ワークショップに参加した動機は?
わたしたちが支援させていただいている生活困窮状態にあるみなさまのほとんどが、“孤立無援状態”で頼れる人がいなかったり、利用できる制度を知らない状態です。そのため相談後に必要な制度や社会資源にお繋ぎしたり、シェルターのご提供をしています。しかし、そこから孤立状態は変わらず、お困りごとを再びひとりで抱えて、しばらくすると困窮を繰り返し、再度わたしたちのもとにSOSを出すという方が一定数いらっしゃいます。
そこで、「つながりつづけられる場所」の必要性を強く感じ、2023年の夏から居場所づくりを始めました。居場所づくりをする当初から、支援する側/支援される側という垣根のない、“おたがいさま”という気持ちを大切にした居場所づくりを心掛け、つながりつづけることだけでなく、メンバーの強み、本来持つ力を引き出していけるような場をみんなで創っていきたいとゼロからスタートしました。
最初はやはりみなさん受け身といいますか、主体的ではなく、細々と試行錯誤しながらの日々でしたが、いまでは自主的に準備や片付けの協力をしてくれたり、料理〜手芸、表現活動、ボクシング、月例ミーティングなど、みんなの力が合わさって色んなことをやるようになって、お部屋いっぱいに人が集まるようになりました。
ここに集まるメンバーそれぞれ、さまざまな苦労を抱えていますが、個性豊かでほんとに面白い人達で、そんなみんなと自分たちの身近な困りごとを自分たちの力で解決していけたらいいな〜って、ずっと考えていました。
そこで、たまたまネットで『コミュニティ・オーガナイジング』の黄色い本を見つけて、読んで、「これだ!!!」と(笑)しかも今週末ワークショップがある??よし!これはワークを受けて取り入れたい!!と思って参加しました。
ワークショップに参加した感想は?
『コミュニティ・オーガナイジング』の黄色い本の大まかな部分を読み終えた日が、ワークショップの開催2、3日前?で、ちょうど申し込み締切日だったんです。それで急ぎ申し込んで、テキストが前日に届いて…事前学習をする余裕が全くありませんでした。
事前予習に時間をかけられなかったのもあるし、わたしの飲み込みが遅く、分刻みの時間管理の中で理解が追いつかなくて困る場面は多々あり(汗)、また元々論理的に考えたり、パパっと言語化するのが苦手なので、2日間苦手なことに挑戦してる感覚で緊張感を持っていました。
実際にワークに取り組んでみて、コミュニティ・オーガナイジングの理論や戦術を取り入れながらコーチやチームのみなさんと一通りの流れを練習することで、具体的で実戦的な感覚をつかむことができたと思います。チームで共有できる価値観を見出すことで、関係構築(仲間としての一体感)を感じられ、上手くできなくても大丈夫だと、安心してワークを受けることができました。
ワーク後もコーチに相談にのってもらったり、丁寧なアフターフォローをしていただけて、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンのみなさんとつながりを持てたことが何よりの収穫だと感じています。
コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?
生活困窮者(当事者)自身が、貧困問題において声をあげるということが世論から批判され、厳しい声を受けることがあります。そのようなことから貧困問題の界隈では支援者が当事者を守り、代弁するということが主流になっています。
わたし自身、困窮し生きづらさを経験してきた当事者でもあるのですが、支援者が主体となって問題解決していくことに、どこか「悔しい」という気持ちが拭えません。
誰か強い力のあるヒーローみたいな人がなんとかしてくれるのを待ちながら、どうにもならない社会を、日々を、不平不満を言いながら終わらせたくないし、自分には何もできないと思ってる人達(わたしも含めて)に、「そんなことないよ」って、「自分たちの力で変えられることがあるんだ」ってことを、まずは所属団体の居場所のメンバーのみんなと小さなことから、自分たちの力で解決していくためにコミュニティ・オーガナイジングを活かしていきたいと考えています。