ワークショップに参加した動機は?
2016年秋からはじまった性暴力の実態に即した刑法性犯罪改正を目指すビリーブキャンペーンに参加したからです。4団体が集まって9か月後の刑法改正を目指すハードでタイトなスケジュールでした。しかし、COJ代表の鎌田華乃子さんがちゃぶ台返し女子アクションとして参加され、コミュニティ・オーガナイジングの手法を用いてファシリテートしてくれたおかげで、難しいと言われていた刑法性犯罪改正を実現することができました。さらに刑法では初めてで、奇跡とも言われる3年後の見直し規定がつくという素晴らしい成果を上げることができました。そのような変化をもたらすことができるコミュニティ・オーガナイジングをぜひ学びたいと思い参加しました。
ワークショップに参加した感想は?
ビリーブキャンペーンと同じくらいハードでタイトな2日間のスケジュールでしたが、系統立てて進められるので、着実に理解が得られるような仕組みになっていたと思います。各グループに二人コーチがつくのですが、コーチにはかなりのスキル、資質も求められると思いました。ただ、コーチも一緒にチームに参加し、グループを作り、課題や困難を乗り越え共に成長していくのだという経験を得られました。初めから完成しているグループなどどこにもない。完璧な人に導かれるのではなく、共に学びながら前に進んでいくことこそ、コミュニティ・オーガナイジングの核となる思想なのではないかなと感じました。
今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?
何分でチームを作り、何分でゴールを定め、何分で戦略を立てる。など、やることに比して時間が少なく、驚きました。しかし、ゆっくり考えてもやることが先延ばしになるだけのことが多いので、スピード感をもって、たとえ6~8割の内容だとしても進めていくことが、「これができた」という成果や達成感につながることを実感できました。
コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?
これまでも講演などで、セルフストーリーを語ることは多かったのですが、パブリック・ナラティブを学ぶ中で、人々の関心を惹きつけ、自分事にしていくことが大切だと学びました。私は6月16日に国会の参議院法務委員会の参考人として呼ばれ、その時にパブリックナラティブを語ることができました。聞いてくれた人たちから、パブリックナラティブで話した部分で引き込まれたとの感想を聞き、大きな効果を実感しています。今後も性被害当事者が生きやすい未来を目指して立ち上げた団体一般社団法人Springや、性暴力の真実を伝えられる報道を目指す性暴力と報道対話の会で、コミュニティ・オーガナイジングを用いて成果が得られるキャンペーンをしていきたいと思います。