ワークショップに参加した動機は?
私は青森県内の法律事務所で業務をしていますが,仕事柄,悩みや困難を抱えた方からお話を聞きます。相談にいらした方のお話を聞くと,自分が見てきた世界というのは世の中のごく一部にすぎないのだと実感することが多々あります。これまで,私としては,可能な限り,その悩みを解決できるようにと仕事をしてきました。ただ,他方で,私一人では私が業務として受任した方にしか関与できない,法律事務所まで一人ではたどり着けない方々にとっては何も変わらないということに,ある種のもどかしさも感じていました。
これまでの自分とは違った方法で社会にアプローチをすることはできないのかな,とぼんやりと考えていました。そのような気持ちを抱いていたときに,コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンのワークショップの案内を受けました。
案内をうけたときはなかなかイメージをつかめませんでしたが,何と言ってもリーダー1人だけで頑張るというのではなく同士と行動していく,ということが私の抱えていた行き詰まり感を解消させてくれるのではないかと思い,ちょっとよくわからないけど参加してみようと思いました。
ワークショップに参加した感想
正直なところ,ワークショップが始まってから最初の3時間の印象は,よくわからないというか,面くらいました。自分のこれまでの人生を語ることと社会運動がどうして関係してくるのかな・・・,そもそも自分の人生には,興味を持ってくれるような特殊な体験なんてなかったし・・・。オバマ大統領やガンジーは飛び抜けた能力をもつ「偉人」だから,彼らの話には影響力があるのではないのかな,とも思いました。
しかし,ワークショップに参加してわかりました。彼らのスピーチを聞いて心が揺さぶられるのは,話し手が「歴史上の偉人」だからというわけではないということを。彼らの話す人生観には,素朴な気持ちからなるほどねと共感できるものでした。まるで,自分が体験したことのように感じました。自然と,無理なく,社会を良くしたいという気持ちが沸いてきました。今回のワークショップに参加して,関係構築にも確立した手法があるということがよく分かりました。
COを今後の活動にどう活かしたいか?
いま,福祉の分野にも法律家が関わることが考えられるようになってきました。ただ,これまでの私の仕事の取り組み方を振り返ると,私一人で完結した体験にとどまっていて,さらに新たにつなげていく,という発想をもっていませんでした。そのことが,私の感じていたもどかしさの原因だったのだと思います。
メンバーが新たなメンバーを呼び,組織として広がっていく,そのような関係をつくっていき,行政の網からこぼれてしまった方の生活再建のお手伝いをしていきたいと思います。