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コミュニティ・オーガナイジング・ミニワークショップ@旭川/北見

北海道労連(以下道労連)主催で、3月16日(木)に旭川市、17日(金)に北見市で、パブリック・ナラティブ/ストーリー・オブ・セルフのミニワークショップを開催しました。それぞれについて報告します。

3月16日旭川

木曜日の19時~21時という開催でしたが、旭川勤労者福祉会館中会議室に、仕事を終えた、保育士さんや病院、労働組合、弁護士事務所等に勤務されているみなさんが10名集まりました。

道労連と旭川労連(以下旭労連)の共催だったのですが、旭川での開催に中心的にご協力くださった方は、2018年4月に札幌で開催した2日間のコミュニティ・オーガナイジング(以下CO)ワークショップに参加された方でした。

今回は、同じく保育士をしている仲間2人と一緒に参加されました。ワークショップが終わってから、「私は保育の仕事は子どもも保護者とも“アス感”の連続性が信頼関係だと思っている」と思いを共有してくださいました。“アス感”とは、一緒に大変な仕事を乗り越えたり、同じ目標達成に向かって努力しゴール達成できた喜びを共有できた仲間同士が持つ一体感のことです。その一体感には「子どもを第一に考える」とか「子育てをする人を孤独にしない」など大事な思いも共有できていることが多いと思います。

その感覚を「パブリック・ナラティブ/ストーリー・オブ・セルフ」を学ぶことで、仲間にも持ってもらえたら、毎日の保育の現場で、子どもたち、保護者そして保育士さん同士の信頼が高め合えるのではないかと思います。

2時間のワークショップの感想シートには、

・こんなにセルフを語って共感してもらえたことの喜びがあふれました。でも“気持ちが勝った”ときに語るのが一番と聞き、そのときが本当に“つながる”タイミングだなと思いました!楽しかったです!!

・小さい頃の選択の経験が自分の「価値観」とつながると思うと、すごく納得したし、単純に「すごい!」と思いました。いつも当たり前になっていることも、少しずつ考えようと思えるいいきっかけになりました

などのフィードバックが共有されました。共催者の道労連・出口さんによると、旭労連は組織のパワーが少し下がっている状態のため「今回ストーリー・オブ・セルフを作り、共有し合えたことで、それぞれが改めて大事にしている思いを確認できたことが、組織としての活動にもプラスではないか」とおっしゃっていて、私もそういう力になるといいなと思います。

3月17日北見

金曜日の19時、北見市民会館1号室には、参加予定数の半分に満たない集まり具合で、共催者の道労連・出口さんは少々焦り気味でした。金曜日ということもあるのでしょうか、高校の先生、病院や介護など医療介護の現場職員の方々など、最終的には16名が参加されましたが、到着時間にはばらつきがありました。

北見開催の中心となったのは、2022年12月に全国労働組合総連合主催で行った2日間のCOワークショップ参加者で、12月に参加した後、教えている高校生とともにストーリー・オブ・セルフを作ることにチャレンジもしている方でした。

16日の旭川もそうでしたが、自分が学んで、それを仲間やコミュニティに広めたいとして、COを学ぶ場を作ってくださることはとてもうれしいです。これは、COを実践するときに大事にする「自分でも参加したくなる場を作れているか?」「誰かを誘いたくなる内容か?」のような視点にも通じ、「良い!」「誰かにシェアしたい!」そう思っている人が作る場の持つエネルギーには、人を引き付ける力があるなと感じます。

途中から参加された方は全体像を理解し辛かったようですが、2時間を終えての振り返りでは、

・コロナ禍で対面の研修自体なくなっていたので、このような場に参加できたことが何よりうれしいし力づけられた

・具体的に描写することで自分の気持ちが明らかになるし、他者にも伝わることがよくわかった

などのフィードバックがありました。COJとしても対面でのワークショップはほとんどをオンラインに切り替えていたので、対面での開催、そこで人と会い対話し、思いを共有し合うことの大切さを痛感しました。

最後に

別のレポートで開催報告予定の、札幌の病院でSOGIの取り組みを進めたい人たち向けのワークショップに合わせて、上記2つのミニワークショップも企画されました。

2018年札幌開催の2日間ワークショップでコーチをした伊藤さん(「ケンタ」と呼んでいます)、参加者だった更科さん(「ひかちゃんと呼んでいます)が、COJ主催ワークショップのコーチをしたり、講師養成のプロセスを経て講義を担当できるようになったり、何よりそれぞれがCOキャンペーンを経験してきました。

ケンタが16日の旭川で、17日の北見はひかちゃんがコーチとして参加し、モデルとしてストーリー・オブ・セルフを語りました。準備期間を長く取れなかった今回のワークショップでしたが、北海道のCOコミュニティが育っている手応えがあったので、不安なく開催できたと感じています。

「コミュニティ・オーガナイジングってこういうことか!」な実感をまた一つ増やすことができました。関係者のみなさんに心より感謝です。

COJ職員:安谷屋貴子