ワークショップに参加した動機は?
コミュニティ・オーガナイジングについては以前から関心があり、本などを読んで独学で学んでいました。今回は私が伴走者として関わる休眠預金活用事業において、支援対象となった5団体への共通プログラムとしてコミュニティ・オーガナイジング研修を提供することになり、事業担当者として学びを深めるために参加しました。
本事業は各地域のこども食堂のネットワークづくりに取り組む団体である「こども食堂地域ネットワーク団体」が新たに生まれ、地域で協力者や支援を得ながら持続的に活動できるよう伴走するもので、「私たちの物語」を紡ぎ同志をオーガナイズするコミュニティ・オーガナイジングの手法や考え方は、支援対象団体が活動を行う上で大いに役立つのではないかと考えたのです。
ワークショップに参加した感想は?
とにかく盛りだくさんなワークショップでした。コーチングやストーリー作り、チームでの関係構築や周囲を動かすための戦略作りなど、よく2日間でこれほどの内容を学びきれたなと、自分自身を褒めてあげたい気持ちになりました。
参加者同士でのワークが中心だったこともあり、本を読んだだけではわからない「活動」の温度感を感じながら学ぶことができたのも良かったです。参加者もみんなそれぞれの目指す社会像を持ち、活動していたり想いをあたためていたりするメンバーで、2日間という短い時間の研修にも関わらず、本当に「一緒に社会を動かしてみたい!」という気持ちにさせられたのは、私だけではないはずです。
またコーチの皆さんの、このワークショップにかける情熱や参加者に対する期待値の高さも、初対面の参加者を初日からぐっと近づけ、心をオープンにさせてくれた要因のひとつであったと思います。
今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?
良い意味で「整いきっていない」ところかなと思います。このワークショップでは資料もテキストも提供されますが、「決まった内容を教える」のではなく、「とにかく経験する、体験する」ということに重きが置かれているように感じました。2日間のワークショップを終えた時の感想は、「やりきった!」というよりも、「時間をかけてここでの学びや感じたことを咀嚼し、自身の活動に落とし込んでいきたい」というものでした。
そのくらいのボリューム感があり、なおかつ一筋縄ではいかない生き物である「活動」を取り扱っていたことが特徴的だと感じました。本当にしっかりと落とし込んで理解しようと思うと、1週間はかかるであろう内容のエッセンスを、2日間にぎゅっと詰め込んだからこそ、参加者も短い時間で打ち解け、熱量の高い時間を共に過ごすことが出来たのではないでしょうか。
コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?
前述した休眠預金活用事業の支援対象団体である5団体への伴走では、コミュニティ・オーガナイジング研修を共通プログラムとして提供します。その中で、コミュニティ・オーガナイジングが「共有言語」となり、さらに各地域で実際にその手法を用いて同志をオーガナイズしたり、仲間を増やしていく過程も含めて伴走していきます。
2年間という長いようで短い伴走期間の中で、今回学んだコミュニティ・オーガナイジングの考え方を活かし、またその他のプログラムとの相乗効果も図りながら、地域での実践に繋げていければと思います。また、採択先の団体以外にも、全国には400団体以上のこども食堂ネットワーク団体(都道府県域・市区町村域・圏域含む)があります。彼らのつながりづくりやピアラーニングを促し、学び合いの場を作るのも本事業で目指しているもののひとつですので、そうした広がりも視野に入れながら、今回のワークショップでの学びをひとつひとつ実践に繋げていきたいと思います。