ワークショップに参加した動機は?
私が勤務しているMIEFは、国際交流活動および国際協力ならびに地域における多文化共生を推進して地域の活性化と教育の向上を図ることにより、多文化共生社会の実現と諸外国の人々との相互理解・友好親善に資することを目的としています。私は2013年より、三重県内での外国人住民向け防災説明会や日本語ボランティア育成研修、外国人児童生徒のための教材制作などに携わってきました。様々な取り組みに関わる中で、当事者である外国人住民が主体となって運営できるような事業を創造していくことが大切なのではないか、と強く思うようになりました。しかし日ごろ問題意識を共有する機会が少なくまた文化的背景の異なる人々に、どのように私たちの活動に賛同してもらい、参加してもらうのかが大きな課題です。そんな時に、あるワークショップで代表の鎌田さんから「人を行動に突き動かすのは感情であり、感情を共有することで関心を高め、理解を得る。」というお話を聞き、私たちの抱える課題の解決につながるのではないか、と思いました。
ワークショップに参加した感想は?
「5分で考えて2分話す」とか、そんなの無理でしょ?!というような難題が次々襲ってきて身も心も大変な2日間でした。しかし、時間は貴重な資源であり、それを有効に使うことについて深く考えさせられました。普段は完全さを求めて、ついつい時間をかけすぎですが、時間をかけること≠より良い内容ではない、感情を伝えるならむしろ時間はかけない方がいい、と実感しました。湧き上がる感情について時間をかけて説明しようとすると、新鮮さを失い、面白みのないものになってしまいます。言葉の完成度ではなく、内容と順番の問題だと理解できました。そして、他者に思い伝えるためには、まず自分自身をよく知っておくこと、自分がなぜこの場所でこの課題に取り組みたいと思うようになったのかというルーツを深く探ることがとても大切だと気づきました。また、ワークショップを通して、様々なバックグラウンドを持ち、地域社会の課題に取り組む多くの仲間に出会えたことにとても感謝しています。
今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?
長い!忙しい!休憩時間が少ない!ですが、そんなことに不満を言う暇もないくらい、集中して課題に取り組みました。また各グループに2名もコーチがつき、1人1人が必ず発表をできるように工夫されていました。参加者が多いにも関わらず、他のワークショップと比べ、個々へのフィードバックも非常に丁寧だったと思います。「体験」に重点をおき、体験しながら概念を理解してく、という構成でしたので、取り組む過程で課題の焦点や用語の理解について迷うことも度々ありました。しかし言葉でいくら説明しても、スピーチの作り方や戦略の立て方、アクションの手法はなかなかピンとこなかったと思います。仮想のメンバーで気兼ねなく大いに失敗できる機会を提供してくれるのが、このワークショップの素晴らしい点だと思います。願わくは、一度フルワークショップを受講した方対象のフォローアップ研修もあればと思います。各種ワークを別のメンバーとも何度か経験することで、より概念の理解やスキルが深まるように思います。
コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?
今後も、様々な事業を他団体や地域住民と取り組んでいく予定ですが、皆が初めからMIEFの理念をよく理解していて積極的に参加してくれるわけではありません。そのようなときに、思いを伝えるパブリック・ナラティブはとても有効だと思います。またHPや広報誌で活動を紹介する際にも、今回学んだ知識や手法は活かせると思います。そして1年~1年半で基礎作り、キックオフ、キャンペーン、ゴールのスケジュールを作るためのポイントは、今後の事業計画を立てる上で、非常に参考になりました。
考えることも大事だけど、まずはアクションから!
このワークショップで繰り返し伝えられたメッセージを忘れずに、多文化共生社会の実現を目指していきたいと思います。