2016年1月20日(水)〜1月22日(金)、東京都渋谷区国立オリンピック記念青少年総合センターにて内閣府主催「平成27年度 子ども・若者育成支援のための地域連携推進事業『青年リーダー研修会』」が開催されました。本研修会は昨年度より実施され、今年が2年目となります。今年も地域で中心的役割を担っている子ども・若者育成活動を行う10代後半から40代前半までの各種団体の青年指導者45人が都道府県各代表として一同に会し、合宿形式でリーダーシップや企画力の向上のためパブリック・ナラティブを学びました。
参加者は子どもの自然体験活動を指導するボランティアや山形県の地域おこし協力隊隊員、子どもの放課後居場所つくりに関する活動をするNPOスタッフ等、一言で「子ども・若者育成支援」といってもその活動の内容は多岐に渡ります。最初はその多様性から会場内が一体となるようなパブリック・ナラティブを行うのは無理なのではないかといった不安が一部の参加者から伝わってくることもありましたが、ストーリー・オブ・セルフ、アス、ナウを班に分かれて順に追っていきコーチングを重ねるたびに、私たちは子ども・若者に安心感を持って生き生きと成長して欲しいといったアツい想いがあるのだという共通認識を私たちの中から見出すことができました。最後に行ったパブリック・ナラティブではより参加者一人ひとりの感情に届くような、そしてなによりも会場全体に希望の光が指すようなストーリーが次々に生まれていく瞬間に立ち会うことができました。これは参加者が個々に自分を見つめ直し、心の情景を粒さに描写するために言葉を探し、そして一貫したストーリーとして繋いでいくといった丹念な作業を真摯に行った結果であったと思います。
参加者からは「時間に追われて言いたいことが言えないようなもどかしさがあったが、逆にそれだからこそ一生懸命考え最終的には言葉を紡ぎだすことができた。」といった感想や、「最初どのようなことを話していいか戸惑ったが、他の参加者のストーリーに感銘を受けて自分もどのように話していきたいか具体的にイメージすることができた。最後は自分なりにうまく話すことができた。」といった感想を聞くことができました。2泊3日という限られた時間内で一つのパブリック・ナラティブを創り上げる難しさを実感しつつも最後は充実感があったと前向きな言葉を聞くことができたのは非常に嬉しい限りです。会場の雰囲気も緊張感がありつつも終始良好で、参加者がそれぞれに学びの多い場となったのではないかと思います。
今回のパブリック・ナラティブ・ワークショップで特徴的だったのは昨年度参加者であった一期生4人がコーチとして各班のファシリテーションを担当したことです。コーチとして班のメンバーに寄り添いコーチングを行ったり、ストーリー・オブ・セルフやアスを壇上で話し共有することで、二期生にとってはより具体的で分かりやすいロールモデルとなったようです。
冒頭で話したとおり、この青年リーダー研修会は今年が二年目です。一期生、二期生を合わせると100人弱のリーダーがパブリック・ナラティブの手法を学びました。私はこの青年リーダーこそがこの手法を元に日本における子ども・若者育成支援活動のメインストリームとなり一大ムーブメントを巻き起こすことを願ってやみません。今回の参加者の皆さんには都道府県の各所属に戻った後も今回の学びの成果を伝え続けて欲しいと思います。
河野摂