ワークショップ

WORKSHOPS

参加者の声
コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ
VOICE #83 facebook twitter
後藤 文造
社会福祉法人 奈良市社会福祉協議会
奈良言友会(吃音者のセルフヘルプグループ)

ワークショップに参加した動機は?

受講のきっかけは、社協の地域支援の実践において様々な課題に向き合う中で、多様な人たちがチカラを合わせてコンフリクトに向き合うチームを創っていくことの難しさを感じていた時に、このワークショップを知ったことでした。

重度の知的障害や自閉症のある青年が、「網戸」が気になり近隣の家の「窓」をさわりに行くことが問題視され、地域の安全・正義のために排除しようとする地域住民と、それに抗する当事者・支援者との対話の場を調整する等、当事者の地域で生きていこうとする権利を護るために、誰とどのように関係構築をして、地域へアプローチするのか頭を悩ましていました。

多様な価値観をもつ人達が問題意識を共有し、仲間になり、主体的に動き出すアプローチ(リーダーシップ・調整力)をワーカー個人の感覚的で行うのではなく、周囲と協働していけるような理論や実践を身につけることが、自分や社協組織全体に必要だと強く感じました。

そんな時、佛教大学の金田先生の誘いもあり、地域共生社会の実現に向けてぜひ学びたいと思い受講を決めました。

ワークショップに参加した感想は?

ワークショップで印象的だったことは、パブリックナラティブで初っ端から、受講生の前でストーリー・オブ・セルフを語ったことです。吃音当事者としての「セルフ」を語るのは得意だと思っていましたが「3分」で話すということ、「価値観のストーリー」にすることが、自分の大きな課題だと改めて感じました。

また受講してみて思ったことは、共生の地域づくりにむけて、具体的な実践の視点やスキルが具現化されたワークショップで、すぐに実践に活かせるものだと感じたことです。

 具体的には、コーチング実践の学びにおいて「動機や心の面」「知識やスキルの面」「戦略や頭脳の面」など、段階を踏んで具体的に学んだ上で、即座にロールプレイで実践してみて、振り返りをすることでより、持ち帰り現場で活かせるイメージが湧きました。

 私の尊敬する西宮市社協の清水常務の名言で「人は物語の中で育つ」という言葉があるのですが、パブリックナラティブでは、その物語形成能力を高め、その実践をカタチとして「人に伝えられる」ものとして学べたように思いました。

 共有戦略を構築するという項は、現場に持ち帰り実践に活かしていくには、まだまだ人に伝えられるレベルには達していないと感じていますが、ワークショップで学んだ一つ一つの要素が、そく実践に結び付けられるものでした。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

物凄くタイトで、時間に追いまくられ、頭も身体も疲労困憊にはなりますが、話をきくだけ、考え方を学ぶだけ、スキルを学ぶだけというものではなく、地域福祉のあらゆる現場で即座に活かすことができ、得るモノが多いワークショップだと思います。

 またサポートして頂く、コーチ陣の質と数がものすごく豊富で、疑問に思ったことが、すぐ聴ける上に、ワークの質を高めることができるサポート体制が他のワークショップとは違った魅力だと感じました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

受講して1ヶ月が経過していますが、ワークショップで学んだ要素を、ほぼ毎日活かしている感覚です。職場内のOJTで、地域への共同募金のアプローチで、伝達研修で、協働相手との会議で多用しています。コーチングの「心・手・頭」や「大ゴールと戦略的ゴールの三角の図」「スノーフレーク・リーダーシップの図」等が自然と頭に浮かんできます。決して、その自転車をうまく乗りこなしている状況だとは言えませんが、何度もこけながらも、確実に実践に繋げさせていただいています。

また現在取り組んでいる、担当圏域における、地域の見守り活動と連動した多機関協働による総合相談支援ネットワークづくりの取り組みには、今回学んだすべての要素を活かして実践し、地域共生に向けた、相互エンパワメントが湧き起こる地域づくりを目指していきたいと思います。