ワークショップに参加した動機は?
もともと力がない(と感じている)人たちが力を獲得し社会を変えていく、ということに強い憧れを抱き続けていました。三世代家族のなかで、理不尽さを感じつつ何もできなかった子ども時代の体験が根っこにあったんだと思います。そうした想いを抱きつつ、ぼくはこれまで社会学や対話を学んだり試行錯誤の日々を重ねてきました。その過程でぼくはプロセスワークとそれをベースとしたワールドワークと出会い現在も探求を続けています。
その後、ともにプロセスワークを学ぶパートナーがCOJ主催のオンライン・ワークショップに参加したことを機に、ぼくはコミュニティ・オーガナイジングにも興味を持ち始めました。彼女がワークショップでの学びを生かし、精力的に活動する姿を目の当たりにしたからです。プロセスワーク一筋だったぼくも「コミュニティ・オーガナイジングいいかも」と思い始め本などを読みました。パートナーからはこれまでもちょいちょいワークショップに誘われていたのですが、このたび「今回は参加しないのかい?残り1枠だってよ!」ととどめの一言を言われ、「やります!」と申し込みに至りました。
ワークショップに参加した感想は?
とても楽しかったし充実した二日間でした!長年の蓄積に基づいて作られた、コミュニティを組織する方法が体系的かつとてもシンプルだと感じました。全体を通じて、まずはいくつかのポイントをしっかり押さえながら実践すれば効果が実感できるという即効性が、多くの人を巻き込んでいくのに効果的だと思いました。もちろん実践すればするほどに奥深さも感じられて来るのだろうな、と思いつつ。
一方でタイトで細かな時間設定には正直戸惑いました。普段の自分からは遠いやり方だからです。でも実際にやってみると、時間が限られているなかでもこれだけのことができるんだ、という手ごたえを感じることができました。この体験は、日常の実践に生かせると思いました。日常での活動もまた、時間に余裕がないなかで行われているからです。「この時間でこれを決めるんだ!」という想いでやると、粗削りながらも光るアイデアってでるものなんだな、ということを体験できたことはとても大きかったです。
今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?
とにかく参加者とスタッフの皆さんの「社会を変えたいんだ!」というエネルギーがすごい!と感じました。現実に根ざした実践的な問いをもっているゆえの必死さや切実さ、そして覚悟がひしひしと感じられました。もちろんぼくもそういった想いを持ってやってきたわけで、だからこそ「こういった想いを抱いているのは自分だけじゃないんだ。仲間に出会えた!」という心強さと喜びを感じることができました。
また、ワークショップに関わるコーチ、スタッフの皆さんのコミットメントの強さも感じました。このワークショップ自体が、コミュニティ・オーガナイジングの手法に基づき組織されたもので、コーチ、スタッフのみなさんがそれぞれの資源を使い役割を果たしながら一つの目的に向かって動いていることを体感的に味わうことができました。皆さんがそれぞれ自分たちの活動もあるなかで、このようなワークショップを運営するって相当に大変だと思うし、同時に皆さんにそうさせるだけの魅力がコミュニティ・オーガナイジングにはあるんだな、と感じました。
コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?
ぼくは現在不登校・ひきこもり当事者とその家族を支援するNPOでは副理事長として、またぼく自身が所属する会社の労働組合で副委員長として(10月からは委員長として…)活動をしています。
NPOでは、現在財政難で、会員増と寄付等による収入増が急務の課題となっています。また労働組合は年々組合員が減っており、残っている組合員の多くも組合の存在意義に疑問を抱いている状況です。
今回コミュニティ・オーガナイジングを学ぶことで、ぼくがまず実践できそうなことは関係構築なのかな、と感じました。ぼくはNPOの他の理事やスタッフ、そして組合執行部メンバーひとりひとりと十分に関係構築ができているとは言えません。まずは彼らひとりひとりと関係構築し、彼らのリーダーシップを育てていきたいと思います。