福岡県北九州市の「JICA九州国際センター」にて、「生涯現役夢追塾 コミュニティオーガナイジングワークショップ」を開催いたしました!
○生涯現役夢追塾とは・・・
生涯現役夢追塾は、夢や志のある50歳以上のアクティブシニアがこれまでに培ってきた経験やネットワークを使って、自分たちの問題は自分たちで解決する手法を学ぶ場として設立されました。1年間全30回の講座を通して、「新しい地域活動の担い手」になるために実践的な手法を学びます。
今期、第11期生は28名が入塾。これまで10年間で約400名が卒塾し、それぞれが地域活動の担い手として活躍しています。
自分のためではなく、地域のために学ぶ。これが夢追塾の特徴です。
夢追塾の前期課程では「おばちゃん力」を学びます。夢追塾では情報を集める力、地域の人々とコミュニケーションをとる力、自分をうりこむ力などを、「おばちゃん力」と定義し、地域活動に必要な要素であると捉えています。前期課程の最後に、自分が解決したい社会課題を「コミュニティオーガナイジング」のパブリックナラティブを用いて「夢語り」を行い、価値観を共有するチームを立ち上げます。
後期課程では「プロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)」の形式をとり、「夢語り」で立ち上がったチームで、地域の課題を解決するプロジェクトを行います。
○夢追塾におけるコミュニティオーガナイジングの位置づけ
夢追塾では2014年(第9期)からコミュニティオーガナイジングを取り入れています。企業などで豊富な経験のある方が地域に入っていく際には、今までとは違うやり方で組織を動かしていく必要があります。そのため、コミュニティオーガナイジングの手法を取り入れることとなりました。
今期からはこれまでの講義計画をさらに変更し、9月にパブリックナラティブを学ぶWSを実施しました。その手法を生かして「夢語り」を行い、「この指とまれ方式」で共有の価値観を持ったチームを作ります。こうして結成されたチームメンバーが10月に「関係構築」「リーダーシップチームの構築」「戦略立案」「アクション」のWSを受講。実際に活動を行うリアルなプロジェクトチームでCOの型を学んでいく形となりました。
夢追塾では今回のWS終了後も、毎週の講座の中でCOの手法を取り入れながらプロジェクトを進めていきます。
○WSを受講して
今回のWSには、夢追塾11期生16名(50代6名、60代7名、70代3名)と、夢追塾を運営しているNPO法人里山を考える会のスタッフ9名(20代2名、30代3名、40代2名、60代2名)の計25名が参加しました。
○9月のWS
パブリックナラティブを中心に学びました。
朝の9時から夕方6時20分まで頭の中のふだんはあまり使わない部分を刺激し、セルフ・アス・ナウを学び、演習をしました。
慣れない横文字と、いつも以上に時間に追われるワークショップに混乱気味の参加者の皆さんでしたが、時間がたつごとに集中力が高まっていきました。
最後のパブリックナラティブでは、本当に仲間になって手助けしたくなるような「夢語り」が、塾生のみなさんから生まれました。
パブリックナラティブWSと「夢語り」を経て、できた4つのプロジェクトチームは下記の通りです。
①「ぼくらは北九州ものがたり探偵団」
北九州市の神社のものがたりを紐解きシビックプライドを醸成するプロジェクト
②「チームレインボー」
合併した五市の特徴を7色の街と捉え北九州市の観光ブランドを創造するプロジェクト
③「梅の折尾堀川」
昭和の雰囲気を今も残す飲屋街がある北九州市折尾を流れる堀川に紅梅並木を作りミニ太宰府にするプロジェクト
④「チーム語り部」
郷土愛に満ち溢れた北九州市を目指して歴史の語り部を育成するプロジェクト
○10月のワークショップ
10月29日・30日に行ったWSではこの4つのチームで演習を行いました。
1日目は、「コーチング」「ストーリー・オブ・セルフ」、「関係構築」、「リーダーシップチームの構築」を受講し、チームで価値観を共有するための演習を何度も繰り返しました。
9月に引き続き全てが分刻みのスケジュールで研修が行われ、キッチンタイマーの電子音が会場に鳴り響きます。
時間に追われ、頭が溶けてしまうほど頭を使い、疲れ果てた後はに夜の懇親会でした。
参加者のみなさんからのおもちよりもあり、盛り上がった懇親会。ある部屋では二次会が行われ眠れない夜となった人もいたのだとか・・。「同じ釜の飯を食った」ことにより、参加者のみなさんの距離がぐっと縮まった印象を受けました。
2日目は「戦略立案」、「アクション」、「ストーリー・オブ・セルフ/アス/ナウを繋げる」を行いました。
プロジェクトの中身はさらに、具体化されていきます。課題を解決していくために、同志は誰なのか、直面する課題はなんなのか、どんな資源があるのか、一つ一つ考えぬきます。
この1泊2日の研修は、参加者の皆さんのやり遂げた気持ちが前面に見える研修となりました。
また、今回のWSでは、普段夢追塾の「お産婆さん」として活躍している5人のコーディネーターと、昨年・一昨年と夢追塾でCOのWSを受講した2人の卒塾生がコーチとなりチームを支えました。
今回のWSで具体化されたチームは今後も継続していきます。COの型を使いながら、プロジェクトを実施し、チームごとにキックオフイベントも行う予定です。どんなチームになっていくのか楽しみです。
レポート:飯野 亮(NPO法人 里山を考える会/生涯現役夢追塾事務局)