講師:笠井成樹のストーリー・コーチングを受けた感想。
ストーリー・コネクトに参加した動機は何ですか?
世界から飢餓を終わらせるために活動する国際協力NGOで国内活動を担当する中で、「世界の食料問題に興味がある」「何か活動を始めてみたい」と話してくれる人にたくさん出会います。でも、「興味がある」「始めてみたい」という気持ちと実際に行動を起こすまでの間に、何か壁があることを感じます。「どうしたらその壁を乗り越えて一歩踏み出してもらえるだろうか」……。そんなことを考えながら、2017年6月に開催されたコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップに参加しました。
そこでの学びはたくさんあったのですが、私は自分のストーリーを語ることがいかに苦手かということに改めて気づきました。でも、自分一人でストーリーを組み立てるのはとても難しい。何を伝えたら相手の心を動かせるのか、客観的なアドバイスが欲しいと思い、ストーリー・コネクトに参加しました。
ストーリー・コネクトに参加した感想はどうでしたか?
様々なワークを通して「私はなぜ飢餓を終わらせたいのか」を丁寧に探ったり、自分のオリジナルのストーリーを作り上げていったりする過程も面白かったですが、一番よかったのがコーチングです。日頃から「なぜNGOで働きたいと思ったのですか?」という質問をよく受けるため、きっかけは整理できているつもりでした。
でも、今回、子どもの頃の経験や家族との関係にまで遡ってみたことで、自分の原点はどこなのか、自分の考えに影響を与えたのは誰なのか、という根っこの部分にまで手が届いたような気がします。 また、「怒りと優しさが同居している人」「代弁者」など、自分を表すキーワードをいただけたことがとてもありがたかったですし、あまりに的確でびっくりしました。
一緒に活動しているインターンやボランティアと接する際にも、表面的な態度や発言で判断することなく、より深い洞察力をもって接したり、丁寧に会話をしたりしていくことが必要だと改めて気づきました。
スクールでつくったストーリーを伝えたら、どんな変化がありましたか?
ボランティアやイベントの参加者が主役の活動なので、自分はなるべく目立たないように、前に出ないようにと心がけてきました。でも、自分が解決したい社会課題に興味を持って欲しい場合、自分のストーリーはひとつのツールになるのではないかと思うようになりました。
高校生や大学生を対象にワークショップを実施することが多いので、彼らが今の世界に対して抱く「おかしい」「変えたい」という問題意識を自分の言葉で語れるようになったら、とても大きな力になるはずです。私が自分の問題意識をストーリーとして話すことで、「自分も伝えたい」「伝えていいんだ」と思うきっかけをつくっていけたらと思っています。
実際にハンガー・フリー・ワールドのユースメンバーの合宿で自分のストーリーを話してみました。正直なところ、何がどこまで伝わったのかはよくわかりませんが、飢餓の現状について「もっと伝えたい」と思ってくれる学生が増えたことは確かです。これからは彼らのストーリーを引き出し、伝えていくためのお手伝いができたらと思っています。