※このコーナーでは、ワークショップを受講頂いた方、
「独裁体制から民主主義へー暴力に対抗するための教科書—」
ジーン・シャープ
「アラブの春でバイブルとされた書籍」と聞いて、迷わず手に取った。まず暴力的闘争を倫理的な側面からではなく、「抑圧者がほぼ常に優勢となる闘い方」だと、戦略的な側面から批判している点がユニークだ。さらに「猿の主人の寓話」を引用し、独裁政権の力の源が民衆一人一人が政権を受け入れて従属していることであると解き明かす。巻末の「非暴力行動198の方法」は、戦略や戦術を作る時、大いに役に立つ。たった150ページほどにも関わらず非暴力運動の理論と実践を学び取れる、数少ない良書である。
執筆:COJフェロー 中嶌 聡