、人を引き付ける力があるなと感じます。

途中から参加された方は全体像を理解し辛かったようですが、2時間を終えての振り返りでは、

・コロナ禍で対面の研修自体なくなっていたので、このような場に参加できたことが何よりうれしいし力づけられた

・具体的に描写することで自分の気持ちが明らかになるし、他者にも伝わることがよくわかった

などのフィードバックがありました。COJとしても対面でのワークショップはほとんどをオンラインに切り替えていたので、対面での開催、そこで人と会い対話し、思いを共有し合うことの大切さを痛感しました。

最後に

別のレポートで開催報告予定の、札幌の病院でSOGIの取り組みを進めたい人たち向けのワークショップに合わせて、上記2つのミニワークショップも企画されました。

2018年札幌開催の2日間ワークショップでコーチをした伊藤さん(「ケンタ」と呼んでいます)、参加者だった更科さん(「ひかちゃんと呼んでいます)が、COJ主催ワークショップのコーチをしたり、講師養成のプロセスを経て講義を担当できるようになったり、何よりそれぞれがCOキャンペーンを経験してきました。

ケンタが16日の旭川で、17日の北見はひかちゃんがコーチとして参加し、モデルとしてストーリー・オブ・セルフを語りました。準備期間を長く取れなかった今回のワークショップでしたが、北海道のCOコミュニティが育っている手応えがあったので、不安なく開催できたと感じています。

「コミュニティ・オーガナイジングってこういうことか!」な実感をまた一つ増やすことができました。関係者のみなさんに心より感謝です。

COJ職員:安谷屋貴子

中町直太

ワークショップに参加した動機は?

私は企業に対するブランディングのコンサルティングをしておりますが、もともと、社会運動のメカニズムを企業のブランディング/コミュニケーション活動に応用することに興味を持っていました。

また、同じ志のもとに、熱量の高いコミュニティを形成し、その輪を拡げていくことで組織全体を変革していく手法は、社会課題解決だけでなく、企業文化変革にも応用できるのではないかと考えており、今回のワークショップを受講しました。

ワークショップに参加した感想は?

事前に書籍『コミュニティ・オーガナイジング ほしい未来をみんなで創る5つのステップ』は読んでいたのですが、やはり実際に手を動かし、他の人たちと話しながら体験すると、知識の定着度が違います

また、コミュニティ・オーガナイジングのステップに沿って体験していくことで、どのプロセスではどんなことが重要なのか、難しいのはどんなところなのかを疑似体験できたのは大きかったと思います。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

参加者のみなさんの熱量が非常に高いと思いました。

みなさんそれぞれが、自分が解決したい社会課題をテーマとして持っており、日々の活動に直接役立てようという動機で参加されていました。

さまざまな分野の方とお話しすることができて、非常に勉強になりました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

前述した通り、コミュニティ・オーガナイジングを企業のコミュニケーション活動や、企業文化変革に応用していくことができればと思っています。

またそれだけでなく、自らの志をもとに、仲間をつくりながら実現に向けて行動していく方法論は、これからの時代を生き抜いていく上での必須のスキルといっても過言でないと思います。

そういう意味ではこれからの人生において、コミュニティ・オーガナイジングに、たびたび立ち返ることになっていくのではないかという気もしています。

松田 唯

ワークショップに参加した動機は?

『コミュニティ・オーガナイジングーほしい未来をみんなで創る5つのステップ』の本に出会い、読み終わってすぐCOJのHPを検索。タイミング良くワークショップの開催の案内を発見しました。

出産・育児を通して、「仕方ない」のままで終わらせたくないと考えることが増えました。家庭において、仕事において、制度において、楽しくて幸せなはずの子育てにしんどさを覚えることも多かったからかもしれません。

コロナ禍においてさらに、変えたいと思うなら声を上げないといけない、様々な課題に対して自分にできることは何だろう?と感じていたこともあり、「ほしい未来をみんなで創る」というCOを体感してみたく、ワークショップへの参加を決めました。本を読みながら、私にも、私たちにも、社会を変えられる方法がある!もっと詳しく聞いてみたい!と思ったためです。

ワークショップに参加した感想は?

初対面でも価値観を共有できること、「感情が動く」を実感できたことが一番の学びだったように思います。

ワークショップ参加前、私は過去の経験から、自分のストーリーを語ること、関係構築していくことにとても苦手意識がありました。

初対面のメンバーでグループを作り、実際に自分のストーリーを語り合い、共有する価値観から共有目的、具体的な活動・戦略を練っていく演習の中で、これまで「対話をする」ことに真剣に向き合えたことがどれだけあっただろうと考えました。

“カテゴリーのとしてのチーム”ではなし得ないことがある、何かを変えたいと思った時のチーム構築のステップに触れることができました。

短い時間だった為、難しい局面もやはりありましたが、それでも参加者それぞれが現実に変えたい何かがあるからこその意欲があって作り上げれたワークショップだったと感じています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

とても心理的安全性が高いワークショップでした!

自分のストーリーを語るのは、やはり初対面では普通ハードルが高いと思います。

ですが、コーチ自身がどうしてCOに参加しているかについてストーリーを語ってくださったことを含め、ワークショップ参加者それぞれが本気で変えたい何かがあるからこそ、自分の弱さ・脆さを曝け出しながらも「伝えたい!」が溢れていて、聞き手も真剣に受け止める、ジャッジのない2日間はとても居心地がよかったです。

不思議な連帯感が初めから存在していたように感じたのは、コーチ・運営の皆さまの雰囲気づくりのおかげだと思っています。

また、しっかりしたテキストを事前に送っていただいたので、これを2日間かけて読むのかな…?と思っていたところ、殆ど使用しませんでした!(笑)

勿論、ポイントを押さえてスライドで理論も説明してくださいましたが、演習がメインでまさに「自転車に乗ってみよう!」な時間が過ごせたことは、頭でっかちな自分にとっては大変有り難い時間でした。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

チーム演習で、有り難いことに私が実際に参加している活動に近い内容で戦略を考える機会をいただきました。

そのため参加前は今のメンバー、今の活動で、私たちの「変えたいこと」ってなんだろう?と1人悶々と考えていたのですが、終わってからは、まず自分がやっていくべきことは「対話をする」に尽きるなと思っています。

ストーリー・オブ・セルフを作り上げながら、自分の本音はどこにあるのか、まだまだ蓋をしている部分もあることに気づくこともできました。

関係構築の中で、価値観の交換やお互いの資源を把握することも重要だと学べました。

同志と一緒に未来を変えていくために、戦略を練って結果を出していくことに目が向きがちでしたが、自分自身のこと、同志のことをもっと知ることが要なんじゃないか、知らずして本当に「ほしい未来」は描けないんじゃないかと今は感じています。

髙橋里奈

ワークショップに参加した動機は?

在学中に、フリースクールや孤児院、外国にルーツをもつ子供向けの学習支援活動に参加していました。さまざまなバックグラウンドを抱え、時に自分の想いを表明することを我慢しながら生活している様子を目にし、心苦しい気持ちでした。

私は、高校時代から子供にまつわる政策提言に憧れがあり【こども庁】への入省を目指していましたが、在学中に【こども家庭庁】と名称変更があり、【家庭的な場】で暮らす子供も多い現状で、【家庭】と断定された表現に違和感を抱きました。目標が頓挫し、暗闇に落とされた気分でした…。

そんな時にコミュニティ・オーガナイジング(CO)本に出会い、自分の想いを他者と共有する手段、そして社会に変化を起こせる可能性をもつ手段があるのだと知りました!COと出会い、私の心が救われました。

COについて研究し、子供の声を社会に届けていきたい、自分の想いを社会に届けたいと思うようになり、春からこの想いを尊重して下さる大学院に進学することも決まりました。ワークショップを通し、COに想いを寄せる皆さんと出会いたい、春からの研究土台を見出したいと考え、参加を決めました!

ワークショップに参加した感想は?

講義→演習の形でワークショップが設計されていたので、コミュニティ・オーガナイジングの手法を1つずつ丁寧に学ぶことができました。講義で消化しきれなかった部分を演習時にコーチに質問でき、活動内容が分かった状態で演習に臨めたのは個人的にやりやすかったです!

今回のワークショップで特に印象的であったのが【ストーリー・オブ・セルフ】です。自分のモヤモヤした想いを言語化するというのは、話す勇気もいることであり、難しいと捉えていました。ワークショップでは、コーチが見本を見せて下さって、どのようにナラティブを構成し、語っていくのかをイメージした状態で活動に臨めたため、取り掛かりやすかったです!さらに講義で【ストーリー・オブ・セルフ】の役割を学んでいるため、これまで言い出しづらかった経験も安心して話すことができました。

語り手・聞き手として【ストーリー・オブ・セルフ】にどのように臨めばいいのか演習を通して、ゆっくり自分の中に落とし込むことができました。実際に演習でやってみることで、実践時のイメージもつかみやすく、学び甲斐が大きかったです!

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

コーチと参加者の距離が近く、質問しやすい環境が有難かったです!コーチも含め、みんなで学び合う、みんなで学びを共有し合うといった雰囲気でのワークショップが初めてであったので、居心地もよく、緊張しすぎることもなく安心して参加することができました。

また、ワークショップ冒頭でのノーム決めも特色として印象的でした。主催者側で規則を決めるだけでなく、参加者の意向も汲んで、ワークショップの方針を決める時間を設けて下さったおかげで、それぞれの理想とするワークショップ像が築けた状態で活動に臨め、満足感も大きかったです。

私がこれまで参加してきた他のワークショップでは自分の意見を話す時間が少なく物足りなく感じていたので、「話す時間を均等にする」というノームを挙げさせていただき、全体の場でも、グループの場でも均等に各々発言し、意見を共有し合うことができたので、参加意義が他のワークショップ以上に高く、充実した時間を過ごすことができました!

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

4月から大学院でコミュニティ・オーガナイジングを介した授業開発をしたいと考えています。

私が調べた中で、子供向けに実践された例がなかったので、子供にコミュニティ・オーガナイジングという手法を知ってもらうきっかけを研究を通して創りあげたいと考えています。

NPO法人とも協力しながら、子供向けのワークショップの開講も目標に据えています。今回のワークショップを通して、いろいろな方とつながることができたので、皆さんにも助けていただきながら、目標を体現していきたいと考えています。