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2016年01月08日
オーガナイザTIPS 『ハーバードで学ぶ「デキるチーム」5つの条件』(フェロー 会沢裕貴)2016年1月のニュースレターより
※このコーナーでは、ワークショップを受講頂いた方、オーガナイザーを志す方にとって活動のヒントとなるような内容をお届けします。今回は書籍の紹介です。
 
ハーバードで学ぶ「デキるチーム」5つの条件
J・リチャード・ハックマン
生産性出版
 
 
「我々は、チームワークが苦手である」
これが、この本の出発点であり、痛快で明確なハックマン博士のメッセージです。
私が最初にタイトルを見た時には、チームでやることを推奨し、その素晴らしさを説くとともにその方法を解説する普通のビジネス書であると思っていましたが、その予想は見事に裏切られました。
この300ページほどの内容は、論文調の文体と各セクションの最後に明示される豊富な参照元から研究と調査結果によって裏打ちされた事実を基に展開されていることが改めてうかがい知れます。
 
さて、ハックマン博士が示すデキるチームの条件とは、
(1)真のチームであること
(2)揺るぎない方針を持つこと
(3)チーム力が高まる構造を持つこと
(4)チーム力が高まる制度を作ること
(5)適切なコーチング体制を持つこと
の5つです。
 
「我々は、チームワークが苦手である」というメッセージの通り、人間の自然な振る舞いに任せていてはこの条件が自然に満たされることはないからこそ、意識的にこの条件を満たすようチーム・リーダーシップを発揮することが重要だとよくわかります。
普段の生活の中でチームで活動されることがある方は、この本の内容に沿ってチームの置かれている状況を分析することでチームの成果を高めるヒントが得られること間違いなしの一冊です
 
余談になりますが、この本の著者・ハックマン博士が、アメリカにおける社会組織心理学の第一人者であることをご存知の方は、そう多くないのではないでしょうか。
私自身、コミュニティ・オーガナイジングを学ばなければ、(恐らく人生の中で一度も)ハックマン博士の名前を目にすることはなかったのではないかと思います。
ハックマン博士は、コミュニティ・オーガナイジングの生みの親・ガンツ博士の指導教官であり、この5条件はコミュニティ・オーガナイジングの理論的骨格となっています。
コミュニティ・オーガナイジングでは何故、共有目的やノームを作るのか、コーチングが組み込まれているのか、そういった観点でこの書籍を読むことで、コミュニティ・オーガナイジングの理解がさらに深まると思います。