6月19日に開催された総会を経て、COJ発足から代表理事を務めてきた鎌田華乃子に代わり、私、室田信一がCOJの代表理事を務めることになりました。
総会にて(6月19日)
鎌田は本年7月より拠点をアメリカに移し、ハーバード大学ウェザーヘッド国際関係センター日米プログラムの研究員として、日米のコミュニティ・オーガナイジングの研究活動に従事します。COJには引き続き理事として関わりながら、国際的な観点から日本のコミュニティ・オーガナイジングの発展に貢献してくれます。
3年半前にCOJが発足し、3年前に法人格を取得してから、鎌田はCOJの代表としてこの組織の骨格を築いてきてくれました。まともな予算も収入源もない中で組織が立ち上がり、3年間で4人の職員(うち1名はパートタイム)を雇用するまでの事業規模になりました。
コミュニティ・オーガナイジングはボランタリーなアクションが広がることでそれがパワーとなり社会に対してインパクトを生み出します。そのため、フルタイムの職員を雇用するということに対してCOJの内部で議論をしたこともありました。職員が事業を推進することで取り組みが進み、その取り組みに関わる人たち(同志)の力を必要としなくなるのではないかという懸念があったからです。
しかし、COJの取り組みを社会的によりインパクトのある取り組みにするためにも、そしてボランタリーに関与する人たちに余計な負担をかけることがないようにするためにも、組織の基盤を整えることが必要であり、そのためにフルタイムの職員を雇用してCOJは着実にその事業規模を拡大し、実績を残すことができてきたと思っています。過去3年間の実績は、COJのコーチや運営メンバーとして関与してくれた多くのボランティア・メンバーの力によるものでありますし、オーガナイジングの実践をする、ワークショップを受講する、祭に参加するなどして、COJの取り組みに関わってきてくださった方々の支えによるものでもあります。また、そしてそれを可能にしたCOJのスタッフと理事・評議員の面々の貢献によるものと思っています。
私は、そうしたCOJの遺産を受け継ぎ、法人のミッションにもありますように「日本において、コミュニティ・オーガナイジングの実践を広める」ためにもこの歩みをより確かなものにしていきたいと思っています。そのためには、現場でオーガナイジングの実践をしている方々がCOJという資源を最大限活用できるように、実践伴走プログラムの充実を進めていきたいと思っています。その実践の原点となる、ワークショップの質の向上や、現場のニーズに応じた新たなワークショップ・プログラムの研究・開発にも着手したいと思います。そして、それらを可能にするためにも、これまで十分に着手することができなかった会員制度の見直しや、寄付の仕組みづくり、認定NPO法人格の取得の検討も視野に入れて組織の基盤を整えていきたいと思っています。
過去3年間、時には厳しいご指摘をいただいたこともありましたが、COJに関わった多くの人からは、COJの存在意義を強く応援するお言葉をいただきました。そうした期待に応えるのはCOJの職員や関係者だけではありません。COJを公共の財産と捉え、この財産をみなさんで活用して、日本の社会を少しでも私たち市民が望むものに変えていきましょう。引き続きのご協力をお願いします。