ワークショップ

WORKSHOPS

参加者の声
コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ
VOICE #35 facebook twitter
万波智美
株式会社 浦建築研究所
NPO法人 趣都金澤
NPO法人 GPネットワーク

ワークショップに参加した動機は?

直接のきっかけは、オーガナイザーという仕事に関心があったからです。高校生の時、文系と理系に分けて進路を選ぶことに違和感を感じ、両者の境目をつなぐ、プロフェッショナル同士をつなぎ、多くの人々と関わり合いながら一つの物事をゴールに導くような仕事がしたいと思うようになりました。社会に出たらそのような仕事はあるだろうとは思いましたが、当時は既存の職業の中に名前を見出せずにいました。

人や地域と関われる仕事を目指し、大学は文化マネジメントを専攻。美術評論家でありプロジェクト・プランナー、プロデューサーとして幅広く活躍されている先生のもとで国内や海外のプロジェクトに関わらせていただいたなかで、オーガナイザーという仕事があることを知り、自然と意識するようになりました。日本においてはまだ実践者の少ないオーガナイザーに、今回は実際に出会えるということも参加した大きな動機の一つでした。

 ワークショップに参加した感想は?

私は、仕事では主に「まちづくり」に関連した大小さまざまなプロジェクトの運営に携わっていますが、どのプロジェクトにおいても重要になることは、実行力と推進力を持ったチームづくりだと感じています。そのためには、関わる人々の関心や能力、それぞれの事情や関係性を見極めることが重要だと思っていますが、その見極めの際に「価値観」が大きな力を持つことを、ワークショップを通して強く実感しました。

ワークショップでは、個々の人々の奥底にあり、その人を形作る根底となる価値観を引き出す術をさまざまなワークを通して学ぶことができます。その体験は想像以上で、価値観を引き出し、実際のプロジェクトにコミットさせていくことで、こんなにも大きな力を生み出せるということを体感できました。価値観を引き出すことは一長一短にできるものではなく訓練が必要ですが、その方法について触れ、自身に応用力がついたことは大きな成果だと感じます。

 今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

ワークショップ終了後に、実際に自分たちでも振り返って実践できるように練られた適切な講義(座学)とワーク(実技)を繰り返すことで、自然とスキルが身についていくことが本ワークショップの特徴だと思います。チームのルールを決め、ゴールを描き、時間制限も取り入れながら、最後までチームでやりきり完走する、ということはどのプロジェクトにおいても基本になることだと思います。私が参加したプログラムは2日間をかけて行うものでしたが、始まりから終わりまで誰一人も脱落せず最後まで全員で走り切るということも体感できました。実際に、物事を組み立てる際に、組み立てられた!自分たちで出来たんだ!という一体感や実感を参加者に抱かせることはとても大切だと思います。さまざまな課題を通して、参加者それぞれに適切な実践力を身につけさせる、とても優れたワークショップだと感じました。

 コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

コミュニティ・オーガナイジング(CO)は、さまざまな活動において応用することができる優れた技術だと思います。心(動機)と頭(戦略)と手(スキル)の意識がけやストーリー・オブ・セルフの実践、戦略の組み立て方など、個々の技術それだけでも優れた成果を生み出すことができる技術の固まりですが、それぞれを組み合わせることで更なる威力を発揮し、目的をゴールへより導くことが可能になると思います。

今回学んだ技術を糧に、プロジェクトに関わる人々のそれぞれの価値観にも目を向け、一人のリーダーが進めるプロジェクトではなく、またリーダーが疲弊してしまうのでもなく、皆で共に一つのゴールを目指して走り続けれるチームづくりを心掛けたいと思います。そして、プロジェクトをさらなる先につなげ、より高いゴールへ向かっていけるよう人々の力を組み合わせ新たな街のシーンを生み出し続けたいと思います。