レポート:佐野はるか(テクニカルサポートスタッフ)
2022年9月18日、19日の2日間、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン主催のフルワークショップをオンラインにて開催しました。
今回も、日本全国様々な地域から(1名海外からも)、労働、環境、ジェンダーなど様々な分野に関心がある36名が参加し、24名の運営スタッフと共に、台風14号が九州を縦断する中、2日間を駆け抜けました。
私たちコミュニティ・オーガナイジング・ジャパンは、課題に直面する人々自身が、自身のスキルや経験をパワーに変えて、共に変化を起こしていくことを大切にしています。
本ワークショップでは、コミュニティで変化を起こすための5つのリーダーシップを中心に学び、実践できるように練習します。
リーダーシップ | 単元名 |
ストーリーの共有 | パブリックナラティブ |
関係に基づいたコミットメント | 関係構築 |
明確な組織構造 | チーム構築 |
創造的な戦略 | 戦略 |
測定でき、目標のある行動 | (アクション) |
ありのままの自分でいられる安心の場
私が2日間を通して感じたことは、みなさんが「ありのままを受け入れ合う」ことを大事にしているということでした。
1日目の終わりの振り返りでは、疲れたことや、横文字についていけなかったことを素直に共有する方や、「うまく話せなかったことがあったが、自分の意見に「いいですね」と共感してもらえて安心を感じられた」と言う方がいました。それを聞いた参加者が、画面越しに頷く姿が印象的でした。
2日目のパブリック・ナラティブのモデルでは、2日間を通してその場にいる全員がありのままのお互いを受け入れている描写をつないだ、「私たち」のストーリーが語られ、聞きながら涙ぐむ方もいました。
2日目の最後の振り返りでは、「属性が違っても共感が生み出せると知って希望が持てた」「共感から始まるつながりは強い」という声や、「関係構築をすることで、失敗しても受け止めてもらえる安心感が生まれる」「安心の場づくりに貢献できたことが嬉しかった」という声がありました。
また、各チームが2日間で作り上げた戦略にも、「誰もが一人ひとり、いくつになっても大切にされ、意見が尊重される社会」や「一人ひとりが自分で望む生き方をいつでも選び、自信を持ってチャレンジできる社会」を作るという共有目的が見られ、「ありのまま」を尊重し合う価値観が全体に共有されているように感じました。
明日から実践できる学び
2日間の振り返りをした際には、多くの参加者が、これからどのようにコミュニティ・オーガナイジングを実践するかを、具体的に思い描くことができていました。
<参加者が実践したいと発表したこと>
- 「ストーリー・オブ・セルフ(自分の活動に対する想いや原動力についての語り)をよりよいものにして、同僚と価値観をシェアしたい」
- 「コーチングを試して相手が奥底に持っているものを引き出したい」
- 「自分が立ち上げたNPOの中で、メンバーと共にパブリック・ナラティブを作り直したい」
- 「自分の団体で現在進めているクラウドファンディングのキャンペーンに活かしたい」
- 「今回作ったチームとの関係を大事にし、描いたキャンペーンを何らかの形で実現していきたい」
ワークショップのその後~
コーチや講師も皆、過去のワークショップの参加者でした。
私たち自身もチャレンジを歓迎し合い、さらなる学びや挑戦したいことを共有し合って、参加者の皆さんと一緒に2日間のワークショップを作ることができました。
コミュニティ・オーガナイジングの輪が広がっていくような、大きな希望を感じる2日間でした。
Haniwaインクルージョン!(←運営スタッフのチーム名です!写真は、運営チームみんなでワークショップに向けて気合を入れている様子です。)