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COJメンバーからのメッセージ(副代表理事 室田信一) 2016年9月ニュースレターより
 今から3年前、COJ設立のきっかけとなる最初のワークショップを開催するために、協力してくれる仲間を探し、準備のためのミーティングを毎週のように繰り返していたことが思い出されます。
 
 2013年12月にハーバード大学からガンツ先生に来日していただき、最初のワークショップを開催し、その後、ワークショップを手伝ってくれた仲間を中心にCOJを立ち上げるための準備を始め、2014年1月27日にCOJを設立しました。設立集会には多くの方が出席してくださりました。今でも忘れませんが、その会場に出席されたプレカリアートユニオンの清水直子さんが、司会をしていた私に次のような質問をしてくださいました。
「私の働くユニオンでもCOJのサポートを得て、リーダーシップの輪を広げていきたいのですが、どのようにすればサポートを得られるのですか。」
 
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△COJ設立集会にて。
 
 コミュニティ・オーガナイジングの取り組みを日本で広げていくための基盤となる組織として、とりあえずCOJを設立するということに必死だった私は、そのような「同志」からのメッセージをもらい目が覚めました。まずは清水さんのように現場でオーガナイジングを必要としている人たちの声に応えられる組織にしていかなければならないと強く思いました。
 
 COJが設立して最初に取り組んだことは、ガンツ先生がいなくても良質のワークショップを提供することでした。そのためにはワークショップのコーチを担ってくれる仲間が必要だったので、2014年4月にコーチを養成する目的でワークショップを開催しました。そのワークショップに参加してくれた人たちは今でもCOJの礎として関わってくれていて、中でもCOJフェローの山本佑輔氏はそれを機にCOJに関わるようになり、今ではCOJにとって欠かせない存在です。
 
 最初の半年から一年はとにかく必死でした。ガンツ先生による最初のワークショップがメディアで取り上げられたこともあり、清水さんのようにワークショップを提供してほしいという声が各方面からCOJに届きました。それらの声になるべく応えられるようにワークショップを開催しましたが、今のように豊富な人材がいたわけではないので、数少ないメンバーで必死に準備をして回していました。また、要望に応えるというスタンスよりも、関心のある人は一緒に取り組みましょうというスタンスで、同志と共に歩みを進めてきました。その例として、2014年12月にガンツ先生を再びお招きして開催したワークショップでは先述の清水直子さんがコーチを担ってくれました。
 
 気がつけば、COJのワークショップを受講した人の数は1000名を超え、ワークショップのコーチを担ってくれる人は全国に80名を数える規模にまで成長してきました。また、ワークショップを提供することだけではなく、ワークショップをきっかけにオーガナイジングの実践をする人の輪も広がってきています。2016年3月には初めて「オーガナイザー祭」を開催し、COJのコーチが伴走した実践事例や、COJのワークショップを契機に設立された実践事例について報告してもらいました。それらの事例の一部は「実践ガイド」に収容され、ホームページから閲覧していただくことができます。
 
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△「オーガナイザー祭」にて。
 
 COJが設立してから2年半が過ぎました。コミュニティ・オーガナイジングが標榜するスノーフレーク(雪の結晶)のようなリーダーシップの広がりを体感する2年半でした。2013年12月の最初のワークショップを手伝ってくれたメンバー9名が理事となり、2014年7月にNPO法人格を取得しました。理事の任期は2年間なので、本来は2016年7月に改編をする予定でしたが、初めての改編ということもあり、人選や進め方など丁寧に議論しながら進めるために、3カ月遅らせて今年の10月に新理事体制で再出発するために現在準備をしています。
 
 各地・各分野で変化を起こそうと日々格闘している同志にとって、COJがその実践を進めるための拠り所として、また共に歩みを進める伴走者として身近に存在できるように、COJの次なる一歩に期待していただけたらと思います。
 
COJ副代表理事/首都大学東京都市教養学部准教授 室田信一