2019年9月21日(土)、葉山新港及び慶應義塾體育會ヨット部(以下ヨット部と記載)合宿所(神奈川県)にて、ヨット部主催のプロジェクトとして「ヨット部においてあなたを突き動かす原動力とは?」を開催いたしました。ヨット部において外部のNPO法人を招き、組織力を強化する取り組みは初めての事です。今回のプロジェクトに参加するのは、ヨット部に所属する42名の現役慶應体育会生達です。ヨット部は創部初の全日本インカレにおける総合優勝を目指し、年間約200日間の合宿生活を行っています。しかしながら長い合宿生活は日常化し、部員の中でヨット部における自身の原動力を見失う人も見られました。
今回、企画の先駆けとなったのは築島(経済学部4年)、曽我(経済学部4年)が共に慶應義塾大学三田キャンパスで開講されている「リーダーシップ基礎」で学んだ「ストーリー・オブ・セルフ 」をヨット部に取り入れ、日常化した合宿生活から脱却すると同時に、部員間の相互理解のきっかけに繋げたいと考えていました。
一通のメールで、このプロジェクトは始まりました。「ストーリー・オブ・セルフを通してヨット部の全日本優勝に向けて、チームを前進させるために協力してください。」そのような想いに応えて頂いたのは松澤さんを中心としたCOJの皆様でした。普段は週5日の合宿生活を行い、なかなかミーティングや準備に時間を割けない中、約70通のメールを中心に地道に準備を行いました。
12時頃、3時間という非常にタイトなスケジュールの中、講義が始まりました。外部の方をお招きし、ワークショップを開くのは初めての試みでした、多くの部員が目を輝かせ、松澤さんの講義に耳を傾け始めました。
ワークショップの決まり事である、ノーム作りでは神戸(商学部3年)、小森(総合政策学部2年)を中心に先輩後輩の関係を超え活発な意見があり、時折笑いが起こるなど全体が柔らかい雰囲気に包まれました。
「自身の過去の困難について発表をする事に不安がある」と戸惑いを見せる部員もいる様子でしたが、曽我(経済学部4年)によるモデルスピーチを参考にしつつ、自身の原動力について語り始めました。すると、合宿生活をしていても気がつかなかったお互いの価値観や原動力について共有することができ、一人一人のストーリーに深く耳を傾ける部員達の姿が見て取れました。
グループワークが終わり、いよいよ部員全体での発表の時です。石川(商学部4年)、宮本(法学部2年)、佐藤(法学部1年)、小森(総合政策学部2年)が発表にチャレンジしました。普段は仲の良い家族のような関係の部員達ですが、この時ばかりは真剣な眼差しで発表者を見守り、全員が一歩成長することができた瞬間でした。
「自分のことを話すためには勇気が必要だった」「見失っていた原動力についてもう一度考える良い機会になった」「全日本インカレを1ヶ月後に控える今、お互いの原動力を知ることができて、相互理解に繋がった」など様々な学びを得て、大学4年間を体育会のヨット部で活動する意義のヒントを各部員が見つけることができました。
私自身も今回のワークショップを通して、お互いにストーリーを語り合うことで生まれる一体感と各部員がヨット部にかける想いに勇気づけられました。また今回のワークショップをきっかけに、組織として、部員全員で全日本優勝を勝ち取るべく前進させていきたいと思います。本当にありがとうございました。
執筆者 築島(経済学部4年)