ワークショップ

WORKSHOPS

参加者の声
コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ
VOICE #95 facebook twitter
堀場 万生
NGOピースボート

ワークショップに参加した動機は?

今回もコーチとしてワークショップに参加していた、職場の先輩から誘ってもらいました。
日ごろは、地球一周の船旅を使った国際交流を目的とした教育プログラムや、社会課題に関心を持つきっかけを持ってもらうイベントを作る仕事に携わっています。その中では「社会課題を解決するために私にできることは何か」という問いかけが常に付きまといます。コミュニティ・オーガナイジング(以下CO)は “「支援者」ではなくて「当事者」目線でコミットする”姿勢を大切にしながら、市民社会からムーブメントを起こす手法だと先輩から聞き、その姿勢そのものや人への喚起の仕方をぜひ学びたいと考えました。
また、自分が特に重きをおいている「対話性に開かれた歴史認識構築のためのプラットフォームをつくる」という社会課題についても、COから何か重要な糸口が得られるのではないか、という思いが、ワークショップへの参加の気持ちを下支えしました。

ワークショップに参加した感想は?

本当に疲れました。(笑)
次から次へと出てくる新しい知識との遭遇、そしてその演習と発表の繰り返しに「とにかく付いていかなきゃ…!」の気持ちで走り続けていたら、いつの間にか2日間が経っていました。
限られた時間で沢山の人と言葉を交わし、心を交わす中で、相手への共通価値観の探り方や、コーチングの観点、チームの中での役割や仲間への寄り添い方などが、自分もチームのみんなもどんどん磨かれていく手ごたえが驚くほどにありました。それもこれも、コーチのお二人をはじめ、スタッフの皆さんが「転んでもいいんだよ!みんな自転車を最初から乗れないように」と(まるで体育用マットを常に横で持ちながら伴走してくれているようでした。)支え続けてくれたからだと思います。それはもう、じゃんじゃん転びました。
目標を達成するための本当の“同志”は誰なのか?という根本的な問い。どんなアクターがどんな意図で何を目的に動くのか、という分析。やる気や時間など、今まで自分が“資源”だとは思ってもみなかったものすら、ムーブメントの達成のためには重要なカギであるという気づき。
エッセンスが凝縮されたプログラムをこなす中で、日々の活動で意識してこなかった、とても重要な視点の数々を学び得ることができたと感じています。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

これほど実践的だと感じるワークショップは初めてかもしれません。
「休みの日なのに、朝早いなぁ眠いなぁ」と思いながら電車に乗ってワークショップ1日目に向かう私は、「COを学ぶ」という目的意識しかありませんでした。しかし、初めて会う(ともすればこの2日が終わるともう一生会わないかもしれない)6人とのチーム演習を何度も重ねていく中で、それぞれが抱える課題や想いに真剣に耳を傾け言葉を交わすにつれ、どんどん信頼関係が結ばれていったと思います。2日目が終わるころには、「同じチームで、大切な友人である〇〇さんの職場環境の改善のために、どうか話を聴いてくれ…!」という一心で、穴ぼこだらけの“パブリック・ナラティブ”を涙ながらに発表するまでになるなんて想像だにしませんでした。はー、恥ずかしかった。
コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下COJ)のワークショップの魅力とは何か?COJが提供してくれるCOの学びの質がとても高く2日間で学び取る価値あるモノが沢山詰まっていたことは最早言うまでもないですが、このワークショップを一緒に作る35名の参加者とコーチの方々がそれぞれ抱えているイシューに対して「どうにかしたい!」と思っている本気さが持ち寄られ、その本質を対等に語り合うことができることこそが、他のワークショップではなかなか得られない希少さではないでしょうか。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

ワークショップに参加した後2週間ほどが経ちますが、さっそく職場をはじめとして様々な場所でCOで学んだ観点を思い出しながら話すようになりました。相手の意図、価値観、懸念点などをいち早く引き出すために、“コーチング”・“関係構築”の手法をよく使っている気がします。共通認識をもつためのコミュニケーションが、今までより少しはスムーズにできるようになったかな?これからも鍛錬を続ける所存です。
日本で生活する中で気になる社会課題を挙げればきりがないように、世界中を航行し異なる国・地域に住む人達に出会えば出会う程、彼らも同じように日々何かの社会課題に直面している事を知ります。地球社会にはびこる紛争、貧困、差別や環境破壊……手に余る課題の数々に頭が飽和状態になり投げ出したくなる感覚に陥ることもあります。そんな時だからこそ、それぞれの来し方には尊敬しつつもそれを超えたところで、「平和に過ごしていくために、これが大切だよね!」という共通の価値観で、彼らと心を交わし手を繋ぎたい。「あなたとわたしの大切なもの」で繋がれるCOのメソッドは本当に有用だと思います。
ひとまず、来月4月から始まる100日間の洋上勤務の中で、地球一周する1000人の参加者のうちの一人でも多くの方と“価値観”で繋がるために、COのアイディアを存分に使いながら、社会課題の解決にコミットする仲間を沢山つくろうと考えています。そのための“パブリック・ナラティブ”、急いで作らなきゃですね。