ワークショップ

WORKSHOPS

参加者の声
コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ
VOICE #103 facebook twitter
又吉 莉奈
NPO法人ICYEジャパン(特非)国際文化青年交換連盟日本委員会

ワークショップに参加した動機は?

「ちゃぶ台返し女子アクション」のイベントに参加した際にCOJ理事の方の「Story of Self」を聞いて、私のリーダーに対する価値観は大きく変わりました。「語りの力」自分が体験したわけではないのに、心が共鳴し、行動にかき立てられるような、強い求心力というよりむしろ、「含まれる」という感覚でした。その際にお話されていたコミュニティ・オーガナイジングについてすぐに調べ、すぐにガイドブックをダウンロードし読み始めました。それまでの私は創立60年の団体を一人で背負い(一人だと思い込み)、自分が全てやらなきゃ。証明して見せなきゃと必死にもがいていました。しかし一人の人間の力や情熱だけで動かしていくのには限界があるのは自明なことでした。ではどのように人を巻き込んでいくのか、単なる労使関係でないNPOの人財をどのように繋げ、機能する仕組みにしていくか、書籍を読み漁りながら、トライアンドエラーを繰り返していた、まさにその時にCOJの存在を知りました。ガイドを読み進めていく中で、手探りで渦巻いていた考えが、だんだん言葉になってきて、頭の整理の助けになりました。ガイドを読むだけでも、「納得」がたくさんあったのこのメソッドをぜひ身に付けたいと思い、今回ワークショップに参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

一言で言うと「濃密」でした。異なるフィールドでリーダーシップを担う方々とチームを作りキャンペーンを作っていく中で、このメソッドを実際のどのように機能させていくのか、実感することができたと思います。そして「難しいぞ!楽しいぞ!」と脳がフル回転した2日間でした。まさに初めて自転車に乗る感じ、怖いんだけど、一瞬乗れた時の風の気持ちよさ、そしてこける。起き上がり再挑戦!
「Story of Self」の構築において、自分を突き動かしていた「強い力」の根源を紐解いていく中で、たった一つの強烈な経験ではなく、本当にたくさんの多様なピースが自分を動かしていているんだという、そもそもの動機に気づくことができました。それを、私自身の「Story of Self」として活用していくためにはまだまだ練習が必要ですが。
もう一つ「同志」の存在に気づけたのは大きな収穫だったと思います。私が頑張れば。リーダーの自分が引っ張るのだ。(自分の存在価値証明としての機能もあり)とばかり思っていたけど、それは全く間違いで、バーンアウトする前に、「リーダーシップの実践とはリーダーを育てること」当事者の資源を出し合い、それをオーガナイズして行くことが今の私に必要なことだと気づくことができました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

知識を入れて、失敗しない程度にさわりだけ触れてみましょう感はなく、初めて乗る自転車で「さあいけー!」と手を離される感じです笑。不安だし、時間もかかるけど、自転車の仕組みの方の中で、試行錯誤し、調整、適応していくこと、失敗すること、時間に間に合わない、意見がすれ違う、根本から作り直すという全ての過程それ自体が学びとなりました。
キーワードは濃密さと感情です。全く知らない人と、いきなりコアのパーソナルな価値観の話をすることはほとんどないですが、コミュニティ・オーガナイジングではそれが基礎なのだと感じました。知識スキルだけじゃなくて、感情を以って組織をオーガナイズする。とても人間らしい。日常の中で知識・技術だけで行動している人なんていなくて、必ず感情や個人の歴史が介在していて、チーム一人一人の意思決定や関係性作りの大部分を占めるはず。WSの中でコーチたちの「Story of Self」を聞き、それが講義で体系的に説明され、実践してみてその難しさと納得を得ると言うのは、WSとしての質はかなり高く、消化しきれないほどの収穫を得ることができる2日間だったなと思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

COJのWSを受けてみて自分の弱さ、山積する課題が目の前に出現した感じがします、でもそれはネガティブな感情じゃなくてスタートラインに立った。さあこれからだ!っていうとてもポジティブな感情。まずが自転車に乗れるようになること、乗れるようになったらより遠くに行けるよう漕ぎ続けること。
相互理解による国際平和の実現を目指し、教会を拠点に始まったICYEの国際間青年交換事業では、20年前に教会から独立した時に、共通の価値観とコミュニティを失ってしまいましたが、日本支部を存続させることが第一目的となり、コミュニティの再構築に関しては、多くの運営課題がそこに起因しているにも関わらず、気づけずにいました。しかし今回(幸か不幸か)新型コロナウイルスの影響により事業が停滞し、自らの内部に目を向けるきっかけとなりました。団体の長い歴史で関わってきた多くの個人をコミュニティの一人として、宗教という絶対的な共通価値観から抜け、その先にある共通の価値観に向けて、時間をかけて関係性を丁寧に作っていくことが初めの一歩だと考えています。
今回学んだことは型であり、コミュニティ・オーガナイジングWS参加者ガイドをバイブルとして、自分のフィールドに風土として染み込ませて行きたいと思います。