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2019年08月30日
2019年度活動報告④

みなさんこんにちは。事務局長の安谷屋です。
2019年度は、こちらのスタッフブログでNPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下COJ)の活動実施報告をしています。今回はその4回目です。

【1:組合員自らが立ち上がり持てる力を発揮する労働組合運動を コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ】

◎主催:大阪府関係職員労働組合・京都府職員労働組合連合
◎開催日時:2019年8月17日(土)9:30~20:00、18日(日)9:00~19:30
◎対象:大阪府・京都府内の労働組合員(36名)
◎開催地域:大阪府大阪市
◎開催形態:5つのリーダーシップを学ぶ2日間のフルワークショップ
◎実施体制:ヘッドコーチをCOJ事務局長の安谷屋、サブヘッドコーチを代表理事の室田が担当。メインコーチ6人は、「CO×関西」から3人(山口、西田、荒川)と東京から久保田が、組合員でコーチ経験者である小松、中嶌とともに担当し、初めてコーチにチャレンジする組合員6人(高橋、木守、河村、長池、越智、大久保)を引っ張った。加えて組合員ワークショップ経験者3人(樋口、中森、東)がロジスタッフとして開催を支えた。

明日からの組合活動に希望を感じる良い表情のみなさん!

◎当日の様子:
大阪府・京都府内で労働組合の活動をしている36人のみなさんが、よりよい活動にするためのヒントを得ようと、

2日間、それにしても長い…しかも分刻み!

大阪府社会福祉会館に集まりました。研修慣れしている参加者にとっても、長く、そして分刻みのスケジュールに戸惑っている様子からのスタートです。

しかし最初の演習で二人一組になり、「頭・心・手」を意識して、「質問と言い換えだけ」で「コーチング」をいざスタートすると真剣そのもの。まだイマイチどんなワークショップなのかわからないけれど、来たからには元を取ってやる!そんな気迫が会場に広がりました。
ストーリーを語って価値観を共有し、チーム構築をする。そのチームで達成したいゴールを決め、戦略を練り戦術を出し合う。その一連の講義・演習が進むうち、明らかに参加者のみなさんの表情は変化していきました。

◎2日間の参加者のみなさんの声を抜粋します:
・(ストーリー・オブ・セルフを学んで)人によって何を困難だと感じるかがこんなに違うとわかり、驚いた

困難の感じ方、違うのに驚いた

・(関係構築で)相手を知ろうとする姿勢があれば、「なぜ」「どうして」と(遠慮なく)聞ける
・エピソードはいろいろあっても、根本は共通している部分があることがわかった
・(チーム構築の過程で)ストーリーをみんなで共有して価値観を共有していたので、納得できた、進めやすかった
・(チームの共有目的の決め方について)いつもは上層部が決めることが多いので、メンバーで決められる良さは感じたが難しかった

価値観をベースに納得感を持って作り上げた

・(自分のチームのキャンペーンのキックオフイベントに誘う/誘われる練習をしてみて)自分ごととして背景を語られるとぐっとくる
・(同)やりたいことをバーッと言われて専門用語で話されるとよくわからない

何が相手の「OK」の決め手になるのか…

・(同)話の導入部分が難しいと思った
・(2日間の振り返りとして)自分のやっていることを論理的に学べた。自分の言葉で話すのは苦手だが、克服する気持ちで参加した
・(同)実際の職場で適用したときの希望が持てた
・(同)みんな価値観でつながる。日頃どう価値観を聞き出していくかが大事。違う意見が出てもそれを聞いてどうしていくかも大事だと思えた
・(同)人の話を聞くことで、自分自身の中にある、気付かない部分に刺激を受けた。持っていないようで、資源もあることを知った

時間に追われながらもひたすら聞いて話し合う

・(同)早い電車に飛び乗ってしがみついた感じ。伝えたいことにどういう言葉を使うかを考えないといけない。活動をしていて、当たり前に感じていることでも改めて共有することが大事と思った
・(同)本当に明日からこの(チームで作った)計画を立ち上げてできるかもしれないと感じた。組合で活かしたいと思った
・(同)セルフ、アス、ナウがこんなにいろいろな価値観があってこんなにパワーがあることに驚いた、。価値観を共有し行動したときのパワーが凄い。実践したいと思った。何か一つはやる!
◎さいごに
2日間のワークショップの中に「ストーリー・オブ・アス」について学ぶ時間があります。同じ価値観を共有する「私たち」の一体感を引き出し「私たちならできるよね!」と気持ちを1つにするために語るのですが、今回はこの重要さを特にご理解いただく場になったと感じています。

力強いストーリーオブアスの一体感に会場が包まれる

「私たち」が共有する経験をベースにストーリーを作りますが、組合活動における困難、働きづらい職場での困難、それらに対する怒り、何とかしなければ!という強い思いをみなさんが同じように持っているからこそ、そういう場にできたと思います。一人で抱えるだけではなく共有することが強さになるということに、希望を持ってもらえたことがとてもうれしいです。
また、複数の組合員が一緒に参加した組合では、ワークショップに参加しての振り返りを早速実施したり、実践について話を進めたりしていて、学んだだけに留まらず、みなさんの手で活用され笑顔で働く人が増えていく様子が鮮明にイメージできるワークショップになりました。
開催にご協力・ご尽力いただいたみなさん、学びきったみなさんに、心より感謝いたします。

【2:Social Change Agent養成プログラム2019「ストーリーオブセルフ」(全7回中2回目)

◎主催:Social Change Agency
◎開催日時:2019年8月24日(土)13:00~17:00
◎対象:個人の問題を社会化することを目指すソーシャルワーカー、対人援助職等24名程度
◎開催地域:東京都文京区
◎講座概要:ソーシャルワーカーが社会の構造に働きかける際のソーシャルチェンジマインドの醸成、パートナー(仲間)づくり、スキルの獲得を目的とした連続プログラムで今年度が3年目。COJは、自身のストーリー/現場での課題意識を語り、仲間を得る/問題を社会化する方法について学ぶ、ストーリー・オブ・セルフ回を担当。
◎内容:
COの歴史、事例とコンセプトの紹介
パブリック・ナラティブの紹介(人を行動に促すストーリーの語り方)
ストーリー・オブ・セルフ演習

お互いのストーリーをコーチングし合う様子

◎参加者が1日を通して学んだこと(発言内容を抜粋):
・語るための材料は自分の中にあると感じた
・人の話を聞かせてもらうことで、自分の考えがまとまり、じぶんを見つめ直すことになった
・映像が浮かぶ、ということはパワーが有る。想像できると共感しやすくなる
・共感できる共通の経験に関する話が多く、自分にひきつけて、語らなかった別のストーリーを考えるきっかけになった。

◎当日の様子:
皆さん、ご自身の動機の根源にある体験や想いについて、当時の様子やそのときの気持ちを思い出し情景豊かに語られていました。
なぜ当たり前のように思わずに、他の人を支援したり、困難に置かれた人たちのことに思いをはせたりできるのか。その動機を支える体験は一人ひとり違います。それぞれの心に灯されている火を感じ、良い1日を過ごさせていただきました。

◎実施体制:COJ理事の松澤桂子が講義とファシリテーションを担当

猛暑のため、当然屋外は立っているだけで汗が流れるような気温の中、当然クーラーの効いた部屋で実施した2つの活動報告なのですが、どちらも参加者のみなさんの熱気で、クーラーの効きを疑ってしまうこともありました。労働組合活動やソーシャルワーカーとしての活動と、コミュニティ・オーガナイジングやストーリーを語ることの親和性を特に感じる8月になりました。私たちCOJスタッフも毎回、多くの学びを得ています。

(COJ事務局長 安谷屋)