2021年9月13日、パナソニック株式会社アプライアンス社の方々に向けて、「ストーリー・オブ・セルフ」の2時間半のオンラインのワークショップを開催いたしました。参加頂いたのは新規ビジネス事業をされている事業開発センターの16名の方々です。「少しでも人の心に響くストーリーを話せるようになりたくて」、「ナラティブって最近よく聞くので、ちゃんと知りたい」、「人のベクトルを合わせ引っ張っていくにはどうしたらいいのか?学びたい!」などのそれぞれの期待を持って参加頂きました。
仕事を自分事として振り返るワークショップ
「私が事業開発センターで新規事業に取り組むのはどんな経験があるからか?どんなことを大切に思っているからなのか?」というテーマに対して、ご自身のストーリーを作り、語りました。
(実際に語って頂いたストーリーの一例)
・ 家族で駐在経験のある方が、アメリカから日本に帰国してすぐにお子さんから言われた「お母さん、アメリカの学校では、自分の意見を考えることが大事だけど、日本の学校では、質問された時にはすぐに正しい答えを言うことが大事なんだよ!」という言葉をきっかけに「当たり前を疑う」ようになった。その経験を通して、今の仕事でも「当たり前を疑う」ことを大切にしている。
・技術者として事業部を引っ張っている方が、「小さい頃から数理系の科目が好きで、中学生の時に技術の授業でインターフォンを作った。自分ははんだ付けが得意だったのに、クラスで3位だったのが悔しくて。大学の研究室では論文を書いていたけど、もっと世の中の役に立つことがしたいなとずっと思っていた。例えば、便利な炊飯器や冷蔵庫を開発することで母親の笑顔を見たい。そんな家庭がいっぱい増えて欲しいと思って仕事をしている。」
・チームのサポートをしている方が「自分は高校生の時、そこまで苦労しなくてもバレー部のレギュラーになれた。ある日、部活の練習をこっそりサボったら、担任の先生や顧問の先生や、後輩たちが総出で自分のことを探してくれていた。その時、自分は今までなめていたなと思った。同時に周りの人に支えられて自分がいることに気づいた。その経験があって、今は新規事業に取り組む人たちが、どうしたら仕事をしやすいかを考えて環境を整えている。」
チームビルディング:いつものチームメンバーの新しい側面
参加者同士は普段から一緒に仕事をしているメンバーが多かったものの、業務中ではご自身の過去を語る機会がなく、ワークショップでは新しい気づきがあったという声が聞かれました。
「普段チームの頼れる存在として誰に対してもサポートしてくれているのには、そんな背景があったなんて全然知らなかった。」
「部分的なエピソードは聞いたことがあったけれども、そのエピソードが仕事をするうえでこんな風につながっているなんて。」
ナラティブ:価値観と共感でつながる大切さ
参加者からは今後仕事に取り組む上で活かしたいワークショップでの学びについて感想を頂きました。
「そもそもこの仕事をなぜ自分がやっているか、を自覚できるようになるというのは重要だと感じた。」
「チームの他のメンバーにもワークショップの受講を勧めたい。同じ仕事をしていても、一人ひとりが持っているエピソードが違い、ワークショップを通して、やっている意義や価値観が理解できた。ほかの人の価値観を理解することで、他を尊重し、それぞれが目的をもって仕事を取り組むことに繋がると思う。」
「自分の話をするここがちょっと恥ずかしかったが、目的だけじゃなく共感を生みやすいということが実感できた。職場でも広めたい。」
COJスタッフの想い
今回ワークショップを開催させて頂き、COJとしても気持ちが高まる場面がたくさんありがました。
元々、熱い想いを持っている方々が参加者同士で改めて確認し合える時間になったと感じました。また、参加者の方々から大変な好評を頂き、企業の方々が自分の価値観に基づいた意思決定につながるということに希望を感じました。
新規事業に取り組む参加者の方々は、普段から社会課題をビジネスを通して解決する戦略面での考え方が得意だからこそ、ナラティブを通して感情面を考えることに価値があることを受け入れ、真摯に向き合ってくださったことが嬉しかったです。
お忙しい中、ご参加頂きありがとうございました!
パナソニック事業開発センター(Game Changer Catapult)
文責: 忠村佳代子(コーチ)