渡真利 紘一

ワークショップに参加した動機は?

想いや、活動ミッションを他誰かと共有することで、アクション輪を広げていく際に大切となる準備やスキルを学びたいと思い参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

「コミュニティ・オーガナイジングなんて、自分にできるだろうか」と私も研修に参加するまで不安を抱いていた一でした。研修では講義とともにグループワークによって取り組み段階ごとイメージをつくれたことは大きいと感じます。
そして結局ところ、ひとりと対話を積み重ねることが大切だと実感しました。

今まで参加してきたワークショップと違いは何ですか?

講義もワークも時間管理を徹底し、2日間アップテンポをキープしたプログラム設計になっていたことです。これほど真剣に多く学びをギュッとつめこんで提供される研修メニューは初めてでした。内容充実だけでなく、アップテンポで取り組むこと効用もあったと感じます。

コミュニティ・オーガナイジングを今後活動にどう活かしたいですか?

一個一家族という単位で何とか生きていかなくてはいけないといった社圧迫感を少しでも解消するために、現在暮らしている台東区谷中というまちで、自分家を開く「住みびらき」や、自分物を「まちへ持ち寄る」体験を通じて、地域ひとたちが互いに役割をもち、自然に支え合える素地を耕せたらと思っています。
同志に活動ミッションを伝え、相手想いや目標に寄り添い、
一緒に共通ミッションをつくる。そして共有した目的に向けて役割を分担し進めていく。すべてに、コミュニティ・オーガナイジング考え方やスキルが活かせる。そう感じています。

第5回主催ワークショップ、2016年6月コミュニティオーガナイジングトレーニング

2016年6月4〜5日 東京港区、日本財団ビルにて、「第5回主催ワークショップ、2016年6月コミュニティオーガナイジングトレーニング」を開催いたしました。

福祉団体職員、労働組合員、社会起業家、NPOリーダ、学生など、37名の方々に参加いただきました。参加された皆様は、日頃より社会課題解決に取り組んでいて、更に一歩先に歩みを進め、良い社会を作り上げていきたいという熱い思いを持たれ、全国各地からお集まりいただきました。

 

ドキドキの1日目は ”チェックイン”から始まりました。一人30秒の持ち時間の中で、「きっちりやれるか?」、「しっかりCOを学びたい。」など、期待と不安が入り混じる中、トレーニングはスタートしました。

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チェックインが終わったところで、”導入”セッション。鎌田COJ代表理事が、自身のセルフ(私の物語)を始め、コミュニティ・オーガナイジングの活動事例などを説明。その後、今回のトレーニングの目的、”ノーム(参加者全員が守るべき約束事)”、”ノームコレクション(約束事を破った際にやること”を皆で話し合って決めました。目的は、”問題解決のきっかけを作る”, “COを学ぶ”、ノームは、”時間を守る”、”否定をしない”など、たくさんのノームをいただきました。ノームコレクションは、”おさるポーズで反省”と”歌”。皆様から活発な意見もいただき、場もどんどん盛り上がってきました。

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“導入”後の最初のセッションは、”戦略I”。ここでは、参加者の皆様が現場で抱える課題に対して、戦略的ゴールと大ゴールを設定し、一緒に戦略を実現していく同志と、どのような方法で、いつまでに、どのようなステップで実施していくかを整理しました。限られた少ない時間の中、プレッシャがかかるなか、それぞれコーチからの手厚いアドバイスと激励のもと、個人ワークを進めていただきました。ワーク後は、講義形式の場に、走って戻っていただき(時間通りに戻らないと、ノームコレクションがあるため)、最後は、何人かの方々に発表いただき、担当講師から厳しくも優しいアドバイスをしました。

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“戦略I”終了後、ここからセッションは、心の深いところに、介入していきます。まずは、”コーチング”でした。COのコーチング。パラフレーズ(相手の反応の言い換え)と質問しかしちゃいけません。普段の会話とは違った形で、チームの中で、ペアを作りお互いにコーチングしあいます。どうしても提案をしてしまったり、質問が上手にできなかったりしましたが、最後の方は、皆さんうまくお互いにコーチング出来るようになりました。質問をしながら、心、スキル、戦略、どこに問題があるかを診断し、コーチを受ける側が主体的に答えを見つけられるように介入をしました。「知らないうちに次のステップが見えていました。」など、コーチング手法の効果について、手応えを感じられた方もたくさんいました。

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次はいよいよ”ストーリー・オブ・セルフ(私の物語)”。自分を語っていただきました。自らが今やろうとしている活動について、それぞれが持っている価値観をベースに、これまでどのような困難を乗り越え、どのような選択をし、今どのような結果に至っているのかを、心の深いところに手を伸ばして、セルフを作り上げていただきました。自分にできるかなという不安がある中で、2分という短い時間の縛り、ストーリーを伝えることの難しさ、情景や感情を言葉に表すことの難しさを見事乗り越え、皆さん見事にこのワークをこなしていました。最後はグループの代表で選ばれた3人のストーリーを全員で見聞きし、情景や感情溢れるストーリーに、感動して、涙する人も見られました。

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1日目終了後の懇親会。予定時間をオーバーするほど、大いに盛り上がり、参加者の皆様、また、コーチ陣とのふれあいを深め、2日目への英気を養ってました。

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2日目は、エナジャイザー(エネルギーと活力を与える時間)からのスタート!コーチが発する数字の人数を集め、手を合わせて、輪を作ります。次に輪を作るときには、同じ人が入らないようにする点が難しく、でも、楽しみながら、体を動かしながら、頭の体操をしました。朝から、手に汗握り、まさに、エナジャイズしました!

 

2日目の最初のセッションは、”関係構築”。セルフで価値観の深堀を1日目で終えていたので、それに基づき、お互いの関心や資源を探りながら、共通の目的を作り出し、資源を交換し、次へのステップのコミットメントをとりました。「動機を掘り下げることで、一見なさそうに見える、共有の関心事が見えてきて、関係構築が進んだ」とのコメントも頂きました。

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次は、”チーム構築”。こちらは、コーチは参加せずに、参加者の皆様、それぞれに役割を持っていただき、同窓会のリーダシップチーム構築を作っていただきました。”開会”、”ここにいる理由”、”共有目的”、”ノーム作り”、”役割決め”、”チーム名・チャント”、”行動へのコミットメント”、”閉会”まで分刻みのスケジュールを、チームメンバ間の信頼、そして、これまでのワークをやりきってきた自信を糧に、しっかりとこなしていただきました。

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2日目の昼食は、1日目よりも早く、いろいろなチームの方と交流を持っていただきました。自分のチーム外の参加者との交流も深められたと思います。

名残惜しくも、午後で、本トレーニングも終了。午後の一発目のセッションは、”ストーリー・オブ・アス(私たちの物語)”。このトレーニングにおける”アス(私たち)”を作っていただきました。セルフと比べても、アスは難しく、特に参加者皆が一体感を持って、頷いてくれるストーリーを、皆さん懸命に作っていただきました。セルフを実施した後、皆がどんどん自信をつけて、発言したり、一歩前に進んで、自らがチームメンバにコーチングするなど、自発的、主体的にワークが進んでいきます。

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“戦略II”。こちらは1日目の”戦略I”からの続き。戦略的ゴールを実現するための、戦術を徹底的に考え、優先度の高い戦術の実行に必要なリソースやタイムラインを作っていただきました。疲れがピークにさしかかっている中でも、参加者の皆様から、熱いコメントをいただきました。「戦略Iで作ったものを踏まえ、これまでのセッション内容から戦略をもう一度見直し、戦術を出していくことで、より精度の高いタイムラインを作り上げることができた」、「実施にできそうだなと思うと、モチベーションが高まり、アクションを起こせるビジョンを描けた」

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最後の講義は、”ストーリー・オブ・ナウ(今の物語)”。疲労もピークに達し、最後の力を振り絞ってのセッションになりました。最終講義、参加者の方はメモを必死でとり、ビデオ(ガンジー)鑑賞後には、感動で、拍手をする方もいらっしゃいました。その後、個別ワーク。自らのストーリーを、行動しなかったら、どのような困難があり、行動したら、どのような希望があるかを、コミットメントも含めて、作り上げました。そして、これまで学習してきた、セルフ、アスと組み合わせて、パブリックナラティブに統合していただきました。最後は、各チームから代表者が発表となりましたが、皆本当に上手になって、びっくり。こんなに人を感動させるストーリーを2日間で作ることができることに本当に感激しました。

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2日間の振り返りの前に、今後自分の現場に戻り、実践をしていく上での作戦作りをしていただきました。同志メンバの抽出とアクションを考えていただきました。コーチが伴走して、皆さんの戦略実現をサポートするChange Factoryプログラムの紹介もありました。早速参加の申し込みをされた方もいて、今後の動向に目が離せませんね。

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 そして、そして、2日間の振り返り。参加者全員が輪になり、一人持ち時間1分弱で、2日間の感想を述べていただきました。不安を抱えて初日を迎えた皆様が、この振り返りの場では、一人一人の発言から力強い自信がみなぎっていて、現場に帰って、一歩前に進むためのスキルを身につけることができたことを実感し、とても充実した2日間となって、本当に良かったと思います。 

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皆様、本当にお疲れさまでした。これからも、社会課題を抱える困った方々のために、一緒に立ち上がっていきましょう!

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レポート 福士 浩(Aチームサブコーチ)

 

 

中野宏美

ワークショップに参加した動機は?

1)NPOで取り組んでいる、性暴力撲滅に向けた、ムーブメントを起こしたい
2)NPOのメンバーが、それぞれの持つ力を最大限に発揮し、社会で活躍することを応援したい
3)NPOを通じて出会う、性暴力を経験した人、身近な人が性暴力を経験した人が、自分の人生に誇りを持ち、自分の力で幸せで健康な人生を歩んでいくことを、エンパワメントしたい

ワークショップに参加した感想は?

1)誰もがリーダーとなる力をもっている(私はまだまだ修行が必要なので、50年後くらいまでには、地域住民をオーガナイズしまくっている、「オーガナイズばあさん」になれるよう、がんばりたいです)
2)誰もが仲間となり、つながる力をもっている(「自分は一人じゃない」と思える)
3)「市民の力で社会をもっとよくしたい」と考える、ステキな人がたくさんいる(「良いワークショップの一番のメリットは、良い人脈ができること」と言われますが、COJのワークショップは、まさにこれに当てはまります)

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

1)体験&実践型(どんなにやる気のない人でも「やらなきゃ損!」と思わせる)
2)3人に1人コーチがつき、個別丁寧に対応してくれる(どちらが参加者かわからないくらい熱心なコーチたちが、励ましのシャワーを浴びせ続けてくれる)
3)ワークショップ後の活動も後押ししてくれる(というか、尻を叩かれる)

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

1)現在(2016年春)進んでいる、刑法性犯罪罰則規定見直し&性暴力被害者支援法実現に向けた機運を盛り上げたい
2)NPOのメンバーの夢を実現するお手伝いをすることで、個々のスキルを高め、NPOとしての活動の幅を拡げ、性暴力撲滅により一層近づくことのできる、有効な事業を実現したい
3)性暴力を経験した人、身近な人が性暴力を経験した人が、自身の経験と向き合うことを勇気づけることで、当事者同士がつながり、その声を社会に届け、性暴力を許さない風土を醸成したい

喜田亮子

ワークショップに参加した動機は?

職場でともに働く仲間との関係の中でも助成という事業を通じても一人ひとりの主体性、リーダーシップの発揮が重要だと感じていました。自分自身は、職場でリーダーという立場となっても、人を引っ張っていけるような能力もなく、自信を持てずにいました。よくあるリーダー論とは違い、コミュニティーオーガナイジングでは、「誰もがリーダーである」という考えが基礎にあるというのを知り、誰もが自分なりのリーダーになれる、しかもそれを生まれながらの性格や能力ではなく学びを通じて身につけることができるということに可能性を感じ参加しました。

ワークショップに参加した感想は?

1つは、誰もがリーダーになれるというのを実感しました。チーム演習の時には、それぞれが役割を持って挑み、それぞれが個性的なファシリテーションを実践し「できるんだ!」と驚きました。もう1つには、story of selfの持つ力です。理念や戦略だけを語られるより、共感度が一段階あがるのを実感しました。story of selfというと人とは違う特別な経験がないと語れないような印象がありますが、誰にもそれぞれのstoryが語れるものだというのは発見です。とてもつらい経験に基づくお話をされた方もいて、「私なんて普通の人間だからなあ~」と気後れもしましたが、コーチに聞かれながら答えていくうちになんとか語ることができました。ちなみに私はあまり優秀な受講者ではなく、関係構築の演習では、全然相手の方に質問もできず詰まってしまいましたが、失敗しても全然平気な雰囲気だったことも良かったです。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

とにかく休む暇なしの2日間でした。各演習が非常に細かく時間設定されており、かつ時間厳守な点が特徴です。自転車と同じで失敗してうまくなるとのことでしたが、時間が設定されているので、失敗したときに時間のせいにできるという逃げ道にもなり、それが精神的によかったのかなと感じました。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

まずは、身近な人との関係構築に活かしていければと思います。また、story of self/us/nowの組み合わせで語るというのはあらゆる場面で有効と思いますので、日常的にこの3つの構成で物事を伝えていくことを意識し、活かしていきたいと考えています。

情報・知識事典 imidas(イミダス)にCOJ代表鎌田華乃子と湯浅誠さんの対談が掲載されました。

情報・知識事典 imidas(イミダス)にCOJ代表鎌田華乃子と湯浅誠さんの対談が掲載されました。湯浅さんは過去ガンツ博士が来日された際にWSに参加されています。

ハーバード流!草の根リーダーの育て方
【特別対談】湯浅誠(社会活動家/法政大学教授)×鎌田華乃子(特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事)
〜マーシャル・ガンツに学ぶ、社会を変えるための新しい発想

「コミュニティ・オーガナイジング実践ガイド」のご紹介 2016年5月ニュースレターより

コミュニティ・オーガナイジングの実践支援を行っているオーガナイジングチームでは、去る3月に「コミュニティ・オーガナイジング実践ガイド」を作りました。

これは、2015年度にコミュニティ・オーガナイジング実践に取り組まれた9名の方(オーガナイザー)の実践記録です(一部は2014年度から)。プロジェクト概要(誰のどんな課題解決を目指しているか、なぜ取り組んでいるか、オーガナイジング計画)、実際のプロセスとそこから得た学びと、コーチング担当者によるスキル解説をまとめています。

うまくいったことばかりではなく、問題が起きたときにご自身と仲間の力でどのように乗り越えたかについてもつづってくださいました。率直なコメントの中に、他の人々がもつリーダーシップを見出し、伸ばして、コミュニティの力で地域や特定の人たちの困り事を解決するために頑張ってきたオーガナイザーの強さを感じ取っていただける内容になっていますので、ぜひお読みください。

http://communityorganizing.jp/co/co_guide2015/

私もコミュニティ・オーガナイジングを活動に取り入れたい、という方がいらっしゃいましたら、email hidden; JavaScript is requiredまでご連絡いただければ幸いです。

*本実践ガイドは公益財団法人日本財団様のご支援で作成しました。

(COJ理事 松澤桂子)

COJメンバーからのメッセージ(理事 林大介)2016年5月ニュースレターより

かれこれ20年以上、市民活動の世界で生活してきている。

基本的に私の活動分野は「子ども・教育」であるが、一口に「子ども」といっても、不登校、障がい児、遊び場、虐待、文化・芸術、スポーツ、環境、外国籍、LGBT、性、子どもの貧困、キャンプ・野外活動、自然体験などなど、テーマや活動分野は様々。

子どもを取り巻く環境は確かに変化しているが、子どもそのものは変わっていなく、子どもと接する大人が変わってきていると感じることがある。

というのは、“大人が描く子ども像”を押し付けようとする大人が、結構いる。
なぜ、子どもを自由にさせないのか。お決まりの枠にはめようとしてしまうのか。

「みんなちがって みんないい」「十人十色」と言いつつも、違っていることを指摘し、同一化してしまおうとする“力”を働かせる大人がいる。
個性以前の問題として、“異なる”ということを受け入れることができない大人がいる。
そして、そうした大人に限って「自分は子どもの主体性を尊重している」と言いつつも、自分の価値観を押し付けようとしたりする。。。

とはいえ、大人自身も“自分”に対する評価や見られ方を気にせざるをえない社会状況もあり、だからこそ、良かれと思い“こうあるべき”と子どもと接してしまうのであろうか。

自分の価値観を押し付けるのではなく、多様な価値観を尊重すること。
そのうえで、自分の価値観を他者に伝え、共感を呼び起こすこと。
これは、「男/女」「健常者/障がい者」「国籍」「出身」「学歴」といったことに関係ないように、「子ども/おとな」という年齢・世代にとっても関係ないことである。
同じ人間としてどのように向き合うのか。向き合えるのか。向き合うべきなのか。
改めて、その難しさを感じている。

COJ理事/子どもの権利条約ネットワーク事務局長 林大介

大宮透

ワークショップに参加した動機は?

一緒にプロジェクトを進めている数名のコアメンバーと、それぞれが根っこの部分で持っているプロジェクトや町に対する思いと、その背景を共有したり理解したかった。また、自分たちのプロジェクトを通じて、より多くの人々を巻き込む方法論や考え方を学びたかった。

ワークショップに参加した感想は?

人を動かす、一緒に動き出すための3つの要素(Story of self/ Story of us/ Story of now)や、それを語れるものにするためのプロセスをわかりやすく学ぶことができた2日間でした。その中でも、Story of usを語ることが自分に足りていなかったこと、だからこそ巻き込めない人々がいたことを自覚できたこと、これが何よりの収穫でした。同じプロジェクトを進めている数名でそんな思いを共有しながら、一緒にStory of usを作っていくことができた時間は、今後につながるとても貴重な時間でした。

今まで参加してきたワークショップとの違いは何ですか?

一つ一つのレクチャーが端的かつ参加型で、レクチャーごとに実践的なワークショップが用意されている点が、とても学びやすい形だなと思いました。
また、ワークショップでは小さなグループごとに講師の方がサポートに入ってくださり、痒いところまで手がとどく指導をしてもらったことも、学びを深める上ではとてもよかったです。
タイムマネジメントが厳しいワークショップでありつつも、そこまで詰め込み感を感じなかったのも、ワークショップを少人数で丁寧に行ってもらったからだと思います。

コミュニティ・オーガナイジングを今後の活動にどう活かしたいですか?

自分の思いを、他者の思いと共鳴させ、活動の広がりを大きくしていくこと。若者会議は、裾野を広げる努力を続けていかなければいけないプロジェクトだと思っています。今回のワークショップを通じて得た考え方を若者会議のこれからの展開に生かしていきたいと思います。

第1回オーガナイザー祭~勇気を持って共に走る仲間が集う!~

 オーガナイザー祭全体報告

オーガナイザー祭 コーディネーター: 杉本篤彦

  2016年3月27日(日)に『勇気をもって共に走れる仲間が集う オーガナイザー祭』を開催させていただきました。登壇者12名、当日COJ運営スタッフ15名、参加者57名の総勢84名が当日参加し、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンの取り組み(ワークショップ・実践伴走)の共有、オーガナイジング実践者の取り組み発表、次のアクションへの一歩につなげるワークショップを通じて、2014年1月のコミュニティ・オーガナイジング・ジャパン発足から現在に至るまでの取り組みの成果をみなさんと振り返ることができ、また参加者のみなさんから「勇気をもらった」という声を数多くいただき、『オーガナイザー祭』をみなさんと一緒に作ることができて大変嬉しく思っております。

  私自身、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンの活動に、ワークショップ参加者から、ワークショップコーチとして、そしてオーガナイザー祭に関わらせていただく中で、コミュニティ・オーガナイジングの手法を実践されている様々な方の後ろ姿を見ることによって、勇気付けられ、少しづつ自らの実践に取り入れることを学びました。気付いた時には、コミュニティ・オーガナイジングを学んだ人たちの中のお互いを勇気づけ、学び合うコーチングコミュニティの中におりました。

 今回オーガナイザー祭に参加された方も、そうでない方も引き続き、勇気をもって共に走れる仲間の輪を広げていくことができるように当日のオーガナイザー祭プログラム内容と当日資料を一部掲載させていただきました。

 来春、より多くの実践事例や、勇気をもって共に走れる仲間が集う『オーガナイザー祭』にて、またみなさんとお会いできることを楽しみにしております。

 

オーガナイザー祭プログラム内容・当日資料

 オーガナイザー祭プログラム内容と当日資料をご紹介させていただきます。

 『オリエンテーション』

 オリエンテーションでは、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンのこれまでの歩みを代表理事鎌田華乃子、実践活動支援の取り組みを理事の松澤桂子、小田川華子、依田純子の3名でご紹介しました。

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 《資料添付》
オリエンテーション資料

『セッション1』

 セッション1では、副代表理事室田信一がモデレーターとなり、コミュニティ・オーガナイジングの手法を導入された3つの代表的な事例(ご自身の組織に取り入れた『生活クラブ風の村』島田朋子さん、ゼロからキャンペーンを立ち上げた『ちゃぶ台返し女子アクション』大澤祥子さん、ご自身が立ち上げた活動に取り入れられた『まんまるママいわて』佐藤美代子さん)をご紹介しました。

《資料添付》
セッション1議事録

 《資料添付》
登壇者資料(『生活クラブ風の村』島田朋子さん)

《資料添付》
登壇者資料(『ちゃぶ台返し女子アクション』大澤祥子さん)

 《資料添付》
まんまるママいわて佐藤美代子さん

『セッション2』

 セッション2では、コミュニティ・オーガナイジングの手法を導入した実践事例の共有を、参加者のみなさんの興味・関心の高いテーマごとにブースに入っていただき、質疑応答や意見交換を行いました。

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発表者は以下の通り

 『いわて連携復興センター』葛巻徹さん(地方創生)

『KAKE COMI』鴻巣麻里香さん(貧困)

『LGBT成人式』松川莉奈さん(人権)

『おせっかいバトン』本多智子さん(子育て)

『ソルト・パヤタス』井上広之さん(貧困)

『プレカリアートユニオン』清水直子さん(労働)

『Clinked』依田純子さん・大野真貴子さん(人権)

『夢追塾』園田恵さん(高齢者福祉)

 

その中から、『Clinked』依田純子さん・大野真貴子さん(人権)(担当 鎌田華乃子)と『KAKE COMI』鴻巣麻里香さん(貧困)(担当 松澤桂子)の当日発表の様子をご紹介します。

 《資料添付》

『Clinked』依田純子さん・大野真貴子さん(人権)(担当 鎌田華乃子)

《資料添付》
依田純子さん・大野真貴子さん資料

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《資料添付》

・『KAKE COMI』鴻巣麻里香さん(貧困)(担当 松澤桂子)

《資料添付》
鴻巣麻里香さん資料

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『セッション3』

 セッション3では、オーガナイザー祭での実践共有と参加者同士の交流を経て、次のアクションへの一歩につなげるためのワークショップ(担当 笠井成樹)を開催しました。参加者同士で複数のチームに別れて考える「祭りチャント」では、 「メンバーをオーガナイズしてパワーが高まっていく様子」をテーマに各グループにて発表を行い、次年度のオーガナイザー祭から使われる『祭チャント』が生まれました。

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オーガナイザー祭を最後に締めくくるワークショップでは『宣言シート』を「オーガナイザー祭の中で勇気をもらえた時はいつですか?」「あなたが責任を引き受けて、アクションしたいことは具体的に何ですか?」「(アクションを)実現するために、COJに求めるものはありますか?」「ここにいる仲間に求めるサポートはありますか?」という問いに沿って個人ワークとペアワークの中で完成していただきました。

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最後は、大きな車座を2つに分けて作り、参加者全員でオーガナイザー祭を受けての次のアクションを宣言し、オーガナイザー祭を締めくくりました。

 

オーガナイザー祭を振り返って

コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事:鎌田華乃子

  今回オーガナイザー祭りを初めて開催し、オーガナイザーの方々の実践と生の声と、COJのスタッフによるコーチングがどういったもので、どんな効果があるものか共有する機会を設けることができ、本当に嬉しく感じています。お越し下さった参加者の皆様から「勇気をもらった」という声が沢山聞こえただけではなく、COJ一同が自分達の仕事と存在価値を改めて感じることができた貴重な機会でした。

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2015年度は4−5人の実践者をグループにし二週間に一度程度ピアコーチング(実践者同士)とCOJコーチによる一対一のコーチングを組み合わせた個人向け実践伴走と、組織を定期的に訪問しコアとなるメンバーにコーチング、トレーニングを行う組織向け実践伴走を試みました。その結果、13人の個人の実践者が生まれ、2組織が実践に取り組み、発展途上ではあるものの、社会変化を起こしつつあります。

3年目の2016年度は実践伴走とワークショップを有機的に組み合わせ更に実践が生み出されるきっかけと、実践者が勇気をもって走りきれる土壌を作りたいと思っております。

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全国の若者会議関係者へのコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ in 小布施町

2016年5月4日、5日に小布施町役場で全国の若者会議関係者を主な対象者としてコミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ(以下COワークショップ)を開催しました。

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きっかけは四国若者1000人会議の瑞田信仁さんとさっぽろ若者会議を立ち上げた高山道亘さんが全国の若者会議が集まる場を創ろうという話になり、小布施若者会議の大宮透さんに相談し、東北若者10000人会議の田中草太さん、信州若者会議の藤原正賢さんも主催者に加わり準備を進めてこられました。またスペシャルゲストとして、京都でのCOJ関連のワークショップでいつもお世話になっているNPO法人場とつながりラボhome’s vi代表の嘉村賢州さんもスペシャルゲストとして参加していただき、二日目の朝には京都市で嘉村さんが場づくりされた京都市100人委員会のお話をしていただきました。

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今回のワークショップの開催趣旨は、「チームビルディング」や「コミュニティ形成」等のスキル的なことを学ぶことや、各地の取り組みについて情報交換を行うこと。このことは参加者にもそれとなく伝わっていたと思うのですが、COワークショップを受講されたことがある皆さんならご存知の通り、事前に分厚いテキストが紹介されはしますが、受講しないとどのような内容なのかイメージを持つことが難しく、不安というかアウェー感がぬぐえなかったと思います。そのような不確実な状況に追い打ちをかけるように当日の小布施町は最高の天候で、爽やかな新緑に囲まれており、僕自身二日間役場の会議室に缶詰めというワークショップにかなりの抵抗感がありました。

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そのような中、全国からご参加いただいた20名の皆さんと4名のコーチ陣でワークショップを進めていくことになりました。

そのような不安を取り除くきっかけになったのは冒頭みんなで30秒自己紹介をする中で、普段の知らない面を共有したことや、みんなで「一人目に引っ張られない」「自分に正直に」「かっこつけない」「若者会議にこだわり過ぎない」「助け合う」「支え合う」「時間を守る」等のノーム(グランドルール)を出し合ったこと。さらにそのノームを破った時にノームコレクションを実行することで「みんなで決めたことを守ることでより良い場ができる」という空気が醸成されていきました。結果として二日目には主体的に意見を言い、協力しあうことで深い学びの場づくりに参加者全員が関与し、安心した場になっていったと思います。

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個人的な感想としてやはりCOにおいて『関係構築』は大事だなと感じたのですが、今回私は名古屋若者会議のメンバーが集まったチームのコーチを担当したのですが、高校生が1人、大学生が3人、社会人が1人という構成で他の若者会議よりも世代が若く、比較的普段から一緒に活動しているのですが、1対1の関係構築のための8分間の対話(共有する価値観を見つけるワーク)を行う中で「こんな風に話したのは初めて」という言葉を聞き、本気でこのワークに取り組んでいるなと思えたし、このワークの意図が伝わってよかったなと改めて思いました。

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今回のワークショップの全体の感想の共有の中で一番多かった感想が「Story of usの難しさ」についてだったと思います。若者会議を行う中で、なぜ自分が若者会議に取り組んでいるかを語ることや、企画内容を説明し、一緒にやろうと誘う機会はあったと思うのですが、一緒に若者会議を作っていきたい仲間(同志)が共通して持つ価値観について考え、その仲間(同志)をつなぐストーリーを考えることは普段意識しきれていなかったと思います。このような活動をすると少し周りから浮いてしまうこともあるかもしれません、しかし一部の特別な人間だけで若者会議をやっていきたいとはみんな思っていなくて、より多くの人たちに関わっていってもらいたいと考えている。そのためには、1対1の対話を行うと共に、共通する価値観に根付いたストーリーを語ることに意義があるかもしれないと少し思っていただけたのではないでしょうか。

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最後になりますが小布施の皆様には本当に大変お世話になりました。三日間も宿泊させていただいた大宮さん、ロジを担当してくれた木口さんをはじめ関係者の皆様、二日間会場を提供してくださった小布施町の関係者の皆様、本当にお世話になりました。ご飯も美味しかったし、温泉も最高でした。高井鴻山が佐久間象山と議論した逃げ道が用意されている部屋はいろいろと思いを巡らすことができました。また訪ねたいと思いました。

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今回の滞在を次に活かしていきたいと思います。ご参加いただいた皆様、一緒にワークショップを準備した講師・コーチ陣、これからも一緒に面白いことを仕掛けていきましょう。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン

副代表理事 池本修悟

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