2016年12月、2017年の8月の開催を「社協職員のためのコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ」として京都で開催してきました。この2017年8月の開催終了後、社協職員だけでなく、この関西の地でコミュニティ・オーガナイジングの理論と技法を学び、広めたいということで、市民活動をするメンバーと一緒に新たに「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ実行委員会@京都」を立ち上げました。そして、2018年9月22日(土)~23日(日)、龍谷大学深草キャンパスにて、「コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップin京都」を開催しました。
コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップの受講者が、関西各地のそれぞれの現場でリーダーシップを発揮し、豊かな実践活動を広げることを目的に実行委員会で協議を重ね、今回で第3回、3年連続となる京都での開催を迎えました。
コーチ、サブコーチ、ロジ、スタッフ陣は、チーム名を開催地である京都を流れる鴨川にちなんで
「KAMOGAWAオールスターズ」と命名し、コーチトレーニングや各グループの打ち合わせを行いました。またKAMOGAWAオールスターズでは、メッセンジャーアプリでグループスレッドを立ち上げ、お互いの進捗をオンラインでも共有しながら準備を進めていきました。
今回のワークショップは、42名の参加者と約40名のスタッフの協力で開催しました。参加者の皆さんは、社会福祉協議会、労働組合、市民活動団体、地域包括支援センター、市役所などそれぞれの所属や立場を超え、チーム一丸となってワークショップにチャレンジしました。
また、わたしたちのチャレンジとして、聴覚障害者の方にもオブザーバー参加や、関心のある研究者にも見学していただくことにしました。
ワークショップ一日目は、やや緊張気味なスタートでしたが参加者それぞれのチャレンジが会場全体の雰囲気を変えていきます。COでの慣れない用語やタイムプレッシャーの中で、参加者が自分の思いを語り互いに声を掛け合いながら、気づきを伝えあい価値観を共有します。
「伝えたい思いがあれば、うまく話すことは重要じゃない」「ストーリーの力を実感した」それぞれの気づきが共有され会場に一体感が生まれます。チーム演習では、「オーガナイジングセンテンス」「キャンペーン・タイムライン」の完成に向けて、お互いの思いやアイデアを出し合いました。一日目が終了するころには、会場全体に一体感と達成感そして心地よい疲労感が広がりました。
二日目は、朝一番の講義が始まる前から会場のあちこちで話し合いの輪ができています。チーム演習では一日目の手ごたえを皆が持ち寄って、「資源をパワーに変えるために、誰とどう組んでどのように動いたらよいか」「同志はだれか、なぜ今まで問題は解決できなかったのか」など議論を交わしながら各チームのオーガナイジングキャンペーンを作り上げていきます。
二日間のワークショップを締めくくる、パブリックナラティブでは参加者それぞれが、今一度自分自身の価値観と向き合い、大切にしてきた思いを私と、私たちの物語として語りかけました。「自分自身が仕事で直面した困難」「認知症の祖母の介護から見えてきた社会の実際」「隣人の顔も名前もわからない現在から感じるつながりの大切さ」「それぞれが弱さを公開することでつながる絆」キャンペーンへの賛同を呼びかける中で、同志とともに立ち向かい社会を変えていく信念を一人ひとりが自分の言葉で伝えました。
参加者からは、こんな声を聴いています。
・自分の頭が想像以上にコチコチになっていたことを痛感。心に響き、人を動かすことには理由があることを学んだ。
・チームが形成されていくプロセスを体験し感動した。COワークショップは楽しい。多くの方に出会えたことを感謝し、今後もつながっていきたい。
・COを実践に活かしていきたい。実際にどのように活かしていくかは悩んだりしんどくなることがあるかもしれないが、仲間と一緒に考えていきたい。
今回のワークショップに向けて、実行委員会、コーチ陣のメンバーから7名の有志がCOの実践を見える化しようと、「CO見える化研究会」を立ち上げワークショップ終了後に配布する実践冊子を作成しました。今までに受講したメンバーも2日間のワークショップ(非日常)から、日常の仕事に戻るとなかなかCOの実践を活かせないことに気づかされます。この実践冊子は、COワークショップを受講した参加者の皆さんが帰りの電車や帰宅してコーヒーを飲みながら、ホカホカになったテンションを少しクールダウンできる機会として用いてもらえればとの思いが込められています。メンバーの失敗談も掲載されているこの冊子を実践に行き詰った時にもぜひ開いてもらいたい、そして悩みながら実践している同志の絆がCOを通じて広がることを期待しています。
文責; レポート:大谷喜久(よっちゃん 5班 チームケアー for menサブコーチ)