2019年10月2-3日に開催された、The Climate Reality Project東京トレーニングにてコミュニティ・オーガナイジング・ジャパンが2つのセッションを担当しました。
The Climate Reality Projectとは、ノーベル賞受賞者であり、元米国副大統領であるアル・ゴア氏が、気候の危機に対して世界中が力を合わせて解決策を創り出すために、社会のあらゆる人々が緊急行動をとるよう立ち上げた団体です。今までに世界13か国で計42回のトレーニングを行っており、今回は日本初開催となる第43回目のThe Climate Reality Projectトレーニングが東京で開催されました。今後、気候変動に対して行動を担うリーダーとなるべく、政府機関、NGO/NPO関係者、企業、学生など約800名が参加しました。
◎気候に関するストーリーを伝える
COJ副代表理事の松澤が「ストーリー・オブ・セルフ」の講義を担当しました。一度に800名に対してワークショップを行うのはCOJとしては初めてです。
自らがリーダーとなり他者に行動を求める際、ただしてほしい行動を伝えるだけではなく、「なぜ私が気候変動問題に取り組むのか?」を伝えることで、聞き手は話し手の大切にしているものを理解し、共感することができ、協力したくなります。
経験者が語り方のイメージを見せるモデルでは、学生時代からClimate Youth Japanで気候変動問題に取り組み、コミュニティ・オーガナイジングのワークショップでコーチも経験している黒田琴絵から「なぜ私が気候変動問題に取り組むのか?」についてのストーリーを自身の幼少期に経験したエピソードをもとに語りました。モデルが終わった後、参加者約800名からの拍手が中々鳴りやまず、ストーリーの力を会場が一体となって心で理解した瞬間でした。
そして、いよいよ参加者自身のセルフを作る時間。「なぜ私が気候変動問題に取り組むのか?」を一人一人が考え、語りました。時間が限られた中のワークでしたが、その場にいた800名全員のストーリーが語られ、会場の雰囲気が一気に熱を帯びました。
参加者からは
「お互いの距離が一気に縮まって“仲間”になったのには驚き、ストーリーの力を実感した。」
「自分の原点を思い出した。」
「関心のない人たちの心に訴える伝え方を学べた。すぐにでも活用したい。」
等の声が聞かれました。
◎行動の約束のためのネットワーキング
各業界の第一線で活動されている方々のパネルディスカッション、アル・ゴア元米国副大統領による圧巻のプレゼンテーションを終え、参加者が政府機関、NGO/NPO関係者、企業、学生の属性ごとに4部屋に分かれ、自身の明日からの行動について約束を行うセッション。このセッションのファシリテーションはCOJコーチの忠村佳代子、黒田琴絵と、気候変動に取り組むNGO 350.org JapanスタッフでCOワークショップ参加者の荒尾日南子さん、Fridays for Future Kyoto 発起人で京都大学大学院生の塚本悠平さんの4人が担当しました。
既に学んだストーリー・オブ・セルフを生かし、
まずは「なぜ私が気候変動問題に取り組むのか?」をペアになって語り、現在自分の担当業務や活動における明日からの行動の約束を交わしました。
8分ずつの短いペアワークでしたが、政府機関の方や企業の方が少し恥ずかしそうに「それではまず話しますね。」と言いながら、会話をしている様子がとても印象的でした。名刺交換だけでは分からない相手の大切にしている思いを知り、今後の活動を一緒にしていけるようなつながりができたと感じました。
気候変動は私たちが生活を変えない限り、待ってはくれません。
このトレーニングに参加した約800名が、日本のリーダーとなりこれから行動を推進していく上で、ストーリーの力をぜひ活用してほしいです。
忠村佳代子(行動の約束のためのネットワーキングセッションファシリテーター)