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2019年06月11日
2019年度活動報告②

みなさんこんにちは。事務局長の安谷屋です。
2019年度は、こちらのスタッフブログでNPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下COJ)の活動実施報告をしています。今回はその2回目で、3つの活動について報告します。

【1:女性政治リーダー養成講座(全5回中第3、4回担当)】

◎主催:一般社団法人パリテ・アカデミー
◎開催日時:2019年5月13日(月)・27日(月)19:00~21:00
◎対象:女性政治リーダー養成講座受講者(両回とも15名程度)
◎開催地域:東京都港区
◎内容:「政治リーダー」を目指す方たちの講座なので、スピーチに苦手意識がない方の割合が高いことが特徴。特にパブリック・ナラティブ(以下PN)の中の「ストーリー・オブ・ナウ」緊急性は、各人の課題意識に沿って語られ、聞く人に強く訴えかけるものが多い。それを生かすためにも「私にとってそれがなぜ今解決したいことなのか」を「ストーリー・オブ・セルフ」私のストーリーで語り、さらに「ここにいる私たちならそれが必ずできる」という希望を「ストーリー・オブ・アス」みんなのストーリーとして語れるようになる、それを目指すもの

●第3回「わたしのストーリーを見つけよう」の最後の振り返りコメントを抜粋します
「(他の人のストーリーを聞くと)他の人も(私と)似たような経験があった。『自分だけじゃなかった』と思った。セルフを聞く前より近くなった。」
「時系列で話すより、ポイントと山場を作って人に伝えるのが大事だと思った。」
「(いろいろある)人生のどこを切り取って話すのが良いかわからなかった。」→(安谷屋)「相手と共有したい価値観(自分の中に複数ある)が最も現れる『選択の瞬間』はいつだったか、と考えて語る内容を選ぶことが多い」
●第4回「みんなのストーリーを語ろう」の最後の振り返りコメントを抜粋します
「私は、大学で性暴力反対のシンポジウムを開く。どう皆に訴えていけるか。『アス感』が大切とわかった。それを出すために具体的なエピソードを探して入れようと思う。」
「ストーリー・オブ・アスを作るために1回目からのことを何とか思い出そうとした。職場などでは「固い話題」として敬遠されがちなことも、ここでは普通だったことを思い出し、それも『アス感』だと思った。」
「集団の中で自分と違うところを探さず、同じことを探すのがアスかと思った。」→(安谷屋)「共有する体験がアスのベースになる。同じことももちろんそうだが、あえて違いを語る方法もある。」

日本は他の先進諸国に比べて女性の政治リーダーの割合が低いです。この講座の初回で「女性が政治に参画する際の壁」について参加者同士がディスカッションしました。そのような現状をどう変えていきたいか。どうして変えたいと思うのか、それを「ストーリー・オブ・セルフ」ではみなさん、個人個人の体験をもとに語りました。そしてそういう思いを持った私たちなら政治における女性の割合を上げていける!という希望が、「ストーリー・オブ・アス」を語って「アス感(=一体感)」とともに部屋中に溢れた感じがしました。2018年度の講座受講者の中から何人かがすでに政治家として活動されているとのこと。今回の参加者が多くの人の前でストーリーを語る場面を想像するとわくわくします!
◎実施体制:COJ事務局長の安谷屋が講義とファシリテーションを担当。昨年度の同講座受講生で第10回COJ主催WS参加者の菊地麗子さん(ストーリー・オブ・セルフのモデルにチャレンジ!)と、インターンの塩津麻央さんがタイムキーパーや書記などの欠かせない役割を担った

【2:明治大学 全学共通総合講座「ローカルスタンダードをデザインする(環境人文学1)」(全14回中6回目)】

◎主催:明治大学
◎開催日時:2019年5月22日(水)15:20~17:00
◎対象:明治大学の在学生30名程度
◎開催地域:東京都千代田区
◎講座概要:理工学部・鞍田 崇先生がコーディネーターを務める連続講座。地球環境問題や地域社会の再生を糸口に、ひろく「社会変革」への道筋を問うもので、昨年に引き続きお声をかけていただいたもの
◎内容:
COの歴史、事例とコンセプトの紹介、
5つのリーダーシップ、スノーフレークリーダーシップ
キャンペーンと能力向上の考え方
関係構築の対話演習
◎当日の様子
授業ではこれまで対話やグループディスカッションをしたことがなかったとのことで、学生同士がつながるとてもよい機会になりました。
建築学の学生と数理学の学生が関係構築ダイアログをし、共通の価値観、関心を見出し、とても良い顔をしていました。社会人の受講者の方からは、翌日に、さっそく習ったスキルを使ってみていますとメッセージをいただきました。終了後の課題として「課題の解決にむけて当事者中心の動きを創り出すために、どのようなきっかけがあるとよいと思うか」を検討していただいたので、受講者がどのような考えを持たれたのか興味深いです。
◎実施体制:COJ元理事の小田川華子が講義とファシリテーションを担当

【3:Hewlett Packerd Enterprise F19 Social Impact Activity Program ~福島グループ 前日研修「傾聴」】

◎主催:Hewlett Packerd Enterprise(以下HPE)
◎開催日時:2019年5月29日(水)09:30~12:00
◎対象:Hewlett Packerd Enterprise新卒社員25名
◎開催地域:東京都江東区
◎内容:COのワークショップ(以下WS)参加者でHPE社員の藤田知洋さんがHPE側の担当者。翌日から1泊2日で福島県での地域社会貢献プログラムに参加するメンバーが、「傾聴」を学び、現地で出会う人や時間を共にするメンバー同士をよく知るためのコミュニケーションを身に付けることが目的。5つのリーダーシップの1つ「関係に基づいたコミットメント」を部分的に学ぶ構成で実施。
・お互いが何を大事にして物事に当たっているのか
・その原点にある風景はどのようなものか
・だからこそ何に関心を持って取り組んでいるのか
・そこで自分のどのような部分が生かせているか
そのようなことを互いに聞き合うワーク。ひたすら相手に関心を持って「なぜ?」「どうして?」「いつから?」と問うことにチャレンジする時間となりました。
研修中の質問や実施後の振り返りから、参加者の声を一部抜粋します。
「一方的に質問し続けると相手が委縮するのではないか?」
→「意外とずっと質問されることは嫌ではなかった。笑」
「普段できないディープな話ができた」
「(質問されることで)自分を知ることができた」
「本質を聞く難しさがわかった」
「『傾聴』だが一方的に聞くだけがその方法ではない」

COJが「関係に基づいたコミットメント」を学ぶために行うワークショップでは、チームの共有目的はメンバーの価値観に基づいて作るので、そのために関係構築をする。1対1ミーティングとチーム全体での共有によって行いますが、今回の研修は新卒社員向け研修ということもあり、相互に深く知り合う方法を学び体験しこれからも「使えるな」と思ってもらうことを目指し、上記のような内容で行いました。
◎実施体制:COJ事務局長の安谷屋が講義とファシリテーションを担当

今回の報告の3件も、主催者のニーズをもとにした内容で実施しました。ご自身のコミュニティに照らし、ピンとくるものがありましたらぜひお問合せください。
また、例年実施しております、COJ主催の2日間のWSは6月中旬から募集告知の予定です。もう少々お待ちください。
7月14日(日)にNPO法人coco change主催で「スノーフレーク祭*2019」が福岡県久留米市開催されます(COJも協力団体の1つとして関わっています)。学びの場から実践の場への広げ方を体験し、各地のCOコミュニティメンバーとつながれるチャンスです。こちらもオススメです!

(COJ事務局長 安谷屋)