関口真司

ワークショップに参加した動機は?

学生団体で活動していたりすると、人の行動に成果が伴うのは「やらされている」時ではなく本人が「やりたいと思ってやっている」時ばかりだなあ…と実感します。人の「自主性」「主体性」がいかに大切かを思い知らされる日々です。特に今年は学生最後の一年。新たに始める取り組みやこれまで続けてきた取り組みについて、それにかける想いが引き継がれていくために何ができるか、という問いへのヒントを求めてワークショップに参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

目指していた状態に至るための手段をドンピシャで授けてもらえたような2日間でした。ひとりがリーダーシップを持つのでもそれぞれがバラバラにリーダーシップを発揮するのでもなく、共有された価値観のもとリーダーシップを持って目標に向かい取り組める人を増やしていく。言うは易し行うは難し、のこの状態を作るために、何をどう頑張ればいいのかが少し見えてきたような気がします。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

少人数のグループワークが頻繁にあったのですが、グループひとつひとつにコーチが付いていくださっていたことはとてもありがたかったです。自分が的はずれなことをしていないか…といった不安を抱えることなくワークに集中できました。また、かなり濃密なスケジュールで頭がパンクしそうでしたが、だからこそその時間を共有しているほかの参加者との間に結束感を持てました。参加者同士が「仲間」になれるワークショップだったように思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

今関わっている取り組みの中でも特に、3年間続けてきた学生団体を卒業するにあたって「ひとりひとりにとっての居心地いいチーム」をつくり、残していけたらと思っています。ワークショップに参加したあとの2週間で団体の仲間と1対1の対話をすでに複数回設けてみました。知っているつもりで知らなかった相手の価値観、実は伝えられていなかった自分の想いがたくさんあったことにさっそく気づき、自分の活動にCOがいろんなものをもたらしてくれそうな予感を噛み締めています。

ソフトバンク株式会社CSRプロジェクト「チャリティスマイル」の運営チームに対するチームの立ち上げと戦略策定支援

4月4日(月)に、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)様のCSRプロジェクト「チャリティスマイル」の運営チームに対して、チームの立ち上げと戦略策定支援をさせて頂きました。

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※チャリティスマイルとは

2016年2月1日よりソフトバンク様が始めた、事故や災害などで親を亡くした子どもや、虐待などで居場所を失っ た子どもを継続的に支援するために、月々の携帯電話利用料金の支払いと一緒に寄付ができるサービス。2016年4月15日~5月20日の間に集まった寄付 は、熊本地震の被災地支援に使われる。
http://www.softbank.jp/corp/csr/donation/charity_smile/

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 このプロジェクトは、ソフトバンクの社員様に加えて、中央共同募金会様、児童養護施設関係者の方々を含む8名の方で進めるため、
①組織外のメンバーでチームを組んでプロジェクトを進めるにあたって、メンバーそれぞれの価値観を共有する
②当事者の方が具体的に直面している課題の中から、チームが取り組む課題を特定する
③上記で特定した課題解決のための戦略を立案し、共有した状態でプロジェクトを進める体制を整える
ことが求められていました。
COJからは、フェローの笠井成樹(しげ)と私(ざわ)の2名で担当させて頂きました。

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 まずは、参加者の方々にニックネームで呼び合うことをお願いしたのですが、最初は照れながらも全員がニックネームで呼び合ってくださったため、時間が経つにつれて関係性が良くなっていくのを感じました。
 チェックインを済ませた後に1日のノームを全員で作ったのですが、ノームコレクションの存在に皆さん驚かれていて、途中何回かノームコレクションが発動されることでその効果を実感されているようでした。
 最初のワークは、ストーリー・オブ・セルフでした。普段一緒に仕事をしているメンバーに加え、これから一緒にプロジェクトを進めていく社外(!)の人の前でストーリー・オブ・セルフを語るのは心理的ハードルが高かったと思いますが、ありがたいことに全員が語ってくださり、中には涙を堪えながらストーリーを聞く方もいらっしゃいました。
ストーリー・オブ・セルフの後の振り返りでは、「自分自身のことが整理される」、「普段一緒に仕事をしているけど、こういう背景があって今に至っているんだなってわかって良かった」などの気付きが共有されました。

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 続いて、メンバー全員に共有する価値観、関心をもとに共有目的を作り、戦略へと進んでいきました。戦略のワークでは、児童養護施設を運営されている方の現場の話にメンバーが耳を傾けながら、「なぜ問題が解決されてこなかったのか?」、「同士の資源が生かされているか?」と、COJのワークショップでお馴染みの問いをもとにメンバー全員で考えていきました。最終的に、皆が共有する形で戦略的ゴールができあがりました。

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 COJとしては企業様に対して実践支援を行う初めての事例だったため、どこまで貢献できるか未知数なところもありましたが、最後の振り返りでは「個人(セルフ)から入って、チームの価値観、戦略という流れも良かったし、フレームに沿って考えることの有効性を実感できた」、「このチームでここまで深い話をしたことがなく、本音で話せて良かった」、「どう具体的に動いていくのかイメージができたのが良かった」など感想を頂き、コミュニティ・オーガナイジングのパワーを改めて感じた1日でした。

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 貴重な機会を頂いたソフトバンク様をはじめ、中央共同募金会様、児童養護施設関係者の方々によるチャリティスマイルチームの皆様に感謝申し上げます。

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フェロー・会沢

【第5回主催WS】コミュニティ・オーガナイジング・トレーニング(COT)

 ハーバード大学ケネディスクールマーシャル・ガンツ博士が開発した、市民一人一人のリーダーシップをはぐくむ『コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ』を東京で開催いたします。

2014年1月7日NHKクローズアップ現代で特集され話題になりました。
※クローズアップ現代のサイトはコチラ
【“物語”の力が社会を変える】
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3448_all.html

<コミュニティ・オーガナイジングとは>
市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになる。
そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます。

<対象>
社会問題の解決に関心のある方、草の根活動を広げたい方
※NPOリーダー、市民活動のリーダー、企業のリーダー(企業規模や役職に関わらず)、行政担当者など

<日時・会場>
【日時】
1日目:2016年6月4日(土)10:00~19:00(予定)
2日目:2015年6月5日(日)10:00~19:00(予定)
※2日間通してのご参加をお願いします

【会場】
日本財団ビル
(東京都港区赤坂1丁目2番2号)

<募集人数>30名(一般25名+学生5名)

<参加費>
一般(早割):32,000円(10名)
学 生:12,000円(25歳以下の学生限定※当日学生証確認いたします)
※懇親会開催の場合は、別途希望される方から相当額を集金させていただきます。

<お申込み・お支払い方法>
本WSのお申し込みは、下記Peatixのサイトよりお願い致します。

http://peatix.com/event/162154/view

<講師>
鎌田華乃子
特定非営利活動法人 コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事
横浜生まれ。11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了。卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジング(CO、普通の市民が立ち上がり社会を変えていく活動)組織にて市民参加の様々な形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)を2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。

<参加予定人数>
30名

第4回コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ

 2016年3月5日(土)、6日(日)に、赤坂の日本財団ビルで第4回のコミュニティーオーガナイジングワークショップを開催致しました。

 本ワークショップは広く一般の方へ呼びかけ、社会問題の解決に関心のあるNPO職員、大学生、弁護士、会社員など、様々なバックグラウンドを持つ方36名の方にご参加頂きました。

 参加者はまず1分間の自己紹介を全員に向かってします。すると1人目の自己紹介の時、1分が経過すると間髪入れずにタイムキーパーが「チリンチリン!」と激しくベルを鳴らしました!時間を共有の貴重な資源と捉える、コミュニティーオーガナイジングジャパンならではの、徹底した時間管理ぶりに、会場内には参加者の「これからの2日間、一旦どんな事が行われるのだろう!」という期待と不安が入り交じった感情が充満していくのが感じ取れました。そんな困難な状況の中でも、参加者の皆さんはワークショップに参加した動機を語ってくれました。

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 その後、参加者は自分が今取り組んでいる活動や、自分が取り組みたいと思っているテーマを題材に戦略練っていきます。子育てに悩むママ・パパが安心出来る場創り、職場での働きづらさを解消するための活動、見知らぬ土地に突如住む事になった人達のコミュニティー創りなど、参加者は思いと思考を張り巡らせそれぞれの活動に戦略を立てます。するとコーチからは「同志は明確ですか?」「困難に直面しているのは誰ですか?」等、怒濤のようなコーチングが飛んできます。参加者の皆さんはその度に「うーん…」と自分のシートと心と向き合います。「自転車で転びまくって傷とあざだらけ!」そんな声があちこちで聞こえながら、1日目は終了致しました。

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 2日目はパブリックナラティブを学びました。「そもそも自分はなぜこの活動に取り組んでいるのか?」「なぜこの問題を解決したいのか?」自分と徹底的に向き合う時間です。最初は中々ストーリーを語れなかった人も、他の参加者のストーリーを聴き、コーチングを受ける度に、どんどんと良いストーリーを語れるようになっていきました。最後のパブリックナラティブの発表の時、2日間を共にした仲間達の発表がされる度に大きな拍手が会場を包みました。しかし最後のアクションが弱いとすかさず代表理事の鎌田から「参加したい人はどうすれば良いですか?」とコーチング。それぞれがきちんと、聴いた人が取れるアクションを伝え、ナラティブの発表は終わりました。

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 最後の振り返り、やはり多かったのは「転びまくった2日間だった。」という声。それと同時に「この手法を、明日から実践したい!」という強い想いも沢山聴く事ができました。「またこのメンバーで集まりたい。」そんな想いから既に同窓会というアクションが起きようとしているのも、いかに本ワークショップの参加者が実践に貪欲かと言う事を物語っているように思います。

 

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 実際に自分のフィールドでコミュニティーオーガナイジングを実践する時、恐らく皆さんはワークショップ内でも経験できなかったような大転倒を経験することになると思います。思ったように戦略が機能しなかったり、関係構築が広がらなかったり、きっと沢山の困難がこの先皆さんを待っていると思います。でももし、困難に直面した時は思い出して下さい!この怒涛のようなワークショップ、転んだ時に手を差し伸べ合える仲間と共に、粘り強く起き上がり続け、最後まで走りきったという経験を。この経験は、大きな成功体験として皆さんの中に脈々と生き続けきっと大きな力になるはずです。そしてその先には、大きな希望が待っているはずです。

 

コミュニティーオーガナイジングジャパンは、伴走支援も実施しておりますので、もし活動の中で上手く行かない事があれば、是非お声がけ下さい。

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2日間、本当にお疲れ様でした!

 

コーチ:井上広之

 

植原正太郎

ワークショップに参加した動機は?

私が仕事でもライフワークでも取り組んでいることは、必ずと言っていいほど「コミュニティ」がキーワードになっています。価値観、世代、地域など、さまざまな切り口でそれぞれのコミュニティ運営に関わっていますが『どうやったら、集う人のポテンシャルを活かしきれるか』『どうやったら、新しい仲間を募ることができるのか』という問いについて日々、試行錯誤しています。コミュニティ・オーガナイジングの研修に、そのヒントがあるのではないかと思い参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

お世辞でもなんでもなく、素晴らしかったです。コミュニティの力を最大限に引き出しつつ、ムーブメントに発展させ、社会を変えていく。その体系化されたメソッドの完成度にも驚きましたが、そのメソッドを伝えて、学びの場をつくるプログラムとスタッフのみなさんのサポートがなければ、薄い時間になったことでしょう。メソッドと教える人のバランスが素晴らしかったです。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

「2日間で、無駄なく、ぎっちり学べる濃さ」でしょうか。まだまだ時間が足りない感もありましたが、メソッドを、しっかりとプログラムに落とし込めているからこその濃さがあり、それは他のWSとは一線を画している気がします。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

仕事で取り組んでいるgreenz.jpの寄付会員制度「greenz people」をさらに広げ、コミュニティ化し、ムーブメントにしていきたいです。またライフワークで取り組んでいる武蔵小山のご近所ネットワークも、地域発のCO事例にできればなとおもっています。

福士 浩

ワークショップに参加した動機は?

大切な人が統合失調症である、当事者として、何かしようと思っても何もできないもどかしさを、何十年もずっと抱えてきました。20年以上の間社会から隔離され、病院の隔離病棟で暮らして、辛く、絶望感に満ちた毎日を送ってきたのだと思います。最近、その大切な人と病院で話す機会が何回かありました。病気ではあるものの、嘗てと変わらぬ純粋な心をもつ姿に心を打たれ、今動かなくて何時動くのかという気持ちになりました。

すべての人は平等の機会を与えられているのになぜそれを受け入れる社会が存在しないのだろうか?なぜ、統合失調症を抱える家族は辛い思いを明らかにせずに肩身がせまい思いで生きていかなければいけないのか?そして、その思いがいつの日か、それぞれが、”自分らしく”、共に生きていくために必要なセイフティネットを作りたい。病を自分でコントロールできなくなった大切な人が、ハブにされない世の中を作る。そして、病や障がいを持った大切な人のためのオリジナルな未来を、立ちはだかる様々な困難にチャレンジしながら、自らが先頭に立ち、創造していける、胆力を持ち備えた人材を作る。そういった強い思いに至りました。その時、知人から紹介された、コミュニティオーガナイジング 代表理事の鎌田さん経由で、本ワークショップの存在を知り、そして、サイトで コミュニティオーガナイジングの思想の素晴らしさに共感し、ぜひやってみようという気持ちになり、参加させていただきました。

ワークショップに参加した感想は?

期待を遥かに上回るとても有意義な2日となりました。スタッフの方々のキビキビとした動き、そして、プロ意識に先導され、MBAで勉強したときと同じような気持ちで、頭をフル回転させて、課題に取り組むことができました。リーダシップ実践についての5つの方法のうち、「戦略立案」、「関係構築」、「“ストーリー・オブ・セルフ”、”ストーリー・オブ・アス”、”ストーリー・オブ・ナウ”の3つのストーリ構築」を学びました。分刻みでアウトプットを出す必要があり、頭が真っ白にならないように、時間をかけずに意見を書いていけるように、必死で頑張りました。時には、空欄もできてしまうこともあり、自分の不甲斐なさに、落ち込むこともありましたが、何しろ、落ち込んでいる時間すら与えてもらえません。常日頃、今の時代には思考の速さ、レスポンスの速さが大切だと思って訓練していたつもりでしたが、まだまだ、未熟であることを痛感しました。特に、”ストーリー・オブ・アス”が難しかったです。朝から晩まで, 8-9時間集中して講義を受け、クタクタになっていたので、もうお腹一杯になっていたのですが、何故か、まだ学びたい気持ちの方が強く、可能であれば、夜通しでも続けてやりたかったという気持ちになっていました。それくらい有意義な2日間だったということです。なぜ、そういう気持ちになれたのかを自分なりに考えてみたのですが、理由は3つあります。①希望を持たせてくれるワークショップであること、②スタッフの方の意識とスキルの高さ、③参加された方々のマインドの高さ、になります。また、私自身、2回、参加者の前に立ち、発表をさせていただく機会をいただき、とても励みになりました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

私自身、これまで、たくさんのワークショップに参加してきましたが、ここまで本格的な社会課題解決のためのワークショップには参加したことがありませんでした。社会解決するためには、様々な専門性を持った方々の協力が必要で、共感を得て、巻き込みながら、大きな活動へとつなげていく必要がありますが、ストーリをもって巻き込む力、そして、それを戦略的に行うフレームワークを教えていただき、かつ、それを自分が作ろうとしている取り組みに当てはめていくことができたため、とても有意義でした。本ワークショップが他のワークショップと比べて違う点は、課題をする前に、スタッフの方が手本を見せていただき、それを参考に課題に取り組めた点、そして、スタッフの方の意識とスキルの高さの下支えがあり、参加者を置き去りにせず、課題を進められた点だと思います。各チームは5〜6名から構成されるのですが、そこにリーダとサブリーダに2名のスタッフが参加します。スタッフの皆さんは社会課題活動に自らがリーダとして取り組んでいる方々で、自らがコミュニティオーガナイジングの手法をご活用されているので、質問に対するご回答やアドバイスがとても丁寧で的確でした。また、スタッフの方々がとっても関係性がよく、チームワークが良い点も、目につきました。コーチングの演習前に、参加者の前で、コーチの方が、”悪いコーチ例”と”良いコーチ例”について、お手本を見せてくださったのですが、二人ともに息の合ったロールプレイを繰り広げていただき、とても感動しました。コーチング演習のみならず、他の演習でのお手本も素晴らしかったため、普段から関係性よく、お仕事をされている雰囲気を感じ取りました。そういった雰囲気から、参加者が自ら進んで対話を始める場のステージが上がるワークショップとなっていったと思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

私は、本ワークショップで、下記のオーガナイズセンテンスを作成いたしました。

「統合失調症の社会的入院をゼロにし、統合失調症を抱える家族の方々が”、自分らしく”、共に生きていくために必要なセイフティネット創りを成し遂げるために、当事者をオーガナイズし、セミナーなどを通じリーダ候補者の発掘、育成を進めることで、来年の3月31日までに、鎌倉で社会的入院をなくしていくために立ち上がる、20名の胆力あるリーダ創りを達成します。」日本は世界一精神科病棟が多い国で、世界の精神科病床の総数185万床の内、日本には約32万床のベッドがあり、世界全体の約5分の1のベッドが日本に存在しており、それに比例し社会的入院患者もダントツの多さです。とてもハードルが高いテーマですが、世界を見ると、イタリアでは、1970年代に脱精神科病院を掲げて政策転換し、1998年には全ての精神科病院が機能を停止し、世界で唯一、精神科病院が「過去になった国」があります。幻覚や妄想が主症状となる「統合失調症」は、100人に1人は発症する疾患で、意外と身近な病気です。この疾患は、家族や友人、地域社会といった生活環境によって悪化もすれば、改善もしてゆくのがわかっており、それは、脳機能への生物学的な治療だけでは解決できるものではなく、疾患の根本にある「人間的な苦悩」に対する人間的なかかわりや、社会的にその個人の存在が承認されることによって、改善されてゆくと言われてます。自分ができる範囲から徐々に活動を広げていくために、コミュニティオーガナイジングでの学びを活かし、より多くの困った人たちを、助けていけるように頑張っていきたいと思います。

山見玲加

ワークショップに参加した動機は?

わたしは普段、会社で一緒に働く人たち、また会社に関わる人たちとの関係やコミュニティづくりの仕事をしています。こんな関係でありたいな、こんな関係を目指したいなというのは見えつつも、実際にそれをどのようなステップでつくっていけばいいのかが分かりませんでした。関係・コミュニティづくりはコミュニケーションの仕掛けの積み重ねだと思い、自己流で試行錯誤してきましたがやはりどこか、「これでいいのかな・・・」と不安に思っていました。そんななか偶然、コミュニティ・オーガナイジングのことを知りました。オバマを大統領当選にも導いた手法ともいうので、なんだかすごそうだなー、すごいエネルギーを生み出すものなのかなーと関心を持ちました。コミュニティづくりの体系が示されているものだと思い、まずはどういうものかを学んで、自身の仕事に活かせればいいなと思い参加を決めました。

ワークショップに参加した感想は?

まず、朝から晩まで分刻みのスケジュール×2日間はとても大変でした!笑 そのなかでも大変だったことは、コミュニティ・オーガナイジングの実践を講義を通して頭で理解する時間よりも、自分で実際にやってみる・練習する時間がほとんどだったことです。でも、実際に(時間に追われながら)どんどんやってみたからこそ「なにが理解できていて、できていないのか」や「上手くできなかったこと」「どうして上手くできなかったのか」がはっきりと分かったのでとてもよかったです。また、それをとおして「本当にわたしがチャレンジしていきたいことはなんだろう」と改めて自分に問いかけるきっかけにもなりました。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

あまり多くのワークショップに参加したことはありませんが、印象としては「これでもか!」というくらい「実際にやってみる」「練習してみる」ことに重点が置かれているワークショップだと思いました。またその際に、チームのコーチやメンバーが「安心して失敗できる」環境をつくってくれたので、たくさん失敗しながら学び、気づくことができました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

まずは一緒に働く人たちとの関係・コミュニティづくり、つまり、一緒に働く人が幸せを感じる環境をつくることに活かしていきたいと思っています。これまではその想いや理想はあったものの、実現するためのステップがわかりませんでした。ですが、今回のワークショップをとおして実現のための具体的な戦略の立て方と人(同志)の巻き込み方を学んだので、「会社に関わる人たち」の場合にも置き換えてチャレンジしていきたいと思っています。

2016年3月27日 第1回オーガナイザー祭

bana勇気を持って共に走る仲間が集う!

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特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンでは、2014年の設立以来、ワークショップを数多くの開催し、全国各地・各分野で、受講者の輪と実践の輪が広がっています。次へのアクションを生み出す実践応援の輪をみなさんと広げていく場を開こうと、2016年3月27日に『オーガナイザー祭』を開催することに致しました。ワークショップ参加者の方をはじめ、コミュニティ・オーガナイジングの活動にご興味がある方は、ぜひご参加ください。
 
《こんな方にオススメです》
・COの手法を実践に活かすイメージを掴みたい
・多様な実践事例から学びと気付きを得たい
・共通の価値観、関心を持って活動している人と関わるきっかけがつくりたい
・自分の活動の可能性を広げたい
・実践を相互応援するコミュニティを自分の地域で作りたい
・子育て・教育、介護・福祉、労働などテーマに特化して実践を相互応援できるコミュニティを作りたい
・COワークショップを自分のコミュニティで開催したい
 

《オーガナイザー祭の内容》

【① オリエンテーション】
世界的なコミュニティ・オーガナイジングの動きとコミュニティ・オーガナイジング・ジャパンの活動報告を、特定非営利活動法人コミュニティ・オガナイジング・ジャパン代表理事 鎌田華乃子が行います。
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代表理事 鎌田華乃子
 
【オーガナイザーセッション】
『オーガナイザー祭』では、オーガナイザー一人ひとりが得られた実践からの学びや気付きを共有し、交流を深め、オーガナイザー同士が継続的に実践を応援できるような契機にして行きたいと思っております。
 
(第1部)
オーガナイザーセッション第1部では、ご自身の取り組まれている活動にコミュニティ・オーガナイジングの手法を取り入れられた『まんまるママ岩手』佐藤美代子さん、「想い」をカタチにゼロからオーガナイジングプロジェクトを始められた『ちゃぶ台返し女子アクション』大澤祥子さん、ご自身が活動されている組織の中でオーガナイジングプロジェクトをされている『生活クラブ風の村』の島田朋子さん、3名によるコミュニティ・オーガナイジング実践事例発表を行います。本セッションのコーディネーターは副代表理事 室田信一(首都大学東京都市教養学部准教授)が行います。
11403410_422741347896865_1709589911273165018_n-1-250x159コーディネータ:室田信一
 
(第2部)
テーマごと、地域ごとのオーガナイザーブースに分かれて、オーガナイザーと参加者がインタラクティブに実践活動の共有をする時間を設けております。
 
『特定非営利活動法人 いわて連携復興センター』 葛巻徹さん
『LGBT成人式』 松川莉奈さん
『おせっかいバトン』 本多智子さん
『プレカリアートユニオン』 清水直子さん
『Clinked』 依田純子さん&大野まきさん
『特定非営利活動法人 ソルト・パヤタス』 井上広之さん
『KAKE COMI』 鴻巣麻里香さん
『夢追塾』 園田恵さん
ほか
※「登壇オーガナイザー」情報は順次更新致します。
 
【全員参加型ワークショップ(予定)】
『市民一人ひとりが、自らの価値観にもとづいて能力を発揮し、そのパワーを結集することで困難や課題が解決され、さらにその挑戦が応援される社会』(COJビジョン)の実現へ。オーガナイザー祭終盤のワークショップでは、例えば、「実践を相互応援するコミュニティを自分の地域で作りたい」「子育て・教育、介護・福祉、労働などテーマに特化して実践を相互応援できるコミュニティを作りたい」「コミュニティ・オーガナイジングのワークショップを自分のコミュニティで開催したい」など、参加者の方から出していただいた話したいテーマを題材に、興味・関心を持った人同士で輪を作り、具体的なアクションに向けたキッカケ作りを行います。
 

《イベント概要》

■日時
2016年3月27日(日)
開場 12時30分
開始 13時
終了18時
※途中入退場可
 
■開催場所
日本財団ビル
〒107−8404 東京都港区赤坂1丁目2番2号日本財団ビル
 
【最寄駅】
東京メトロ 銀座線「虎ノ門駅」 徒歩5分
東京メトロ 南北線・銀座線「溜池山王駅」 徒歩5分
東京メトロ 丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前駅」 徒歩5分
 
【JR東京駅から】
東京メトロ 丸の内線に乗換え→「国会議事堂前駅」(駅間所要時間 7分)
 
■ 対象者
コミュニティ・オーガナイジングワークショップ参加者・参加予定者
社会問題の解決に関心のある方、草の根活動を広げたい方
※NPOリーダー、市民活動のリーダー、企業のリーダー(企業規模や役職に関わらず)、行政担当者など
 
■参加費 
一般 2000円
学生 1000円
 
■申込み・支払いサイト
 
■問合せ・連絡先
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン
〒105-0004  東京都港区新橋4-24-10 アソルティ新橋502
E-mail: info [at] communityorganizing.jp
担当:コーディネーター 杉本篤彦
 
■主催
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン

<コミュニティ・オーガナイジングとは>

市民1人ひとりの力は小さいが、沢山の力が合わさることで強い力が生まれ、問題解決に立ち向かえるようになる。そのために市民1人ひとりが主体性を伸ばし、共有する価値観のもとに協力し、共に学び成長しながら、問題解決を目指すことをコミュニティ・オーガナイジングといいます。
■参考情報
コミュニティ・オーガナイジングやCOJについてメディアで掲載された情報
● “物語”の力が社会を変える|NHK クローズアップ現代
● 「コミュニティ・オーガナイジング」を通じて、一人ひとりが社会変革の主役となるには ~マーシャル・ガンツ博士 特別講義|現代ビジネス
● 「日本人に眠る能力を引き出したい」オバマ氏を大統領にした「コミュニティオーガナイジング」を広める鎌田華乃子さんに聞く「未来のつくりかた」|ハフィントンポスト
 

ちゃぶ台返し女子アクション Vol.2 (大澤祥子)

※2016年3月ニュースレターより

昨年7月にCOJ代表の鎌田華乃子さんと始めた「ちゃぶ台返し女子アクション」というコミュニティ・オーガナイジングプロジェクトで実施したアクションリサーチとピークアクションをご紹介します!

ちゃぶ台返し女子アクションとは?

社会でいわれる「女性らしく」ではなく、すべての女性が「自分らしく」生きられる社会を作るために、「今の状況を変えたい」という女性達と共に、女性自身が声をあげ活動する基盤を作り、具体的な問題に対して社会の行動・問題意識および政策に変化を起こすことを目指しています。今年に入り、対話形式のインタビューを通して問題を言語化する「アクションリサーチ」と、可視化された「生きづらさ」を変えていこうと発信するパブリックアクション「ガールズ・パワー・パレード2016」を実施しました。

ウェブサイト:https://www.facebook.com/chabujo/

アクションリサーチでは、どのようなことをしたのか?

今の社会で生きる女性が何を感じているかを可視化するため、また女性同士が対話を通して問題意識を共有するために、参加型のアクションリサーチを実施しました。ちゃぶ台返し女子のメンバーが友達・知人のインタビューをし、インタビューを受けた方が今度はその方の友達・知人にインタビューを実施するという手法で、65人の女性たちの声を集めました。対話を通して、働き方から家庭環境など幅広いテーマについて思うこと・感じることをインタビューしました。その中には、ひとりの個人である前に、よき母や妻、娘という役割を果たすことを求められたり、周りに対して従順で可愛らしくあることを期待される、というプレッシャーを感じているという声もありました。また仕事の面では、長時間労働が当たり前となっている職場で将来子育てをすることへの不安を抱えていたり、職場の華や飾りとして扱われ嫌な思いをしている人もいました。また現状に対する不安や怒りの声だけでなく、その人の芯の強さを感じられる、自分らしさを応援するパワフルで前向きなメッセージもありました。女性たちが感じるリアルな生きづらさ、そしてその中でも前向きに自分らしく生きている姿が映し出されているこれらの声は、ホームページ上の専用ページ(www.chabujo.com/voice)でご覧いただけます。

「ガールズ・パワー・パレード2016」とは?

2016年2月28日には、キャンペーンのピークアクションとして「ガールズ・パワー・パレード2016」を開催しました。女性を応援するフェミニストアーティスト団体の「明日少女隊」とのコラボレーションで実現したアクションです。「『役割ではなく、自分らしさ』の輪を広げる」「そのままの私は価値がある」「自分のために生きるのは、ワガママじゃない」「NOといえるワタシ」と書かれたオシャレなプラカードを持ちながら、“Do we have power?”“Yes we do! We have power!”の掛け声とともに、表参道の交差点を笑顔で渡りハイタッチする!という、ちゃぶ台返し女子アクションにとって初めてのパブリックアクションでした。当日はなんと、社会が押し付けてくる「役割」にとらわれず「自分らしく生きたい」と願う50人の方々が参加しました。最初は恥ずかしくても、仲間の存在や、周りからのエールに勇気付けられ、最後は楽しそうに声を出していました。参加者の笑顔につられ、飛び入り参加する通行人の方達もいました。パレード後の懇親会には37人もの方々が参加し、「楽しかった」「また参加したい」という声がたくさん聞こえました。

今後の展望
2月28日のパレードで一つのキャンペーンの終わりを無事迎えることができましたが、ちゃぶ台返し女子アクションは誰もが自分らしく生きられる社会の実現を目指し、これからも活動を続けます。今後は、これまでの活動の中で明らかになってきた女性が感じている生きづらさを無くすような具体的取り組みをしていきたいと考えています。例えば、託児オプションを増やすことや、パートナーシップを対等にする取り組みなど、特定の問題に対して直接アクションをとり、誰もが自分らしく生きられる社会を、私達の手で作っていきたいと思います。それに向けての第一歩として、自分らしく生きられる社会を作りたいと思う女性たちと共に具体的なアクションを考えるキックオフ・ミーティングを4月17日(日)13:00~17:30に開催します。ミーティングへの参加にご興味がある方は、是非ちゃぶ台返し女子アクション email hidden; JavaScript is required までご連絡ください。

 ※2016年3月ニュースレターより

オーガナイザTIPS『マインドフルネス(Mindfulness)』(理事 依田純子)2016年3月のニュースレターより

※このコーナーでは、ワークショップを受講頂いた方、オーガナイザーを志す方にとって活動のヒントとなるような内容をお届けします。今回は書籍の紹介です。

『マイドフルネス』 エレン・ランガー 
 “Mindfulness” Ellen Langer

人生を変えた一冊でもあるハーバード大学の心理学部のエレン・ランガー教授の1989年に出版された“Mindfulnessマインドフルネス“に出会ったのはガンツ教授のオーガナイジングのクラスの必読書のリストに載っていたことがきっかけです。 最近マインドフルネスという言葉をシリコンバレーのIT企業のビジネス研修などでよく見かけます。心理学者の観点から日常に起きうる事例や体験、実験を散りばめたこの本はとても読みやすく日本では『心の「とらわれ」にサヨナラする心理学』の題で出版されています。

パート1は幼児期から教え込まれた常識や教育が知らぬ間にパターン化されマインドレス(気づきがない)な行動や習慣を導いている実態。マインドレスは私たちの可能性やスキルを限界的なものにし、社会は大きな代償を支払っている現実がある。パート2はマインドフルネス(気づき)が健康であること、また差別や中毒などの軽減にも有効であること。プロセスを優先し意識を広めるマインドフルネス(気づき)はオーガナイジング・キャンペーンの創造性やコーチングの傾聴、そしてパブリック・ナラティブのセルフやアスを知るのに使えるプロセスではないでしょうか。

その後”Counter clock wise”日本語訳『老いに負けない生き方』、”On becoming an Artist: Reinventing yourself through Mindful Creativity” と“The power of mindful Learning”の3冊全部を読み、教授のクラスまで行く程はまりました。心理学科部初の女性教授のランガー先生は作家、教授、アーティスト、テニスプレヤーでもあり、とてもマルチな方です。