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2020年09月04日
「自分も楽しむことを忘れない」(あだにーコラム#6)

みなさん、こんにちは。
COJ代表理事、安谷屋(あだにー)のコラム6回目です。

2020年は新型コロナウィルス感染拡大の影響だけでなく、気温上昇という点でも経験したことのない8月となりました。

あと何年人間は地球上で暮らせるのか、より若い世代の未来を奪わないために、気候危機に直面している私たちにとって、コミュニティ・オーガナイジング(CO)を学ぶことはプラスになるのかどうか、先日行ったワークショップを振り返りたいと思います。

「スカタン*を止めるために何が必要か」

*スカタン:(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機

神奈川県横須賀市に現在火力発電所が新たに建設されていることをご存知ですか?気候危機の中でも顕著な気温上昇。気温上昇に大きく加担する石炭を燃やすことで電力を作り出す火力発電所は、世界的に建設も稼働もストップされています。

しかし日本は未だに、メガバンクが石炭火力発電へ多額の投資をしていたり、スカタンも「高効率化・次世代化の推進」を謳い建設・稼働を止めようとしなかったりな状態です。

そのスカタンをストップさせようとアクションするみなさんが集まり、8月30日に戦略ワークショップを実施しました。

大きく分けると3つの団体から12人が参加し、コロナ禍そして猛暑の中でのそれぞれの活動を振り返ることから始めました。

戦略ワークショップなので、これから先より効果的なアクションをするための議論をすることが目的ですが、まずできたことを振り返り、労い合い、お祝いする、ということをCOでは大事にするからです。

  • コロナ禍で大人数で集まれない状況の中でも、石炭火力を止めようとしない大手の電力会社から自然にやさしい電力を供給する会社への「パワーシフト」をする人を増やせている
  • 建設現場前での(猛暑の中での!)反対抗議
  • 動画メッセージの作成・拡散(動画の効果を実感)
  • オンラインでの勉強会などを進めた結果、新たに大手メディアから取材の依頼が来た

具体的にはこのような取り組みが報告され、パワーシフトや問題の理解への広がりを実感できていると、参加者のみなさんから聞かれました。

ただ、その場がお祝いムードに包まれたかというとそうではなく(私のファシリテーションの改善点も多かったところ…)、これだけやっているけれど、私たちは本当にスカタンを止めることに近付いているのか、と問うたとき、誰も「近付いている!」とは言えない空気を感じました。

希望は参加したみなさんの存在

何をすれば私たちはスカタンを止めることができるのか。

COではこれを「変革の仮説」と呼びます。もう少し書くと、困難に直面する同志(当事者)の持っているもの(資源:スキル、経験、思い、ネットワーク、時間、資産など)を、どういう風に組み合わせて創造的に使えば、目標を達成できるか。

ワークショップに参加した12人は、19歳から60、70代くらいまで、まずは世代が多用でした。大きく分けて3つの団体は、それぞれに得意なことやネットワーク・リーチできる先がありました。それを共有するだけで、一緒にできそうなアイディアがいくつも出ました。

参加した団体の中には最近活動が滞ってしまっているところがありました。それは、メンバーの状況によるところもありましたが、多分にコロナ禍の影響で、横須賀に行けないことで会いたい人に会えない、チームメンバー同士もオンラインでしか会えない、それらがエネルギーを削いでいるようでした。

そのような状況でも、スカタンを止めることをあきらめず、集まって話して前に進もうとするみなさんのスタンスが、私には大きな希望に思えました。

参加者のみなさんに、最後に今後のステップについて一人ひとり話していただきました。その中で特に印象に残ったコメントをご紹介します。お話しされた方は、最近スカタンについて知ったとのことでした。

楽しかった。最近まで知らなかったから新鮮。私がそうだったように、知らない人のことを忘れないでどうやってそのような人たちからの共感を得るか、かつ自分も楽しむことを忘れない。

自分が楽しくなければ誰も誘えないし、活動を続けていくことも苦しくなるかもしれない。そう思ったとき、最後のこのコメントはとても大切なことを改めてその場にいた私たちみんなに届けてくれました。

 

visionに近付けたか?といういつもの問に対しては、笑顔で語られた「楽しむことを忘れない」というコメントによって、12人の参加者と数人のスタッフが勇気を届け合える場になった実感によって、また戦略ワークショップの1つの実践を重ねたことで、Yes!と答えて、今回のコラムを閉じたいと思います。

2020年9月4日(金)安谷屋貴子


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    メール送り先:email hidden; JavaScript is required(COJ安谷屋)
    タイトル:9月12、13日オンラインワークショップ申込
    記載内容:名前(ふりがな)、メールアドレス、連絡の取れる電話番号、希望枠(一般or学生)

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